1 / 72
一、片思いから
01 志野木
しおりを挟む
:注意:
今作は〝ミスルトーの下で〟〝マグロとヘビ〟と登場人物の重複があります
14話目以降が不穏です、残酷描写は削りましたが、自己判断でお願いします
人外にオリジナル設定を含みます、創作であることを御了承下さい
登場人物たちの口が悪いです、暴言吐きます
男性妊娠、お披露目、公開プレイに関する発言はありますが、描写はありません
巨根(フィスト並み)がキーワードにありますが、具体的な拡張の描写はありません(諸事情)
菩薩の心をお持ちの方は、よろしくお願いいたします
残酷は無理!な方は、12話までなら大丈夫です(※なシーンもあるよ)
よろしくお願いします
◆
ほら、とナットを差し出してきた男の大きな手は、俺と同じように黒く汚れていた。
目の前で笑っている男は、俺の内心なんて知るはずもなく、呑気に朗らかに笑っている。
……こいつの笑顔を見ていられるだけでいいんだ。
恋人になりたいとか、この恋心に気がついて欲しいとか、考えたらいけない。
頭では理解しているのに、心が悲鳴をあげる。
「来月の休みもサーキットくるか?」
「ああ」
「今日もいつものラーメン屋に寄ってから帰るよな?」
「ああ」
サーキット用のスリックを公道走行用のラジアルに変えながら、男の言葉に相槌を打つ。
全神経を男の声に向けていると、とても情けない気持ちになるのに、この上なく幸せだ。
手元のトルクレンチをカチカチ鳴らしながら、こんな上の空でタイヤを交換していて、帰宅途中でタイヤが外れたら無様だろうな、と他人事のように考えた。
俺たちよりも軽くひと回り以上は上の世代で流行った、峠を違法改造車で攻めるとか、港湾でゼロヨン走行、なんて今はできない時代だ。
違法改造車や二輪車の取り締まりは年々厳しくなり、違法改造の車両への世間の目は冷たくなるばかり。
合法の改造範囲内の車に乗っていても、街中で向けられる目は冷ややかだ。
そんな流れに逆らうように、俺はサーキットを走ることに傾倒している。
タイムアタックメインのグリップ走行しかできないけれど、車ごと吹っ飛びそうな中で、壊れるのではないかと思うほどに震えるハンドルを押さえ込んで、つま先の感触を頼りにアクセルとクラッチを踏みながら、頭の中で思い描く通りに車を走らせるのは、ものすごく楽しくて大変だ。
プロのライン取り、ハンドル捌きやペダルワークを、素人が真似できるわけがないとしても。
一度、試してみたいとは思うけれど。
練習の場がないのに、ドリフト走行なんてできない。
どう操作すればドリフト走行になるのか、原理はわかっていても、技術が伴わないので即スリップしてクラッシュするだろう。
金銭的な理由もあり、練習しようとは思わない。
七、八十年代ならともかく、昨今のハイテクを満載した車の改造できる範囲など、たかが知れている。
素人ができることなんて、ほとんど何もない。
何もかもをコンピュータで制御された車は、改造車好きの心を遠ざけていると思うし、玄人の手でさえも扱いにくいのかもしれない。
だからカスタマイズよりも、ドレスアップが流行るのかもしれない。
そんなことを考えながら、男と再会した時のことを思い出した。
就職してすぐに、少し無理をして、状態の良い中古車をローンで手に入れた。
半年前、社会人生活も二年目に入って、月々で自由になる金の把握もできたことで、定期的にサーキットに通う余裕ができた。
その頃には、素人が合法の範囲内でチューンナップすることに限界を感じていた。
フルで働きながら、プロの整備士の技術や知識を手に入れるのは無理だ、とも。
自分で今以上に手を入れることを諦め、本格的な足回りに変えようかと訪れた、愛車を合法範囲内で改造してくれるカスタムショップで、男に出会った。
いいや、再会してしまった。
「あれ、おまえ志野木か?」
「……」
入店してすぐ、男の顔を見た瞬間に、学生時代の姿が脳裏をよぎった。
一番会いたくなかった奴に、どうしてこんなところで出会うのか。
こいつが車好きなんて、聞いたことなかったのに。
健康的に日焼けした彫りの深い顔。
短く刈り込まれた黒髪。
詰襟の学生服のボタンは上から二つが外されて、時折覗く喉仏が動くのを見られることが、何よりも楽しみだったことを思い出してしまった。
同級の男は、あの頃よりも筋肉がついて、服の上からでもわかる大人の体になっていた。
短い黒髪はそのままでも、髪型はもっと大人っぽいクルーカットで、ボタンが外された濃紺のポロシャツの喉元には、あの頃ときめいた喉仏が見えている。
縦にも横にも幅のある分厚い体は、学生の頃よりさらに背が高くなり、たくましくなっていた。
いい意味で成長した男の姿は、無理して努力して付き合っていた異性の恋人に、手厳しい意見とともに捨てられて、やはり同性しか愛せないのだと思い知り、鬱屈した気持ちを抱えていた俺には眩しすぎた。
「おれのこと覚えてないか?
東鬼だよ、高校の二、三年で同じクラスだったろ、ほらよくお前と名前似すぎ!つってさ間違えられただろ?」
覚えているかって?
ふざけるなよ、ずっと忘れたかったのに、どうして再会してしまったのか。
俺の名前は志野木 丘
こいつの名前は東鬼 堯慶
文字に書けばまったく違うのに、声に出してしまうとひどく似ている、そんな男のことなんて、忘れてしまいたかった。
初めは喧騒の中で名字を呼ばれるたびに、自分のことなのかこいつのことなのか、判断できずに苛立った。
内心で苛立っている俺に気がついてないのか、この男はいつもヘラヘラと笑って「二人でお笑いコンビやろうぜ」とか呑気なことを口にしていた。
友人でもなかったのに。
そうだ、俺たちなんて、存在しない。
こいつと俺の接点は、ただの名前の発音が似ているクラスメイト、ってことだけだった。
ずっと能天気すぎる、と苛立ちを覚えていたはずなのに、いつからかこいつの姿を目で追うようになった。
東鬼と志野木、文字にすれば赤の他人なのに、口にすればあまりにも近い。
だから、近づきたくなかった。
忘れてしまいたかった、同窓会にも出なかった。
……こいつが、俺に、同性への明確な恋心を、初めて抱かせた男だから。
頭では、中途半端な知り合い以上、友人未満の関係を続けてはいけないと理解している。
同性を好きになってしまう俺と、同性を恋愛対象にしない男。
叶わないと知っている願いなのに、この先があるのではないかと期待してしまうほど、こいつはいいやつだ。
いっそのこと、酒で潰して一晩の行為に及ぼうかと思ったこともあるが、俺は安い缶チューハイ一本あれば二日酔いになってしまうから、二人で飲むという選択肢がない。
生中一杯で酔いつぶれたことがあるとか、知られたくない。
再会した男に、アパートの場所を知られてしまってからのことは、思い出したくない。
何が楽しいのかしょっちゅうやってきて、次はいつ休みなんだ、次はいつサーキットに行くんだ?とうるさい。
サーキット通いは、金も時間もかかるから毎週行くものじゃない。
……違う、これは言い訳だ。
頼むから、もう振り回さないでくれ。
お前との間に未来があると勘違いしたくない。
そう考えてなおざりな対応をしていたことが、男の癇に障ったらしい。
サーキットから戻り、借りているガレージにスリックタイヤと携行缶を降ろし、車を置いて、1Kのアパートに戻ってきたことで気が抜けていた。
いくら四点式のベルトで体を固定していても、サーキット走行で体にかかるGは公道走行の比ではない。
普段なら玄関で挨拶して帰る男が、室内に入ってきたことを、おかしいと思わなかった。
疲れて油断していた。
「なあ志野木」
「……なんだ?」
なんで、こいつが家の中に?と思うと同時に、視界が男の体で塞がれて世界が回った。
背中にベッドのマットレスが当たるが、背に回された手で勢いをころされたのか、痛みはない。
目の前には煌々と光るシーリング、逆光になった男の顔。
「な、んだ?」
驚きで硬直して、もう一度声を上げる俺を、影になった男の瞳が見下ろしているのを感じた。
「……気に入らねえ」
「……っ?」
普段まったく他人の悪口を言わない男からの、突然の言葉に固まっていると、男が唇を片側だけ吊り上げた。
犬のように鋭く尖った犬歯が覗くと、凶暴で獰猛さを感じる表情に見えた。
男が怖い、とはじめて思った。
「そうやって、自分には関係ないみたいな顔で澄ましてるところとか、本当に腹がたつ」
言われている言葉の意味がわからない。
「何を言って……っ」
男の言葉の真意を知ろうと震えそうになる声を発すると、下半身に痺れるような刺激が走った。
視線を下げてみれば、男の手が俺の股間へと伸ばされて動いている。
「な、何してるっ!?」
「んー、強姦?」
「は??」
「だから、お澄まし顔の志野木を東鬼が食べるんだよ、ってオヤジギャグか?」
意味がわからない、いいや、言葉の意味はわかるけれど、ごく普通の異性愛者である(と考えられる)男が、俺にそんな猟奇的なことを告げる理由が分からない。
混乱して動けないでいると、両腕をまとめられて頭上で押さえられた。
手首に触れる手のひらは分厚く、指先は硬くなって荒れている。
ちょっと待った!
がさがさした指に触れられて、ときめいてる場合じゃない!!
「おい、待てよ、やめろ、なんでこんなことをするんだっ」
俺は同性愛者かもしれないが、マゾじゃない。
好きになったらいけない男を一方的に好きになっただけで、犯されたいわけじゃない。
何より俺には同性との性交経験がない。
恋人だった女性の協力で経験自体はあるが、彼女との行為は自慰の延長線上だった気がする。
こんなのは、望んでない。
今作は〝ミスルトーの下で〟〝マグロとヘビ〟と登場人物の重複があります
14話目以降が不穏です、残酷描写は削りましたが、自己判断でお願いします
人外にオリジナル設定を含みます、創作であることを御了承下さい
登場人物たちの口が悪いです、暴言吐きます
男性妊娠、お披露目、公開プレイに関する発言はありますが、描写はありません
巨根(フィスト並み)がキーワードにありますが、具体的な拡張の描写はありません(諸事情)
菩薩の心をお持ちの方は、よろしくお願いいたします
残酷は無理!な方は、12話までなら大丈夫です(※なシーンもあるよ)
よろしくお願いします
◆
ほら、とナットを差し出してきた男の大きな手は、俺と同じように黒く汚れていた。
目の前で笑っている男は、俺の内心なんて知るはずもなく、呑気に朗らかに笑っている。
……こいつの笑顔を見ていられるだけでいいんだ。
恋人になりたいとか、この恋心に気がついて欲しいとか、考えたらいけない。
頭では理解しているのに、心が悲鳴をあげる。
「来月の休みもサーキットくるか?」
「ああ」
「今日もいつものラーメン屋に寄ってから帰るよな?」
「ああ」
サーキット用のスリックを公道走行用のラジアルに変えながら、男の言葉に相槌を打つ。
全神経を男の声に向けていると、とても情けない気持ちになるのに、この上なく幸せだ。
手元のトルクレンチをカチカチ鳴らしながら、こんな上の空でタイヤを交換していて、帰宅途中でタイヤが外れたら無様だろうな、と他人事のように考えた。
俺たちよりも軽くひと回り以上は上の世代で流行った、峠を違法改造車で攻めるとか、港湾でゼロヨン走行、なんて今はできない時代だ。
違法改造車や二輪車の取り締まりは年々厳しくなり、違法改造の車両への世間の目は冷たくなるばかり。
合法の改造範囲内の車に乗っていても、街中で向けられる目は冷ややかだ。
そんな流れに逆らうように、俺はサーキットを走ることに傾倒している。
タイムアタックメインのグリップ走行しかできないけれど、車ごと吹っ飛びそうな中で、壊れるのではないかと思うほどに震えるハンドルを押さえ込んで、つま先の感触を頼りにアクセルとクラッチを踏みながら、頭の中で思い描く通りに車を走らせるのは、ものすごく楽しくて大変だ。
プロのライン取り、ハンドル捌きやペダルワークを、素人が真似できるわけがないとしても。
一度、試してみたいとは思うけれど。
練習の場がないのに、ドリフト走行なんてできない。
どう操作すればドリフト走行になるのか、原理はわかっていても、技術が伴わないので即スリップしてクラッシュするだろう。
金銭的な理由もあり、練習しようとは思わない。
七、八十年代ならともかく、昨今のハイテクを満載した車の改造できる範囲など、たかが知れている。
素人ができることなんて、ほとんど何もない。
何もかもをコンピュータで制御された車は、改造車好きの心を遠ざけていると思うし、玄人の手でさえも扱いにくいのかもしれない。
だからカスタマイズよりも、ドレスアップが流行るのかもしれない。
