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第3章 異世界学園へ

第37話

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制服に着替え終わってから気になっていることがある、先生が明らかに顔色が悪さ、もだが、一番はあの戻ってきてから、紫髪の人がマフラーの様に大蛇を巻いてることに、近くの人、少女達すら、驚いた様子も見せない事だ。
あれもまさか見えないとか言わないよな、顔色の悪いし、気になり試しにこっそりとブランさんに聞いてみた。

ブラン「蛇が皆んなに見えるか?、多分、顔に付いてる黒っぽい蛇の方は見えないだろうけど、首に巻きついてる白っぽい方は普通に見えていると思うよ。」

白髪の少年ことブランは、少し考えながらそう言った。

『顔に黒っぽい蛇?、どこですか?、仮面なら見えますが…』

そんなの居るのか?、まさか、俺には見えないだけで、あの仮面の中には小さい蛇が張り付いて…、なら、この人は透視出来るのか、いや、流石にそれは気持ち悪いだろうしないよな…ないよな?

ブラン「え、仮面って?…、 あ、いや、あはは、僕の見間違いだったみたい、蛇の面だね、まあどちらにしても、あれは皆んなには見えてないと思うよ。」

少し驚いた声をだし、ドミノマスクに手で少し位置を直し観るとそう言った。

あの仮面って見えてないのかよ、てか待て、それ皆んなにはマフラーの様にしてるあれは見えてるってことだよな。

『あの、首にあんな大蛇巻いてるのは異様ではないんですか、あれは見えてるんですよね…』

ブラン「君、よく知らない見たいだけど、今時は手懐けた魔物を連れ歩く冒険者とかいるから、普通じゃないかな、魔物を飼う人も居るし、ほら、現に今あそこの令嬢だって蜥蜴に抱きついて…いや、あれは異様かな?」

ブランは話しながら小さく指を刺した、その先には、赤いエリマキトカゲに抱きついてブンブン振り回されながらも、掴み撫で続けている赤髪の美少女がいる。

あれこそが異様と、蛇マフラーしてるだけなんて目に入らないか、うん、よく見ると皆そっちを見ているな、先生は目に入って居ないのか無視してるのか不明だが、てかあれ嫌がってないか?…

『確かに蛇マフラーより異様ですね…、あの、聞いといてあれですが、何故、皆んなに見えてないとか、そんな風な事まで分かるんですか』

ブラン「うーん、僕からしたら君があの面を見えてるのが不思議なんだけどね、僕が見ても透けてみえるくらいだし、まあ、僕が皆に見えないのが分かるのはね、あの面に不自然な歪みが見えるからだね。」

『不自然な歪み?…えっとその視野でですか?』

ブラン「そ、歪み、例えるなら、蜃気楼みたいな物が見えてるんだよ、視野は関係ないよ、見方の切り替え、てか、僕だってね、仮面外したいんだからね、隣の人が心配するから外せないだけで…」

ブランは、隣の席で突っ伏して居眠りしている双子の片割れを見て言った。

『気になってましたが、その仮面の下の包帯って目に怪我でもしてるんですか?』

ブラン「やっぱり気になる?、別に怪我はないよ、勿論片目が見えない訳でもない、ただ単に長らく明るい所見てないから、日の光に弱いんだよね、だから、このハーフマスクには光を抑える魔法付いてるんだけど、まあ、本来徐々に慣らせば外したって良いはずなんだけどね、このブラコンがね…」

ノクス「俺はブラコンじゃない、ブランコンだ…」

話す途中でぼそりと隣の黒髪少年が何か言い出した。

ブラン「うっわ、ノクスは寝言で何言ってるんだい…気持ちワル、ねぇ、ネムレスト君席変わってくれない?」

びくっと体を震わせると、低いトーンでガチ目な気持ちワル発言が聞こえた。

『あはは、兄弟仲が良くていいじゃないですか、という事で僕は変わりません!』

ブラン「本気で頼むよ、ノクスには、何かそっち気が最近過ごしてると感じるからさ…」

『頑張って下さい!、僕に言えることはそれだけです!』

ブラン「そんな~、僕達はもうあの時の苦楽を共にした友達でしょ?、助けると思って変わってよ~♪」

『苦楽って、あの時は、ただお菓子食べて駄弁ってただけじゃないですか、それに友達なるの早くないですか?』

ブラン「充分じゃないかい?、お菓子食べて喋って脱出ゲーム的な体験を、一緒にした仲だし友達でしょう、まあ、僕には人の友達とか居たことないから分からないけどさ…」

脱出ゲームって…てか、あるのかこの世界に…。

『え、居たことないって、つまり、ブランさんは、ぼっち?…ぶふっ』

ブラン「あはは?、ぼっちって、それ僕を馬鹿にしてる?喧嘩売ってるのかい?、僕ね、分からないかも知れないから言うけど、見た目ほど、ひ弱じゃないからね?」

『違います!喧嘩売ったんじゃないです!、てか、僕もよく考えたら友達とか今居なかったです、はい…』

ブラン「なんだ君も同士だったんだね、よし、友達なろう、そして、一緒にぼっち脱却しよう♪」

『は、はい…でも、席は変わりませんからね!』

ブラン「チッ(舌打ち)」

その後も、顔色の悪い先生の話す内容を聞き流しながら、そんなやりとりを小さな声でしていた。


ここで学園のマップについて大まかに説明をされていたことをいうと、寮区、学園区、迷宮区、学園商業区、神域区、特殊区域と空間が分かれている。
寮区には中央に塔があり、学園関係者の先生や研究者などが住んでおり、その塔から東西南北に4つの寮があり、さらにその外側周りには迷宮の森が囲んでいるが、結界により外部からの侵攻者や強い魔物が入っては来れない様になっている。

学園区は巨大な建物があり、その中に主人公達が使う様々な教室や最初の広場、体育館みたいな場所が存在している。

迷宮区は、巨大な浮島に森魔物が蔓延る危険な地区、異空間の地下迷宮が存在する、学園の部外者が入れるのはこの区域のみ。

学園商業区は、学園区から歩いても移動可能な地区、冒険道具、武器防具、日用雑貨など色々な物が買える店からギルドの支部が並ぶ場所、部活でこの場所で店を出す者もいる。購買部。
また、市場の様な売り出しも生徒がする事も可能で、迷宮で手に入れた品や自分達が生成したポーションなどが売られていたりする。

神域区は、夢神の教会がある地区。

特殊区域はその他の分けられない転移区域、主人公が魔法を使っていた場所、浮島など。

以上説明終わり!


