【R18】かみさまは知らない

１ おれ

イイツタエ

お初の方には初めまして、お久の方には生きてますとご挨拶
まいどおなじみ人外の木です
久々に書けたので投稿始めます！
連載停止作品？……知ってるけど会ってない子ですね（吐血）

女性が少ない世界で、ほぼ出ません
途中から攻めが二人（二人外？）になります
夫が２人（後天人外：人工美形）×嫁（異世界人？：永遠の十九歳）
夫たちは普段は人の姿、挿入時は人外メイン、完全に人外の時は話せません
初めてが無理やりっぽいですが、言質とってるから大丈夫、うん、たぶん

章で視点変更します
書きながら投稿しているので、連日投稿でストック切れたら書けてから投稿になると思います（できるといいなーと自分が一番信用できないので期待は薄めにしといてほしい木）
ハピエン目指してますが残酷描写ありにご注意ください（描写は少ないつもり）

こちらはぷろろーぐ的なものなので、本日もう一話投稿してます





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　はるか昔、ただひとつのかみさまは世界とけものたちを作りました

　優しいかみさまが大好きなけものたちは望みました
　空を見上げて祈りました

　ただひとつのほしを見上げて祈りました

　かみさまが大好きです
　もっとかみさまに近づきたいです
　どうしたらかみさまのようになれますか

　きらきらとした瞳で見つめてくるけものたちが可愛くて
　高みにいたかみさまは望みました

　この身をもってけものたちと共に在ってみようと
　けものたちと過ごしてみようと

　かみさまは地に降りました

　かみさまだいすきと懐いてくるけものたちが可愛くて、かみさまは幸せでした
　幸せすぎて間違えてしまいました

　けものたちが知らなくて良いことを、秘密を教えてしまいました

　お腹に悪いものを溜めないようにしなさい
　お腹がもやもやしないように生きなさい

　これを守ればずっとかみさまの近くにいられる

　かみさまからの言葉に喜んだけものたちは、お腹がもやもやしないように生きようと頑張りました
　吐き出して、もやもやを溜めないように生きます
　そうすればかみさまに近づけると信じて

　けれど
　なぜか
　どうしてなのか

　いつの頃からか、かみさまの言葉に従っているはずなのに
　〝ば〟けてしまうけものが出るようになりました

　それは悪いものでした
　とても悪いけものたちでした
　お腹に悪いものを溜めることが『できる』と知ってしまったけものたちは、悪いものが原因で〝ば〟けてしまうことを知ってしまいました

　かみさまはけものたちから悪いものを消してやろうとしましたが
　地に降りたかみさまの器は弱く、壊れてしまいました

　器の壊れたかみさまは、ただひとつの星に帰ってしまいました

　けものたちは嘆き悲しみました
　苦しんで怒って嘆いて、悪いものに染まってしまいました

　かみさまを望みながら、かみさまに近づけないものになってしまいました

　悪いものに染まり、なにもかもを壊す〝ば〟けてしまった者は
　いつのまにかこう呼ばれるようになりました


　〝化バ獣ケモノ〟と


　化獣たちは待ちます
　いつか必ず、かみさまが戻られるはずだと

　もう一度、地の上でかみさまと過ごすことができる
　この腹の奥に澱む悪いものを、かみさまが消してくださる

　かみさまは、けものたちの親だから
　かみさまが、けものたちに教えてくれたから

　悪いものを溜めないようにしなさいと

　化獣たちは悪いものを受け入れてしまったことを理解できません
　かみさまの器を引き裂いたのが自分たちだと、理解できません

　かみさまが戻られる
　そんな日が来るのを、けものたちは今も待っているのです