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ダズンローズの花束
眠らせママ
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| 永瀬 永遠
学校の休憩時間、わたしはお腹を撫でながら机に突っ伏していた。窓側前から二番目の席。松葉杖はもうない。
今日の装備はメモリアル五寸釘だけ。
「ね、ね、最近、永瀬さん艶っぽくない?」
「わかる。急に地雷メイクやめたと思ったらしっとりしてるし…もしかして後藤君と何かあったのかな? 妙に避けあってるし…」
「いつも、あんなに一緒にいたのにね。これ、好き避けじゃないかなっ!?」
ちげーよ。全然違うから。
ナチュラルメイクにしたら急にしつこくなったから、カミナリしただけだし。顔はやめておいただけだし。
わたしは窓から空を眺めながら、あっぱーでピヨピヨした顔をして小さく呟いた。
「ママか~」
◆
あの日。
中田氏をぶちのめした後。
絹ちんから聞き出した内容は衝撃的だった。なんと、わたしの知らぬ間に京くんを巡っての活動が動き出していたのだ。小学生の時に止まっていた時間が動き出していた。
変なやつにやられたというから何かと思えば、やっぱり愛香、愛ちんと何かあったという。
絹ちんが言うには、愛ちんの手が緩んでいる。今が一番のチャンス。永遠ちん、ま、お姉さんに任せて。なんて言うから、刺すか迷ったけどさっきまで妹役を演じられてきたわたしには妙な姉感が宿っていたため、背伸びする妹みたいで出来なかった。
とりあえず絹ちんは端々にマウント取ってくる度に頭グリグリだけにしといた。
それから週末、布団にくるまってグルグル考えていた。あの愛ちんが何故にそんなことを? だからこのあからさまな罠のように見える状況に、飛び込むか否か。
週が明け、悶々と考えていたまま迎えた火曜日の放課後。唐突に訪れた衝動に任せて京くん家に行った。
けど、チャイムは……押せなかった。
気持ちを落ち込ませながらトボトボと歩いて帰っていた。
…この辺、久しぶりだ。
中学を上がるタイミングで親の離婚があったから、わたしはこの町から引越していた。だから中学は京くんとは違う学校。まあ同じ市内だから来ようと思えばすぐ来れたけど出来なかった。
そうして辿りついたのは通称くじら公園。
川沿いにあるこの公園の名前は権現川公園が正式な名前。
川沿いにあるからか少し横長で、川側以外はみっちりと木が植えられていて、二つある国道側からの入口以外から中は見えにくい。
それに、川側には桜の木が植えられていて、それは川を挟んで反対側にもあったから川側からも見えにくい。
まるで箱庭みたいな公園だった。
だからこの密閉感に、小さな頃は秘密の話をするならここで。そう女子の間では決まっていた。
懐かしいな。
ここには何度も転校した桃と来ていた。偶に来る京くんと、三馬鹿のミッチン、純ちん、詩ちんを眺めてたな。
何回かねちっこく京くんに絡む詩ちん、泣かせたな。あいつ京くんに盲目過ぎて覚えてないだろな。バカだし。
そして公園の中央にはくじらの格好した遊具が一つだけあった。笑ってるような顔をしているくじらだった。
だから、くじら公園。
密閉されたこの公園の海に泳ぐ可哀想な一頭のくじら。
一匹だけしか飼う気のない水槽を見てるみたいで、いつも寂しい気持ちになっていた。
なのに、いつもくじらは笑ってる。
だからこのくじらを、わたしと桃は『強がりくじら』、そう呼んでいた。
その強がりくじらの中は屈めば高校生でもゆうに入れるスペースがあった。よくここで桃とお喋りしてた。
その遊具を横目で眺めながら、ママが帰って来るまで、わたしはここでボーっと時間を潰そうと思った。
京くんが昔みたいに立ち寄らないかなって期待しつつもママの事を考えながら、突っ立っていた。
なんとなく京くんを一番の目的にしたら会えない気がして…なんて。
でも。
京くん、京くん、京くん────逢いたいよ。
「逢いたいよぉ…………ぉ、ぉ、お?」
…いつの間にか入口付近にあるベンチに誰かが座ってる……?
え……?
───キュン。京くん?
──トクン。京くんだよね?
─トゥンク。京くんに決まってるよね?
ふー…。
落ち着けわたし。
落ち着くのわたし。
まだ京くんだと決まったわけじゃない。リアルでは丸三年見てないし。絹ちんには写真をもらっていたからもっかい確認すれば良い。けど確認しようにもなんか動けない。
でも。
でも…! 胸の鼓動は確かに京くんだと伝えてくる…わたしが見間違えるわけがない…もし本当に京くんならこれはきっと……さだめ…
ふー…。
チラリと横目で伺ってみる。
んふー…。
もぉ~そんな夜空見上げて憂う姿超似合う人ぉ~京くん以外にいないよぉ~絶対京くんだよぉぉ~もぉ、バカバカバカぁ~あぁ~かっこいぃよぉぉ~!
さ駄目っ────
瞬間。わたしは野生動物に近づく時のように速くしなやかで滑らかな動作で近寄っていて。
刹那。獲物を仕留めるように身体が動いていた。
「…ん、で………ぁご…だし……」
結果。京くんはベンチにゆっくり倒れ込んだ。
ふー…。
「……骨、治ってる」
骨折、完治したよ、退院おめでとう。
先生! ありがとうございます!
───じゃないよぉ! じゃないんだよぉ!
わたしのアホォ~! 無意識にカミナリ落としちゃったよぉ~! ほんとは女になったわたしを見て概念的なカミナリを受けて欲しかったのにぃぃ~! なんで物理とかぁぁ~!
でも。
「…どうしよう……故意じゃないしごめんなさいの気持ちももちろんあるし不意打ちとはいえ初めて勝って嬉しい気持ちもあるにはあるけど正直それ以上に京くんゲットだぜ!のが強いっ!ぐわわぁ~」
ポケモン感覚で野生動物と対峙していたことが仇にぃぃぃ~
今日はせっかくのナチュラルメイクなのにぃ~
見せたい相手を沈めるとかぁぁ~
今日はせっかくの勝負下着なのにぃ~
見せたい相手を仕留めるとか勝負の意味違うぅぅ~
こんな再会は望んでなかったのにぃぃぃ~
再会して、顔を赤らめて、確認しあって、意識しあって、それから育んで。 …そういうシミュレーションは何度もしてたけど…
裁判長! こんなつもりじゃなかったの…殺るつもりなんて…わたしにはっ! そんなつもりは! なかったんですっ───ってシミュレーションはまだ十回しかしてないのにぃぃ~
もぅ、何してんのぉ~! わたしのアホォ~~! 殺っぽい出会いかたじゃなくってぇぇぇ~ そうじゃなくってぇぇぇ~ ぐわわわぁぁぁ~
でも。
「……よし」
さ、柔軟に切り替えていこう。
◆
とりあえず、京くんを強がりくじらの中にズルズルと引き込んだ。
強がりくじらは、口に入口があるから、まるで京くんがゆっくりと飲み込まれていくみたいに見えるだろう。
曇天夜空が背景にいい感じで、雷とか光れば笑っているくじらに、なお映える。
まあ、そのあとゆっくり飲み込むのはわたしなんだけど。
なんちて。
膝立のまま、仰向けに寝転ぶ京くんを見下ろす。
初白目、ゲットだぜ!
違くって。
「……久しぶり…京くん…」
本当に久しぶり。京くん。何度となく妄想したシチュと思い出。
なんかいろいろ想いが脳内に浮かぶけど、ぶっちゃけ京くんが欲しいって強い欲求に全部塗り潰されていく。
……それにしても、強がりくじらのお腹の中に二人きりだなんて、なんてロマンチック…………ごくり。
さ、もう寂しいのに強がらなくっていーんだよ、くじらさん。もう寂しくないからね。
「………京くんの…子種、ゲットするぜ」
だって一人、増えるし。
◆
「あは。おっきい…さてと、先ずはウェットティッシュとローションと…よいしょっと…んで…ペロペロかな。口に入るかなあ。あ、まだやわかい。レロレロ、ちゅ、チュパ、なら…永遠のおっぱい使うね。あ、ローションローションっと…えっとなになに…ブラホックは外さずに…おっけ」
◆
「うわっ! もうおっきしたし。すご。固! 超男前だし! 格好いい! んしょ、よしハートに入った~永遠のおっきいおっぱい、どう?京くんきもちぃ?…ここにもう一度ローショ…唾液でいっか。何か一体感あるし。この先っちょの汁…ん───、良い…いただきます。ちゅ。ちゅぴ。あーむ。ほほひい! ひゅほい!」
◆
「うわっ! すご! もう出しちゃったの? そんなに永遠のおっぱい良かった? ふふ。いっぱい顔にも髪にも掛かっちゃった…帰りは歩きかな…レロッレロ~、ちゅちゅ、じゅずずぅ───んんっ…なんかさっきと変わった味だし…うっ!ゴホっゴホっ喉に、絡むし…これなら、永遠の卵と、絡むかな…」
◆
「ちょっと京くんのおちん…ちょうだいね。永遠も気持ち良く…あれ、もうびちょびちょだった…恥ずかしい…なら京くん、さあ、ひとつになろうね」
◆
「あ、あ、あ、やっぱり無理! 全然入んない…すぐお腹にばちんこするし…でも絹ちんにも入ったし…でも何これ…無理ゲーじゃない…みんなは一体どうやって……体制…なら今度は後ろ向きになって…うわ、おしりの穴とか見せつけてるみたいで恥ずかしいいいあ、あ!これならいけそ…う───」
◆
「うく、ぎ、う───んしょ──!いっ!だぁい……京くんと繋がったよぉ……見える~?あは。…でもこれ、痛すぎ。動けない…ちょっと端ないけど…お豆さん触るね…京くんの子種の匂いも嗅いで…あ、あ、なんか、あ、未知の、あ、あん!、あ…これならヌコヌコしてあげれる…奥はまだ痛いから…先っちょを…あ、あ、良い、良いです。永遠もこれいい!あ、あ、あ────」
◆
「───あ、あ、いい、あれ?、あん、もう、いきそう!、早、あ、京くん一緒がいい!あ、あ、あん!、あ?きょ、う、くん、の先っちょが膨らんで! あ、一緒に、一緒にいくの、あ─っ、あ、いっく、あ、いっぱい出てる出てる京くんがんばれ………永遠の卵と仲良く手を繋いでね、あん?あ!───いっく……っはー、っはー、想像したら…もっかいいっちゃった…ヤバかったし…中出しありがとう、京くん………さ、撤収撤収、あ!忘れるところだった…お掃除ペロペロだっけ…しないと───うわ、血と混ざって…なんかダンスしてるみたいだし、ん、ん、ちゅ、ちゅぱ、レロ────」
◆
「でゅへへへ…」
放課後、そんな事を反芻しながらの帰り道に、同じ学校であろう女に話しかけられた。
マスクに太縁眼鏡…一年には居ない。
「眠らせ姫、…ですよね?」
「…だったら…何ですか?」
そーゆーのやめて欲しいんだけど。もう夢見る少女じゃいられないの、わたし。というか、一気に階段二段飛ばししたくらいだし。わたし。飛び級っていうかー。わたし。
「力をお貸しくださいませんか? ある男を懲らしめたいのです」
そんなくだらない事でわたしの前によく立てたなこいつ。そんな舐められ方したの初めてだし。まあ、今は機嫌が良いから見逃してあげる。
「…そういうのわたしやってないの。他所へ行っ──」
「藤堂京介。──数々の悪い男をやっつけてきた眠らせ姫ならご存知ありませんか? あの強姦魔のことを」
「………?」
……ご存知も何も、現在進行形でパパになる人だけど……何だったらそれわたしが京くん、いやさダーリンにしたんだけど……
そもそもダーリンがされる事はあっても、んな事するわけないじゃん。アタマおかしいやついっぱいいるんだし。わたしは運命だからいいけど。
まあ、今思えば仕留めた後の方が、難易度ゲキ高だったけど。痛みに耐性つけてて良かった~
ま、いいや。
へーんしーん。
「とりあえず知ってる事全部、吐いてくんない? この根暗クソ女」
「ええっ?!」
つまり誰か嘘を流したんだろうな。ダーリンのこと。
絶対許さねーし。
学校の休憩時間、わたしはお腹を撫でながら机に突っ伏していた。窓側前から二番目の席。松葉杖はもうない。
今日の装備はメモリアル五寸釘だけ。
「ね、ね、最近、永瀬さん艶っぽくない?」
「わかる。急に地雷メイクやめたと思ったらしっとりしてるし…もしかして後藤君と何かあったのかな? 妙に避けあってるし…」
「いつも、あんなに一緒にいたのにね。これ、好き避けじゃないかなっ!?」
ちげーよ。全然違うから。
ナチュラルメイクにしたら急にしつこくなったから、カミナリしただけだし。顔はやめておいただけだし。
わたしは窓から空を眺めながら、あっぱーでピヨピヨした顔をして小さく呟いた。
「ママか~」
◆
あの日。
中田氏をぶちのめした後。
絹ちんから聞き出した内容は衝撃的だった。なんと、わたしの知らぬ間に京くんを巡っての活動が動き出していたのだ。小学生の時に止まっていた時間が動き出していた。
変なやつにやられたというから何かと思えば、やっぱり愛香、愛ちんと何かあったという。
絹ちんが言うには、愛ちんの手が緩んでいる。今が一番のチャンス。永遠ちん、ま、お姉さんに任せて。なんて言うから、刺すか迷ったけどさっきまで妹役を演じられてきたわたしには妙な姉感が宿っていたため、背伸びする妹みたいで出来なかった。
とりあえず絹ちんは端々にマウント取ってくる度に頭グリグリだけにしといた。
それから週末、布団にくるまってグルグル考えていた。あの愛ちんが何故にそんなことを? だからこのあからさまな罠のように見える状況に、飛び込むか否か。
週が明け、悶々と考えていたまま迎えた火曜日の放課後。唐突に訪れた衝動に任せて京くん家に行った。
けど、チャイムは……押せなかった。
気持ちを落ち込ませながらトボトボと歩いて帰っていた。
…この辺、久しぶりだ。
中学を上がるタイミングで親の離婚があったから、わたしはこの町から引越していた。だから中学は京くんとは違う学校。まあ同じ市内だから来ようと思えばすぐ来れたけど出来なかった。
そうして辿りついたのは通称くじら公園。
川沿いにあるこの公園の名前は権現川公園が正式な名前。
川沿いにあるからか少し横長で、川側以外はみっちりと木が植えられていて、二つある国道側からの入口以外から中は見えにくい。
それに、川側には桜の木が植えられていて、それは川を挟んで反対側にもあったから川側からも見えにくい。
まるで箱庭みたいな公園だった。
だからこの密閉感に、小さな頃は秘密の話をするならここで。そう女子の間では決まっていた。
懐かしいな。
ここには何度も転校した桃と来ていた。偶に来る京くんと、三馬鹿のミッチン、純ちん、詩ちんを眺めてたな。
何回かねちっこく京くんに絡む詩ちん、泣かせたな。あいつ京くんに盲目過ぎて覚えてないだろな。バカだし。
そして公園の中央にはくじらの格好した遊具が一つだけあった。笑ってるような顔をしているくじらだった。
だから、くじら公園。
密閉されたこの公園の海に泳ぐ可哀想な一頭のくじら。
一匹だけしか飼う気のない水槽を見てるみたいで、いつも寂しい気持ちになっていた。
なのに、いつもくじらは笑ってる。
だからこのくじらを、わたしと桃は『強がりくじら』、そう呼んでいた。
その強がりくじらの中は屈めば高校生でもゆうに入れるスペースがあった。よくここで桃とお喋りしてた。
その遊具を横目で眺めながら、ママが帰って来るまで、わたしはここでボーっと時間を潰そうと思った。
京くんが昔みたいに立ち寄らないかなって期待しつつもママの事を考えながら、突っ立っていた。
なんとなく京くんを一番の目的にしたら会えない気がして…なんて。
でも。
京くん、京くん、京くん────逢いたいよ。
「逢いたいよぉ…………ぉ、ぉ、お?」
…いつの間にか入口付近にあるベンチに誰かが座ってる……?
え……?
───キュン。京くん?
──トクン。京くんだよね?
─トゥンク。京くんに決まってるよね?
ふー…。
落ち着けわたし。
落ち着くのわたし。
まだ京くんだと決まったわけじゃない。リアルでは丸三年見てないし。絹ちんには写真をもらっていたからもっかい確認すれば良い。けど確認しようにもなんか動けない。
でも。
でも…! 胸の鼓動は確かに京くんだと伝えてくる…わたしが見間違えるわけがない…もし本当に京くんならこれはきっと……さだめ…
ふー…。
チラリと横目で伺ってみる。
んふー…。
もぉ~そんな夜空見上げて憂う姿超似合う人ぉ~京くん以外にいないよぉ~絶対京くんだよぉぉ~もぉ、バカバカバカぁ~あぁ~かっこいぃよぉぉ~!
さ駄目っ────
瞬間。わたしは野生動物に近づく時のように速くしなやかで滑らかな動作で近寄っていて。
刹那。獲物を仕留めるように身体が動いていた。
「…ん、で………ぁご…だし……」
結果。京くんはベンチにゆっくり倒れ込んだ。
ふー…。
「……骨、治ってる」
骨折、完治したよ、退院おめでとう。
先生! ありがとうございます!
───じゃないよぉ! じゃないんだよぉ!
わたしのアホォ~! 無意識にカミナリ落としちゃったよぉ~! ほんとは女になったわたしを見て概念的なカミナリを受けて欲しかったのにぃぃ~! なんで物理とかぁぁ~!
でも。
「…どうしよう……故意じゃないしごめんなさいの気持ちももちろんあるし不意打ちとはいえ初めて勝って嬉しい気持ちもあるにはあるけど正直それ以上に京くんゲットだぜ!のが強いっ!ぐわわぁ~」
ポケモン感覚で野生動物と対峙していたことが仇にぃぃぃ~
今日はせっかくのナチュラルメイクなのにぃ~
見せたい相手を沈めるとかぁぁ~
今日はせっかくの勝負下着なのにぃ~
見せたい相手を仕留めるとか勝負の意味違うぅぅ~
こんな再会は望んでなかったのにぃぃぃ~
再会して、顔を赤らめて、確認しあって、意識しあって、それから育んで。 …そういうシミュレーションは何度もしてたけど…
裁判長! こんなつもりじゃなかったの…殺るつもりなんて…わたしにはっ! そんなつもりは! なかったんですっ───ってシミュレーションはまだ十回しかしてないのにぃぃ~
もぅ、何してんのぉ~! わたしのアホォ~~! 殺っぽい出会いかたじゃなくってぇぇぇ~ そうじゃなくってぇぇぇ~ ぐわわわぁぁぁ~
でも。
「……よし」
さ、柔軟に切り替えていこう。
◆
とりあえず、京くんを強がりくじらの中にズルズルと引き込んだ。
強がりくじらは、口に入口があるから、まるで京くんがゆっくりと飲み込まれていくみたいに見えるだろう。
曇天夜空が背景にいい感じで、雷とか光れば笑っているくじらに、なお映える。
まあ、そのあとゆっくり飲み込むのはわたしなんだけど。
なんちて。
膝立のまま、仰向けに寝転ぶ京くんを見下ろす。
初白目、ゲットだぜ!
違くって。
「……久しぶり…京くん…」
本当に久しぶり。京くん。何度となく妄想したシチュと思い出。
なんかいろいろ想いが脳内に浮かぶけど、ぶっちゃけ京くんが欲しいって強い欲求に全部塗り潰されていく。
……それにしても、強がりくじらのお腹の中に二人きりだなんて、なんてロマンチック…………ごくり。
さ、もう寂しいのに強がらなくっていーんだよ、くじらさん。もう寂しくないからね。
「………京くんの…子種、ゲットするぜ」
だって一人、増えるし。
◆
「あは。おっきい…さてと、先ずはウェットティッシュとローションと…よいしょっと…んで…ペロペロかな。口に入るかなあ。あ、まだやわかい。レロレロ、ちゅ、チュパ、なら…永遠のおっぱい使うね。あ、ローションローションっと…えっとなになに…ブラホックは外さずに…おっけ」
◆
「うわっ! もうおっきしたし。すご。固! 超男前だし! 格好いい! んしょ、よしハートに入った~永遠のおっきいおっぱい、どう?京くんきもちぃ?…ここにもう一度ローショ…唾液でいっか。何か一体感あるし。この先っちょの汁…ん───、良い…いただきます。ちゅ。ちゅぴ。あーむ。ほほひい! ひゅほい!」
◆
「うわっ! すご! もう出しちゃったの? そんなに永遠のおっぱい良かった? ふふ。いっぱい顔にも髪にも掛かっちゃった…帰りは歩きかな…レロッレロ~、ちゅちゅ、じゅずずぅ───んんっ…なんかさっきと変わった味だし…うっ!ゴホっゴホっ喉に、絡むし…これなら、永遠の卵と、絡むかな…」
◆
「ちょっと京くんのおちん…ちょうだいね。永遠も気持ち良く…あれ、もうびちょびちょだった…恥ずかしい…なら京くん、さあ、ひとつになろうね」
◆
「あ、あ、あ、やっぱり無理! 全然入んない…すぐお腹にばちんこするし…でも絹ちんにも入ったし…でも何これ…無理ゲーじゃない…みんなは一体どうやって……体制…なら今度は後ろ向きになって…うわ、おしりの穴とか見せつけてるみたいで恥ずかしいいいあ、あ!これならいけそ…う───」
◆
「うく、ぎ、う───んしょ──!いっ!だぁい……京くんと繋がったよぉ……見える~?あは。…でもこれ、痛すぎ。動けない…ちょっと端ないけど…お豆さん触るね…京くんの子種の匂いも嗅いで…あ、あ、なんか、あ、未知の、あ、あん!、あ…これならヌコヌコしてあげれる…奥はまだ痛いから…先っちょを…あ、あ、良い、良いです。永遠もこれいい!あ、あ、あ────」
◆
「───あ、あ、いい、あれ?、あん、もう、いきそう!、早、あ、京くん一緒がいい!あ、あ、あん!、あ?きょ、う、くん、の先っちょが膨らんで! あ、一緒に、一緒にいくの、あ─っ、あ、いっく、あ、いっぱい出てる出てる京くんがんばれ………永遠の卵と仲良く手を繋いでね、あん?あ!───いっく……っはー、っはー、想像したら…もっかいいっちゃった…ヤバかったし…中出しありがとう、京くん………さ、撤収撤収、あ!忘れるところだった…お掃除ペロペロだっけ…しないと───うわ、血と混ざって…なんかダンスしてるみたいだし、ん、ん、ちゅ、ちゅぱ、レロ────」
◆
「でゅへへへ…」
放課後、そんな事を反芻しながらの帰り道に、同じ学校であろう女に話しかけられた。
マスクに太縁眼鏡…一年には居ない。
「眠らせ姫、…ですよね?」
「…だったら…何ですか?」
そーゆーのやめて欲しいんだけど。もう夢見る少女じゃいられないの、わたし。というか、一気に階段二段飛ばししたくらいだし。わたし。飛び級っていうかー。わたし。
「力をお貸しくださいませんか? ある男を懲らしめたいのです」
そんなくだらない事でわたしの前によく立てたなこいつ。そんな舐められ方したの初めてだし。まあ、今は機嫌が良いから見逃してあげる。
「…そういうのわたしやってないの。他所へ行っ──」
「藤堂京介。──数々の悪い男をやっつけてきた眠らせ姫ならご存知ありませんか? あの強姦魔のことを」
「………?」
……ご存知も何も、現在進行形でパパになる人だけど……何だったらそれわたしが京くん、いやさダーリンにしたんだけど……
そもそもダーリンがされる事はあっても、んな事するわけないじゃん。アタマおかしいやついっぱいいるんだし。わたしは運命だからいいけど。
まあ、今思えば仕留めた後の方が、難易度ゲキ高だったけど。痛みに耐性つけてて良かった~
ま、いいや。
へーんしーん。
「とりあえず知ってる事全部、吐いてくんない? この根暗クソ女」
「ええっ?!」
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