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5.真夜中のお客さん

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暁月神社を出発をすると霧で視界が悪い。トロトロと走る事1時間。

やっと予約を入れていた民宿に到着した。事前に伝えていた時間より遅れたが食事の予約時間には間に合った。

さっきからピリピリしている良太の気持ちをなだめるように話しかけた。

「やれやれだな。何とか間に合ってよかったよな。」

「イイヤ、アウトでしょ。本来ならゆったりと風呂に浸かってから夕食の予定だったからな。」

うーん、こりゃかなりのピリピリだ。直ぐ機嫌は治らないだろうな。ま、コイツは単純だから飯を食べれば直ぐ良くなるさ。

食事までの短い時でサッと風呂に入ると良太も落ち着いたようだった。お膳が揃い地元の美味い酒で乾杯をした時だった。

「なんかさ、、今日は、トラブルが続くよな。」

「ん?なんかあったっけ?」

「あったさ!道路でさ、死体ばかり見たろ?おかしくね?」

確かに。神社からここに来る間にもシカの死体を見たので合計4匹の死体に遭遇したが、それが多いか少ないかわからない。どうやら良太のピリピリの原因は動物の死体だったのか。

「そんなん田舎じゃよくある事じゃん。気にしすぎだよ。」

「オレは今日ほどオマエの不感症が羨ましい日はない!」

そう言ってコップ酒をクビっと飲みほした。

「そうだろ?羨ましいだろ?さあ、飲めば気分も晴れるぞ。飲んだのんだ。」

「よし!飲むぞ~」

料理は美味くてボリュームがあって、地酒も最高!ルート的にちょっと遠いなと思ったけど、安くて美味い星5つの宿は大正解だった。

大学でもいつも一緒なのに良太とは馬が合うのか話が尽きない。最後は酔った良太が告白予定の桃ちゃんへの愛をたっぷりとノロけお開きとなった。

2人は肩を組み、畳に用意されていた布団に雪崩込み眠りについた。

どれ程眠った頃だろうか?良太の寝相が悪くそれが重たい。良太の方が俺より背もガタイもよく圧迫感を感じてしまう。

「重たい。あっち行けよ。」

良太には悪いが思いっきり払い除けてやった。俺は眠たいんだ。一日中運転してヘトヘトで酔いもあってとにかく眠りたいんだ。

翌朝はスマホのタイマーの音に起こされた。

「おはよう。良太。6時半だぞ。」

「うーん。もうちょい寝かせてくれ。」

「何言ってるんだ。7時から朝ごはんだろ?」

「ふぁ~寝不足だわ。昨夜は飲み過ぎて夜中に吐いてたんだ。あんまりいらんかも。」

「起こしてくれたら介抱したのにさ。」

「お前、ぐっすり寝てたしトイレまで聞こえる寝言で怒っていたしそっとしておいた。」

「何だよそれ。」

「重たい、あっち行けって怒ってたぞ。」

「えっ?あれオマエだろ?俺の上に乗って重たいから払い除けただろ?」

「俺がトイレにいる時にお前の声が聞こえたぞ。まさか、、、お前、それはあれだ、、、お客さんが来てたんだな。」

「オイオイ、冗談はやめろよ。」

良太にしたら珍しい冗談だ。朝から俺をからかって何が面白いんだ。
腹いせに今日はバッチリお前に運転させてやるぞ。




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