猫が導く異世界。珍獣扱いはウンザリです！

23.王都の街の家

今日から玲奈の王都の街での暮らしが始まった。貴族からの批判回避と玲奈の静養の為だ。
親しい侍女のルーシィとベスが住み込みで、貴人専属騎士団から5人が交代で宿泊をして警護をする事になった。新しく執事のセバスチャン、下働きの者が新たに雇われた。

「私、ずっと町で暮らしたかったの。皆さんには申し訳ないんだけど。」

玲奈貴人専属貴人隊長のトールが皆んなを代表して笑顔で答えた。

「我々はいつでも貴方の味方です。失礼ながら今からは、玲奈様とお呼びします。貴人は目立ちますから。我々の事も称号は抜きでお願いしますね。」

ずっと身の回りの世話をしてきたルーシーは、玲奈が城での窮屈な生活に疲れているのをずっと見てきた。玲奈を気遣い和やかに言った。

「玲奈様。今日からは、家庭教師が来られる時以外はお好きに自由に過ごして下さいね。」

「本当に？自由に？じゃあ庭に花を植えたいです。一度ガーデニングをやってみたかったの。」

好きに過ごせる。その言葉に玲奈の顔は久しぶりの晴れやかな笑顔になった。