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11.決行
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コンコンコンコン!
朝食の時間になってもユリアーナの部屋の鍵がかかっているので侍従長が呼ばれ部屋の前では緊張が走っている。通常、起床時にユリアーナ自身が内側から開けておく決まりになっているからだ。
「ユリアーナ様!再三の呼びかけに応答が無いので部屋の鍵を開けさせていただきます!」
侍従長が真っ青な顔をして鍵を開けた。
「ユリアーナ様!いかがなさいましたか?!」
入って直ぐの居間からベッドルームへ通じる扉へ慌てて駆け寄りさらに扉を開けた。中に入るとベッドの天幕が降ろされていた。再びの呼びかけに応じないので勢いよく天幕を開けた。
「失礼します!」
なんと!そこには猿ぐつわをされた侍女が横たわっていた。
「おい!ユリアーナ様はどこだ!」
猿ぐつわを外された侍女が泣きながら叫ぶ。
「わ、私を縛り、、昨夜に出ていかれてました、、ウッウッ、、縄を解いて下さいませ!」
「なんだと!早くお探ししろ!神官長へご報告だ。アンドレ様がいらっしゃるまでに探せ。我々の首が飛ぶぞ!!」
「何?!」
バキッ。報告を受けたユリアーナの父である神官長は手にしていたペンを握り折った。
「はい。昨夜、部屋を警備していた者の証言では侍女が一人、出入りしたと言うのでその時にすり替わったのではないかと。」
「直ぐに探せ!怪我を負わしてもかまわん。必ず捕まえろ。ユリアーナは魔力を使えん。逃げるか隠れる位しか出来ないはずだ。」
*****
あれから2時間が経つが見つからない。屋敷や神殿でも見つけられず、こんな時に限ってアンドレがいつもより早く訪問している。
「隠し通せない、、、」
ユリアーナの父である神官長は意を決しってアンドレの部屋の扉を叩いた。
「アンドレ様。実は、、」
アンドレは事情を聞いた瞬間、グニャリと手に持つ本を強く握りしめ小刻みに揺れている。
「舐めたことを、、直ぐに私も追跡をする!」
朝食の時間になってもユリアーナの部屋の鍵がかかっているので侍従長が呼ばれ部屋の前では緊張が走っている。通常、起床時にユリアーナ自身が内側から開けておく決まりになっているからだ。
「ユリアーナ様!再三の呼びかけに応答が無いので部屋の鍵を開けさせていただきます!」
侍従長が真っ青な顔をして鍵を開けた。
「ユリアーナ様!いかがなさいましたか?!」
入って直ぐの居間からベッドルームへ通じる扉へ慌てて駆け寄りさらに扉を開けた。中に入るとベッドの天幕が降ろされていた。再びの呼びかけに応じないので勢いよく天幕を開けた。
「失礼します!」
なんと!そこには猿ぐつわをされた侍女が横たわっていた。
「おい!ユリアーナ様はどこだ!」
猿ぐつわを外された侍女が泣きながら叫ぶ。
「わ、私を縛り、、昨夜に出ていかれてました、、ウッウッ、、縄を解いて下さいませ!」
「なんだと!早くお探ししろ!神官長へご報告だ。アンドレ様がいらっしゃるまでに探せ。我々の首が飛ぶぞ!!」
「何?!」
バキッ。報告を受けたユリアーナの父である神官長は手にしていたペンを握り折った。
「はい。昨夜、部屋を警備していた者の証言では侍女が一人、出入りしたと言うのでその時にすり替わったのではないかと。」
「直ぐに探せ!怪我を負わしてもかまわん。必ず捕まえろ。ユリアーナは魔力を使えん。逃げるか隠れる位しか出来ないはずだ。」
*****
あれから2時間が経つが見つからない。屋敷や神殿でも見つけられず、こんな時に限ってアンドレがいつもより早く訪問している。
「隠し通せない、、、」
ユリアーナの父である神官長は意を決しってアンドレの部屋の扉を叩いた。
「アンドレ様。実は、、」
アンドレは事情を聞いた瞬間、グニャリと手に持つ本を強く握りしめ小刻みに揺れている。
「舐めたことを、、直ぐに私も追跡をする!」
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