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6. 侯爵家の次男アンドレと顔合わせ
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翌日、ユリアーナは、朝からイライラしていた。今日は侯爵家の次男アンドレと顔合わせだ。彼は、俺様気質で傲慢で会う度にユリアーナをイライラさせる。
「アンドレが来るまで一人にしてと言ってるじゃない。下がりなさない。」
「いえ、神官長様から片時と離れるなとご指示です。ご勘弁を。」
警備方と侍女が絶えず側に居るので更にユリアーナは苛立っていた。
そこへ父である神官長がやって来た。
「アンドレ殿がお好きな赤のドレスがよく似合っておるぞ。仕上げはこれだ。」
そう言うとユリアーナの腕をつかんだ。
つかさず共の者がシルバーに輝く鍵付の腕輪をはめた。
これは力封じの腕輪をだった。
「結婚式までは外さぬからな。ふん!お前の覚悟とやらを見せてもらおう。」
ユリアーナははめられた金属から目が離せない。
「こ、これは、、、お父様!ここまでなさるのですか!」
神官長はニヤリと笑い「約束を守れ」とだけ告げて出て行った。
(何て事を!
これじゃ力が使えないじゃない、、、
腹立ただしいわ。
この派手なドレスも気分をイラつかせる。今から会うアンドレも大嫌い!)
腕輪がある限り力は使えない。こうなると逃る道を絶たれたのも同じだ。
コンコンコン
ノックの音で振り返るとアンドレが大きな花束を持って入って来た。御供の者は沢山のプレゼントを抱えている。
ユリアーナが好みそうな宝石やお菓子を持参したのだ。
「ユリアーナ、今日も美しい。夫婦になれば俺が更に美しくしてやろう。」
そう言うとユリアーナの長い髪を一房掴み口づけた。
(!!キモっ!)
心の声がただ漏れな目つきでアンドレを睨み付ける。
アンドレは、全く気にせずプレゼントのネックレスを箱から出し、ユリアーナの首元に巻きつけようとする。
「髪が邪魔だ。なんとかしろ。」
ユリアーナが片側に髪をまとめたら早速ネックレスを巻き付けた。
(うっうっ、、彼の手が触れるし息もかかり気持ち悪いわ。最悪!)
その時、アンドレが耳元で囁いた。
「よく似合っているぞ。」
その瞬間、ユリアーナはバッと耳に手を当て飛び退いた。
(!!)
「ハッハッハッ、そう怯えずとも来月には夫婦になるのだ。早く俺に慣れろ。」
見開いた瞳がアンドレを凝視している。
(嫌だ!嫌だ!嫌だ!)
席を立つことも許されないので、ただ苦痛な時間を過ごした。
「では、3日後に会おう。虫には気を付けろよ。」
そう言うとユリアーナの頬にキスをした。
唐突の行動にユリアーナは固まってしまった。
バタンとドアの音で正気に戻ったユリアーナは、側にあった花瓶を力任せにドアへ投げつけた。
「ユリアーナ様!何を、、」
後の言葉を待たずにユリアーナは自室へ向かって飛び出した。
「アンドレが来るまで一人にしてと言ってるじゃない。下がりなさない。」
「いえ、神官長様から片時と離れるなとご指示です。ご勘弁を。」
警備方と侍女が絶えず側に居るので更にユリアーナは苛立っていた。
そこへ父である神官長がやって来た。
「アンドレ殿がお好きな赤のドレスがよく似合っておるぞ。仕上げはこれだ。」
そう言うとユリアーナの腕をつかんだ。
つかさず共の者がシルバーに輝く鍵付の腕輪をはめた。
これは力封じの腕輪をだった。
「結婚式までは外さぬからな。ふん!お前の覚悟とやらを見せてもらおう。」
ユリアーナははめられた金属から目が離せない。
「こ、これは、、、お父様!ここまでなさるのですか!」
神官長はニヤリと笑い「約束を守れ」とだけ告げて出て行った。
(何て事を!
これじゃ力が使えないじゃない、、、
腹立ただしいわ。
この派手なドレスも気分をイラつかせる。今から会うアンドレも大嫌い!)
腕輪がある限り力は使えない。こうなると逃る道を絶たれたのも同じだ。
コンコンコン
ノックの音で振り返るとアンドレが大きな花束を持って入って来た。御供の者は沢山のプレゼントを抱えている。
ユリアーナが好みそうな宝石やお菓子を持参したのだ。
「ユリアーナ、今日も美しい。夫婦になれば俺が更に美しくしてやろう。」
そう言うとユリアーナの長い髪を一房掴み口づけた。
(!!キモっ!)
心の声がただ漏れな目つきでアンドレを睨み付ける。
アンドレは、全く気にせずプレゼントのネックレスを箱から出し、ユリアーナの首元に巻きつけようとする。
「髪が邪魔だ。なんとかしろ。」
ユリアーナが片側に髪をまとめたら早速ネックレスを巻き付けた。
(うっうっ、、彼の手が触れるし息もかかり気持ち悪いわ。最悪!)
その時、アンドレが耳元で囁いた。
「よく似合っているぞ。」
その瞬間、ユリアーナはバッと耳に手を当て飛び退いた。
(!!)
「ハッハッハッ、そう怯えずとも来月には夫婦になるのだ。早く俺に慣れろ。」
見開いた瞳がアンドレを凝視している。
(嫌だ!嫌だ!嫌だ!)
席を立つことも許されないので、ただ苦痛な時間を過ごした。
「では、3日後に会おう。虫には気を付けろよ。」
そう言うとユリアーナの頬にキスをした。
唐突の行動にユリアーナは固まってしまった。
バタンとドアの音で正気に戻ったユリアーナは、側にあった花瓶を力任せにドアへ投げつけた。
「ユリアーナ様!何を、、」
後の言葉を待たずにユリアーナは自室へ向かって飛び出した。
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