あれから、顔色の悪かった先生の話が終わり、今から移動し、能力測定がクラス毎に行われるらしいのだが、どうやら、それは、ただの能力測定ではないらしく、皆んな気合い入り用が違かった。

何故かブランに聞いてみたら、さあ、分からないと言うと、さっきまで寝ていた黒髪の少年ノクスが気合いの入った様子で説明してくれた。
その説明によると、この能力測定で出た数値により、優遇度なるポイントが貰えるらしい、そのポイントにより、自由に寮を選べたり、部屋の大きさも変わるなど、ポイントが多いほど、特典が付いて優遇されるらしい。

なお、貴族と平民など身分により優遇度変化するとかはないらしく、それ故に実力が反映され評価され環境が変わるとあり、気合い入れようが違うと言うことだそうだ。

ブラン「ふーん、この騒ぎはそういうことね、じゃあ、僕も頑張らなきゃいけないかな、1人部屋のために…」

手を口元に当てながら、1人を強調してそう言った。

ノクス「1人部屋か?、かなり高いポイントいるぞ、俺と一緒で大部屋狙いで良くないか?」

ブラン「1人部屋一択!、これは一種の個人戦でしょ?」

ノクス「そうか、まあいいが、ブラン、それなら、勝負しようぜ?」

ブラン「勝負?、ポイント点数で勝負ってこと?」

ノクス「そうだ、ポイント勝負だ、面白そうだろ?、それにこんな測定とか評価される事なんてないし、ブランも久しぶりに全力出してみるのも良い機会だろう?」

ブラン「まあ、勝負抜きにしても、確かに面白そう、良いね、ここなら魔法の過激なの放っても大丈夫だしね♪」

『過激な魔法って…ブランさんって魔法使いなんですか?』

ブラン「僕はまだジョブ無しだよ、選んでないからね」

ノクス「普通その状態で、強い魔法使えないんだけどな、ブランは使えるんだよな」

ブラン「前にも言ったじゃん、僕は特別なんだよ♪、まあ、近々機会あれば、教会で何かになろうかなって思うけど…」

ノクス「お、遂にブランが自ら教会に…」

ブラン「言っておくけど、世界神のではないから!、夢神様の方だからね?」

『ブランさんは、世界神が苦手なんですか?』

ブラン「苦手というか嫌いだね、話すのも嫌だから…」

話すのも?神様って気軽に話せるものなのか?…

ノクス「ブランは昔から、世界神の教会行く予定出る度に必ず惨事に巻き込まれて、教会に一度も行けず、洗礼すら受けてないからジョブ無しなんだ、だから嫌いなんだよな?」

ブラン「違う、普通に嫌いなんだよ、それに世界神からは絶対に貰いたくないだけ…」

その後、世界神の事に触れてから、ブランは明らかに不機嫌になっていた。
そんな様子を紫髪の少年が見ていたような気がしたが、仮面を付けているため確認は出来ないが、そういえばあの人は夢神の神子って人の関係者と言ってたっけ、気になるのか?

<鑑定眼Ⅲ>
【名   前】ルシッド=ジャスパー
【種   族】稀人
【称   号】双蛇の主人
【レベル】Lv????
【ジョブ】????

試しに鑑定眼を使い鑑定してみたが、隠蔽されてるのか、レベルとジョブ、ステータスはバグった様になっていて見ることは出来なかった。

それから、能力測定をするという場所に転移し移動したのだが、会場が騒がしかった。

目の前には透明な膜の様な物が張られており、前のクラスの生徒が倒れていて、それに寄り添い何やらして居る者がいる。
何やら慌ただしい様子で先生らしき人らが、走り回っている、よく見ると膜の様な物は四角く囲われており、その中で炎が生き物の様に縦横無尽に動き回り暴れているため、それを何とかすべく水魔法を放っている様だった。

『火事?…』

ブラン「え、この気配って、それにあれって精霊?…」

ルシッド「まさか、この気配は…」

???「ありゃりゃ?、なんか見覚えある姿が来たなと思ったーら、ルシちゃんダーネ、お・ひ・さ☆」

男女か分からないボイスチェンジャーを使った様な声が頭上から聞こえてくると、何故か周りの騒ぎが嘘の様に静まり返った。

そんな声の主は、紫が薄っすらかった白の髪と光を通さない真っ黒な髪が半々に綺麗に別れており、更に左右に赤、黄、青、緑の4色のメッシュ施されており、その髪先には、それぞれの色に対応したキラキラ光るトランプ柄の飾りが付けられている。
顔は引力無視の前髪に目が隠され、更に口元から鼻先には、笑った悪魔の口の模様が描かれた黒いマスクをしているため全く確認出来ないが、服装は同じ男の制服を着ているため男である。


(なんだ、あの制服のブレザーおかしいだろ、逆さまだぞ!、袖通してないマント見たいな状態というのに、何故、くっついてんだ、謎の引力のダブル活用してんじゃねー!、この世界こういうの普通なのか!)俺はこの心の叫びを必死に抑えた。


ルシッド「何故、貴方の様な非常識な力を持つ人が、ここに居るんですか、しかも制服、まさか、生徒…」

紫の少年は上を見上げ、その肩掛けブレザーの人を見て、そういうと頭を抱えていた。

???「アッヒャヒャ~、そうだーヨ、ミーも今日からこの学園の生徒なーノ、ミーは寝坊して入学式は出てなかったけーど、ルッシちゃんが居るとは聞いてなかったしミーも驚いターネ、それにして~も、非常識な力っていうのーは、人のこと言えないと思うんだーネ?」

空中で逆さまのまま、機械音の様な奇妙な声で笑いながら話している。

寝坊して入学式出ないって有りなのか、しかも知り合いっぽいのに、めっちゃ紫の人に嫌がられてないか?

ルシッド「一緒にしないで下さい、貴方の場合は全てが非常識なんです、今の目の前にある現状が物語っていると思いますけどね?」

紫の少年はその逆さまの人に呆れた声で淡々と話すと、動き回っている火を指で指し示した。

???「それは誤解ダーネ、確かにミーはよく悪戯するけど、今回は何もしてないーネ、真面目にしてターネ、それに対してそこに転がってるアフロボーイが勝手に闘志燃やして、あれを呼び出しターノ、ミーが出したのじゃないーノ、だいたいミーは火の精霊が嫌いダーネ!」

手振りを入れながらそう話すと、近くに転がる髪がチリチリになりアフロっぽくなっている少年を指ししたりしていた。

この人は、相当火が嫌いなのか火を強調して言ってるな。

ルシッド「はあ、真面目…貴方には最も似合わない言葉だと思いますが、それに、大方、その神経逆なでる様な口調に態度で、そこの人に魔法見せつけて煽ったのが原因でしょう?」

相当な言われ様だが、俺からみても正直、とても真面目だとは思えない。

???「もう酷いーネ、ミーは口調も何もその子達の前では無言だったーヨ?、それにホラ、今のミーはこれ付けてるかーら、素手では大した魔法は使えないーネ。」

そういいながら、片手の手袋をスルっと取ると、ジャラジャラと鳴らす様にして、鎖が付いた妖しく光る指輪が全ての指にはめられているのを見せつける様にしていた、鎖は手首に付けられた腕輪まで繋がっている。

うっわ、爪黒のネイル?だし、しかも、よく見ると指輪まで、トランプ柄だ。

ルシッド「自分に呪具付けたんですか…」

呪具…あれ呪いの装備なのかよ。

???「アヒャヒャ、こんなの呪具ってほどの物じゃないーネ、まあ、一定量の魔力を常に吸い続けるけーど、その吸われた分の一部は、自由に変換し使う事も出来るどちらかというと、便利な物だーヨ?」

ルシッド「確かにその一定量が常人が耐えられる量なら便利でしょうが、貴方から今魔力を感じない時点で、その一定量が普通でないのが明らかです、貴方以外が付けたら死人が出る呪具になりますよ」

???「死人とは、大袈裟ーネ、たかだか魔力、枯渇したところで気絶程度だーヨ?」

逆さまの少年は、外した手袋を戻しながらそう話していた。

ルシッド「貴方の基準で枯渇状態だけで済む人が居るならですけどね…」

???「アヒャ、心配せずとも大丈夫だーヨ、外す予定ないかーら、で~も、もし外してみたくなるような子が出たら、悪戯で付けちゃうかもだけど~ネ?」

逆さまの少年が、俺を観てきた様な気がしぞくりと寒気に襲われ、冷や汗が流れ、体を後退りしようとした時、俺は2つのことに気づいてしまった。

1つは身体が凍りついた様に動かないことに、そして、周りの様子がおかしいことだ。
どうおかしいかと言うと、紫髪の人、逆さまの少年以外、全ての色がモノクロであることだ。
何故今まで気づかなかったのか、わからなかったが、逆さまの少年に気付かされたのかもしれないと思えた。

ルシッド「はあ、こちらに被害なければ、私はどうなろうがいいですがね。」

???「アヒャヒャ、被害か~、ルッシちゃん、ミーは暴れる予定はあるけーど、武器をちょこーと扱う程度だーヨ、それーに、ここの機能があればその程度は大丈夫でーしょ?」

逆さまの少年は、指で度合いを示したり、周りの空間を両手で指し笑っていた。

ルシッド「確かに貴方の様な者が軽く暴れても、治せる機能をここのコアに付与してありますよ、ですがね、貴方が直接そのコアに触れる様なことがあれば、駄目になるんですよ、何より最近補強し直したばかり、また作り直すとか、面倒なので辞めて下さいね。」

紫の少年は、淡々と抑揚がない声で言っているため、最初の頃の人とはまるで別人の様にさえ感じた。

???「コアには素手で触れなければ大丈夫でーしょ、後あらぬ疑いかけられそうだから言うけーど、あの浮島崩壊したのには、ミー自体は無関係だからーネ。」

ルシッド「知ってるということは、予知してましたね。」

???「わざわざ予知なんてしないーヨ、ミーはただ自分の不都合になり得ると感じる、フラグあったから、へし折ってやっただけーよ、その時に原因が島が崩壊するってことなのが見えたーノ。」

ルシッド「それを折っても変わらなかったということですか?」

???「ミーの能力はそこまで万能じゃないーし、不都合になる出来事以外はそのまま起きるーネ。」

ブラン「懐かしい気配と思ってましたが、そのフラグへし折るって、その力…姿違いますが、ディメアさんなんですね!」

ブランがキラキラした嬉しそうな表情で話している。

???「ん?、そうだけーど、ありゃま、レイちゃんまでこの学園居たのーネ、これまた驚いたーネ、あ、そうだ、君の元にプレゼントしたハロウィン人形は元気かーな?」


ブラン「げ、元気ですよ、ただちょっと、個性的過ぎてたまに扱い辛いことがありますが…」 

ブランはそういうと苦笑いしていた。

???「アヒャヒャ、予想付く~ネ、まあ、大事にしてやってーネ?、特にカボチャ頭のあれは…怒らせちゃ駄目だからーね?」

ブラン「カボちゃんをですか?、はい、勿論ディメアさんの作られた人形ですから大事にしますよ、所でお二方、あれどうするんですか?…」

そういうと指で火の精霊をさした。

???「ミーはこのまま傍観するーネ、あんな火に近づきたくないからーネ、大事な人形が焦げるーね。」

手をバッテンに交差し首を振り拒否していた。

ルシッド「私もこの人が起こしたのでなければ、いずれ解決するでしょうからね、彼女達に被害が及ぶようにならない限りは傍観ですね、それに、あれくらいあの教師達でも解決出来るでしょう。」

???「アヒャヒャ、ルッシちゃんも傍観だってさ~、レイちゃんやらない?、上手くいけばポイントきっと、うはうはだーヨ。」

ブラン「ディメアさんは、力封じてるのにポイントはいいんですか?」

???「ミーの場合ポイント足りなくて、例え狭い個室だろうーと、変えようと思えば出来るーし、第一、この鍵使えば自室とかに繋げられるからーネ。」

そう話すと腰付近から、チェーンをじゃらじゃら言わせながら、鍵束を出して見せた。

ブラン「凄いな、そういうの簡単に出来るの…」

???「レイちゃんもこのくらい出来るでーしょ?」

ブラン「僕は、まだディメアさんみたくは出来ません、羽根使っても思い通りに行かない時もありますし…」
 
???「もう常識にいつまでも囚われているからだーヨ、捨てれば自由ーに扱えれるーよ、よーし、ここはお兄さんなミーと一緒に手始めに服という名の常識を脱ぎ捨ててみ…」

ルシッド「この変態は、何を言いだしてるんですかね…」

紫の少年は、空中の少年に剣を突き上げた。

???「うわっ危ないーね、いきなり剣で刺そうとしないでーよ、ミーは常識は捨ててこそ、色んな力に目覚め…」

ルシッド「服を脱いで目覚めるとしたら力ではなく違うものだと思います。」

ブラン「えっと、助かりました…」

ルシッド「貴方も気をつけなさい、言ったでしょう、この変態は頭のネジ外れてると。」

???「そんな事いうなーら、その服を着るって常識をミーが断ち切ってや…ちょ、火はやめい!焦げちゃうーね!?」

そう言うと黒い穴から大鎌を取り出し構え何かをしようとしたのだが、紫の少年がパチンと指を鳴らし、服に火をつけられたため慌てて凍らせて消していた。

ルシッド「だったらそんな変なことしようとしないでいただけますか、こちらにも被害が出ますから辞めでくださいね。」

???「アヒャヒャ、だが断るーネ、ミーは誰の指図も受けないーノ☆」

焦げた服をポンっと鎌の柄の先で叩くとそんな後無くなった。

ルシッド「貴方がその気ならいいでしょう、ごほん、ふははは、愚かな人間ども、この大魔王ディスト様に歯向かった事を地獄で後悔するが良い…」

紫の少年が一息つくと、似合わない幼い子供の様な声でそう厨二臭い台詞をいい放った。

魔王ディスト何処かで聞いたことがある名前の様な気がしたが、何処だっけかな。

???「\*$%☆!?、…なんでその台詞をルッシちゃんが知ってるーネ!」

その紫の人が話す言葉を聞いた少年はかなり動揺したのか、何かよくわからない言葉を発しながら頭から落下し、鎌の先が頭に刺さり血がだら~と出ていた。

あれで痛がった素ぶりないって、やっぱ人じゃないのか…

気になり鑑定眼を使うと丁度レベルがⅢ→Ⅳへと上がった。

それから改めてステータスを見てみるたのだが…

<鑑定眼Ⅳ>
【名   前】ディドリム=ナイトメア
【種   族】unknown
【称   号】バランスブレイカー
【レベル】Lvを測定できると?
【ジョブ】ジョーカー

種族がアンノウン、なんなんだ、レベルに関してはぞわっと寒気がする気配がしたと思ったら、文字が浮き出てきたし、測定出来るとってなんだよ…称号がバランスブレイカーって…

そんなことを思っていると、ニャハハと笑い声がし、目の前に笑う猫のウィンドウが表示された。

"ディド様を覗き見するなんて行けない人だね、我が主人の時にゃら、そんな不敬な輩は、吾輩の爪で首をはねてる所なんだけどな、運が良い人だにゃ、我が主人からは、阻止しろと言われて就けられただけにゃし、君に吾輩が手をあげるのは駄目だと言われてるから我慢したにゃ、でも、気に入らないから眠れにゃ"

俺はその文面を見るとどんどん文字が進んでいき、最後は猫の目が現れ、眠気に襲われ意識が遠のいていった。

主人公がそんな目にあっていても会話は続いていた。

ルシッド「とある者から聞きましたからね、他にも聞きましたよ、もっといいましょうか?」

???「いやいや、ミーの負けだかーら!、言わなくていいーネ!」

飛び上がる様に起き体勢を整え騒いでいる、血が周りにポタポタと垂れている。

ブラン「うわ…ディメアさん、血が、その身体人形じゃないんですか…」

???「人形じゃないヨ、ちゃんと生身だーヨ、生気あるでーしょ?」

ブラン「生身なら、ダメージ負うってことですよね、血が凄い出てますが大丈夫なんですか…」

???「負うよ、でも心配ご無用ーネ、いくらダメージ負ってーも、ミーはこれがあるからーネ!」

そういうと片手で鎌を抜きとり、柄を手にトンと当て、紫の淡く光り纏う小瓶を手の上にポンとだした。

ブラン「何ですか、それ回復薬?」

???「エリクサーっていう最上位回復薬だーネ、ほら、この通り傷も完治するーネ!」

小瓶の蓋を開け一気に飲み干すと怪我が治っていき、垂れていた血は、大鎌に吸い寄せられ血の痕跡などまるで最初っからなかったかのように姿を消した。

ルシッド「そのエリクサー私の所のとは違いますね、何か付与してますか?」

???「流石、ルッシちゃん、これはミーの世界の物デーね、しかも、本来のめちゃ苦なのーを、ミーの力でソーダ味など飲みやすいように変えてる特製エリクサーだーヨ!」

ルシッド「はあ、毎度呆れますね、貴方は本当に力の無駄使いしてますよね、何故エリクサーなんて貴重な物を効果上げるならまだしも、味付けなんて無駄な事してるんですか…」

???「何故って簡単な理由ーネ、ミーが飲みにくいからだーヨ、後、何か勘違いしてるようだけーど、このエリクサーはミーの所にある回復の泉の源泉水ーネ、戻れば汲み放題なんだーヨ。」

鎌の柄を自分の影のある床にコツンと突き鳴らすと先程と同じ紫の小瓶が影から、数十本ほど現れ、周りにふよふよと浮かびあがった。

ルシッド「非常識な者が住む場所も、ぶっ飛んだ常識に包まれていますね、何ですかその量…」

???「アヒャヒャ、ミーの所来たらラストエリクサー症になる者はいないーネ☆」

そういいながら、そのフヨフヨ浮かぶエリクサーの小瓶をジャグリングし始めた。

ブラン「凄いですね、まるでサーカスのジャグラー見たいです!」

???「アヒャヒャ、やっぱレイちゃんは、こういうの見せがいがあっていいーネ、じゃあ見ててーネ!」

浮いた小瓶を手に置くと、その上にどんどんと乗せて高くなると、投げて乗せて行きグラグラ揺れる小瓶タワーを作りだしてバランスを器用にとっている。

ブラン「ディメアさんってやっぱり凄いですよね!」

ルシッド「貴方は、何子ども喜ばせる、おじさんやってるんですかね…」

???「おじさんとは聞き捨てならないーネ!、ミーは不老なんだーヨ!、つまり永遠に若い、お兄さんだーネ!」

ルシッド「なるほど、だから、成長がないんですね。」

???「そ、それはナイーブな問題なんだーヨ!、触れちゃいけないんだーヨ!、ミーだって背丈がもう少し…」


ルシッド「いや、私が言ったのは背なんかの事じゃないですよ、精神の成長の方ですよ。」

???「せ…背なんかか…いいよーネ、背の高い姿に普段から慣れてる奴は、ミーの気持ちも知らないーで、てか、待つーネ、ルッシちゃん、精神の成長とは何だーネ、ミーはガキだとでもいう気なのかーな?」

