22 / 27
22 閑話 孤独な夢魔は…… 3/3
しおりを挟むそんなこんなで〝師匠〟になってくれた王の息子とその伴侶は、心の底から俺を受け入れてくれたって、すぐに分かった。
ジェレ以外に、裏のない優しい気持ちにさらされたのは初めてで、どうしたら良いか分かんなくなった。
そっから、なんで俺がこんなにジェレが欲しい!って思うのかを調べられた。
そんで、ジェレは俺の伴侶かもしんないって結論が出た。
師匠の伴侶と、呼ばれて来た師匠のハハって人族が、俺の〝すていたす〟を見てくれたんだけど、俺には魔王の因子があるから、普通の夢魔とちょっと違うらしい。
魔王ってなに?って聞いたら、師匠のハハが心の中でなんか色々と考えたのを感じた。
相手の考えてることが、まったく読み取れないのは初めてだなーと思って、ハハに集中したら、突然現れた四つ足の王に顔を踏み潰された。
師匠のハハが四つ足の王の伴侶だって、先に言っといて欲しかった。
白と黒の獣の姿をした四つ足の王は、やっぱりすっごく凶暴だった。
本当はもっと巨大な体で恐ろしい存在だって、魔素の流れなんてわからない俺にもわかるんだから、絶対に怒らせたくない。
四つ足の王に踏まれたところは、魔法なのかなんなのか知んないけど、顔にくっきりと足跡がついて、何日も残ってた。
師匠のハハが俺を見るたびに「肉球のあと……」って心の中だけで笑ってた。
なんで顔が動かないんだろうな。
「数千の歳月を越してすら悋気を起こすとは、我がチチながら心の狭いことだ。
だがなコカ、お前にもそのうち分かるようになる。
我らのような存在にとって伴侶は特別だ、己の存在する理由そのものなのだ」
決して下心を持って他人の伴侶には近づくなよ、と言われたので頷いた。
師匠の伴侶にも近づくなってことかなー?
俺には美味しく感じられないけど、師匠の伴侶は葉っぱとか肉のご飯を作ってくれる。
でも、これからは食べないようにしよう。
師匠のハハも四つ足の王も、何を考えてるのか読み取れないなーって思っていたら、夢魔王の素質を持つ俺には他人の心を覗き見する力がある、それを元にした制作魔法を覚えろと教えられた。
つまり、師匠のハハや四つ足の王はすごーく長く生きてて?強い?から、今の俺の力では覗き見できないってさー。
師匠と師匠の伴侶もなに考えてるか分かりにくいけど、そういうことなのかー、と頷いた。
よく分かんないけど、いせかいじん?かもしれないジェレを伴侶にしたいなら、彼女の希望通りの〝ふろ〟や〝といれ〟などの揃った〝きんだいてきでかいてきなせいかつくうかん〟を用意しないといけないって。
それがあれば二人きりになれると言われたから、やる気になった。
二人きり!
それって、ジェレをたっぷり食べられるってこと!?
しかも、しかも!!
本物の伴侶になれば、初めてだけじゃなくて、いつでもどこでも何度でも食べたいと思えるようになるって。
美味しいジェレを何度も!?
いつでもどこでも!?
じゅるるって涎を垂らした俺を見て、師匠が深く息を吐いた。
これが本当に魔王になるのか?って言われても困る。
俺は魔王ってなんだか知らないのにさー。
痛いのは無しで、強引にして枯らさないように気をつけて、たっぷり可愛がって育ててあげたら、もっと美味しくなるってことだよね!
やる!
俺、やるよー!!
やる気を出していたら「魔王の力が強すぎて扱いきれないだけで、化けるかもな」とハハさんに言われた。
ばけたい、ばけて、ジェレを食べるんだ!
