異世界帰りの僕が100人斬りの勇者だなんてまだ誰にも知られていない ~帰還した元勇者の爛れたラブコメディ~

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再会の始まり

顔射

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| 藤堂 京介


 久しぶりの風呂にはしゃいでしまっていて忘れていたが、さっき脱衣所で服を脱いだとき、なぜか義妹が覗いていた。

 なにゆえ?

 困惑はしたが、まあ今日は遅かったし、心配しているのだろう。でも安心して欲しい。全て回復魔法によって青あざなどはなくなっている。

 どうだい綺麗だろう。

 まるで見せつけるかのように下着姿でゆっくり一周したのだった。


「ふー。生き返るー」


 湯船に浸かり、そんな事をつぶやいた。少し15歳らしくないのは許して欲しい。こちとら約1か月ぶりの風呂なんだ。

 娯楽の無いあっちではメシと風呂と娼館しか癒しはなかった。
 する事が無いからメシの調理と娼婦の相手だけレベルが上がってしまった。
 そして娼館はだいたい風呂付きだった。だから自然と通いだした。

 純粋な風呂はパーティメンバー次第だったから差配出来なかったしね。むしろ風呂が無かったから魔王討伐まで5年もかかった、まである。言い過ぎか。

 でも一人きりの風呂なんて、一体いつぶりだろうか。

 この小さな空間に、一人。…まんざらでもない。


「もう死んでも良い~」


 本当に死力を尽くした魔王戦だった。閉塞感のある浴室だからか、久方ぶりの湯気に絆されたのか、ぼんやりと最期の戦いを思い出していた。

 体感でまだ数時間前だ。本当に死ぬかと思ったなあ。いや、死んだんだったか。いや、殺されたんだったか。いや、生き返ったのか。


「あ」


 そういえば、いつも戦いの後は冒険者や戦士たちと共に夜の街に繰り出し、滾りを沈めていたのだったか。

 そうしないとパーティメンバーに手を出してしまいそうで怖かったのだ。あいつら戦いのあとはだいたい薄着だったし。

 で、だ。


「どうしよう」


 勃起がおさまらねぇ。

 今更自分でするのもなあ。

 かと言って放置するのも…どうも勝手に収まる気がしないな…

 仕方ない。一発扱くか。自分だともうイけないくらいにスレていた僕だけど、もしかしたら体の機能は15歳のままだから、敏感かも知れないし自分で出来……はぅ!


「何だこれぇ…」


 今日一番の驚愕かも知れない。醤油よりも胡椒よりもなんだったら魔王戦よりもびっくりかも。


『異世界帰りの僕の息子が敏感過ぎて超辛い』


 なんかこれ、ラノベタイトル感あるな。ないか。

 いや、これ、手が止まらなくなる。

 これ、ネタすら要らないかもしれない。


「やばい」


 危険を感じ、一旦浴槽から出る。

 あんなにも娼館を梯子していた、この僕が…

 最期の方には複数人でもどんとこいだった、この僕が…。

 何この超敏感な身体。恐るべしレベルアップの恩恵。いや経験か。


「ぅあ、ぅあああ、あぁ!」


 あ、声でちゃう。あ、ヤバっ、これ、すごぉーぃ、すぐぃく。


「京介っ!大丈夫っ!?」

「ぁえ!」


 いきなり義妹が風呂に飛び込んできた!

 反射で身体全体をそっちに向けてしまった!

 手は…離れない!

 いや、反射でそこは離せよ! 反射仕事しろよ!

 ダメだ! 離せない!

 すぐさま根本を抑えた!

 が、15歳のリビドーにはどうやら無駄だった!

 勇者は負ける…あっ、ダメッ。イッ

「くぅ」

「……ぁ」


 ビチャビチャと音がなりそうなくらい、義妹の顔に掛けてしまった。

 顔っていうか全身に。袈裟斬りに。

 あ、まだ出るっ。


「ぅくっ」

「……」


 最期はホットパンツから覗く艶っとした太腿に掛かって収まった。瞬間、身体を丸くし余韻で震え俯き、息を吐き出した。


「はーっ、はーっ、はー…」


 すげぇ…15歳の身体…何か魂まで出そうなくらい気持ち良かった…

 そりゃ目が血走ってる男子が多いのがわかるよ…

 というかそれより何よりどうしよう。

 なんて言えば良いんだろう。

 僕はなんて言えば良いんだろう。

 僕はなんて思えば良いんだろう。


 というか僕、悪くないよね?兄としては確実に悪いと思うけど…五年前の僕はこんな時に何て言う?

 薄ら目をあけると、義妹の足が見える。義妹はまだ風呂場から出ていなかった。いや出なよ。

 恐る恐る視線を上に上げると、義妹はそれはもう酷い有様だった。

 ある村からの依頼で、象くらいのサイズのナマコみたいな魔物を討伐したことがあった。
 吐き出すゼリー状の白い粘液は微弱の魔力を狂わす効果があり、掛かると魔法の威力や、身体強化のバフが落ちるため、避けながら戦った。

 ナマコは討伐の最中、斬りつけると狂ったようにその粘液を吐き出していたから全てを避けることは出来ず、滑っとした体表には刃や魔法は通りにくく、長引けば魔法は減衰し、そんなに強くはないのに、ただただ厄介な魔物だった。

 討伐後、最終的には姫巫女達は粘液に塗れて、そう、ちょうど今の義妹みたいに一点を見据えて放心している表情をしていて……

 うん? どこ見て……僕の、股間…?

 おもむろに顔に掛かった僕の放った精液を指で掬い…眺めて…クンクンしてから…口に含んだ。


「なんでっ!?」

「!っ」


 流石に突っ込んでしまった。
 瞬間、義妹もハッと意識を取り戻す。

 あれ? この子処女だよね? いつのまにか経験者? JKに精飲ってレベル高スギない? それに義妹だよ?

 これなんてエロゲ?


「……なにこれ」

「ナニって…」


 いや、高校生だしわかるでしょ。わからないのに舐めたのかよ。わかってるのに言わす気か。上級者か。

 そういえば心配して入ってきてたな。


「…とりあえず出てよ。大丈夫だから」

「!!」


 突き放すように伝えたらガチャりと閉じてバタバタと出て行った。


「ふー」


 額に手の甲を乗せ、汗を拭う。

 いや、ふーじゃない。

 何もクエストは達成していない。

 そういえば初めて見つかったのかもしれないな。召喚前は自慰なんてあまりした事無かった、と思う。

 父さんが亡くなってからは常に誰かがそばに居たからか、ひとりの時間が少なく、それどころではなかった気がする。


「あーどうしよう」


 オナバレとか魔王戦より嫌すぎるんだけど。

 僕は浴室の天井を見上げ、ぽつりと呟いた。

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