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6.魔女イーダの使い

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今日はとうとう祐介に誘われるまま社にやって来た。

「やっとルーちゃんの魔法が見れるんだね。楽しみだよ。」

「上手く出来るか自信がないわ。」

ニッコリと笑ってはいるもののルーシィメイは気が重かった。
社に続く長い階段を登りながらやり切れない気持ちになっていった。
もし、魔法が完全回復していたら、、、わたしはどうするだろう?
直ぐに帰る?
運命の人に会ったのに?

社に着くと見事な海色の羽の鳥が脇の茂みから出てきた。

(あれは!魔女イーダの使い鳥)

使い鳥はルーシィメイの肩に乗り声を発した。

「ルーシィメイ様、ご無事ですか?お探ししました。遅くなり申し訳ありません。」

「ええ。無事にこの国の者に手厚く保護されているわ。お前こそ随分時間がかかったのね。」

「申し訳ございません。姫様は随分と遠くに飛ばされておいでです。どうやら私達の世界の扉を越えてられまして、、、
おそらく姫様の力では戻れないでしょう。」

「戻れない?そんな、、、」

ルーシィメイはあまりの事にその場に膝をついた。目から大粒の涙が溢れおちてい。
肩の使い鳥が羽ばたき地面に着地して話を続ける。

「今、国中の魔法使いを集めております。魔法陣ができ次第、召喚しますから、そのおつもりで。それまでご無事でお過ごし下さいませ。」

「わかったわ。お父様やお母様、皆んなに心配無いと伝えて。イーダ、待っているわ。」

使い鳥は頷くとその姿を透明の姿に変えると形が壊れて水になり地面に染み込んで消えた。
黙って事の成り行きを見守っていた祐介がルーシィメイに駆け寄り手を差し伸べた。

「大丈夫?何から驚けばよいのか、、」

「ごめんなさい。今日は、もう帰りましょう。考えたい事があるから。」

「ああ。そうだね。歩ける?」

その後、喫茶店まで歩いて帰ってきたが上の空で、気がつけば祐介と別れの挨拶をしていた。
元気のないルーシィメイを気にかけて春恵と夏海の親子が声をかけるとそのまま泣き出してしまった。
事の成り行きを説明が終わる事には出かけていた宗次郎も加わり、沈んだ雰囲気に包まれた。

「まぁーあれだ。ルーちゃんの国の人と連絡が取れて一安心だったね。焦らずゆっくりここで待てばいいからね。」

「でも、、帰れないかもしれないって、、」

ルーシィメイの涙は止まらない。

「何か解決策があるよ。一緒に探していこうよ。1人じゃないからね。」

夏海がそう言って抱きしめてくれた。
そう1人ぼっちじゃない。この人達のおかげで穏やかに過ごせていた。

「うん。ありがとう。本当にありがとう。」

泣いていても何も変わらない。心からこの家の人達に感謝したルーシィメイだった。
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