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生贄の対価
生贄1
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|初芝朋花
昼休み、葛川たちはどっかに行っていた。私は机に身体を投げ出したまま、安藤美月安藤美月、ミーと、田代真綾、マーヤとで駄弁っていた。
「はーつまんない」
「昨日ギラギラしてたもんね、目が」
「そーそー」
そうだ。今日のことを思うとワクワクして仕方なかった。それがこの肩透かし。中学の頃の葛川たちを知ってる身としては、想定外にもほどがあった。
「なんかムラムラしてたょ、朋花」
「生理前かよ」
「うっさい」
ちがう。
葛川、下出、中田、上田。
あいつらが同じ学校なんて何の悪夢かと思った。けど幸い私を見た事が無かったらしい。
本当は何年かかけて、完全に自分の過去を消してから近づくつもりだった。
下出の情報に載らなかった過去の私を褒めてやりたい。
最初は同中だからと訝しんでいた葛川も自身の事を知らないならばと気持ち良い言葉を並べて近寄ってきた。
葛川は下出の情報を信じ過ぎるのは知っていた。
あいつらを知らないなんて嘘だ。うちの中学であいつら四人は、一部の生徒たちからは、それぞれ悪魔と呼ばれているくらいクズで最低だった。
表では朗らかに笑い、甘いマスクで愛想を振り撒いているが、人一倍プライドが高く、嗜虐心の塊である葛川翔
どのグループにも顔を繋ぎ、お助けキャラでするりと仲良くなり、重宝されるが裏では常に獲物の情報を探している下出和成下出和成。
表ではおちゃらけて3枚目を演じ、賑やかし要員に見せていて、チャンスと思えば相手の欠点を並べ立て恫喝する上田陽平。
何を考えているかわからない無表情で口数が少ないクールキャラを演じているが、不意に有無を言わさず殴りかかり、人の流血が好きな中田大也
全員、下手に外面がいいため、大人達は気づきもしなかった。だけどあいつらに中学で壊されたやつは知ってるだけでも何人もいた。
生徒会長の先輩、陸上部の同クラの子、水泳部の後輩、バレー部のアタッカー、ダンス部のメインの子。それぞれ葛川たちに靡かなかった女子達だ。そして………私の親友。
あいつらはこぞってそういう女を壊したくなるサイコパス達だった。
自分に好意のある人間には気持ちの良い言葉や下出の情報から相手の望む言葉を割り出し、スパイに仕立てていった。
そのスパイを使って狙った女を孤立させてから救世主のように救い、モノにしていた。
時には強引にも関係を結び、落としていった。彼女たちの彼氏は寝取られ画像のせいで不登校になり、いつしか転校していった。
中学の三年生の夏休み、卒業した先輩が捕まった。容疑は監禁と暴行と強姦とAV販売だった。
その先輩は知らなかったが、恐らく擦りつけられたのだろう。その証拠に、夏休みをあけてからピタリと葛川たちの噂話が消えていったのだから。
対外的にはこれからは受験勉強だーなんて声を出していたが、多分大人しくしないといけない理由があったんだ。
こんなやつらに高校で目をつけられるわけにはいかないと、媚びを売りまくった。こいつらにはこれが1番食指が動かない。そこだけは信用していた。
幸い、高校デビューに成功した私はランキング上位にも載り、運が良かった。
ギャルギャルした喋り方を覚えるのに春休みを費やしたかいもあった。
これが功を奏して、絶妙なポジションに入れた。
いつかこいつらを破滅させるために。
「愛香こないね」
「それなー」
「やっぱり幼馴染がやられてビビったんじゃない?」
そう、今は愛香のことだ。
成瀬愛香。
滅多にお目にかからない美少女だった。葛川に媚びるなら関わらなかった。が袖にしてるのはわかった。
いつものあいつらならすぐにでも行動を移すのにここ3か月音沙汰がなかった。
さも普通の学生かのように振る舞うこの四匹の悪魔たちが気持ち悪くて仕方なかった。
こいつらは絶対反省なんてしない。いつか絶対行動を起こす。
それが昨日、唐突に起こった。