それから師匠に制作魔法の使い方を習って、許可をもらってから、魔法の練習で山の中に小屋を作って、師匠に幻覚や催眠も使いまくって、作った小屋を壊して、小屋を作って壊してって魔法を使いまくってひたすら鍛えた。
師匠が考えてることを読み取らせてくれて、師匠の考えてるものを作る練習をしたら、練習場の周りが等身大の、師匠の伴侶の土の像だらけになった。
制作魔法が苦手だっていう師匠はものすごく喜んでたけど、師匠の伴侶は「なによこれ!今すぐ解体しなさい!!」って叫んでた。
師匠が「お前を壊すのは駄目だ!」って泣くし、伴侶は怒るし大変だった。
でも「貴方は共に過ごす相手がそれらで良いのですね、それでは今夜からはそれらと一緒に寝てください」って伴侶に言われた師匠が一瞬で折れた。
もしも俺がジェレに同じこと言われたら、……なんか涙が止まんなくなった。
絶対にジェレの像は作らないと俺は決めた。
他者の伴侶に近づいちゃいけないって教えを守って、師匠の伴侶のご飯を断ったけど、山には俺が食べられる処女穴ちゃんはいない。
腹が減ったら、チビだった頃みたいに、その辺の葉っぱや虫や卵をかじってすすって水で腹を満たして、なんとか教わった魔法が一通り使えるようになった頃、山にジェレがやってきた。
俺を探してきてくれたの!?って嬉しすぎて空に飛び上がりそうになったけど、師匠に「そんなわけがなかろう」と完全否定された。
がっくり。
師匠が住処にたどり着くまでは手を出すな、と言ったから、すっごく我慢した。
触れたくて嗅ぎたくて愛でたくて気が狂いそうだけど、師匠に山から追い出されたら、ジェレに触れることができなくなるからって、すっごくすっごくすーっごく我慢した。
でも、途中でジェレが足を踏み外して、いつもの綺麗なのと違う重たそうな金属の服のせいで、あっという間に下に落ちていった。
「ジェレーっっ!!!!」
師匠の制止なんて聞こえなくて、木々をへし折りながら落ちたまま、尖った岩の上におかしな体勢で倒れているジェレを抱き上げた。
ゴボゴボって音をさせて大量の体液を吐いて、体を震わせるとぐったりしてしまった。
死んじゃう、俺のジェレが死んじゃう!!
やだ、やだ、やだー!!!
俺のなのに、まだ俺が手に入れてないのに、俺のジェレなのにっ!!
抱き上げたジェレを、魔法の練習をしてる広場まで持っていった。
ここには四つ足の王が、師匠のハハさんに頼まれて作ってくれた、外からの魔素の影響を防ぐ〝よくわかんないもの〟があるから、俺の下手くそ魔法でもちゃんと発動するんだ。
師匠に習った、傷を治す魔法を使って、使って、何百回も使って、あんまりうまくなかったそれが、上手にできるようになった頃、ようやく師匠の声が聞こえた。
「コカ、下がれ。
お前が貼りついていたら話にならんだろう?」
「いやーっ!」
やだ、やだ、俺のだ、ジェレは俺のなんだ、俺の大事な、大切な、可愛い、繊細な薬草なんだ。
絶対に枯らさないんだーっ!!
…………で、そんな感じで、俺はジェレと再会して、そして、ずっと欲しかった薬草を本当に手に入れた。
ジェレは美味しすぎた。
恥じらいながらの初めても美味しかったし、その後もおいしかった。
師匠の言葉通り、伴侶になったら、本当に何度でも最高に美味しかった。
排泄孔に排泄器を突っ込んだのは初めてじゃなかったけど、あんなに美味しいと思ったのは初めて。
処女穴ちゃんだからなのかなって思ったけど、二回目も、三回めも、二十回目も美味しかったし、気持ちいいって泣くジェレはどんどん美味しくなっていく。
もう、他のものが食べられる気がしないー。
ジェレがムッチムチの体をよじって恥ずかしがる姿に夢中になった。
乱れすぎて淫乱になったら味が甘くて濃く変わってまた美味しくて気持ちいいって喜んで泣きながら恥ずかしがり屋のちんこから精液をピュッピュッってしながら俺をきゅっきゅって締めてくれるのが最高だった。
もっと気持ちよくなりたいって必死になって俺の上で腰を振る姿がたまらなく淫らでどこもかしこも美味しすぎてお腹いっぱいになってもやめられなかった。
ジェレの中を俺の形にしてジェレの中に俺の匂いをつけて、ジェレの中に俺の子種を満たしてジェレを俺だけのものにするために快楽に溺れさせようと頑張った。
途中で感じられるようになった絆に魔素を流すとジェレが腰を振って泣きながら「きもひいいよぉ」って意識が飛ぶほど喜んでくれて本当に俺はジェレと繋がってるんだなって嬉しくなってついついやりすぎた。
美味しくて食べ過ぎちゃって太ったからなのか、起きたジェレに誰?って言われた時は、分かんないの?!ってムッとしちゃったけど。
ジェレをオンナノコにしたのは俺だ。
オンナノコになったジェレはすごく可愛くて、永遠に俺のものになった。
俺だけの薬草を手に入れた。
幸せだ、すっごく幸せだー。
幸せすぎて幸せ、幸せが幸せになってるから、幸せ、うわーい、何をしても幸せなんだよー。
師匠に、伴侶の絆の繋ぎ方をしっかりと教わっておいてよかった。
今の俺とジェレの間には、伴侶の絆がある。
少しだけ感知できるようになった魔素を絆に流すと、ジェレがすぐにもじもじして可愛くなって、発情して美味しい匂いがしてくるから、すっごく幸せ。
俺は絶対にジェレを雄扱いなんてしないよー、こんなに可愛いムッチムチの雌は他にいない。
すっごいもっちりしたおっぱい揉むのが楽しいし、乳首はいつもピンピンでぷっくりして、お尻までもちもちになってきた。
いつも俺を受け入れてる排泄孔は、ちんこを欲しがる雌の蜜壺みたいに全体的にふっくらと柔らかくなって、俺の指くらいならいつでも喜んで咥えちゃう。
ジェレが何もかも俺のせいだって言うから、じゃあもっといつでもどこでも俺を欲しがる美味しいジェレにしてあげたいなーって思ってる。
魔王として君臨したら、ジェレをずーっと独り占めできるかな、なんてちょっとだけ思ったけれど、きっとジェレはそんなの望まないと思う。
魔王って何するか知らないし。
王っていうことは、きっと、偉い人?
俺が?
偉い人になって、何かするの?
……どうでもいいかな。
俺はただジェレと一緒に生きていたい。
俺だけの薬草を手に入れて幸せになったから。
魔王の肩書きはどうするのかって?
何かしろなんて、誰にも言われてないし、知らないよー。
0
お気に入りに追加
46
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】相談する相手を、間違えました
ryon*
BL
長い間片想いしていた幼なじみの結婚を知らされ、30歳の誕生日前日に失恋した大晴。
自棄になり訪れた結婚相談所で、高校時代の同級生にして学内のカースト最上位に君臨していた男、早乙女 遼河と再会して・・・
***
執着系美形攻めに、あっさりカラダから堕とされる自称平凡地味陰キャ受けを書きたかった。
ただ、それだけです。
***
他サイトにも、掲載しています。
てんぱる1様の、フリー素材を表紙にお借りしています。
***
エブリスタで2022/5/6~5/11、BLトレンドランキング1位を獲得しました。
ありがとうございました。
***
閲覧への感謝の気持ちをこめて、5/8 遼河視点のSSを追加しました。
ちょっと闇深い感じですが、楽しんで頂けたら幸いです(*´ω`*)
***
2022/5/14 エブリスタで保存したデータが飛ぶという不具合が出ているみたいで、ちょっとこわいのであちらに置いていたSSを念のためこちらにも転載しておきます。
転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!
めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。
ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。
兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。
義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!?
このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。
※タイトル変更(2024/11/27)

少女漫画の当て馬に転生したら聖騎士がヤンデレ化しました
猫むぎ
BL
外の世界に憧れを抱いていた少年は、少女漫画の世界に転生しました。
当て馬キャラに転生したけど、モブとして普通に暮らしていたが突然悪役である魔騎士の刺青が腕に浮かび上がった。
それでも特に刺青があるだけでモブなのは変わらなかった。
漫画では優男であった聖騎士が魔騎士に豹変するまでは…
出会う筈がなかった二人が出会い、聖騎士はヤンデレと化す。
メインヒーローの筈の聖騎士に執着されています。
最上級魔導士ヤンデレ溺愛聖騎士×当て馬悪役だけどモブだと信じて疑わない最下層魔導士
【BL】どうやら精霊術師として召喚されたようですが5分でクビになりましたので、最高級クラスの精霊獣と駆け落ちしようと思います。
riy
BL
風呂でまったりしている時に突如異世界へ召喚された千颯(ちはや)。
召喚されたのはいいが、本物の聖女が現れたからもう必要ないと5分も経たない内にお役御免になってしまう。
しかも元の世界へも帰れず、あろう事か風呂のお湯で流されてしまった魔法陣を描ける人物を探して直せと無茶振りされる始末。
別邸へと通されたのはいいが、いかにも出そうな趣のありすぎる館であまりの待遇の悪さに愕然とする。
そんな時に一匹のホワイトタイガーが現れ?
最高級クラスの精霊獣(人型にもなれる)×精霊術師(本人は凡人だと思ってる)
※コメディよりのラブコメ。時にシリアス。

転生したら同性から性的な目で見られている俺の冒険紀行
蛍
BL
ある日突然トラックに跳ねられ死んだと思ったら知らない森の中にいた神崎満(かんざきみちる)。異世界への暮らしに心踊らされるも同性から言い寄られるばかりで・・・
主人公チートの総受けストリーです。

転生当て馬召喚士が攻め度MAXの白銀騎士に抗えません
雪平@冷淡騎士2nd連載中
BL
不幸体質大学生の青年が転生したのは魔術師ファンタジーBLゲームの世界だった。
当て馬として生まれたからには攻略キャラの恋の後押しをする事にした。
しかし、この世界…何処か可笑しい。
受け主人公が攻めに、攻め攻略キャラが受けになっていた世界だった。
童顔だった主人公は立派な攻めに育っていた。
受け達に愛されている主人公は何故か当て馬に執着している。
傍観者で良かったのに、攻めポジも危ぶまれていく。
究極の鉄壁一途な白銀騎士×転生当て馬召喚士
ゲームを忠実にするためには、絶対に受けとしてときめいてはいけない。
「君といられるなら、俺は邪魔する奴を排除する」
「俺はただの当て馬でいい!」
※脇CP、リバキャラはいません、メインCPのみです。

オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる
クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる