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5 おれ
33 ※ 二人 拡張
しおりを挟む二人の乳白色の体が膨らんだように感じた。
どうしたんだろう、と見上げた顔に涼しい風を感じる。
そういえば、ここ、外だった。
街道から外れているとはいえ周囲に広がるのは木立や草原で、もしかしたら獣に襲われるかもしれない。
「……ぁっ」
細いものが尻の穴に押し当てられて、ほとんど抵抗もなく入ってくる。
普段から緩んでしまっているのか、それとも期待で緩んだのか、どちらにしても恥ずかしい。
にゅるにゅる、と音が聞こえそうなゆっくりとした動きで、尻の穴に弱い刺激が与えられる。
痛くないからもっと欲しい。
中の気持ちいい場所を擦って欲しい。
そう願ってもすでにくたくたに疲れているし、腰は抜けてしまっている。
おれが自分で良い場所に当てるのは無理だとすぐに分かった。
相手がスペラなら頼めそうな気もするけれど、普段と違う動きと感覚から今おれの尻の穴を触っているのはディスだと分かる。
ほとんど話したことがない子供で、今はイソギンチャクの子供かもしれないディスに、歳上の男の尻の穴の中を擦ってくれ……とか言えるか。
今、穴を触ってるけど。
言えない。
一応、歳上のプライドみたいな。
むしろ、なんで真昼間の屋外でこんな展開になってんのかも分かってないのに。
「ぁは、はっ……ぁっ、あ……ぁあっ」
もどかしくて、気持ちよくて、物足りない。
細いし良い場所に当たってないし動きも緩慢だ。
ディスが子供だからなのか、それとも焦らされてるのか?
ディスは子供だ、子供相手に変なこと言えるか。
そう必死で自分に言い聞かせて、腰を振りたくって気持ちいい場所に当てて登りつめたい気持ちを我慢する。
振りたくても腰が動かせないけどな。
「ふぅ……ふぅっ……ふぅっ……ふっ」
口を細くして息を吐く。
気を逸らすために。
呼吸に意識を向けていたら、少しは気が紛れないかなと期待して。
必死で耐えていると、二本目が尻の穴に入ってきた。
嬉しい、とまだ続くのか?、の相反した感情がよぎって、いつの間にか閉じていた目を開けたら、目の前に白銀色のラメ入りクラゲボディがあった。
スペラは今のこの事態に、なにを考えて、どう思ってるんだろう。
おれに触れているのはほとんどディスで、スペラは抱きしめてくれたままほとんど動いていない。
二人で、って言ってたのに。
「スペラ、キスしたい」
いつもスペラに抱かれる時は、上からも下からもぐっちゃぐちゃにされる。
口が覆われていないと、なんだか寂しくて不安で落ち着かない気分だ。
ラメで虹色に輝くつやつやのボディに唇を押し当てる。
温かくて柔らかくて、ぬめっとしてる。
おれが覚えている限り、海に住むクラゲって体がほぼ水で出来ていて、粘液は出してないはずだけど、陸生のクラゲはナメコみたいにぬるつくのか?
でも初めてこの姿になった時から変わってないから、そういう生態なのかも。
ぬるぬるの笠を舐めて、そういえば味の無いあんかけだったなと思い出したら、ふと飢えを覚えた。
おれは巡り合わせが悪いのか、セックスしようとしている時に限って腹が減ることが多い。
スペラに腹の中に注いでもらうと、落ち着く気がするんだ。
「もっとぉ」
スペラがぶるぶると身震いしているのを感じながら、気のせいではなく増えた粘液を舐めとった。
「んーディスも」
きっと味なんてしないけど、なんだか味見をしないといけない気がして、近くにあった乳白色でオーロラ光沢を持った半透明の触手にかぶりついた。
歯を立てないように、ポールウインナーほどの太さのそれを口の中で転がす。
スペラの口腕よりも弾力があっておもしろい。
そうか、スペラの口腕はゼラチンのゼリーで、ディスの触手がこんにゃくゼリーっぽい。
駄菓子のスティックこんにゃくゼリーを噛んでいるような気分になって、力を入れずに歯をあててみる。
びくっと驚かれたように口から触手が抜かれて、あ、もっとくにゃくにゃしたい、と見上げたおれの顎をディスの触手が支える。
そして、少し太い触手が差し出された。
はい細巻きですどうぞー、みたいに差し出されたのがなんだかおもしろかったので笑ったら、触手が口に突っ込まれた。
そして、なぜかディスの触手がスペラの口腕も持ち上げて差し出してきた。
二本同時に咥えろってこと?
新事実、ディスは思わぬところで強引だ。
そして検証と考察が大好きなのか、しつこいって言えばいいのか、色々と試してこちらの反応を見ている。
分かるよ、反復練習と知識の補強と経験の積み重ねは大事だよな。
「ままいうもあうあよ」
二人で別々に動かれたら口の中を怪我しそうだからな。
とか言いながら、スペラのフリルつきで真珠光沢のある口腕も一緒に咥えた。
ふるふる震えられると、あんかけのようなとろみのある体液が垂れてくる。
二本一緒に咥えると、出してる粘液の性質がちょっと違うって分かるなー、と口の中でもにもにとこねるように動かしてみる。
遊んでいたおれが悪いのか。
口に二本を咥えている状態で、尻の穴に入ってる細いやつの本数を増やす必要は無かったと思うんだよな。
疲労感でぼんやり口の中の触手を甘噛みしながら舐めていたけれど、次第に不安になってくる。
今、何本入れられてるんだろう?、って。
背後も目の前もスペラで覆われて他が見えないから、細いとは思うけど、尻に入っているものの実際の太さは分からない。
さっきから、少し慣らされてから押し広げられるように本数を増やされる、という工程を何度か繰り返されている気がするんだが、どこまでおれの尻の穴を広げる気なんだ。
垂れ流しになりそうで怖いんだけど?
広げ過ぎて尻の穴が壊れて垂れ流しになる、とか実際にあるんだろうか?
腰は抜けたのが治ったのか分からないまま感覚がおかしくなってるし、尻の穴を触られ過ぎて痺れてしまってるから、もーなにがなんだか。
触れられてるくらいは分かるんだが、長時間すぎて疲れた。
いつの間にか、うとうとしていたらしい。
全身を温かいスペラともっと温かいディスに包まれているから寒くない、使ったことないけどウォーターベッドで眠るとこんな感じなのかな。
見上げた空が夕暮れで茶色く染まって見える。
緑が入ってるから赤い夕焼けにならないのかな、と何百年も答えの出ない疑問を思い出す。
ぺしぺしと頬を撫でられて下を向くと、イソギンチャクのディスがどう見ても男性器にしか見えない形のものを伸ばしている。
見せてどうするんだろうと思っていたが、どうやら今から入れるよという意味で見せていたらしい。
「うん」
おそらく昼前くらいから始めて夕方だぞ、もう長すぎてくたくたなんだけど。
こっからも長かったりするんだろうか?
でもこれまでスペラとやってた時も、一日とか普通にあったな。
スペラが止めないってことは、長時間のセックスがこの世界では普通なのか。
快感でふわふわになってる時には時間の経過なんて分かんないのに、こうまったりと長くされてると、どう反応したら良いのか困るな。
ぐぐ、と押し当てられたのが分かった。
ここまで長かったな、本当に。
これでやっと終わるぞ、でもスペラみたいに突っ込んでからも長かったら……あれ、二人でとか言ってなかったか?
この後、どうなるんだと思ったその時。
押し当てられている質量が増えたのを感じた。
これ、待って。
嘘だろ、気のせいかな、二本?
長時間かけてたのは、同時に二本突っ込むだめだったのか!?
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