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おまけ SS ケェアの願望 ※
しおりを挟むねっとりと絡みつくように狭い、媚肉の隙間を押し開くと、感じいっている声が上がる。
そのまま出てしまいそうな快感に耐え、ケェアは腰を押し込んだ。
「あ"あああっっ」
快感よりも苦痛の割合が多そうな声が聞こえ、しかし同時に、押し潰している体が絶頂に痙攣するのを感じる。
かふ、かふ、と浅すぎる呼吸を繰り返す白い肢体。
後ろからのしかかっているために表情は見えていなくても、腹の下からもれてポタ、ポタと台の下に垂れるエトレの精液が、ケェアの精を搾り取ろうと奥へ招くように蠢く肉が、今の状態を教えてくれた。
全てを余すことなく嫁の腹の内に収め、受けいれられる喜びを甘受していたケェアは、全てを飲ませてから、ようやく腰を引いた。
何年が経っても、腰を振って楽しむことができるようにはならなかった。
これはもう仕方ないことだろう。
その代わりに、とエトレを喜ばせる方法をいつも考えている。
やりすぎて(若い家令に)叱られることの方が多いけれど。
エトレはケェアに困った顔を向けるだけだ。
生まれ変わってよかった。
牛を愛してくれるエトレがいてくれてよかった。
十年がすぎ、一人っ子が珍しくない中で三人の子供に恵まれた後も、エトレの美しさは変わらなかった。
もちろん加齢による、体型の変化はある。
太ったというよりも柔らかくなった体のラインは、いつでもケェアを興奮させる。
もしもエトレが禿げても、中年太りになっても、そこに新しい魅力を感じてしまうのだろうな、と思うほどに。
「エトレしゃん、もっといい?」
「あ……はい、クーさま」
子供が生まれてから、エトレは領主としてのけじめで、普段はケェアのことを「あなた」と呼ぶように変えた。
夫を名前で呼ぶのは貴族らしくないからと。
それを少し寂しいと思っていたケェアだが。
夜のエトレは変わらずに「クー様」と呼んでくれる。
ケェアの望みは甘えるように「クーしゃま」と呼ばれることだ。
十年が過ぎるのに、未だにときめいてしまう。
なぜだろうか。
ケェア以外にエトレが甘えられる相手がいない、ということに気がつかず。
ケェアに救われたと思っているエトレは、全力で甘えている。
甘えてくるエトレの存在にケェアは甘えている。
ここが自分の居場所だと、エトレを抱いて、貫くたびに思う。
子供たちと一緒に庭を駆けるのも楽しいが、一番はエトレと二人の時間だ。
ケェアは、子供達にさっさと領主の仕事を譲り渡して、エトレと二人で隠居したいと思っている。
そうすれば、昼からエトレを抱くことができる。
夫が、勃つたびに突っ込みたい!と考えていることなど知らず。
すらりと伸びた手足をクッションに伸ばし、快感に息継ぎすら奪われているエトレは、目を閉じた。
「……ぁぅ(こ、腰が痛い)」
二日に一回でも腰が辛いのに!と隠居して引っ込んだ別宅で、何度も鳴くことになるのは数年後。
◆
一旦、こちらで完結になります!
完結後にSSを上げてくださる作者さんなどがいて、わわ!嬉しい!となることに気がついたので、気が向いたら、追加するかもしれないです
(完結すると毎回燃え尽きてるから無理かも)
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