ルシッド「はあ、もう何でもいいですが、そのエリクサー沢山保有してるからと、この世界にそれをばら撒かないで下さいね。」

???「ミーは何でもよくはないけどーね!、言わずともただでばら撒いたりはしないーネ、あげるにしてーも、何か対価を貰うーネ。」

ルシッド「対価ありでも、世界に流さないで欲しいですがね…」

???「アヒャヒャ、まあ、このエリクサーはミー用だから、収納するとしーて、レイちゃん、あれは任せていいんだよーネ?」

手に乗せていた小瓶タワーは一瞬のうちに収納され姿を消した。

ブラン「はい、まあ、あんな火の精霊くらい余裕ですから、良いですが、勿論、何かしてくれるんですよね?」

???「アヒャヒャ、ミーと前の様に戦いたい言うならお相手するーヨ?」

ブラン「いや、戦うのも楽しそうで良いですが、ディメアさん、そのまた向こうの物で欲しい物が…」

???「なんだそんなことなーの?、お安い御用だーネ、また和菓子とかかーな?」

ブラン「新たな和菓子のレシピと、それに使うこの世界にない材料が…」

???「レイちゃん、本当に和菓子好きだーネ、ミーは洋菓子の方が好きだけどーな、わかったーネ、んじゃ先払いといきましょーネ。」

そう言うと鎌を高く掲げ、赤黒いオーラを纏わせると天井に振り斬撃を飛ばし、虚空に穴を空けた。

???「じゃあ、大量に出してくからしまってちゃってーネ、まずはレシピ本、材料はもち米、小豆、枝豆、上白糖…それから…」

その手を突っ込み、次々と物を掴み出すとブランへとひょい投げ浮かばせている。

ブラン「大量って、うわっとと…」

大きな米袋を2つ華奢な身体に似合わない力で軽々と持ち、収納して行っている。

ルシッド「見事にぱっかりと次元に穴開けましたね、そうやって出す必要あるんですか。」

???「物出すだけなら別に必要ないーヨ、ちょっと次元切り開くついでーに、ここの神へご挨拶がてら、サプライズプレゼントを贈って見たんだーヨ☆」

ルシッド「貴方の挨拶…ですか、それなら今頃、神界は大騒ぎでしょうね。」

???「アヒャヒャ、実は最近製造した魔物の動向テスト兼ねての御使いーネ、もしかしたーら、何名か犠牲者出るかもーネ♪」

そう会話しながらも、物を出す手を止める事なくブランの方へと投げている。

ルシッド「そんなの遣いに送って良いんですか、下手すると、貴方を倒すための勇者とか、呼ばれるんじゃないですか?」

???「そうなったらミーにとっては嬉しい事ーネ、ミーの所の今の勇者達、全然ミーの事相手にしてくんないかーら、退屈なーの。」

ブラン「ディメアさん、この世界の勇者って変わった人多いですよ、何度倒しても蘇ってきて煽ってくる、性格悪いゾンビ系駄勇者とか、兄妹で召喚されたシスコン、ブラコンの勇者とか…」

???「この世界の神の趣味かーな?、蘇りっていうのーは、リスポーンって名前の恩恵だーネ、死ななければ何とかなるとかって思って選んだのだとしたら、安直、だけど悪くはない選択だーネ、まあ、ミーが相手なら生死系の恩恵は意味無さないけーど。」

ブラン「確かにディメアさんの場合は、その鎌使って断ち切れば、お終いですもんね…」

ルシッド「ふと思いましたが、貴方は火に近づかなくても、その鎌飛ばして斬ればいいのではないですか?」

ふよふよと浮遊している鎌を観ながらそう言った。

???「確かに出来るーヨ、だけどーも、お仕事意外で大事なこの鎌を使い火を斬るとーか、それ自体が嫌だーヨ!」

浮遊していた鎌を引き寄せると隠す様にした。

ルシッド「貴方の火嫌い異常ですよね」

???「そうかーな?、ルッシちゃんだって、嫌いなものや苦手のものが一つや二つあるでーしょ?」

ルシッド「ありますね、嫌いなもの、苦手なのも、貴方です。」

???「えー!、なんでなーの!?、ミーとルッシちゃんと結構長い付き合いなのーに、嫌いとか酷いーネ!」

その後も色々白黒の世界で会話は続いていた。

一方、神界では、その軽い挨拶に送り込まれた魔物により壊滅的な被害を受け、他所の神が助けを呼ぶほどの惨事になっていたのだが、そんなことを彼らは知ることもない、いや、知る気もないのだろう…




俺がふっと白昼夢を見ていた様な眠りから、目覚め意識を取り戻したのは、辺りからは騒がしい声が聞こえて来たときだった。

何ごとかと前を見ると、ブランがピンポン球くらいのキラキラ光りを屈折させる、水球を周りに10数個浮かべ、動き回る炎に次々とぶつけ攻撃していた。

俺は思わず綺麗だなと見惚れてしまっていた。
何故か、それは水球がブランの透き通る様に白い髪を輝かせ、幻想的な光景にさせていて、今のブランはまるで水の精霊の様だったからだ。

そんな幻想的な光景にとらわれ見ていると、炎がブランの方へ方向を変え勢いよく迫ってきた。
はっと、我に帰り、危ないと思い自分も魔法を使おうと思った、その時ブランが手をパンと鳴らした、すると、周りに浮いていた水球が目の前に集結し、水の巨大な丸い水の盾が出来たかと思うと、勢いよく突っ込んできた炎を受け止めると、包み込むように覆い被さり、大きなシャボン玉の檻を作り出した、そして、ブランはその大きなシャボン玉を何のためらいもなく、指でツンと突き割ったのだが、割った瞬間その閉じ込められていた炎は消え、コトンと何かが床に落ちた。

そんなブランが起こした、一連の出来事に対し周りの者(一部覗く)は静まり返り、最初に対処しようとしていたローブを着た教師陣は、呆気に取られたのか固まっていた。

そんな中、一部の生徒、彼の兄であるノクス、ルシッド、独特な喋り方をする変わった生徒は彼に近づいていった。

ルシッド「はあ、貴方、ちょっとやり過ぎじゃないですか、先生方固まってしまってますが…」

ため息をつき、肩に手をかけ呆れ顔で話しかけた。

ブラン「そうです?、ディメアさんが居るんですよ、これくらいでやり過ぎってことないと思いますよ?」

そんなルシッドに対し、振り返ると、けろっとした態度で話した。

ルシッド「やめて下さい、貴方まであれに毒されないで下さい、あれは頭のネジが10数本…いや、全部飛んでるんですからね。」

近くにいた、前髪が長く顔の見えない少年を指差ししながら言った。

ディメア「失礼すんだーね!、まだ1.2本はついてるーね!」

そんな指を差された少年は、そういうと、腕組みをしてそっぽを向くような拗ねた仕草を大袈裟にしていた。

俺はこの時、まだ1.2本はって、それあまり変わらなくないだろうかと思った。

ノクス「えっと、ブランやり過ぎじゃないかと俺もうんだが、というか、ブラン、ずいぶん親しそうだが、その人らと知り合いなのか?」

そんな様子と会話を聞いていた少年が、そう話しかけた。

ブラン「あ、うん、知り合い…、えっとほら、覚えてない?、昔、僕達が5歳の誕生パーティで一度会ったじゃん、あはは…」

ノクス「5歳…うーん?、居たか?こんな…」

そう言われ首を傾げながら二人を顔を見て考えていた。

ルシッド「こんな…なんですか?」
 
ディメア「アヒャヒャ、きっとこんなイケメンはいなかったって言いかけたんだーね!」


そんな彼らの場違いな会話は周りが我に返って騒ぎだすまで続いていた。

それから、騒ぎが収まった頃、最初の能力測定する場所は色々荒れてしまったため、また、移動することになり、主人公らは昔、能力測定場に使われていた場所ですることになったが、ディメアと言われていた少年は、あの後メイドの格好をした美女に連れられ別な場所に行ったため別れている。

俺の能力測定は悲しいほど、何の問題もなく進んでいる、まあ、今のところは能力測定といっても、向こうの体力測定と変わらず、走ったり、ジャンプしたりと身体的なものばかりだったからだ。

それでも転生前と比べたら、あり得ない身体能力を持っているのは確かだと実感した、50mを往復で全力で走っても息が上がらず疲れなかったり、二段ジャンプが出来てしまった、ゲームのキャラの身体だとしても装備無しの魔法使いでこれって色々すごいよな、他のキャラもいつか試す必要がありそうだな。

あ、ちなみにだが、俺は特に問題なく普通だったが、他は勿論違う、跳躍や俊敏さのテストではルシッドが、羽でも生えているんじゃ無いかというくらい身軽さを披露し、筋力のテストではノクスが外見に似合わない力を見せ辺りを騒がせ、ブランは短距離では驚くほど素早さみせていたが、持久力がないのか長距離を走るテストでは倒れ運ばれていったりと色々あった。

その後、ブランが倒れたことにより、少し休憩が挟まれてから、魔法属性の適正の検査、ステータスの測定行われることになった。

適正検査…楽しみだと思ってしまった、何故かって?、そりゃあ、ようやく異世界要素きたからだ!
長距離走とか反復横跳びだとか、疲れはしなかったけど、コレジャナイ感半端なかったんだよな。

そんな事を考えていると、名前を呼ばれ、魔法属性の適正検査用の個室へ案内され、道具が手渡された。

渡された道具というのは8つのビー玉の様な球の埋め込まれた石板で、説明によるとこれに利き手をかざし光ったもので適正ある属性を観るのだそうだ。

俺は何も考えず、手をかざした。
すると、ピカッと、8つ全ての球が強く光りそれぞれの色、赤、緑、青、茶色、紫、白、黄色、灰色で綺麗な輝きを見せていた。

全て光ったってことは全部か、そういえばステータスにも全属性魔法がなんちゃらって書いてたから、当たり前かなんて、のんきにその輝く球を少しぼーとしてみていたら、道具を手渡してきた女性から声がかかった。

「えー!?、また、全属性適正持ちの子なの!?…う、嘘でしょ?!」

『また?、全属性持ちってそんな驚くほど居ないんですか?』

またってことは俺以外にも居たんだよな?

「居ないわよ!、居てたまるもんですか!、嗚呼…1人いるのだって驚きなのよ!、なんで2人も居るのよ!普通わね、3~4属性、多くても6属性の子がちらほらと居るかくらいなのよ?、私だって6属性なのに…もういったい今年の子達はどうなっているのかしら、羨ましいわね、妬ましいわね全く!…(この後もずらずらと語られていた。)」

俺はそのあと胸ぐらを掴まれ、しばらく揺さぶられ、あのまだですか?と他の教師らしき人物が隣の部屋の扉から入ってきて声をかけてくるまで続いていた。

「は!あら、私ったらごめんなさいね、次の検査は向こうよ、今きた人が担当者だからついて行ってね♪」

にこっと微笑みを浮かべて見送られ、すぐ次の生徒の名が呼ばれたとき、俺はきっとまたあの女性は騒ぐんだろうなと思いながらその場を後にした。

ん?誰だったかって?、紫の髪のあの人ですよ。

次の部屋では魔方陣の描かれた台座に乗った水晶玉がある部屋で、それに両手を付けるだけという物だった。

俺はひんやりとする水晶にぺたと両手を付け測定した。

表示されたのは特にいつも見ているのと、変わらないステータスのABCの評価値で、見ていた先生もLUKが高いね程度の感想しか述べなかったため、普通だったのだろう、その後は特に止められることもなくその場を後にし、最後に得意なスキルを放つ物があったのだが、俺や一部はこの場所では駄目だと止められてやらずに終わった。

その頃、ようやくブランと一緒に行っていたノクスがブランとともに戻ってきて、測定部屋へ入っていって、騒がしかったが、この後は特に何事もなく、測定結果の総合評価と優遇される権利などがが描かれた紙が配られ、元の教室に戻ってきた。

総合評価はA(最高はS)

優遇はすべての寮を選べる権利、1人部屋、部屋の階の自由選択権などなど…

周りの受け取った様子はそれほど変わった反応はないが、1人横のブランはがっつポーズをして、1人部屋獲ったどー!よっしゃーっとキャラが変わった様に叫んでいたため、周りとノクスは驚いた様な顔と戸惑った感じを出していた。
一方で紫髪の人はクスりとその様子に笑っていたようだった。

うーん、1人部屋はジェリムやシルヴァ、ウサギ兄弟達を出すのを気にせず出来るから選ぶとして…

『階とか4つの寮か、どれがいいのかね~』

なんて思わず声を漏らしていると、ブランから声がかかった。

ブラン「悩んでるなら僕らと同じ東寮か南寮をおすすめするよ」

『西と北は何かあるんですか?』

ブラン「えっとね、西寮は貴族寮と言われてる見栄張り貴族の子息の巣窟で、社交界の場になってるって有名なんだよ、だから貴族じゃない人は選ばない方がいいんだよ」

『貴族寮?、ならブランさん達はいいんですか?』

ノクス「学園まできて、社交界は遠慮したいし、俺らはハーフ組だしな、西に集まる貴族達なんかにはあまり良く思われないからな」

ブラン「ネムレスト君は知らないようだから教えてあげる、昔から西は人族の地として純血種を好む貴族が集う方角でね、要は人族至上主義さ、だからハーフはあまりよく思われないんだよね。」

『そうなんですね、ハーフってだけでですか?…』

ノクス「そうだぞだけでな、下らないって思うだろ?俺も思うが、まあ、さっきいた魔混の民と言われるあの人よりは、ハーフエルフは差別されたりしないがな。」

『魔混の民…?』

ブラン「うーんとね、漆黒の髪は魔族特有って言われててね、中でも魔人(デモニアン)はその髪の者しかいなくて…(以下略)」

説明によると、魔人族とは元々、普通の人族の家系でごく稀に生まれた、漆黒の髪と強い魔力を持つそれ以外は普通の人族の者が、忌子として差別や迫害を受け、人を憎み闇の魔力へ人の身を捧げ、自ら魔族の道へと行った者達が起源であるため、人種族に強い嫌悪感を持つ者が多く、ハーフなど滅多に居ない存在であり、何かが混じると漆黒と白髪の髪が特徴にはっきりとでるらしく、魔人族と人族からは嫌悪の対象とされているそうだ。

また、悪魔族の場合は普通に混魔族(ハーフデーモン)もいるそうだが、混魔人族(ハーフデモニアン)の様に特有の特徴が出るわけではないため、エルフでも魔人と名乗られても見分けは付かないそうだ。

ちなみにディメアと言われた彼は人とのハーフではないそうなので更に特殊だそうだ。

その後、北寮についても教えてもらったが、北寮は種族は気にしないらしいが、実は柄が悪い者達が集められている場所だそうで、面倒事に巻き込まれたくなかったら辞めて置いた方がいいらしい。だが、鍛錬する施設なんかは他よりあるそうだ。

南は普通の一般の生徒達の大半はここに集まるらしく退屈したいならそこだと投槍に言われ、東寮は多種族がおり従魔を扱う者や魔術師、魔法使いや精霊術師などが集まるそうで色々な設備があるらしい。

更に小さな図書館もあるそうなのだが、元生徒の冒険者が書いた手記や迷宮から見つかった本など出回っていない貴重な寄贈本があるらしく、ブランはそれを読むのが目当てらしい。ノクスが止めてくれるまであつく語られた。

ブラン「で、どうするんだい?東?南?、僕のおすすめは断然東だからね!」

ブランは仮面の奥からキラキラした瞳が見えるような錯覚がするほどの勢いでそう言ってきた。

そこまで推してくるなら、東でいいかなって考えていると、声がかけられた。

ルシッド「貴方がたにいいこと教えてあげましょう、部屋はいくら選択権あっても、先着順ですから急がないと良いところなくなりますよ、それでは私はお先に失礼しますね。」

そういい残すと足速に教室を出て行ってしまった。
その時になり周りの様子を見るともう数人ばかり居る程度だった。

俺はもう悩むことをやめ、知り合いが確実に居た方がいいと言う結論に至り、東寮を選択した。

それから、ピクシーに声を掛けて寮のある区画に転送してもらい、広い原っぱに敷かれた十字に別れた石畳の道を東へと歩くこと、15分…ようやく東寮が見えてきてすぐ着くだろうと思ったが、そこからが長く30分後にようやく寮の前に到着した。

その感にブランはダウンしたため、ノクスが背負って寮前まで移動していたのだが、ノクスは息切れも疲れた様子も見受けられなかった。

ノクス「おーい、ブラン着いたぞ、大丈夫かって、寝てるのか…全く仕方ないな、もう少し寝かせておくか…」

背負ったブランにそう声をかけ、寝ているのを確認したノクスは、優しげに微笑んだ後、こちらに話しかけてきた。

ノクス「えっと、ネムレストって言ったか?、悪いなブランに付き合わせて、この間の試験の時もありがとな、これからも仲良くしてやってくれ、じゃあ、俺はブランが起きる前に、部屋決め隣は確保してくるからまたな!」

そういうと頭を軽くさげ、そう言うと足速に寮へと入っていった。
心なしか最後の隣部屋に力が入って居たのは気のせいだろうか…

まあ、なんだかんだありまして、無事、東寮の3階の一番奥の角部屋という比較的好条件の部屋を確保できた。

そんな部屋の中はというとワンルームマンションの1部屋と言った感じで、夜空の見える大きな窓、その奥にはバルコニー、家具はベッドや椅子、机、本棚、クローゼット、宿屋みた魔道具のランプなんかも完備されている。
小さなキッチンもあり、小さな棚には調理器具は一通りあり一人暮らしは普通に出来そうだ。
ちなみにトイレは別なところにあり共同。
ただ一つ残念なのはこの寮にも…お風呂場がないところだろう。

まあ、この世界…地域(であってほしいな)ではお風呂というような物は一般的ではなく、一部の貴族が湯を浴びる程度なのである。

その理由は生活魔法なる物が存在するためだろう、体を綺麗にする程度であれば、水魔法が使える物ならば出来てしまうそうだ、聖魔法で清めることでも同様の効果ができる。

『あーあ、また、あの露天風呂どこかに作ろうかな…』

なんてベッドに寝転がりながら呟いている中、隣や下の部屋からは、物を動かす音やら置く音が微かに聞こえてくる。

そんな音を聞いていると、向こうの世界で一人暮らしをしだした頃を思い出した。

確かあの時もこんな感じで隣から音がしたんだが、あんまりにもうるさいから、俺は笑いながらうるさいぞーってあいつに…

一瞬、モザイクのかかった見えない顔の人物が頭に浮かんだがすぐ泡の様に消えてしまった、妙に寂しいような悲しいような気持ちになった。

これがホームシック、いやこの場合は、ワールドシック?なのだろうか…

あいつって誰だっけ?…家族か友達か?

思い出そうといくら頑張っても、あれが友人か家族だったのかさえも、思い出せない現状がわかる程度だった。

まあ、思い出せたところでどうこうなる話ではないんだがな、向こうには生きた俺が…?

今考えればおかしな話だよな、俺死んではないのに転生してるわけだろ?
生きた俺が元の世界には存在して、普通に生活してるらしいし、じゃあ今居る俺はなんなんだって話だよな。

記憶は家族や友人なんかはないのに、ゲームの知識や異世界あるあるなんかの、向こうのくだらない知識とかは普通にあるわけだ、キャラの名前とかに関する知識だけは欠落してるがな。

これってよくよく考えると、呪いって転生する前にはなかったものだし、もし解けたとしても、おそらくなんかの能力が解放されるだけなんだよな。

こういう謎が解けるわけでもないからな、今でも充分な気もしてるが、呪いは呪いだし、このままついていたらこの先、不都合が出る可能性もあるわけだからな、世界の管理者ってやつに逢って話してみる必要はあるだろうが、どんなやつか分からない以上は、危険な可能性だってあるわけだから、いきなりの遭遇は避けたいよな…出来れば様子見をしたい。

学園にも学園祭やら、祭りごとはあるようだし、もしかしたら、あっちから現れる可能性もあるだろうから、今は…

『まあ、先の事をここで深く考えても仕方ないか、今は新たに始まる学生生活を満喫するってことで、好きなことしていけばいいかな~』

???「うんうん、そうそう!、そんな悩まないで好きなことしてくのが一番!、勿論好きなことだけじゃなくて勉強も忘れずにね?」

何処かから聞こえ気がした。

『ん?今声がした様な…気のせいか?』

辺りをキョロキョロと探していると、また声がした。

???「気のせいじゃないよ、ここだよ!ここ!」

頭の上からひょっこりと、顔を出して見せた。
あの宇宙人のグレイの様な大きな瞳と目が合った。

『うわっ!?ピクシー!?』

またこの展開、ピクシー族は人の頭の上から驚かすのが、よほど好きなようだ。

ピクイス「あ、びっくりしちゃった?ごめんね!、ボクはピクシーじゃないよハイピクシーさ、名前はピクイス!、この東寮の寮母さんみたいなもので、決して怪しい者じゃないよ!」

そのハイピクシーというピクシーがそう挨拶した時俺は驚いた、今までのピクシーとは似た風貌大きさではあるが、青髪と一際大きな蒼い蜻蛉の様な羽根が3対、服装は様々な大きさの青い鱗で飾り付けられた青い服、そして何より感情のある明るい声!、そして表情があることにだ!

そんなピクイスと名乗ったハイピクシーを俺はまじまじと見つめてしまっていた。

「あの…どうしたの?、ボクのことそんなに見つめて…もしかして怪しいやつだと疑ってる?、それともボクの顔に何かついてる?」

『あ、顔には何もついてませんけど、えっと、その学園にいたピクシー達と違って、かなりその表情があるなって思ってしまって…』

「表情?な~んだそゆことか、えっとボクは名持ちだし、進化種のハイピクシーだからね、表情とか個性があの子達よりあって当然!、ちなみにボクの他にも居てね、南寮にはピクサス、北寮にはピクノス、西寮にはピクエスっていう、ハイピクシーが1体ずついるんだよ!」

ピクイスというハイピクシーは、鼻を尖らせた風にドヤ顔をしながらそう話してきた。

つまり、これがピクシーの上位種ってことか?
名前持ちに進化種って、ドヤ顔するほどのことなのかね。

『なるほど、あのじゃあ質問ですけど、なんで僕の部屋に、そんな1体しか居ないハイピクシーのピクイスさんが、忍び混んで盗み聴きしてたんですか?』

そのドヤ顔がちょっと鼻についた、俺はそう意地悪っぽく言ってみた。

「別に!盗み聞きしてた訳じゃないって、成り行き!、ボクは今日この寮に来た子達の様子を観ながら、ついでに挨拶回りしてたんだよ、それで君の部屋見に来たらさ、君がなんか悲しそうな顔して、考え混んでたから挨拶し辛いし、なんか心配になっちゃってね、こっそりこうやって頭の上に乗って様子見てたんだよ!」

そういいながらとしまった窓をすっと擦り抜け、また同じように部屋に入ってきて、最終的に俺の頭にうつ伏せになり肘をついた状態になった。

『してた事実は変わらないと思いますが、それに心配してたから、頭の上に乗ってたんですか?、あ、学園の入り口のピクシーさんも乗ってきたんですが、ピクシーさん達は心配してる人に乗る性質でもあるんですか?』

窓を何事もなく擦り抜けたのをみて、つっこんだら負けな気がした俺は、そう返した。
ますますドヤ顔して、説明されそうだったしな。

ピクイス「え、ないない、そんな変な性質、ボクが君の頭の上に乗ってたのは、なんとなく君の頭が乗り心地が良さそうだったからだね~、入り口で君があった子もそうだったんじゃない?」

『乗り心地が良さそうだからって、そんな理由で乗るなよな、こっちはびっくりするわ、心臓に悪い…』

至極当然のように語るこの妖精もどきに呆れ、ついそのまま、心の声が漏れた。

「あ、いいね、その砕けた感じ、そのまま話してほしいな、これから少なくとも、寮替えでもしない限り、顔合わせる機会多いと思うし、仲良くなりたいしね♪」

すると、何故かご機嫌になった妖精もどきは、バシバシと人の頭を叩きながら、そういった。

それにしても妙に馴れ馴れしい妖精もどきだな…
表情や口調のせいか、正直苦手かな、毎日顔合わせるのかこれと…ん?待てよ。

『え、寮って後から替えれるんですか?』

「もう口調戻ってるし、まあ、いいや、出来るよ、成績や功績で優遇pt稼げば…、って君する気ないよね?」

口調が戻ったことに不服そうな声をあげながらも、寮が変えれることを教えてくれたと思っていたら、頭の上に乗りながら、にゅっと顔を出し覗きこんできてからそう言ってきた。

『あー多分…しないかな?、てか、そろそろ頭から降りてもらえませんか…』

「疑問系だし多分じゃ駄目~!、しないって言ってよ~、よし、こうなったら、ボク、しないって断言してくれるまで降りないからね!」

ピクイスというこの妖精もどきは、手で捕んでも頭に貼り付き、本当に寮を変えないと言うまで離れてくれる様子はなく、困った俺は結局最後には折れのだ。

その後も、頭から降りてくれたピクイスは暫く俺の部屋にいたのだが、食堂に来なかった俺の元へ、夕食がいるか聞きにきたピクシー達に見つかり、連行されていった。

それから、ピクイスを連行したピクシー達が、謝罪と、今日の夕食を運んできてくれた。
内容は固~いパンと根菜類の入った野菜のスープという、非常に質素なものだったが、パンはカゴいっぱい、野菜スープはどんぶりの様な入れ物にどーんと入っており、ボリューミー。
ちなみに驚くことにこれで1人分なんだそうだ。

俺は、パンはとりあえず2つ以外はインベントリのバッグ(ブラックホール)へ収納し、帽子の中ですやすやと気持ち良さそうに寝ていたジェリムを起こし、食事をした。
ジェリムは、相変わらずキラキラした目でもぐもぐと美味しそうに食事をする、本当に可愛いスライムである。

その後、主人公は、兎兄弟の望月、朔兎、仔犬状態のシルヴァを出し、もふもふを堪能しながら、ベッドでこの日は就寝したのだった。



時は遡り、主人公らが、測定試験をし始めた頃。
北の魔王が治める地、そこにある魔王城内では、1人の黒い影を身に纏い、斧を片手にぶん回す女性が現れ、それを抑えようとした、魔族の断末魔の叫びが絶え間なく響き渡っていた。
この時、ちょうど北の魔王は南の魔王の元へ臣下の大半を引き連れ遠征していた。
そんな不在の中起きた出来事であり、戻ったときには城は半壊、城内に残していた兵は血の海を残して忽然と姿を消しており、城のメイドらだけは無事だったのだが、黒い影がと、うわごとのように呻いているだけで何が起こったのかは、全く分からないかったが、その後魔王の玉座の間に、こう赤黒い文字で【ゴチソウサマ、次はないぞ^^】と書かれており、魔王城の歴史に恐怖を刻んだのだった。

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