Garden Girls〜箱庭の守り人〜

姫乃

文字の大きさ
上 下
3 / 6
第一章《吸血姫と機械の侍娘》

第二話 出会い

しおりを挟む
「ふんふふ~ん♪」
今日の私はとっても気分がいい。
なぜなら、何かはわかんないけど何かに出会う気がする!
「そこのお嬢さん」
「ん?」
私がスキップしながら歩いていると路地裏から声が、かけられた。
「貴方です。貴方」
私が反応しなかったからか声の主は少し強めに私を呼ぶ。
「何?」
声の方を見るとボロボロの布をマントのように着た痩せこけた男が裏路地にいた。
「実は少しお願いが御座いまして。此方に来て頂けませんか?」
「はいはーい」
私は軽く返事をして男について行く。
無警戒とかって思われがちだけど、実際何があったとしてもなんとかなる。私Sランク冒険者だし。
「此方にお掛け下さい」
着いた場所はテーブルと椅子が置かれた小さな集会場みたいな所だった。
「実はここの王城の地下に宝が御座いまして、それを取ってきて頂きたいのです」
宝物か~。私、トレジャーハンターとかじゃないしな~。
「あぁ、宝と言っても物ではなく人です」
適当に聞き流そうと思っていたらとんでもない言葉が出てきた。
「人が宝って何さ」
人を物みたいに言う男が許せなくて、少し威圧しながら言葉をで返す。
「宝のような御方なのです。どうかお願いできますか?」
突然の威圧感に驚いたのか、男が私に土下座して言ってきた。
あ~。そういうタイプか。こういうのってめんどいんだよね。
まぁ、私の探している人かもしれないから行くけどね。
「はぁ、わかった。その依頼受けるよ」
私が威圧をやめながらため息混じりに言うと、男は涙を流しながらお礼を言ってきた。
まぁ、違ったらこいつに渡せばいいや。一応大切な人みたいだし。そう思い準備のために広場から出ようとすると男が小さな声で言ってきた。
「それともう1つあるのですが・・・」
「・・・何さ」
私は不機嫌そうに返事をすると男は少し怯えながらも
「じ、実は彼女はと、とある理由で人を信用出来ない状態にあ、ありません。な、なのでき、気おつけてください···」
「うっわぁ・・・」
何それ。面倒い。
何があればそんなふうになんのよ?
・・・でも、200も経ってるなら変わっていてもおかしくないか。



私は男と別れた後、すぐ王城に向かった。
「確かここに・・・あった、あった」
男から地下に入る方法を教えって貰っていたため、楽に侵入することが出来た。別段、こんな所教えてもらわなくても城の近くにでっかい穴空けるつもりなんだけど、それ言ったら必死に、「やめてください!」って言われて止められたよ。
「よっ・・・と。うわぁ・・・」
地下室は暗く、まるで迷路の様な複雑な造りだった。
これ探すの面倒い。あんまり使いたくないけど・・・使うか。
「【唯月機構参式・探索眼ユヅキきこうさんしき・サーチアイ】」
私の左目にライフル銃のスコープの様な標準が
私も普通の人間では無いがこの話はまた今度でいいだろう。
っと・・・危ない危ない、余計なこと考えて見逃す所だった。
「みーつっけた♪」
ここから少し離れた所に大きな魔力反応があった。
てか、この反応大きくない?こんな反応2回しか見たことないんだけど。
とりあえず行って見るか。
「お宝さんは~♪こっこかな~♪」
この時私は不思議と足が軽かった。
先程まで面倒な依頼を受けたと後悔していたはずなのに。私の直感がこの先にいる人物こそが探し人だと告げる。
そして私は出会った。
何よりも大切な仲間となる少女と・・・。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

旦那様には愛人がいますが気にしません。

りつ
恋愛
 イレーナの夫には愛人がいた。名はマリアンヌ。子どものように可愛らしい彼女のお腹にはすでに子どもまでいた。けれどイレーナは別に気にしなかった。彼女は子どもが嫌いだったから。 ※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました。

それぞれのその後

京佳
恋愛
婚約者の裏切りから始まるそれぞれのその後のお話し。 ざまぁ ゆるゆる設定

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?

シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。 クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。 貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ? 魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。 ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。 私の生活を邪魔をするなら潰すわよ? 1月5日 誤字脱字修正 54話 ★━戦闘シーンや猟奇的発言あり 流血シーンあり。 魔法・魔物あり。 ざぁま薄め。 恋愛要素あり。

初恋の相手と結ばれて幸せですか?

豆狸
恋愛
その日、学園に現れた転校生は私の婚約者の幼馴染で──初恋の相手でした。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

王が気づいたのはあれから十年後

基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。 妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。 仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。 側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。 王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。 王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。 新たな国王の誕生だった。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

処理中です...