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王室騎士団総団長マーベリックとケイコの婚約

13.お店が大繁盛の代償

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次の日、ケイコは、朝食が済むとマリアンヌに自宅に戻ると挨拶をした。

「貴族がクッキーを買いに来るから帰る?身体が優先だよ。無視なさい。」

止められたけど、きしむ身体を振い起こして自宅兼店舗に戻った。

本当は休みにしたかったけれど、折角、買いに来た人を残念な思いにさせたく無かった。今日は忙しくなるだろう。
クッキーはレシピを守る為に1人で焼き上げまでしているので開店までにより多く作らなければならなかった。
出勤してきた売り子のルーシィが慌てている。

「外にオープン待ちの凄い行列が出来てますよ!あんなにどうしましょう、、」

慌てて小窓から覗くと50メートル位の列が出来ていた。

「!!!
ルーシィ、5人位、売り子の応援を呼んでこれる?」

「直ぐに連れてきます!」

その間、クッキーを焼いて焼いて焼きまくる。応援を連れてきたルーシィは袋詰めに専任だ。

思ったとおり、オープンと共に貴族の使いの者が押し寄せる。1人3袋迄と制限をかけたが、飛ぶように売れていく。
昨日の夜会での評判で火がついたようだ。

「フゥー、予想以上の事になったわね。」

列は短くなりご近所への迷惑にならない程度になったが、お昼になっても客足は止まらず、ルーシィ達には交代で休憩させたがケイコは作りっぱなしだ。
閉店に向けて人数制限をしてやっと閉店が出来たのは夜の7時過ぎだった。
いつもなら作った物を売り切る形なので昼頃に閉店なので、今日は大混雑だった。

「皆んな頑張ってくれて助かりました。遅くなってごめんなさいね。」

そう言うと、1人づつに今日の賃金を予定よりかなり多く与え帰らせた。
ケイコはやっとまともに椅子に座われた。

「あっー疲れた。痛たっ足が、、」

靴を脱ぐと水膨れが潰れて血がにじんでいた。無理をし過ぎたようだ。
薬を塗らないと、と立ち上がった時、グニャリと景色が揺らぎ床に倒れてしまった。起き上がろうとしても身体が言う事を聞かない。そして、意識を失った。

城下町は、騎士ひきいる警備隊が定期的に見回りをしているが、人通りが無い深夜も防災や警備の為に行われている。

「おや?あの店は、まだ明かりがついてるぞ。」

「珍しいな。どうしたんだろう?」

騎士達が近くとそこは、顔馴染みのケイコの店舗だった。彼女の警備についたこともあるし騎士団総団長へ差入れの大量のクッキーを持って来てくれるので顔見知りだ。いつもお裾分けを頂いている。
誰もいない店舗と奥のキッチンも明かりがついている。

「消し忘れかな?」

と騎士がドアに手をかけると扉が開く。
「無用心だな。」と注意をしようと中に入り声をかけるが誰も出てこない。

「おかしい。」

さらに奥のキッチンを覗くとケイコが倒れていた。

「ケイコ!ケイコ!起きて下さい!どうしたんですか?」

うっすらと目が開き再び眠りについてしまった。

「急いで医師と総団長に御連絡をしてくれ!」





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