【R18】かみさまは知らない

９ おれ

５８ ※微 ３Ｐ

　

　新大陸に到着！！
　いえーい……とかいうノリじゃないけど。

　異世界だから、大陸が違うと文化がものすごく違うかも、と期待してたけど、そんな事はなかった。
　元いたらしい大陸と似たような建物、似たような人々。

　さては、船に乗ってぐるっと回って戻ってきたな！？
　とか邪推するくらい変わんない。
　本当に大陸渡ったのかな。

　食い物はちょっと違った。
　売ってるものが夏野菜っぽい。
　そしてこっちのが暑い。

　気候が違うって事は、大陸が違うんだろう。
　なんで生活様式が大陸違ってもそっくりなのかは知らんけど。

　そんな事を思いながら、いつも通りスペラとディスと歩いて旅をする。
　こっちに来ても旅するのは変わらんのかー。

　とはいえ、周囲の他人の反応が元いた大陸と変わらないから、安住の地とか得られそうにない。

　三日目にしてまだ現実感が無いままのおれは、空気というより石ころだ。
　どこにいても、おれはよく分からんやつのままらしい。
　夫たちもイケメンぶりを認知されないで、普通の人みたいな扱いされてるしさー。

　そんな扱いされる場所に定住したいと思えない。

　でも、良いこともあった。
　こっちに来てから、二人のぴりぴりみなぎる緊張感が減った気がする。

　……あれ、ここ、なんか見覚えのある荒野だな。
　遠く見える枯れた木に、丸い世界。

　んんんん？？
　もしかして、おれって、知らないうちに大陸を渡ってたのか？
　一体いつの間に？
　死んでる間に海を流されたとか？

　二人が目的地を初めから決めていたような足取りで向かった先には、初めてこの世界に来た時の荒野にそっくりの景色が広がっていた。

「この辺り一帯は、ヌー・テ・ウイタ・ラ・ドゥンネゼウの帰りし地と呼ばれ、不可侵の聖地となっているんだ」

　ディスが苦しそうに教えてくれた。
　なんで苦しそうなんだ？

「ゼン、どこにも行かないよな？」

　スペラが唐突に苦しそうに言う。
　だからなんで苦しそうなんだよ？

「どこにも行かないけど？」

　おれ一人で、この荒野からどこに行けと？
　痛くなくても、黒いナニカにむしゃむしゃされたくない。
　痛みがある状態でむしゃむしゃされたら、めちゃくちゃきつそうだな。

　どこにも行かないって言ったのに、二人は眉を下げてすっごく悲しそうな顔をする。

　なんで？
　もしかしておれ、この荒野に置き去りにされるとか？
　なにそれ、どーゆー事？

　おれがなにも出来ないから、ついに愛想つかされたのか。
　頑張るから捨てないで！！

　あわあわと言葉が出なくてショックを受けていたら、二人に前後から抱きしめられた。

「よかった」
「離れなくて良いんだな？」

　前後からむぎゅむぎゅ撫で撫でされながら、口々に話しかけられて、どっちに返事すりゃ良いんだよ？、と困っている間に、あっという間になんかそーゆー雰囲気になった。

　待て、待って、なんか最近、屋外でも簡単にそういう雰囲気になりすぎだから。
　外でするのに慣れたくないのに、慣れてきてるぅっ！！





　ぐぬり、と尻の穴を広げられて、極太の栓がはめられる。
　まったく痛くないのは、現実感が喪失している事もあるけれど、時間をかけて栓を変えていった事と、二人の粘液でどろどろになっているから。

　今日は二人一緒の流れなのね、これ、はい、めっちゃ好きなやつ。
　期待しすぎて、呼吸困難だよ。

　おれの負担が大きいとか言って、五回に一回位しかしてくれないのが悲しい。
　二人の時は短時間にする、とか調整してくれて良いんだよ？

　極太栓になるまで、全身を撫でられてこねられてくすぐられてつままれてつつかれて、もう息も絶え絶えです。
　入れ換えながら太くする必要性は分からんでもない、でも間怠いんだよ。
　はやく入れてくれぇ！！

　おれのちんこはディスの極細触手で穴を塞がれてる。
　出せないの泣くほど辛い、というか出したすぎてずっと泣いてる。

「ひぐっ……ぅぅう゛～～～っ！！」

　尻の穴が広がるまで暇だから、みたいな勢いでおれのちんこをこねこねしないで！
　気持ちよくてだめになるの！
　握られて擦られると、中と外からダブルの刺激で目の前ちっかちかするほど気持ぢいいっ！！

　出したい、せーえき出したいノォっ！
　穴塞がないでよぉ、出ないの、出したいのぉっ！
　きもちいいの終わんないのいやぁっっ！

　叫びそうなのを、辛うじて堪える。
　おれが欲望をそのまま口に出すと二人がヒートアップしちゃうから、言いづらい。
　嫌だからじゃない。
　ひたすら気持ち良すぎて訳がわからん状態になって、気がついたらいつの間にやら寝てました～の流れになるから。

　寝た、というか、ヤりすぎて気絶してんのかな？
　疲れて寝落ちたのか、ヨすぎて気絶したのか、自分でも分からん。

　二人一緒に突っ込まれてる時は、結構早い段階で記憶トぶからな。
　息できない、頭破裂して死ぬ、と思った辺りで記憶が弾ける。

　めちゃくちゃ気持ちよかったのだけはしっかり覚えてるくせに、おれの貧弱さがいけないのか。

　酒飲みすぎると記憶トぶって話と同じ？
　ヤりすぎると記憶はトぶのか？

　そんで気がついた時には二人がかりでお世話されていて、体は怠いけど気分はすっきり爽快。
　しっかり運動して、いい汗かいたー、って感じ。
　二人に愛された喜びで、幸福度も爆上がり。
　幸せホルモンも出まくってるはず。

　もちろん筋肉痛に襲われるけど、尻の穴が広がりっぱなしになる事もなく、快感の名残だけが体に残っている。

　こんなん何度も味わったら、二本一緒が待ち遠しくなるのも当たり前。
　毎回じゃないから、余計に楽しみになる。

　ディスが至る所にキスマーク残さなければ、もっと良い。
　股間周辺が内出血で湿疹みたいになってるのは、痛くなくても怖い。

「そろそろか？」
「焦るな、ゼンを困らせる気か」

　二人がぼそぼそと話しているのが聞こえて、顔がにやけた。
　初めの頃は喧嘩するほど仲が良かった二人だけど、いつの間にか普通に仲が良くなっていた。
　髪と目の色が似ているから、おじさんと甥っ子みたいに見える。

　ディスの見た目が、スペラよりも年上の白銀短髪の悪そうな壮年男性になってから、言動の違和感も無くなってきた。

　美少年の時と同じ丁寧な口調で話しても、ニヤリ笑いでマフィア感がすごい。
　ダブルブレストの肩がいかついジャケットとサングラスが欲しい、メガネでも良い。
　これでブチギレ説教モードになったら、完全に怖い仕事の人に見えるだろうな。
　おれには激甘だけど。

　絶対に似合うと思うけど、髭を生やすのは痛いからやめて、と頼んである。
　無精髭は意外と硬いらしくて、擦られた跡が後で赤くなってひりひりと痛いんだよ。

　気持ちいい時はむしろ快感でしかないのに、後になって股間がひりひりすると言い出すのが恥ずかしい。
　薬塗ってもらうのが恥ずかしかった。

　そして見た目が安定したからなのか、セックスのねちっこくて焦らしてくる意地悪な所が、少し減った気がする。
　嫌いじゃないけど疲れるから、ほどほどが一番だ。
　おれはドＭじゃない。

　スペラは白銀ストレートヘアを、風にさらさらっとなびかせるイケメンだ。
　シャンプーのコマーシャル並みの髪の毛をお持ちだよ、手入れはいつしてるんだ？

　最近思い出したんだけど、あれだ、指輪があった映画の……イケメンの王子みたいだ！
　……王子？、王様？、ただのイケメン？
　しっかり思いせないけど、長髪でさらさらしてた。

　スペラの得意技は甘やかしセックスで、おれに対して優しすぎる。
　一貫して有能な、なんでもできるスペラもんになってしまっている。
　困った時に呼びたくなる。

　ムラムラした時もディスよりスペラに告げる方が安全だ。
　ディスだといぢめられそうな気がするからな。