7 / 30
1年に1度の異世界訪問
しおりを挟む
今日は、異世界人の妻ケイコの付き添いで異世界に来ている。
彼女は子供達と一年に一度会う約束があるからだ。
二つの世界を行き来出来る道があるが、一歩間違えればおかしな場所に出てしまう。
そんな不安定な道に1人で行かせる訳にはいかない。
「マーベリック、私は1人で行けるわよ。貴方は忙しいからお休みが取れないでしょ?」
付いて来なくていい。と言うのをサラリと「大丈夫だ。問題無い。」と、笑顔で嘘をつき元自宅までついてきた。
打ち合わせ通りここからは別行動だ。
俺の世界と違ってここは平和だし彼女には慣れ親しんだ所だから安全だろう。
「じゃー18時頃に迎えにくる。大人しくしておけよ。」
別れ際、元夫君の前で別れの口づけをする。ケイコは慌てて、
「皆んなの前で何をするの。」
と照れて怒ったけれど、コレ位のけん制は許してくれ。
元夫君からケイコを奪った形になってしまってるが、全く返すつもりも無いし、割り込む期待を持たせるつもりも無い。
勿論、「俺の女だ。」と迎えに行った時も見せつけてやろう。
彼女と離れてる間は、ケイコから頼まれた買い物をする為、街を探索をする。
買い物リストを取り出す。
防災グッズ売り場へ行き、非常用太陽光発電機、センサーライト、ランタンを買う事、とある。
うーむ、どれも灯りのようだ。
気の強い割には夜の闇を怖がっているからな。
この世界は何処も明るい。部屋の中は昼間のように明るいし、夜中もあらゆる道に灯りがともされ続け道を照らしている。
まさに光の王国だ。
それに慣れ親しんできたんだ。仕方がないだろう。
金なら前に宝石を売った時の残りがたんまりある。ついでに俺も何か買ってみるとするか。
何やら甘い香りがしている。
釣られて行くと、魚の形の菓子のようだ。
「一つづつくれ。」
温かい魚の菓子を頭からかぶりつく。
煮た甘い黒い豆が入っていた。
2つ目は、ケイコが作るカスタードクリームだった。
何故、お菓子なのに食事で食べる魚の形なのか不思議だ。
この世界ではおやつに魚を食べるのかもしれんな。
隣の店では、ケイコがよく作ってくれるクレープが売っていた。
1番目立つ絵のモノを頼む。
美味い!!
こんな美味いものが簡単に食べられるなんて、何て幸せな世界なんだ。
俺の世界には、甘い菓子の種類は限られている。
科学文明もだが菓子文明も大変興味深いな。
これは新たな探索の楽しみが出来たぞ。
ちょっと回ってみるとするか。
迎えの時、また元夫君の前でケイコの腰に手を回し頬に手を添えキスをする。
「だから!ダメだって!」
照れた顔で俺を振り解く彼女は変わらず可愛い。
今日は彼女は子供達に会う為。
俺は元夫君に手放す気はないぞ。とアピールの為の日だ。
目的が果たせて気分が良い。
「では、また一年後にね!」
彼女が明るく別れを告げる。
まるで、ちょっと離れた遠い所に住んでいる。みたいに。
もしかして、そんな気持ちになったのかもしれん。
この世界には2度と帰れないと悲壮に暮れていた時が嘘のようだ。
俺は道は、いずれ消えるのでは?と考えている。
だが、今、話さなくて良い事だ。
彼女と一緒に行って帰る。
途中、道に迷っても一緒に迷えば何とかする。
俺が守るから。
だから俺の側を離れるなよ。
彼女は子供達と一年に一度会う約束があるからだ。
二つの世界を行き来出来る道があるが、一歩間違えればおかしな場所に出てしまう。
そんな不安定な道に1人で行かせる訳にはいかない。
「マーベリック、私は1人で行けるわよ。貴方は忙しいからお休みが取れないでしょ?」
付いて来なくていい。と言うのをサラリと「大丈夫だ。問題無い。」と、笑顔で嘘をつき元自宅までついてきた。
打ち合わせ通りここからは別行動だ。
俺の世界と違ってここは平和だし彼女には慣れ親しんだ所だから安全だろう。
「じゃー18時頃に迎えにくる。大人しくしておけよ。」
別れ際、元夫君の前で別れの口づけをする。ケイコは慌てて、
「皆んなの前で何をするの。」
と照れて怒ったけれど、コレ位のけん制は許してくれ。
元夫君からケイコを奪った形になってしまってるが、全く返すつもりも無いし、割り込む期待を持たせるつもりも無い。
勿論、「俺の女だ。」と迎えに行った時も見せつけてやろう。
彼女と離れてる間は、ケイコから頼まれた買い物をする為、街を探索をする。
買い物リストを取り出す。
防災グッズ売り場へ行き、非常用太陽光発電機、センサーライト、ランタンを買う事、とある。
うーむ、どれも灯りのようだ。
気の強い割には夜の闇を怖がっているからな。
この世界は何処も明るい。部屋の中は昼間のように明るいし、夜中もあらゆる道に灯りがともされ続け道を照らしている。
まさに光の王国だ。
それに慣れ親しんできたんだ。仕方がないだろう。
金なら前に宝石を売った時の残りがたんまりある。ついでに俺も何か買ってみるとするか。
何やら甘い香りがしている。
釣られて行くと、魚の形の菓子のようだ。
「一つづつくれ。」
温かい魚の菓子を頭からかぶりつく。
煮た甘い黒い豆が入っていた。
2つ目は、ケイコが作るカスタードクリームだった。
何故、お菓子なのに食事で食べる魚の形なのか不思議だ。
この世界ではおやつに魚を食べるのかもしれんな。
隣の店では、ケイコがよく作ってくれるクレープが売っていた。
1番目立つ絵のモノを頼む。
美味い!!
こんな美味いものが簡単に食べられるなんて、何て幸せな世界なんだ。
俺の世界には、甘い菓子の種類は限られている。
科学文明もだが菓子文明も大変興味深いな。
これは新たな探索の楽しみが出来たぞ。
ちょっと回ってみるとするか。
迎えの時、また元夫君の前でケイコの腰に手を回し頬に手を添えキスをする。
「だから!ダメだって!」
照れた顔で俺を振り解く彼女は変わらず可愛い。
今日は彼女は子供達に会う為。
俺は元夫君に手放す気はないぞ。とアピールの為の日だ。
目的が果たせて気分が良い。
「では、また一年後にね!」
彼女が明るく別れを告げる。
まるで、ちょっと離れた遠い所に住んでいる。みたいに。
もしかして、そんな気持ちになったのかもしれん。
この世界には2度と帰れないと悲壮に暮れていた時が嘘のようだ。
俺は道は、いずれ消えるのでは?と考えている。
だが、今、話さなくて良い事だ。
彼女と一緒に行って帰る。
途中、道に迷っても一緒に迷えば何とかする。
俺が守るから。
だから俺の側を離れるなよ。
0
お気に入りに追加
55
あなたにおすすめの小説
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
W-score
フロイライン
恋愛
男に負けじと人生を仕事に捧げてきた山本 香菜子は、ゆとり世代の代表格のような新入社員である新開 優斗とペアを組まされる。
優斗のあまりのだらしなさと考えの甘さに、閉口する香菜子だったが…
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた
狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている
いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった
そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた
しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた
当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった
この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。
【書籍化確定、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる