猫が導く異世界。珍獣扱いはウンザリです！

13.王との謁見

王城の謁見の間。
ライドウッド国王の元でコウライ国王子オウ・リュウキと官位一位のリョク・モウタとの謁見が開かれた。

「ようこそ来られたと、言いたいところだが隠密で入国した事は感心をしない。だが、玲奈貴人を助けた事は礼を言う。助かったぞ。」

「申し訳ありません。我が父であるコウライ王の指示で参りました。どうぞ親書でございます。」

リュウキは懐から親書を出すとかしずいた。

「ふん！オウ・セイリュウは相変わらず公式ルートが嫌いの様だな。」

王はギロリと睨むと乱暴に封を開き目を通した。

「なる程。まずは隠密での入国した事を許そう。そして、アイツが頭を下げて頼んできた玲奈貴人の貴国へ外遊の件だが、貴重な貴人だ。許すはずがなかろう。」

王はニコリもせずリュウキの目を射るように見つめた。リュウキもそらす事が無く真剣な眼差しを返している。

「フン！かなり深刻そうだな。」

「はい。度重なる天災に民の士気は低下しております。先程、玲奈貴人が助けた御礼をしたいと申されたので、私からも我が国への来国を希望しました。どうぞ御許可を頂きたたく思います。」

「ハハハッ！隠密で入国した者が言う言葉か？そんな所はライコウ王そっくりだな。」

「恐れ入ります。」

「我らの友情は不変だ。
だが、この事は許可できん。諦められよ。」

「どうか御許可を！」

リュウキは深々と頭を下げた。

「却下だ。本日の滞在を許可する。明日の朝は帰国されよ。以上だ。」

リュウキは悔しそうに床を睨みつけて拳を握りしめた。

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