猫が導く異世界。珍獣扱いはウンザリです！

2.謎の男達

やはり小道の先は明るく開けていた。
どこかの中庭のようだ。
猫の後を追うと、石の建物の物陰に男の人が倒れていた。

「大丈夫ですか？どうしました？」

驚いて声をかけると男の人は弱々しく立ち上がろうとしながら

「か、隠れろ。早く、、」

と呟いた。フラついていたので肩を貸すとズシリと重たい。
石造りの建物のドアには鍵がかかっており入れない。
どうしようと辺りを見回した。

「そうだ！」

私は紫陽花をかき分けて花の裏側へ分け入った。
花の裏側は、壁際に少し空洞になっていた。紫陽花は、葉や花が大きく茂るので小道からは花が咲き乱た様子にしか見えない。
子供の頃は「隠れんぼう」でよく隠れたものだ。
間もなく、複数の男達の話し声が聞こえた。

「俺はこの小道の先を確認する。お前達は、建物周辺を調べよ。」

目の前から声が消えた。
ジッと聞き耳を立てながら私が肩を貸す男性をると顔色が悪く体が熱い。閉じた目の上の眉間にシワが寄っている。

「いたか？こっちは行き止まりだった。屋敷の外に逃げたようだな。急げ！行くぞ！」

そう言うと一同は走り去って行った。