そんなことを考えながら、男と再会した時のことを思い出した。
就職してすぐに、少し無理をして、状態の良い中古車をローンで手に入れた。
半年前、社会人生活も二年目に入って、月々で自由になる金の把握もできたことで、定期的にサーキットに通う余裕ができた。
その頃には、素人が合法の範囲内でチューンナップすることに限界を感じていた。
フルで働きながら、プロの整備士の技術や知識を手に入れるのは無理だ、とも。
自分で今以上に手を入れることを諦め、本格的な足回りに変えようかと訪れた、愛車を合法範囲内で改造してくれるカスタムショップで、男に出会った。
いいや、再会してしまった。
「あれ、おまえ志野木か?」
「……」
入店してすぐ、男の顔を見た瞬間に、学生時代の姿が脳裏をよぎった。
一番会いたくなかった奴に、どうしてこんなところで出会うのか。
こいつが車好きなんて、聞いたことなかったのに。
健康的に日焼けした彫りの深い顔。
短く刈り込まれた黒髪。
詰襟の学生服のボタンは上から二つが外されて、時折覗く喉仏が動くのを見られることが、何よりも楽しみだったことを思い出してしまった。
同級の男は、あの頃よりも筋肉がついて、服の上からでもわかる大人の体になっていた。
短い黒髪はそのままでも、髪型はもっと大人っぽいクルーカットで、ボタンが外された濃紺のポロシャツの喉元には、あの頃ときめいた喉仏が見えている。
縦にも横にも幅のある分厚い体は、学生の頃よりさらに背が高くなり、たくましくなっていた。
いい意味で成長した男の姿は、無理して努力して付き合っていた異性の恋人に、手厳しい意見とともに捨てられて、やはり同性しか愛せないのだと思い知り、鬱屈した気持ちを抱えていた俺には眩しすぎた。
「おれのこと覚えてないか?
東鬼だよ、高校の二、三年で同じクラスだったろ、ほらよくお前と名前似すぎ!つってさ間違えられただろ?」
覚えているかって?
ふざけるなよ、ずっと忘れたかったのに、どうして再会してしまったのか。
俺の名前は志野木 丘
こいつの名前は東鬼 堯慶
文字に書けばまったく違うのに、声に出してしまうとひどく似ている、そんな男のことなんて、忘れてしまいたかった。
初めは喧騒の中で名字を呼ばれるたびに、自分のことなのかこいつのことなのか、判断できずに苛立った。
内心で苛立っている俺に気がついてないのか、この男はいつもヘラヘラと笑って「二人でお笑いコンビやろうぜ」とか呑気なことを口にしていた。
友人でもなかったのに。
そうだ、俺たちなんて、存在しない。
こいつと俺の接点は、ただの名前の発音が似ているクラスメイト、ってことだけだった。
ずっと能天気すぎる、と苛立ちを覚えていたはずなのに、いつからかこいつの姿を目で追うようになった。
東鬼と志野木、文字にすれば赤の他人なのに、口にすればあまりにも近い。
だから、近づきたくなかった。
忘れてしまいたかった、同窓会にも出なかった。
……こいつが、俺に、同性への明確な恋心を、初めて抱かせた男だから。
頭では、中途半端な知り合い以上、友人未満の関係を続けてはいけないと理解している。
同性を好きになってしまう俺と、同性を恋愛対象にしない男。
叶わないと知っている願いなのに、この先があるのではないかと期待してしまうほど、こいつはいいやつだ。
いっそのこと、酒で潰して一晩の行為に及ぼうかと思ったこともあるが、俺は安い缶チューハイ一本あれば二日酔いになってしまうから、二人で飲むという選択肢がない。
生中一杯で酔いつぶれたことがあるとか、知られたくない。
再会した男に、アパートの場所を知られてしまってからのことは、思い出したくない。
何が楽しいのかしょっちゅうやってきて、次はいつ休みなんだ、次はいつサーキットに行くんだ?とうるさい。
サーキット通いは、金も時間もかかるから毎週行くものじゃない。
……違う、これは言い訳だ。
頼むから、もう振り回さないでくれ。
お前との間に未来があると勘違いしたくない。
そう考えてなおざりな対応をしていたことが、男の癇に障ったらしい。
サーキットから戻り、借りているガレージにスリックタイヤと携行缶を降ろし、車を置いて、1Kのアパートに戻ってきたことで気が抜けていた。
いくら四点式のベルトで体を固定していても、サーキット走行で体にかかるGは公道走行の比ではない。
普段なら玄関で挨拶して帰る男が、室内に入ってきたことを、おかしいと思わなかった。
疲れて油断していた。
「なあ志野木」
「……なんだ?」
なんで、こいつが家の中に?と思うと同時に、視界が男の体で塞がれて世界が回った。
背中にベッドのマットレスが当たるが、背に回された手で勢いをころされたのか、痛みはない。
目の前には煌々と光るシーリング、逆光になった男の顔。
「な、んだ?」
驚きで硬直して、もう一度声を上げる俺を、影になった男の瞳が見下ろしているのを感じた。
「……気に入らねえ」
「……っ?」
普段まったく他人の悪口を言わない男からの、突然の言葉に固まっていると、男が唇を片側だけ吊り上げた。
犬のように鋭く尖った犬歯が覗くと、凶暴で獰猛さを感じる表情に見えた。
男が怖い、とはじめて思った。
「そうやって、自分には関係ないみたいな顔で澄ましてるところとか、本当に腹がたつ」
言われている言葉の意味がわからない。
「何を言って……っ」
男の言葉の真意を知ろうと震えそうになる声を発すると、下半身に痺れるような刺激が走った。
視線を下げてみれば、男の手が俺の股間へと伸ばされて動いている。
「な、何してるっ!?」
「んー、強姦?」
「は??」
「だから、お澄まし顔の志野木を東鬼が食べるんだよ、ってオヤジギャグか?」
意味がわからない、いいや、言葉の意味はわかるけれど、ごく普通の異性愛者である(と考えられる)男が、俺にそんな猟奇的なことを告げる理由が分からない。
混乱して動けないでいると、両腕をまとめられて頭上で押さえられた。
手首に触れる手のひらは分厚く、指先は硬くなって荒れている。
ちょっと待った!
がさがさした指に触れられて、ときめいてる場合じゃない!!
「おい、待てよ、やめろ、なんでこんなことをするんだっ」
俺は同性愛者かもしれないが、マゾじゃない。
好きになったらいけない男を一方的に好きになっただけで、犯されたいわけじゃない。
何より俺には同性との性交経験がない。
恋人だった女性の協力で経験自体はあるが、彼女との行為は自慰の延長線上だった気がする。
こんなのは、望んでない。
2
お気に入りに追加
89
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
出産は一番の快楽
及川雨音
BL
出産するのが快感の出産フェチな両性具有総受け話。
とにかく出産が好きすぎて出産出産言いまくってます。出産がゲシュタルト崩壊気味。
【注意事項】
*受けは出産したいだけなので、相手や産まれた子どもに興味はないです。
*寝取られ(NTR)属性持ち攻め有りの複数ヤンデレ攻め
*倫理観・道徳観・貞操観が皆無、不謹慎注意
*軽く出産シーン有り
*ボテ腹、母乳、アクメ、授乳、女性器、おっぱい描写有り
続編)
*近親相姦・母子相姦要素有り
*奇形発言注意
*カニバリズム発言有り
受け付けの全裸お兄さんが店主に客の前で公開プレイされる大人の玩具専門店
ミクリ21 (新)
BL
大人の玩具専門店【ラブシモン】を営む執事服の店主レイザーと、受け付けの全裸お兄さんシモンが毎日公開プレイしている話。
SODOM7日間─異世界性奴隷快楽調教─
槇木 五泉(Maki Izumi)
BL
冴えないサラリーマンが、異世界最高の愛玩奴隷として幸せを掴む話。
第11回BL小説大賞51位を頂きました!!
お礼の「番外編」スタートいたしました。今しばらくお付き合いくださいませ。(本編シナリオは完結済みです)
上司に無視され、後輩たちにいじめられながら、毎日終電までのブラック労働に明け暮れる気弱な会社員・真治32歳。とある寒い夜、思い余ってプラットホームから回送電車に飛び込んだ真治は、大昔に人間界から切り離された堕落と退廃の街、ソドムへと転送されてしまう。
魔族が支配し、全ての人間は魔族に管理される奴隷であるというソドムの街で偶然にも真治を拾ったのは、絶世の美貌を持つ淫魔の青年・ザラキアだった。
異世界からの貴重な迷い人(ワンダラー)である真治は、最高位性奴隷調教師のザラキアに淫乱の素質を見出され、ソドム最高の『最高級愛玩奴隷・シンジ』になるため、調教されることになる。
7日間で性感帯の全てを開発され、立派な性奴隷(セクシズ)として生まれ変わることになった冴えないサラリーマンは、果たしてこの退廃した異世界で、最高の地位と愛と幸福を掴めるのか…?
美貌攻め×平凡受け。調教・異種姦・前立腺責め・尿道責め・ドライオーガズム多イキ等で最後は溺愛イチャラブ含むハピエン。(ラストにほんの軽度の流血描写あり。)
【キャラ設定】
●シンジ 165/56/32
人間。お人好しで出世コースから外れ、童顔と気弱な性格から、後輩からも「新人さん」と陰口を叩かれている。押し付けられた仕事を断れないせいで社畜労働に明け暮れ、思い余って回送電車に身を投げたところソドムに異世界転移した。彼女ナシ童貞。
●ザラキア 195/80/外見年齢25才程度
淫魔。褐色肌で、横に突き出た15センチ位の長い耳と、山羊のようゆるくにカーブした象牙色の角を持ち、藍色の眼に藍色の長髪を後ろで一つに縛っている。絶世の美貌の持ち主。ソドムの街で一番の奴隷調教師。飴と鞭を使い分ける、陽気な性格。
アプリで知り合ったイケおじと××する話 完結
市井安希
BL
リア充陽キャのおじさん好き高校生ゆうくんと淫語大好き痛いのは嫌いないじめられ願望持ちおじさん秋雄さんがマッチングアプリで出会いエッチしていくだけのお話。
SMプレイ、淫語攻め、おもらしなど。
ゆるふわメスお兄さんを寝ている間に俺のチンポに完全屈服させる話
さくた
BL
攻め:浩介(こうすけ)
奏音とは大学の先輩後輩関係
受け:奏音(かなと)
同性と付き合うのは浩介が初めて
いつも以上に孕むだのなんだの言いまくってるし攻めのセリフにも♡がつく
壁穴奴隷No.19 麻袋の男
猫丸
BL
壁穴奴隷シリーズ・第二弾、壁穴奴隷No.19の男の話。
麻袋で顔を隠して働いていた壁穴奴隷19番、レオが誘拐されてしまった。彼の正体は、実は新王国の第二王子。変態的な性癖を持つ王子を連れ去った犯人の目的は?
シンプルにドS(攻)✕ドM(受※ちょっとビッチ気味)の組合せ。
前編・後編+後日談の全3話
SM系で鞭多めです。ハッピーエンド。
※壁穴奴隷シリーズのNo.18で使えなかった特殊性癖を含む内容です。地雷のある方はキーワードを確認してからお読みください。
※No.18の話と世界観(設定)は一緒で、一部にNo.18の登場人物がでてきますが、No.19からお読みいただいても問題ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる