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1.素敵な彼

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アルベルト・ギャンダー28歳。
高身長で赤髪に緑の瞳をもつキリッとした美男子。長期ホテル暮らしの画家なのに服の上からもわかる鍛えられた身体。

そんな目立つ彼とは、私のドシがきっかけで半年前に知り合った。

帰宅ラッシュの駅前、私は人にぶつかられて持っていたコーヒーを前を歩く彼の背中にぶちまけてしまったのだ。近くの店でご飯を食べてもらいその間、上着をクリーニングに出して合流した。

その時の会話で彼が武道に興味があり習いたいと聞き、その手伝いをきっかけで友達となった。今では週3ご飯を共にし、週末は、ほぼいつも一緒に出掛けている。

彼は見た目は、少しおっかないけれど硬派で優しく日本文化に興味深々で話は尽きない。

そして、平凡な私、田中 春奈、21歳の社会人が今から無謀にも人生初めての告白を彼にしようと思う。

「アル、あのね、、、、。」

ああ、恥ずかしい。けど顔を上げて頑張れ私!

「好きです。恋人になってくれないかな?」

「!」

ああ、この固い表情。初めて会った時の警戒した顔だ。終わった、、、。

「ハルナ、俺がこの国の人間じゃないのは知ってるだろ?別れが見えているのに付き合うと今より辛いぞ。」

「私ね、今の関係も辛いの。だから無理ならもう会うのもやめるつもり。だからハッキリ言って。」

頑張って笑顔を作り言うとその言葉にアルの眉が上がった。

「会わない、、だと?」

「うん。わかってね。」

アルはジッと自分の足元を見つめると深呼吸をしてやっと私と視線を合わせた。

「わかった。では俺ももう我慢しない。俺から申込みたい。どうか恋人になってほしい。」

そう言うとグイッと、抱きしめられた。
夢見たいな瞬間。彼が抱きしめたままで耳元で囁いた。

「ハルナ、好きだ。もう愛を隠さないから。」

何これ?!この甘い囁き!嬉しいを通り越して恥ずかしい。

「もっと触れても?」

軽く頷くと彼が身を屈めて唇が重ねられた。

それから私の家で同棲が始まり毎日が幸せだった。

「ハルナ、これプレゼントなんだ。」

「わぁ!アル、ありがとう。何かな?」

ラッピングを開けると彼の瞳の色と同じ緑の石が付いたネックレスだった。

「俺の国では恋人へ自分の瞳の色の宝石を贈るんだ。だからいつも身につけておいてくれ。」

いつも彼がそばに居るような安心感を得る事ができて毎日、身につけている。

私も彼に思いを形にしたくって、私の瞳の色に近いブラックダイヤモンドをプレゼントをした。
本当は、真っ黒な石だけど、装飾品となると輝きがあった方が良いでしょ?

幸せいっぱいのそんな時、玄関でいつもの「行ってらしゃい」のキスをしていると、突然辺りが光に包まれ気がつくと見知らず部屋の魔法陣の上に立っていた。




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