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バンマヌッシュ
07 厭と頭を縦に振る ※
しおりを挟むもう無理です、ってちゃんと言葉で伝えたなずなのに、シャンプルディさんの手の動きが止まらない。
止めてくれない。
「もう一度だ」
……えええええ、なにその鬼畜発言!?
ううわ、なんかキュンってしちゃったし、ちょっと勃ってきちゃったし!
ガチMではないけど、どっちかといえばM気質で抱かれたい方で、強引に責められたいおれの妄想が、これを見せてんの?
シャンプルディさんがおれの理想すぎてつらい。
なにこれ、夢なの?
突っ込まれる直前で夢オチで目覚めて、現実で孤独を噛み締めて死にたくなるのか?
「や、あ、やめてっ」
「その願いは聞けないな」
腹の毛にまとわりついていた白濁を半勃ちのチンポに塗りつけられて、ぐちぐちと粘液質な音を増したおれの股間が、シャンプルディさんの素敵チンポと手の間で押し潰されて再び硬くなっていく。
うぅ、前でイくの慣れてないのに、こんなに何度もイくのつらい。
う、イ、イくっ。
ピュルっと、あまりにも少ない量の射精が情けない。
快感に荒くなった呼吸を整える時間は与えられず、シャンプルディさんが二人分のチンポを擦る手は止まらない。
ちょっと待ってくれ、なんでシャンプルディさんは一度もイかないんだよ、遅漏なのか?
それともおれが早すぎるだけ?
「うぅ、もう無理だよぉ、やあ、やめてぇ」
「大丈夫だ、上手にできている」
「あ、っあ、んんっ、やだぁ、そんな事言わないでぇ」
早いって言われて嬉しいわけないだろーっ!って思ったら涙がこぼれた。
褒めてんの?けなしてんの?どっち?
シャンプルディさんみたいに素敵な人と過ごせるって知ってたら、酒場で垂れ流されるエロ話から逃げなかったのに。
サル共にその気になられちゃ困るからって、逃げ続けたおれが悪いのかよー。
疲れた、もう無理。
射精で何度もイくのってキッツイ。
後ろに刺激が欲しい、腹が期待しすぎて痛いっ。
「気持ちよくなれていると褒めただけだろう、何が嫌なのか教えてくれ」
褒められてた、の?
え、そうなの、嬉しいかも。
でも早いのって褒められることか?
今は、そんなことよりも、触れられたい、欲しい、疼く尻の穴を埋めて欲しい、大きいの欲しい、シャンプルディさんのが欲しいっ。
「はっ、あぁっっ、いやじゃないです、っ」
「そうか、ならもっとしてやろう」
「やっ、前でイくのいやだ、入れて欲しいのにっ」
「……」
シャンプルディさんが無言になってしまった隙に、必死で呼吸を整える。
射精でイくのはその時の快感は強いし、すごくすっきりする。
ただし、すごく疲れるから、普段から前でイき慣れてないおれには負担が大きすぎる。
後ろでゆっくり気持ちよくなりたいんだよー。
「バンマヌッシュ」
捕まえたおれの手を、血管がビッキビキに浮き上がった美しいチンポに添えながら、シャンプルディさんが甘い声で囁いてくる。
「慣らしてからでないと、ひどい目にあうぞ」
「……は、い」
そんなん誰よりも知ってるって!
尻穴は出すところ、入れるところじゃないって。
でも、今世って尻から子供産むんだよな、本当にどうなってんの?
それよりもこれ、手コキしろってこと?
うわぁ、立派だなぁ、今世がメートル法じゃないから具体的にどのくらいか分かんないけど、間違いなく前世で使ってたディルドより大きい。
うわ、うわぁ、熱い。
表面を覆う皮膚は柔らかくて、その下に岩みたいに硬くなった海綿体を感じる。
血管が浮き上がってひくつく竿は、おれの精液とシャンプルディさんのカウパーでぬるぬるになっていて、すごく卑猥だ。
すごい、これがおれの中に入るの?
入れてくれんの?
「ん、っん、ぁっ」
「く……ぅっ」
そんなことを考えていたら、おれの手の上に自分の手を重ねたシャンプルディさんが、手を動かし始めて、おれの腹毛にたっぷりと精液を吐き出してくれた。
おれの精液と、なんか匂いが違う?
青苦いような生臭いような、他のものに例えにくい匂いが鼻をくすぐった。
あーでも、この匂い好きかも。
発情の匂いと混ざると、すっごいこう、なんか頭おかしくなりそう。
「うつ伏せになれ」
「……はい」
精液の匂いにうっとりしていて、反応が遅くなってしまったけれど、声に従いながらあれ?と思う。
え?あれ?うつ伏せ?四つん這いじゃなくて?
初めてが寝バック……だと、突っ込まれる方としてはハードル高いような気がするんだけど、まあシャンプルディさんがそれが好きだって言うんなら、まあ良いか。
おれだって自分よりもごんぶとなゴリラを相手にして、対面正常位とかデカッケツ抱えてバックで突っ込め、って言われたら萎えるし。
でも、うまく入るか?
……ってことはあれだ、金持ちの家にありそうなトラとかライオンの頭のついた敷物の上で、オナってる感じ……か?
シャンプルディさんは、ちょっとマニアックなのかな。
これもギャップ萌えなのか、ちょっと悩む。
「触れるぞ」
「は、はい」
気をつけ!の姿勢でうつ伏せになるおれの尻に、シャンプルディさんの指が触れる。
なんか無言だし、なかなか指が穴に触らないんだけど、なんで?と微妙な雰囲気に困っていると、背中に声が降ってきた。
「バンマヌッシュ、一つ教えてくれ」
「はい、な、なんでしょう」
「最後に抱かれたのはいつだ?」
「え?」
「お前が最後に雄を受け入れたのはいつだ?」
「それ、どういう意味ですか?」
思わず上半身を起こしかけてしまい、尻に触れられてるんだった、と焦って首だけで振り返る。
シャンプルディさんが、何をおれに望んでるのか、分かった気がした。
悲しいって思うよりも前に、涙が勝手にぶわわっ!とあふれた。
ゴリラの涙なんて誰も喜ばねえから泣くな、って内心で荒ぶってみても、涙が止まらない。
不細工なゴリラがさらに不細工になるからやめろよ、って分かってるのに。
「お、おれっ、誰にも抱かれたことなんてないよっ!!」
「それはすまない、おかしなことを聞いたようだ」
別に後生大事にしてきたわけじゃないけど、この世界でおれが抱かれたいって初めて思えたのは、シャンプルディさんなのに。
「バンマヌッシュ、お前を傷つけたくないから聞くのだ、教えてくれ、俺が初めてなのか?」
「そーだよ、おれ、好きな人以外とこんなことしないよ!!」
「そうかすまなかった俺が悪かった、お前を大切に抱くために聞いたのだ、許してくれ」
「ほんと?おれ、初めてだよ、優しくしてくれる?」
「心がける……が」
なんでか知らないけど、おれ以上にうろたえているようなシャンプルディさんの姿に、少しだけ冷静さを取り戻すことができた。
ぎこちない手つきでおれの尻を撫でるシャンプルディさんは、童貞っぽい。
やっぱりさっき感じことは間違ってないのかな。
シャンプルディさんは、おれが遊びなれてるって考えてて、童貞を捨てる相手に使おうって思われてる?って。
この世界でめちゃくちゃ醜い人扱いなんだから、童貞の可能性が高いよな!
ってことは、さっきのは童貞の被害妄想的なもの?
ほらよく聞くだろ、綺麗な職業人の姉さんに筆下ろしをしてもらう童貞が、劣等感を抱くみたいな話。
まあ、おれの場合は処女だから、童貞を骨抜きにする百戦錬磨なのに清純そうな職業お姉さんには、ほど遠いけれど。
でもこれで分かった。
そうとなれば、おれがシャンプルディさんを導かないといけないのか。
これまでのアナニー経験が役に立つ日が来るなんて、思いもしなかったけれど、おれはやる!
尻を持ち上げて足を広げて両膝で下半身を支える。
正直、恥ずかしい。
丁寧に洗ったとはいえ尻の穴を他人に見せるなんて、恥ずかしくない方がおかしいだろ。
でもきっと、恥ずかしがってたら、童貞のシャンプルディさんとは繋がれない。
「大丈夫だから、入れて?」
聞こえたよな!聞こえたよね?
恥ずかしくてシャンプルディさんの顔が見れないけど、二回もこんなこと言わないからな!!
「すまないが、俺は経験がなくて、どうすべきか分からない」
「!、そ、そうなんですかっ」
「そうだ」
や、やっぱり初めてなんだ!
初めて同士なら、やっぱり前世の記憶とアナニー経験のあるおれが先導しないと!
「大丈夫ですっ、おれ、自分でできます、いつも、その、じ、自分で慰めてるからっ」
「そ、そうか」
なんか、軽く引かれた気がするけれど、ここでやり方知りません!って言ったら終わっちまう!
こんなに必死になる必要があるのか?って疑問も持ってしまうけれど、シャンプルディさんと繋がりたい。
ここでヤっとかないと、本当に街を出ていってしまいそうだから、先延ばしにはできない!
頑張れ、おれ!!
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