恋人は異世界人！召喚に巻き込まれ住む事になりました

15.放っておいて！

部屋に戻り人払いをしてベッドに倒れ込むと自然と涙が溢れてきた。

貴族なんだもん、義務に従って婚姻を結ぶのは当然の事。そうやって家を繁栄させていくんだってわかっている。だからこそ私はここを去った。

それなのに子供を、、グリーンベルトを助けるのに連絡を取ってしまった。ここへ連れ戻される可能性も覚悟はしていたけれど、まさか妻公認の愛人になってたなんて！

その時、続き間のアルバイト側のドアからノックの音がした。

「ハルナ、俺だ。入るぞ？」

その声に思わず背を向けた。彼は返事を待たずに入って来るとギッと抱きしめてきた。

「ハルナ、、すまない。どうかわかってくれ。頼む。」

耳元で囁き肩に顔を埋められると複雑な思いがグルグルとする。

「アル、ごめん、ちょっと待って。頭を整理させて。」

「必要無い。このまま受け入れてくれ。そうすれば俺達は何も変わらない。今のままだ。」

「今のまま？！そんなわけないじゃない！マリーローズにいずれ子供が出来るでしょ？お家騒動になるのが目に見えているじゃないの。そんなの嫌よ。私達は静かに生きたいの！」

「マリーローズとは契約結婚で彼女を抱くのは領地視察に帰る年に2回だけだ。愛人を持つ事もその子供を後継にする事も了承済みなんだ。だから何も問題無い。もう泣かないでくれ。ハルナ、頼む。受け入れてくれ。」

「お願い、出て行って！」

私の頼みを無視してアルベルトがベットに押し倒すとキスをしてきた。

ああ、こんななだめるようにキスを降らせるなんてズルい。私がアルの事を愛してるのを知っていて抗えないようにして来る。

もう頭の中がぐちゃぐちゃで整理できない。どうして上手く行かないんだろ。