15 / 24
雨の日の怪
14話:雨でも出掛ける
しおりを挟む
遊園地で楽しんだあの日、そこから数日経った。赤いメモ帳にはには『3月31日、信濃路達と遊ぶ』と書いてある。
雨は窓を激しく叩く。少し窓を開けていたので肌寒い。わかりやすい悪天候だ。
まあ昨日の天気予報通りだけどね。
ほとんどの人はこんな天気に外出は控えるだろうけど、私は出る。
信濃路の家で遊ぶという、重大な約束は守るためにな。
私は起きた後、部屋にあったパンを食べた。そしてリビングへと直行した。逆音にあいさつをするためだ。
青の寝巻きの逆音《さかね》のとなりに、赤の寝巻きの私が座る。
「おはよう! 今日もいい日にしようね!」
「綾ちゃん、おはよう! もちろん君もね!」
「今日、なんか予定ある~?」
「うん、ちょっと待っててねー」
あいさつを済ませた後、私は部屋に戻って、赤のシャツに着替え、再び降りた。
私がバックを持つと、逆音は何かあったのか尋ねてきた。
「綾ちゃん、どっか行くの? 私は一日中寝るけど」
「ごめん逆音ちゃん、信濃路の家行ってくる!」
「楽しんでー、あ、朝ごはんどうするの?」
「逆音ちゃん、もう済ませた」
逆音の自転車の鍵を使いたい。性能が私の自転車に比べていいからだ。だから逆音に使用許可を得るために聞く。
「じゃ、チャリ借りる」
「いってらー!」
……、予想以上に水溜《みずたま》りがある。もしかしたら、泥水がかかるかもしれない。こんな雨で自転車を漕げるのか、とても不安だった。
「でも行くさ。友達の信濃路さんたちが待っているからね」
そう独り言をして、私は漕ぎ出した。
雨の音は聞こえる、空を見ても灰色っぽい。でも風は吹いてない。しかも友人は待っている。だから自転車は漕げる!
雨は窓を激しく叩く。少し窓を開けていたので肌寒い。わかりやすい悪天候だ。
まあ昨日の天気予報通りだけどね。
ほとんどの人はこんな天気に外出は控えるだろうけど、私は出る。
信濃路の家で遊ぶという、重大な約束は守るためにな。
私は起きた後、部屋にあったパンを食べた。そしてリビングへと直行した。逆音にあいさつをするためだ。
青の寝巻きの逆音《さかね》のとなりに、赤の寝巻きの私が座る。
「おはよう! 今日もいい日にしようね!」
「綾ちゃん、おはよう! もちろん君もね!」
「今日、なんか予定ある~?」
「うん、ちょっと待っててねー」
あいさつを済ませた後、私は部屋に戻って、赤のシャツに着替え、再び降りた。
私がバックを持つと、逆音は何かあったのか尋ねてきた。
「綾ちゃん、どっか行くの? 私は一日中寝るけど」
「ごめん逆音ちゃん、信濃路の家行ってくる!」
「楽しんでー、あ、朝ごはんどうするの?」
「逆音ちゃん、もう済ませた」
逆音の自転車の鍵を使いたい。性能が私の自転車に比べていいからだ。だから逆音に使用許可を得るために聞く。
「じゃ、チャリ借りる」
「いってらー!」
……、予想以上に水溜《みずたま》りがある。もしかしたら、泥水がかかるかもしれない。こんな雨で自転車を漕げるのか、とても不安だった。
「でも行くさ。友達の信濃路さんたちが待っているからね」
そう独り言をして、私は漕ぎ出した。
雨の音は聞こえる、空を見ても灰色っぽい。でも風は吹いてない。しかも友人は待っている。だから自転車は漕げる!
