【R18】かみさまは知らない

Cleyera

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5 おれ

31 ※ 二人 前戯、尿道

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 昼日中の陽光に照らされて、きらきらと光り輝く口腕と触手がおれの全身を撫で回している。
 きれいなんだけど、呑気に鑑賞している場合じゃない。

「ん、っう、んうっ」

 痛みは感じないけれど、触られていれば分かる。
 そして、気持ち良いことも遠いけど感じられる。

 どうやっているのかおれの服を溶かしてしまった二人?、が仲良く?、しているのは喜ぶべきなのか。
 紳士というよりやっぱり野獣だよな、屋外でこんなことする日がくるなんて、と諦めの混ざった達観を得た。

 ふわふわと柔らかいのがスペラの口腕。
 もっちりぷりっと張りがあるのがディスの触手。

 スペラはおれの弱い部分を熟知しているから、ディスに教えるように全身をなぞっていく。
 その後をディスが確かめるように撫でていくので、くすぐったいような気持ち良いような、悶えたくなる感覚におかしな声が出る。

 誰にも見られなくても、屋外で真昼間から全身丸見えでセックスをするのは、恥ずかしい。
 覚悟は決めたけど、恥ずかしいに決まってる。

「んぁっ」

 ぬるり、と胸の先端をつままれた。
 スペラが触りすぎて気持ち良くなるようになった乳首は、リスポンしたので感じなくなった。
 たぶん。

 それをまたあの恥ずかしい乳首に育てようという魂胆なのか。
 気持ちいいけど、男がそこをこねこねされて喘ぐのはどうなんだ。
 そういうの普通なのか。
 うあー、知識が欲しいー。

「ひっ、ん、んんっ、ううっ」

 何度も何度も、こねてつまんでくりくりと転がされて、胸で得られる快感を記憶しているせいで、あっという間にじんじんと痺れるような感覚を覚え出した。
 早い、早いよ、テクニシャンだよ!

 ディスがすごいらしいのはスペラの言葉で知ってたけど、こういうのもすごいってのはどうなんだよ、子供じゃないのかよ。

「あゃうっっ!?」

 二人いる、ってことは。
 口腕と触手がいっぱいあるってことだ。

 胸の先で快感を得られるようになったのを契機だと思ったのか、一気に全身を刺激され始めた。

 首筋や耳は苦手だし。
 背中を撫でられるのもぞわぞわする。
 同時に体中を撫でるのやめてくれないだろうか、自分の股間が元気になっちゃてるだろうなーって見えないけど分かる。

 抗議をする前に口の中に、スペラのものではないとろとろをまとったものが押し入れられた。
 太くてぷりっと硬い。
 食べたことあるなにかの食感に似てるけれど、噛むわけにはいかないので気を付ける。

 ディスの触手だろう。
 温かいスペラよりもさらに温かい。
 スペラが半身浴にピッタリの三十八度なら、ディスは四十度越えだ。
 触れられているだけでぽかぽかと温まってくる。

「~~っっ、~っ、~~~っ」

 口の中の触手を噛まないようにと思う余裕は、すぐに無くなった。

 ぶしゅ、となにかが喉の奥に出されて。
 いつものように一生懸命に飲み込む。

 飲まなければ鼻から逆流するだけで、おれが苦しくて痛いだけなので、ここはもう逆らわずに飲むのが正解だ。
 と思っていたけれど。

「~~~~ぅぅっ」

 それが精液の匂いに似ていると感じた途端に、なぜか全身が強張った。
 なにが起きているのか分からない。
 おれはどうなってるんだ。

 怖い。
 嫌じゃないのに。
 どうして。

「~スペラぁ」

 ずるりと口の中から触手が抜かれると同時に出た、子供が泣きながら喘ぐような自分の声に驚いた。
 どう伝えたら良いのか。

 怖いんだ。
 スペラもディスも怖くないのに、怖い。

 ぎゅう、と抱きしめられた。
 スペラとディスが二人がかりでおれを抱きしめていた。
 怖くないよ、とあやすように慰めるように。

「抱きしめていてくれ、離さないで」

 頼んでいるのがスペラになのかディスになのか、自分でも分からない。
 二人から感じる雰囲気はよく似ている。
 まだぎくしゃくしてそうなのは短い付き合いでも感じられるけれど、この二人なら仲良くなれると感じている。

 惰性でディスと一緒にいるわけじゃない。
 スペラが望んで、ディスが望んで、その上でおれもディスを望んだから。

 二人に抱きしめられて、分かった。
 おれにとってスペラは特別だけど、ディスもそうなるって。

「スペラ、ディス、ありがとう」

 目の前で揺れている、色味の違う光沢の口腕と触手にキスをした。
 キスの返事のように優しく頭を撫でられて、おれがびくついてしまうので苦手な首筋や耳がとろとろと温かい粘液で覆われる。

 全身を温もりに包まれていけば、次第に恐怖で固まっていた体から力が抜けた。

「ん、んっ」

 ぎゅ、と抱きしめられたまま、背中や胸元を柔らかく撫でられる。

「きもちいい、もっとして」

 クラゲにもイソギンチャクにも口がないから会話はできない。
 でも怖くなかった。
 二人はおれの嫌がることをしない、という出自不明な確信があった。

 ぐちゅ、ぬちゅ、と水もないのに水音が響く。
 耳に届く音がひどくいやらしく聞こえるけれど、これは二人がおれに優しいからだ。

「ふぁ、あぁ、んんんっっ」

 胸の先にも股間にも触れられていないのに、二人に温められた体は次第に敏感になって、心地よさに声がこぼれる。

 おれの体を包みこんでずるずると這い回る二種類の腕はきらきらと光り輝いて、とろとろと垂れていく粘液は陽光を七色に反射している。

「二人ともきれい、んあっっっ!?」

 心地よさにぼうっとして口走った直後、明確に快感を与えてやろうという意図を持って、すでに立ち上がっていた竿が擦りあげられたのを感じた。

 すぐに気持ちいい、以外を考える余裕がなくなる。
 スペラだけが相手でもおれは快楽に弱くて、きもちいい、以外の言葉が言えなくなるのに。
 今は二人がかりなのだ。

「ひんっ、ぁあ、ひぃうっっ!!」

 ねっとりと温かくてきつい輪に包まれて、ごりごりと上下に擦られる。

 包まれているせいで音は聞こえないけれど、最高だった。
 射精を促されたわけでもないのに、あっという間に吐き出してしまう。

 早い、おれ早すぎる。
 何度も出すと体力がもたない、とスペラと話し合ったから、これはディスに違いない。

 男同士だから気持ちいい場所なんて筒抜けなのか。
 おれが経験不足で雑魚すぎるのか。

「ふぁ、あ、ま、まって、でた、でたよっっ」

 もう出ていないはずなのに、擦り上げる動きが止まらない。
 苦しい、もう出ない、気持ちよさを強制されるのはしんどい。

「ひいっっっっ!?」

 しごかないで欲しいと快感の強い苦しさに耐えていたら、先端になにかが押し当てられて、ずるりと押し込まれたような感触があった。
 全身をびくびくと震わせてしまうような刺激だったけれど、擦り上げる動きも止まってくれない。

 や、え、待って、おれのちんこになにか細いものが入れられた?

「ひ、ひぃ、な、や、やぁっっっ」

 二人の紳士ボディに挟まれて包まれているせいで、身動きが取れない。
 なにが起きているのか見ることもできない。
 感覚として、入れる場所ではない穴になにかが入れられた、と感じるけれど、どうなっているのかは不明だ。

 そして。
 痛みを感じないせいかもしれないが、気持ちいい。

 やだ、こんなの知らない。
 尻の穴も入れる場所じゃないと思うけど、そこはもっと入れる場所じゃない。
 違うよな、違うだろ?

「ぅあ、あ、ああぁっ、や、ぁあ゛っっ」

 気持ちいいのが嫌だ。
 なんでこんなのが気持ちいいんだ。

 ずりずりと細い穴の中を擦る感覚にあわせて、腰を振りたい。
 中と一緒に外を擦る動きも続けられていて、目の前が真っ白になった。
 気持ちいい、すごい……これがもっと欲しい。

「あ゛ぁっ、でるっ、でちゃう゛ぅっっ!!」

 おれは、生まれて初めて知った。
 ちんこは外を擦るだけでなく、中を擦っても気持ちいいって。

 
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