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アレフガルド - ルーニノアの街
奴隷の皇女
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| ミラージュン- セブンスウェル
アレフガルド大陸最西端にあるラネエッタ王国、ルーニノアの街。
近くに農作物が豊富に集まるシーガラッハを抱え、西方の島々との交易も盛んな街だ。
「あら、殿下じゃありませんか!」
「もー、やめてください! 今日はお忍びなんですから! 今日の私は宿屋ミライの看板娘なんです!」
「…でも殿下。そのお腹じゃあ…」
「ほんとはお手伝いしたいんですけどね。今日は散策ですよ」
アレフガルドでは妊婦に害を加えようとするとこの地に復活できないと昔から言われている。それに大きな街は教会が幅を利かせていて、神殿騎士が至るところにいる。
少々護衛なしでも、妊婦であれば大丈夫なのだ。
しかも首には秘宝、[マタニテイカアドチョーカー]をぶら下げている。
これは隷属アイテムの奴隷の首輪を勇者様が干渉し書き換え、デザインチェンジしてくれた、この世で一つしかない、私だけのアイテム。
効果は私に害意を向けただけでその相手の心を一定期間隷属できる反則級の秘宝。名前はアートリリィ様につけていただいた。
なんでも京介お兄ちゃんの世界での妊婦証明アイテムの名前だそうだ。ふふん。ぴったり。
お兄ちゃん、今どの辺りかなあ。
あーあ。
強かったらついていけたのかなあ。
◆
ラネエッタ王国、ルーニノアは魔王や魔族の巣食う東の端から1番遠く、大陸中の人々からアレフガルド一安全な街とされていた。
そのルーニノアよりさらに西。海を渡った先に、七つの大きな島と小さな島々からなる、セブンスウェル諸島帝国がある。
そこはアレフガルド中央大陸より更に安全な場所で、魔王のいない人族の未来を写している、とまで言われた平和な国であった。
大昔、七つある島のそれぞれの王家は元々個別で島を支配していて、争いの絶えない間柄だった。
ただ一つ、この海域に住まう、海の大妖と戦う時だけは一致団結して戦っていた。
その現状を憂いた第19代召喚勇者が、大妖の討伐を条件に、島々を一つに束ね、国とした。
そうして出来たのが、セブンスウェル諸島帝国。
元々あった七つの王家はそれぞれ選帝侯家と改められ、現皇帝が帝位を退く際にそれぞれ皇帝候補を選出し、多数決によって皇帝を選ぶ事となった。
魔王が逃げた後だった事と、選帝侯や島民の願いもあって、初代皇帝は争いを止めた勇者様となった。
七つの選帝侯家は勇者様にそれぞれ娘を嫁がせ、勇者様の娘や息子を次代の選帝侯にしていった。
以来、海産物が豊富に採れ、色とりどりの花々や鳥や蝶の舞う美しい島々となり、長く長く平和が続いた。
だけど。
私が10歳の時、内乱が起こった。
私の父は現皇帝だった。少し体調を崩してから唐突に内乱が始まった。
一番上の腹違いの兄ともう一人の別島の選帝侯が皇位をかけ、戦を始めてしまったのだ。
次期皇帝の有力候補ではない二人だった。
他の選帝侯家に漏れないようにしながら先ずは自家の皇位継承順位の高いものから次々と暗殺や拷問で命を奪っていった。
内乱が始まってから危険を感じた母は、私を連れてルーニノアに逃れた。昔の縁を頼り、宿屋ミライで匿ってもらった。
母はそれから父の看病の手助けに出たっきり帰ってこなくなった。私は宿屋の丁稚として偽装しながら働いた。
◆
12歳の年、内乱は激化し、母が死んだと聞かされた。頼りにしていた護衛の兵士達からの報告だった。
初代皇帝である勇者に封印されていたはずの、濃霧の中に住まうと言われていた海の大妖、ビフィディ。
私の兄の陣営が封印の祠を壊し復活させてしまった。
それにより他の選帝侯の船は悉く沈められてしまい、私の母を乗せた船も沈められたという。
とても悲しかったが、実感が無かった。死の寸前には立ち会えなかったからだ。
なおも報告は続き、全て痛ましい出来事ばかりだった。
大妖の影響は凄まじく、島民は漁にも出れず、交易も途絶え、海賊も陸に現れ出したという。
色とりどりの花々や鳥や蝶の舞う美しかったあの愛した島々は、瞬く間に死の島へと変わってしまったのだと最後に言い残し、彼らも来なくなった。
それから暫くして、私は兄の雇う海賊に探し出され、捕まってしまい、奴隷の首輪をつけられた。
◆
それから二年。長い奴隷生活のせいか、背は伸びなくなっていた。
やがて精神も摩耗し、日々希望なく生きていたある日、その海賊のアジトに兄が父を連れてやってきた。
そして、目の前で父を嬲り殺しにした。
母も兄が船に乗せ、大妖の生贄にしたと言い出した。
兄はどうやら昔から小さな私を偏執的に愛していたそうだ。頼れる者を少しずつ削り、私の本気の愛を自分だけに向けたかったようだった。皇帝の座に着いた時にお前を頂く、そう言って出ていった。
そんな事で父と母を…兵士達を…私のせいで…私は枯れた涙を零し、崩れ落ちた。
それから私は次第に衰弱していった。
◆
いよいよ兄と最後に残った選帝侯の決戦の日が近づいていた。
そんなある日、迷い込んだ島民のフリをし、手枷を付けたまま侵入した今代の勇者様が、私を背負い、助け出してくれた。
なんでも、私が母から待たされていた我が選帝侯家に伝わる秘宝、エンケラドゥスのリュート。それが必要だと言った。
霧の属性のビフィディを短期間実体化させる効果のあるリュートだった。人族に使えば、魔力を乱し、興奮を呼び起こす作用のある楽器型の魔道具だった。
海の魔獣、エンケラドゥスはビフィディの天敵だった。それを太古の慌てん坊の勇者が誤って討伐してしまったのだという。そして大慌てで魔道具に仕立てて立ち去った、と伝承にはあったそうだ。
リュートは宿屋ミライの倉庫にあり、ここには無いのです。もしかしたら兄がもう手に入れているかも知れません。
そう申し訳なく伝えた。
しかし勇者様はリュートのことなど一つも触れずに助け出した私の現状を聞いてくれた。
私を撫でながら手を取り、まるで自分のことのように涙を流してくれた。
肉親の死は勇者様にとってもとても大事な事だったのだろうか。
その時の涙の奥のとても綺麗な黒曜の瞳。
私は生涯忘れない。
それは、ある一人の勇者が島民の嘆きに耳を傾け統一を決意した、我がセブンスウェル諸島帝国、創生の勇者物語。
その冒頭にあった、後の初代皇帝、第19代召喚勇者、ムラジュンの黒曜瞳の涕涙。
その一節とまさに同じだった。
◆
その日、決戦を控え、両陣営が続々と集まっていた決戦場に風と炎の嵐が、氷と雷の雷雨が襲来した。
今代の勇者様の怒りは、兄と選帝侯とビフィディの悉くを血祭りに上げ、一夜にして内乱を終わらせてしまったのだった。
人々は恐れ慄き、平伏し、辺りは静寂に包まれた。
それはそうだ。
伝説の勇者とは、初代皇帝陛下の再来なのだから。
私は勇者様の傍でそれを眺めた。勇者様は父と母の仇を目の前で取って下さったのだ。
私は勇者様の腕の中で静かに泣き、父母の安らかな眠りを、戦いが終わり凪いだ海に願った。
◆
その後、父の兄である伯父様が難を逃れていた事がわかった。
私の兄に船を沈められたが、運良く他の島に流れ着き助かったという。
そして、ある条件でもって、島民を納得させ再び島々を統一し暫定的に帝位を継いだという。
その条件を、伯父は私に言った。
「今代の勇者様とミラージュン、お前の子が帝位を継ぐまでの期間、私は皇帝となろう。だから必ずや勇者様を落とすのだ。姫巫女様にも秘密裏にお力添えをお願いしておる。よいか、必ずや落とすのだぞ」
そう言われた。
大事なことだからと二回言われた。
それからは宿屋ミライに勇者様を招き、私の看病をあざとくお願いした。回復してからは復興のお手伝いをあざとくお願いした。お兄ちゃん呼びもその頃あざとくし出した。
なぜか最初はどこか苦い顔をしていたけど。
滞在中、アートリリィ様の助言と秘策に従い、何度も朝起こすフリをし、あざとく頼んだ。
勇者様の超絶技巧によって、私は次第に笑顔を取り戻していった。幸せ失神した後の目覚めは今でも忘れる事は出来ない。
失神する前もだけど。
どうやらアートリリィ様はリュートの性能を知りたかったようだ。
そのリュートの力を借り、夜もあざとく頼んだ。お兄ちゃん私寂しいの、が建前になるくらい強かにあざとく頼んだ。お腹パンッパン。
これから我が帝国の未来は、昔よりずっとステキな愛の溢れる国に絶対になるだろうとワカラセられながら、毎晩幸せ失神していた。
初代皇帝陛下の名付けた宿屋ミライ。勇者様が滞在中、これからの帝国の未来を指し示すかのような愛に満ち満ちた、ずっと丸ごと我が帝国のラブ貸切状態だった。
だから当然、恵みが花咲いた。
◆
「お久しぶりです! 女将さん! ん?………これ……なんなんですか?」
「…え? 皇帝受胎の部屋だけど? 一泊10000000Gだけど?」
「……………………たっか」
アレフガルド大陸最西端にあるラネエッタ王国、ルーニノアの街。
近くに農作物が豊富に集まるシーガラッハを抱え、西方の島々との交易も盛んな街だ。
「あら、殿下じゃありませんか!」
「もー、やめてください! 今日はお忍びなんですから! 今日の私は宿屋ミライの看板娘なんです!」
「…でも殿下。そのお腹じゃあ…」
「ほんとはお手伝いしたいんですけどね。今日は散策ですよ」
アレフガルドでは妊婦に害を加えようとするとこの地に復活できないと昔から言われている。それに大きな街は教会が幅を利かせていて、神殿騎士が至るところにいる。
少々護衛なしでも、妊婦であれば大丈夫なのだ。
しかも首には秘宝、[マタニテイカアドチョーカー]をぶら下げている。
これは隷属アイテムの奴隷の首輪を勇者様が干渉し書き換え、デザインチェンジしてくれた、この世で一つしかない、私だけのアイテム。
効果は私に害意を向けただけでその相手の心を一定期間隷属できる反則級の秘宝。名前はアートリリィ様につけていただいた。
なんでも京介お兄ちゃんの世界での妊婦証明アイテムの名前だそうだ。ふふん。ぴったり。
お兄ちゃん、今どの辺りかなあ。
あーあ。
強かったらついていけたのかなあ。
◆
ラネエッタ王国、ルーニノアは魔王や魔族の巣食う東の端から1番遠く、大陸中の人々からアレフガルド一安全な街とされていた。
そのルーニノアよりさらに西。海を渡った先に、七つの大きな島と小さな島々からなる、セブンスウェル諸島帝国がある。
そこはアレフガルド中央大陸より更に安全な場所で、魔王のいない人族の未来を写している、とまで言われた平和な国であった。
大昔、七つある島のそれぞれの王家は元々個別で島を支配していて、争いの絶えない間柄だった。
ただ一つ、この海域に住まう、海の大妖と戦う時だけは一致団結して戦っていた。
その現状を憂いた第19代召喚勇者が、大妖の討伐を条件に、島々を一つに束ね、国とした。
そうして出来たのが、セブンスウェル諸島帝国。
元々あった七つの王家はそれぞれ選帝侯家と改められ、現皇帝が帝位を退く際にそれぞれ皇帝候補を選出し、多数決によって皇帝を選ぶ事となった。
魔王が逃げた後だった事と、選帝侯や島民の願いもあって、初代皇帝は争いを止めた勇者様となった。
七つの選帝侯家は勇者様にそれぞれ娘を嫁がせ、勇者様の娘や息子を次代の選帝侯にしていった。
以来、海産物が豊富に採れ、色とりどりの花々や鳥や蝶の舞う美しい島々となり、長く長く平和が続いた。
だけど。
私が10歳の時、内乱が起こった。
私の父は現皇帝だった。少し体調を崩してから唐突に内乱が始まった。
一番上の腹違いの兄ともう一人の別島の選帝侯が皇位をかけ、戦を始めてしまったのだ。
次期皇帝の有力候補ではない二人だった。
他の選帝侯家に漏れないようにしながら先ずは自家の皇位継承順位の高いものから次々と暗殺や拷問で命を奪っていった。
内乱が始まってから危険を感じた母は、私を連れてルーニノアに逃れた。昔の縁を頼り、宿屋ミライで匿ってもらった。
母はそれから父の看病の手助けに出たっきり帰ってこなくなった。私は宿屋の丁稚として偽装しながら働いた。
◆
12歳の年、内乱は激化し、母が死んだと聞かされた。頼りにしていた護衛の兵士達からの報告だった。
初代皇帝である勇者に封印されていたはずの、濃霧の中に住まうと言われていた海の大妖、ビフィディ。
私の兄の陣営が封印の祠を壊し復活させてしまった。
それにより他の選帝侯の船は悉く沈められてしまい、私の母を乗せた船も沈められたという。
とても悲しかったが、実感が無かった。死の寸前には立ち会えなかったからだ。
なおも報告は続き、全て痛ましい出来事ばかりだった。
大妖の影響は凄まじく、島民は漁にも出れず、交易も途絶え、海賊も陸に現れ出したという。
色とりどりの花々や鳥や蝶の舞う美しかったあの愛した島々は、瞬く間に死の島へと変わってしまったのだと最後に言い残し、彼らも来なくなった。
それから暫くして、私は兄の雇う海賊に探し出され、捕まってしまい、奴隷の首輪をつけられた。
◆
それから二年。長い奴隷生活のせいか、背は伸びなくなっていた。
やがて精神も摩耗し、日々希望なく生きていたある日、その海賊のアジトに兄が父を連れてやってきた。
そして、目の前で父を嬲り殺しにした。
母も兄が船に乗せ、大妖の生贄にしたと言い出した。
兄はどうやら昔から小さな私を偏執的に愛していたそうだ。頼れる者を少しずつ削り、私の本気の愛を自分だけに向けたかったようだった。皇帝の座に着いた時にお前を頂く、そう言って出ていった。
そんな事で父と母を…兵士達を…私のせいで…私は枯れた涙を零し、崩れ落ちた。
それから私は次第に衰弱していった。
◆
いよいよ兄と最後に残った選帝侯の決戦の日が近づいていた。
そんなある日、迷い込んだ島民のフリをし、手枷を付けたまま侵入した今代の勇者様が、私を背負い、助け出してくれた。
なんでも、私が母から待たされていた我が選帝侯家に伝わる秘宝、エンケラドゥスのリュート。それが必要だと言った。
霧の属性のビフィディを短期間実体化させる効果のあるリュートだった。人族に使えば、魔力を乱し、興奮を呼び起こす作用のある楽器型の魔道具だった。
海の魔獣、エンケラドゥスはビフィディの天敵だった。それを太古の慌てん坊の勇者が誤って討伐してしまったのだという。そして大慌てで魔道具に仕立てて立ち去った、と伝承にはあったそうだ。
リュートは宿屋ミライの倉庫にあり、ここには無いのです。もしかしたら兄がもう手に入れているかも知れません。
そう申し訳なく伝えた。
しかし勇者様はリュートのことなど一つも触れずに助け出した私の現状を聞いてくれた。
私を撫でながら手を取り、まるで自分のことのように涙を流してくれた。
肉親の死は勇者様にとってもとても大事な事だったのだろうか。
その時の涙の奥のとても綺麗な黒曜の瞳。
私は生涯忘れない。
それは、ある一人の勇者が島民の嘆きに耳を傾け統一を決意した、我がセブンスウェル諸島帝国、創生の勇者物語。
その冒頭にあった、後の初代皇帝、第19代召喚勇者、ムラジュンの黒曜瞳の涕涙。
その一節とまさに同じだった。
◆
その日、決戦を控え、両陣営が続々と集まっていた決戦場に風と炎の嵐が、氷と雷の雷雨が襲来した。
今代の勇者様の怒りは、兄と選帝侯とビフィディの悉くを血祭りに上げ、一夜にして内乱を終わらせてしまったのだった。
人々は恐れ慄き、平伏し、辺りは静寂に包まれた。
それはそうだ。
伝説の勇者とは、初代皇帝陛下の再来なのだから。
私は勇者様の傍でそれを眺めた。勇者様は父と母の仇を目の前で取って下さったのだ。
私は勇者様の腕の中で静かに泣き、父母の安らかな眠りを、戦いが終わり凪いだ海に願った。
◆
その後、父の兄である伯父様が難を逃れていた事がわかった。
私の兄に船を沈められたが、運良く他の島に流れ着き助かったという。
そして、ある条件でもって、島民を納得させ再び島々を統一し暫定的に帝位を継いだという。
その条件を、伯父は私に言った。
「今代の勇者様とミラージュン、お前の子が帝位を継ぐまでの期間、私は皇帝となろう。だから必ずや勇者様を落とすのだ。姫巫女様にも秘密裏にお力添えをお願いしておる。よいか、必ずや落とすのだぞ」
そう言われた。
大事なことだからと二回言われた。
それからは宿屋ミライに勇者様を招き、私の看病をあざとくお願いした。回復してからは復興のお手伝いをあざとくお願いした。お兄ちゃん呼びもその頃あざとくし出した。
なぜか最初はどこか苦い顔をしていたけど。
滞在中、アートリリィ様の助言と秘策に従い、何度も朝起こすフリをし、あざとく頼んだ。
勇者様の超絶技巧によって、私は次第に笑顔を取り戻していった。幸せ失神した後の目覚めは今でも忘れる事は出来ない。
失神する前もだけど。
どうやらアートリリィ様はリュートの性能を知りたかったようだ。
そのリュートの力を借り、夜もあざとく頼んだ。お兄ちゃん私寂しいの、が建前になるくらい強かにあざとく頼んだ。お腹パンッパン。
これから我が帝国の未来は、昔よりずっとステキな愛の溢れる国に絶対になるだろうとワカラセられながら、毎晩幸せ失神していた。
初代皇帝陛下の名付けた宿屋ミライ。勇者様が滞在中、これからの帝国の未来を指し示すかのような愛に満ち満ちた、ずっと丸ごと我が帝国のラブ貸切状態だった。
だから当然、恵みが花咲いた。
◆
「お久しぶりです! 女将さん! ん?………これ……なんなんですか?」
「…え? 皇帝受胎の部屋だけど? 一泊10000000Gだけど?」
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