これは、愛香を生贄にし、葛川たちを破滅させる最大のチャンスなんだ。
昼休み、葛川たちはどっかに行っていた。私は机に身体を投げ出したまま、安藤美月安藤美月、ミーと、田代真綾、マーヤとで駄弁っていた。
「はーつまんない」
「昨日ギラギラしてたもんね、目が」
「そーそー」
そうだ。今日のことを思うとワクワクして仕方なかった。それがこの肩透かし。中学の頃の葛川たちを知ってる身としては、想定外にもほどがあった。
「なんかムラムラしてたょ、朋花」
「生理前かよ」
「うっさい」
ちがう。
葛川、下出、中田、上田。
あいつらが同じ学校なんて何の悪夢かと思った。けど幸い私を見た事が無かったらしい。
本当は何年かかけて、完全に自分の過去を消してから近づくつもりだった。
下出の情報に載らなかった過去の私を褒めてやりたい。
最初は同中だからと訝しんでいた葛川も自身の事を知らないならばと気持ち良い言葉を並べて近寄ってきた。
葛川は下出の情報を信じ過ぎるのは知っていた。
あいつらを知らないなんて嘘だ。うちの中学であいつら四人は、一部の生徒たちからは、それぞれ悪魔と呼ばれているくらいクズで最低だった。
表では朗らかに笑い、甘いマスクで愛想を振り撒いているが、人一倍プライドが高く、嗜虐心の塊である葛川翔
どのグループにも顔を繋ぎ、お助けキャラでするりと仲良くなり、重宝されるが裏では常に獲物の情報を探している下出和成下出和成。
表ではおちゃらけて3枚目を演じ、賑やかし要員に見せていて、チャンスと思えば相手の欠点を並べ立て恫喝する上田陽平。
何を考えているかわからない無表情で口数が少ないクールキャラを演じているが、不意に有無を言わさず殴りかかり、人の流血が好きな中田大也
全員、下手に外面がいいため、大人達は気づきもしなかった。だけどあいつらに中学で壊されたやつは知ってるだけでも何人もいた。
生徒会長の先輩、陸上部の同クラの子、水泳部の後輩、バレー部のアタッカー、ダンス部のメインの子。それぞれ葛川たちに靡かなかった女子達だ。そして………私の親友。
あいつらはこぞってそういう女を壊したくなるサイコパス達だった。
自分に好意のある人間には気持ちの良い言葉や下出の情報から相手の望む言葉を割り出し、スパイに仕立てていった。
そのスパイを使って狙った女を孤立させてから救世主のように救い、モノにしていた。
時には強引にも関係を結び、落としていった。彼女たちの彼氏は寝取られ画像のせいで不登校になり、いつしか転校していった。
中学の三年生の夏休み、卒業した先輩が捕まった。容疑は監禁と暴行と強姦とAV販売だった。
その先輩は知らなかったが、恐らく擦りつけられたのだろう。その証拠に、夏休みをあけてからピタリと葛川たちの噂話が消えていったのだから。
対外的にはこれからは受験勉強だーなんて声を出していたが、多分大人しくしないといけない理由があったんだ。
こんなやつらに高校で目をつけられるわけにはいかないと、媚びを売りまくった。こいつらにはこれが1番食指が動かない。そこだけは信用していた。
幸い、高校デビューに成功した私はランキング上位にも載り、運が良かった。
ギャルギャルした喋り方を覚えるのに春休みを費やしたかいもあった。
これが功を奏して、絶妙なポジションに入れた。
いつかこいつらを破滅させるために。
「愛香こないね」
「それなー」
「やっぱり幼馴染がやられてビビったんじゃない?」
そう、今は愛香のことだ。
成瀬愛香。
滅多にお目にかからない美少女だった。葛川に媚びるなら関わらなかった。が袖にしてるのはわかった。
いつものあいつらならすぐにでも行動を移すのにここ3か月音沙汰がなかった。
さも普通の学生かのように振る舞うこの四匹の悪魔たちが気持ち悪くて仕方なかった。
こいつらは絶対反省なんてしない。いつか絶対行動を起こす。
それが昨日、唐突に起こった。
これは、愛香を生贄にし、葛川たちを破滅させる最大のチャンスなんだ。
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