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
VTuberなんだけど百合営業することになった。
kattern
キャラ文芸
【あらすじ】
VTuber『川崎ばにら』は人気絶頂の配信者。
そんな彼女は金盾配信(登録者数100万人記念)で、まさかの凸待ち事故を起こしてしまう。
15分以上誰もやって来ないお通夜配信。
頼りになる先輩は炎上やらかして謹慎中。
同期は企業案件で駆けつけられない。
後悔と共に配信を閉じようとしていたばにら。
しかし、その時ついにDiscordに着信が入る。
はたして彼女のピンチに駆けつけたのは――。
「こんバニこんバニ~♪ DStars三期生の、『川崎ばにら』バニ~♪」
「ちょっ、人の挨拶パクらんでもろて!」
「でゅははは! どうも、DStars特待生でばにらちゃんの先輩の『青葉ずんだ』だよ!」
基本コラボNG&VTuber屈指の『圧』の使い手。
事務所で一番怖い先輩VTuber――『青葉ずんだ』だった。
配信事故からの奇跡のコラボが話題を呼び、同接は伸びまくりの、再生数は回りまくりの、スパチャは舞いまくり。
気が付けば大成功のうちに『川崎ばにら』は金盾配信を終えた。
はずだったのだが――。
「青葉ずんだ、川崎ばにら。君たちにはこれからしばらくふたりで活動してもらう。つまり――『百合営業』をして欲しい」
翌日、社長室に呼ばれた二人は急遽百合営業を命じられるのだった。
はたしてちぐはぐな二人の「百合営業」はうまくいくのか?
【登場人物】
川崎ばにら : 主人公。三期生。トップVTuber。ゲーム配信が得意。コミュ障気味。
青葉ずんだ : ヒロイン。特待生。和ロリほんわか娘のガワで中身は「氷の女王」。
網走ゆき : 零期生。主人公&ヒロイン共通の友人。よく炎上する。
生駒すず : 一期生。現役JKの実力派VTuber。
羽曳野あひる: 二期生。行動力の化身。ツッコミが得意。
秋田ぽめら : 特待生。グループのママ。既婚者。
津軽りんご : 特待生。ヒロインの親友。現在長期休業中。
八丈島うみ : 三期生。コミュ力お化けなセンシティブお姉たん。
出雲うさぎ : 三期生。現役女子大生の妹系キャラ。
石清水しのぎ: 三期生。あまあまふわふわお姉さん。どんとこい太郎。
五十鈴えるふ: 三期生。真面目で三期生の調整役。癒し枠。
釣り人居酒屋『魚んちゅ~』
ツ~
キャラ文芸
主人公、小城 綾香(こじょう あやか)は、ひょんなことをキッカケに釣り人居酒屋『魚んちゅ~』(うぉんちゅ~)でアルバイトを始める。
釣り人居酒屋と言うくらいだから、大将も店員も釣り好きばかり、もちろん、お客さんも釣り好きが多かった。そんな中、ド素人のアヤカは釣りにアルバイトに奮闘していく。
果たして、アヤカはどんな成長を遂げるのか?!
ほのぼのとしたお話です。料理も出てきますので、釣りにあまり興味のない方もよろしくお願いします
マスクなしでも会いましょう
崎田毅駿
キャラ文芸
お店をやっていると、様々なタイプのお客さんが来る。最近になってよく利用してくれるようになった男性は、見た目とは裏腹にうっかり屋さんなのか、短期間で二度も忘れ物をしていった。今度は眼鏡。その縁にはなぜか女性と思われる名前が刻まれていて。
ホームレスの俺が神の主になりました。
もじねこ。
キャラ文芸
スポーツ推薦で強豪校に入学した一人の青年。
野球に明け暮れ甲子園を目指して青春の日々を過ごしていたはずが、煙草に、酒に、更には猥褻行為で高校中退!?
その後は、友を失い、家族を失い、全てをなくして、あれよあれよと言う間にホームレス歴13年。
転落し続け、夢も希望もない一人のおっさんが、夢と希望に溢れ過ぎる神様と、手違いでご契約!?
最悪の印象から始まる二人の物語。
無愛想でコミュニケーション能力を微塵も感じないおっさんと、何事も体当たりで真っ直ぐな神様の生活が始まる。
「幸せ……? 幸せを願うなら死なせてくれよ。それが今の俺の一番の幸せだ」
「いやもうなんで、このおっさんこんな究極に病んでんの。出会って数分でこれは受け止めきれねぇよ」
人間を幸せにするために、人間界へ訪れた神様は、おっさんを幸せに出来るのか。
そんな正反対の二人のドタバタハートフルコメディ。
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
ピアニストの転生〜コンクールで優勝した美人女子大生はおじいちゃんの転生体でした〜
花野りら
キャラ文芸
高校生ピアニストのミサオは、コンクールで美人女子大生ソフィアと出会う。
眠りながらラフマニノフを演奏する彼女は、なんと、おじいちゃんの転生体だった!
美しいピアノの旋律と幻想的なEDMがつむぎあった時、それぞれの人間ドラマが精巧なパズルのように組み合わさっていく。
ちょっぴりラブコメ、ほんのりシリアスなローファンタジー小説。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる