異世界帰りの僕が100人斬りの勇者だなんてまだ誰にも知られていない ~帰還した元勇者の爛れたラブコメディ~

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ランペイジ!

明るい罪滅ぼし

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| 藤堂 京介


「じゃーん。瑠璃は京介くんの前で、この姿で踊る罰ね。このミニだけ履かせてね。恥ずかしい、けど。もしかしたらまだ治ってないかもしれない、けど。だからこそ見て欲しい」


 瑠璃ちゃんは、上は危なすぎる水着に白のプリーツスカートを装備していた。
 緩いウェーブがかった茶髪ボブショートの彼女のぱっちりした茶色い瞳には、覚悟と羞恥を宿し、向日葵のように明るい表情を浮かべて、少しはにかんだ。 


「私達は…踊れないから指定ポーズに水鉄炮ずっきゅんの刑。安心して、この水着は水に弱い。京介くんに私は弱い」


 首藤さんは、後ろ手で手を組み、スレンダーな体を前に出し、小さな胸に、可愛い乳首を乗せて、ツンと突き出すようにさせている。
 緩いウェーブがかった短くて暗めの茶髪は、眠そうな表情に良く似合っていた。色白な彼女は顔を赤らめているのがよくわかる。


「い、今まで、と、盗撮してすみませんでした。き、今日はですね、あの、ひ、一人ずつ藤堂さんに、と、と、撮っていただき、そ、その画像やど、動画を保存してほしくって…」


 間宮さんは大きな胸を腕で挟むようにしてお腹に手を添え、身体を横に捻ってモジモジしていた。ミドルカットのストレートの黒髪で顔を隠していた。儚い表情が良く似合っていて、背は低いが胸はおっきかった。


「間宮ちゃん、ミュージック、ゴー!」

「こ、これですか? はいはい、もー、人使いの荒い…なんで私が…」


「舎弟」

「わかってますよ! いきますよぉ~」


 そして、瑠璃ちゃんの罪滅ぼしという名の罰ダンスが始まり、三人で座りながら鑑賞することになった。





「見て! 京介くん、見て! 瑠璃を見て!」

「………」


 瑠璃ちゃんの選んだ曲は、少しテンポの速い曲で、あまり詳しくはないがどうやらアイドルソングだった。

 リズムに合わせながら激しく体を動かしていて、キレのあるダンスを見せつけてくる。その度にスカートの中の危なすぎる水着が目に飛び込んでくる。


「この人アタマ大丈夫ですか? なんでこんな格好で爽やかに踊れるんですか。全然罰ってないんですけど…ああ! そんな足上げたらスカートが…って見てるこっちが照れるんですけど! チラチラして逆に……っ、しかもなんでこんなにダンス、キレっキレっなんですか!? …猿?」

「大丈夫。ここから」
 

「ここから?」

「あ、ああ! ぁぁぁ、ダメ! 最後まで行けなかった…ふぇぇぇ、ん」


「………」


 瑠璃ちゃんのダンスは、お漏らしストップとなった。ダンスによる高揚か、粗相による羞恥かわからないが、顔を赤らめながら割座になり、泣き出した。割とびしょ濡れだった。


「なっ! …ななな…! …ここまで曝け出せる円卓こわい……森に帰りたい…」

「これ以下はない」


「そんな…私のためにハードルを下げてくれるなんて先輩優しぃ……じゃない! 乙女なんです! わ・た・し・は! お・と・め!」

「罪の前では無意味」


「そ、そうですけどぉ、お、おしっこの刑だなんて…わたし…」

「それは瑠璃ちゃんだけ」

「おしっこは京介くんとの思い出だし、誰にも汚させないよっ!」


「………」


 瑠璃ちゃんはバッと立ち上がり、間宮さんに言い寄った。すぐに持ち直すところは思い出のままだった。でも、なかなか複雑な気持ちにさせる言葉を口にしている。


「しませんし出来ませんよっ! なんでそんな良い風に言えるんですか…」

「はるはる、次」


「ほ、ほんとにす、するんですか、ほ、本気でするんですか! い、い、今ならまだ間に合いますよ!」

「ふーこれだから森は」

「これだから中2は」


「なっ! わたしだって森の看板しょってんです! 良いでしょう! やりますよ、やってやりますよ! 藤堂さんに私の罰を見せつけてやりますよ! そして隙あらばお二人よりおっきなコレで悩殺してやりますとも! さあ! 小さなきぬきぬも早く!」

「腹立つ」

「チョッロ魔女」


「くっ、なんなんですか! このお、お、おしっこ女!」

「そだよ~」


「なっ、これが無敵の人……」

「はるはる、京介くんを待たせない」


「はっ! …こほん。で、では、あ、改めまして。藤堂さん、わ、私達のす、す、好きなとこ、撃ってください」

「ポロリしかない」


 そう言って二人は立ち上がって後ろ手で手を組み、真っ直ぐこちらを見る。首から上は真っ赤だった。


「…………と、藤堂、さん?」

「…京介くん?」

「ど、どしたの、京介くん……? も、もしかして気にいらなかった……?」


「………………」


 僕は水鉄炮を置いて無言で立ち上がった。

 もう限界だった。

 僕の某は120%を超えていた。勇者のみが使えるというあの限界突破だ。

 出口は塞がれている以上、強引に突破するしかない。もし三人に阻まれたら僕のパンツを某が某してしまう。

 彼女達に違うボディペイントをしてしまう。

 第二、第三の愛香、未羽を生み出してしまう。由真と響子もか…あれ?こういう場合どう言えはいいんだ? いや、いい、もう数字を積み上げるわけにはいかないんだ!

 僕はトイレを借りる!

 瞳の色はイエスと確認済みだ!



 ………あれ? なら問題……ないのか…

 あ、そうか。なんか罪とか罰とか聞くと異世界の殺伐とした経験を思い出すから心が引っ張られていたのか…あっちは殺戮オンパレードだったし。

 こんな明るい罪滅ぼしなんて異世界すぎる。

 だいたい鉱山送りとか奴隷落ちとかなのに…なんて世界だ。お金払ってないのにポロリしかないなんて。

 そもそもこんな罰なんて考えてなかった。ちょっと強めに怒るくらいだったのだ。

 それがまさかのあぶなすぎる水着…みとれるだけが効果じゃないこの装備に、15歳の真っ新なこの身体は素直過ぎる反応を示し、知らず知らずのうちに心がそれに抵抗していたらしい。

 心と身体の不一致だね。だからあんなに抵抗してたのか。納得。

 ……だが、今まさに不安は解消され、心と身体は一つになった。ならばあとはそう、技だけだ!

 ふー…

 黙り込む僕を見る彼女達の瞳の色は、徐々に後悔と悲壮を湛えた色に変わろうとしていた。けど、安心して欲しい。

 勇者は悲しみを見逃さない!

 僕はまるで銃を撃つ仕草のように右手の人差し指を彼女達に突き出した。瞬間、息を呑む彼女達。

 洗浄の魔法を指先に溜めると淡く青い後彩色がゆらゆらと灯る。そして大袈裟な動作で一人ずつ撃ち抜くようにそれを振るった。

 小悪魔たちは青い光にそれぞれ包まれ、僕が汚れ認定したものは全て洗い流されていった。

 そう、あのあぶなすぎる水着上下とおしっこ、あいつらだ。

 小さくして部分的に綺麗にしていくことも出来るけど、それはもうちょっと大人になってからの話だ!

 魔法に驚き、素っ裸になって固まっているみんなが声を出す前に、僕はキメ顔でこう言った。


「罰は、僕が決める」

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