9 / 15
9.ドールとの約束
しおりを挟む
ユリアーナの思った通りドールはユリアーナの話に従う事になった。身分のある者の恋は出来るだけ表に出ないようギリまで隠したい。何度、恋心を抱いた時点で潰された事だろう。
「私はこの腕輪のせいで力を封印されていて使えない。貴方にやってもらう事は3つ。ドールの魔力でこの腕輪を見えないようにしてほしい。帰ったら直ぐにプレゼントを私に届け、その中に村娘の服を紛れこませて。最後は馬と食料を村はずれに待機させて。」
「逃げるんだな。わかったが馬は難しいかもしれん。目立つからな。ロバでも良いか?」
「いいわ。無いよりマシよ。今晩、出発するわ。」
「そんなに早くずさんで無いだろうな?」
ドールは、姉のように慕うユリアーナが心配でならない。
「大丈夫!迷惑はかけない。頼んだわよ。」
「もし捕まったら、、俺を選べよ。悪いようにはしない。約束する。」
そう言うとユリアーナの手を掴んだ。いつになく真剣に詰め寄られ彼の心配の大きさが伺える。
ユリアーナは大きく首を振りながら答えた。
「私はドールには幸せになって欲しい。約束よ。帰宅後、何を聞かれても知らぬで通して。必ずよ。」
ドールは自身の右耳の飾りを外してユリアーナに渡した。
「俺の力を込めた石だ。媒体を通してなら力は使えるはず。持っておけ緊急用だ。」
2人は抱き合い別れを交わした。
その時ドールは静かに呪文を唱えた。
次の瞬間、ユリアーナの腕から腕輪が消えた。ドールが耳元で囁く。
「俺の力では外せないな。我慢してくれ。」
ユリアーナは静かに頷き、見つめ合った後、離れた所にいる監視役の存在を確認して馬を神殿へ向かわせた。
「私はこの腕輪のせいで力を封印されていて使えない。貴方にやってもらう事は3つ。ドールの魔力でこの腕輪を見えないようにしてほしい。帰ったら直ぐにプレゼントを私に届け、その中に村娘の服を紛れこませて。最後は馬と食料を村はずれに待機させて。」
「逃げるんだな。わかったが馬は難しいかもしれん。目立つからな。ロバでも良いか?」
「いいわ。無いよりマシよ。今晩、出発するわ。」
「そんなに早くずさんで無いだろうな?」
ドールは、姉のように慕うユリアーナが心配でならない。
「大丈夫!迷惑はかけない。頼んだわよ。」
「もし捕まったら、、俺を選べよ。悪いようにはしない。約束する。」
そう言うとユリアーナの手を掴んだ。いつになく真剣に詰め寄られ彼の心配の大きさが伺える。
ユリアーナは大きく首を振りながら答えた。
「私はドールには幸せになって欲しい。約束よ。帰宅後、何を聞かれても知らぬで通して。必ずよ。」
ドールは自身の右耳の飾りを外してユリアーナに渡した。
「俺の力を込めた石だ。媒体を通してなら力は使えるはず。持っておけ緊急用だ。」
2人は抱き合い別れを交わした。
その時ドールは静かに呪文を唱えた。
次の瞬間、ユリアーナの腕から腕輪が消えた。ドールが耳元で囁く。
「俺の力では外せないな。我慢してくれ。」
ユリアーナは静かに頷き、見つめ合った後、離れた所にいる監視役の存在を確認して馬を神殿へ向かわせた。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
逃げて、追われて、捕まって
あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。
この世界で王妃として生きてきた記憶。
過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。
人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。
だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。
2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ
2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。
**********お知らせ***********
2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。
それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。
ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。
私のことを嫌っている婚約者に別れを告げたら、何だか様子がおかしいのですが
雪丸
恋愛
エミリアの婚約者、クロードはいつも彼女に冷たい。
それでもクロードを慕って尽くしていたエミリアだが、クロードが男爵令嬢のミアと親しくなり始めたことで、気持ちが離れていく。
エミリアはクロードとの婚約を解消して、新しい人生を歩みたいと考える。しかし、クロードに別れを告げた途端、彼は今までと打って変わってエミリアに構うようになり……
◆エール、ブクマ等ありがとうございます!
◆小説家になろうにも投稿しております
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
“金しか生めない”錬金術師は果たして凄いのだろうか
まにぃ
ファンタジー
錬金術師の名家の生まれにして、最も成功したであろう人。
しかし、彼は”金以外は生み出せない”と言う特異性を持っていた。
〔成功者〕なのか、〔失敗者〕なのか。
その周りで起こる出来事が、彼を変えて行く。
聖女の孫だけど冒険者になるよ!
春野こもも
ファンタジー
森の奥で元聖女の祖母と暮らすセシルは幼い頃から剣と魔法を教え込まれる。それに加えて彼女は精霊の力を使いこなすことができた。
12才にった彼女は生き別れた祖父を探すために旅立つ。そして冒険者となりその能力を生かしてギルドの依頼を難なくこなしていく。
ある依頼でセシルの前に現れた黒髪の青年は非常に高い戦闘力を持っていた。なんと彼は勇者とともに召喚された異世界人だった。そして2人はチームを組むことになる。
基本冒険ファンタジーですが終盤恋愛要素が入ってきます。
宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました
悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。
クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。
婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。
そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。
そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯
王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。
シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯
【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った
五色ひわ
恋愛
辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。真実を確かめるため、アメリアは3年ぶりに王都へと旅立った。
※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話
美少女に転生して料理して生きてくことになりました。
ゆーぞー
ファンタジー
田中真理子32歳、独身、失業中。
飲めないお酒を飲んでぶったおれた。
気がついたらマリアンヌという12歳の美少女になっていた。
その世界は加護を受けた人間しか料理をすることができない世界だった
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる