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9章 ー 少女 ー
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試験終了のベルが鳴った。
だが目の前で起こっている事象のせいで、ほとんど耳に入らなかった
背中まであるパサついた黒髪の少女が、大きな黒い目で不思議そうに俺を見つめている。
汚れたグレーのワンピースを着ていて、更に不気味な印象を際立たせていた。
「あなたこそ、だれなの?」
俺の問いかけに答えることもなく、尋ねられる。
高く幼い声だが、外見の年齢的には俺とさほど変わらない。12歳くらいだろうか。
ただ、異様な空気感を醸し出している。
細い腕、不自然なくらいの青白い肌。髪がパサついていてまとまりがないが、日本人形のようだった。
とはいっても、人形というのが、褒め言葉ではなく、本当に人形のように生気を感じられない。
本当に人間なのか? あるいは、霊的な何かが宿っているのだろうか。
「どうしたの?」
硬直している俺に対してさらに声を掛ける少女。
「お、俺は、ハル、ハルだ」
「ハル?」
「あ、ああ、そうだ」
「ふーん」
「キミは?」
「私は、イベリス」
イベリス、花の名前だな。だが、前世の世界とは関係はないのか。いや、むしろ全て何か関係があると思った方が良いかもしれない。この世界について何も知らない以上、情報だけが頼りだ。
「イベリス、そこのリスは、君がやったのか?」
転がったリスに視線を向け、彼女に問う。
「リス?」
「そうだ、その動物が何かは知っているか?」
「知ってる」
「君なのか?」
じわっと冷や汗が出てくる。嫌な汗だ。警戒心が伝わってしまっているかもしれないが、大事なことだ。
「リスのこと? リスがなに?」
「君が殺したのか?」
「殺したらダメだったの?」
「いや、それは、そういう意味もある。君になにか、危害を加えたわけではないだろう? 理由が知りたい」
どう答えるのがいいのか。
「そう」
彼女は呟くと、リスを拾い上げ、両手に持った。
目を閉じ、リスに自分の額を押し付ける。
すると、彼女の全身から青紫と黒いオーラが噴き出し、そのオーラがリスへ移動していく。
たぶんこれは、闇魔法ではなく、霊力だろうと俺は思った。
リスの全身が、明るい栗色から灰褐色の毛肌に代わり、目が赤くなる。全身を震わせ、動き始めた。
そのままリスは彼女の細い右腕を伝って、肩へ上ると首回りを一周して左肩へ落ち着いた。
まったく動じないイベリス。
「これでいいの?」
どう反応していいかまったく分からなかったが、彼女なりの謝罪のようにも受け取れた。
殺してはいけないモノを殺したのだという、そういう雰囲気だ。
しかしコレは―――。
「コネクター」
小さくつぶやく。
イベリスに光の糸を飛ばした。
そう、今の俺はただの捜索だけでなく、『見破る』感知の力も持っている。
この少女が何者なのか、見極める。
答えが出た。なるほど、そういうことか。
『ネクロマンサー 注 死霊を操るもの』
彼女の中では、死は終わりを意味しないということなのか。
なぜここにネクロマンサーなんて術師がいるのか。試験が始まる前から隠れていたのか、もしくは、どこかから逃げてきたのか。
何か他にも施設があるというのだろうか。
入口に近いから、試験当初にカレンが見つけていても不思議ではない。
とにかく試験は終了だ。戻らなくては。
「あぁ、リスは、君に懐いているようだね」
「そうなの? 邪魔なんだけど」
「君が殺したんだから、責任は取らないとね」
「分かったわ。あなたの名前はナッツよ、私に従いなさい」
肩に乗っている灰褐色のリスを見ながらイベリスは名付けた。
ナッツか。あっさり納得したな。実は素直な子なのかもしれない。
その素直さが逆に恐ろしくもあるが。
試しに、ナッツにもコネクターを飛ばしてみる。
コネクトできた。しかし心音は感じられない。コネクターは、意識のある物体であれば、必ずしも生物でなくても接続が可能ということなのだろうか。
それとも、ネクロマンサーによって生物として認識される何かが施されているのだろうか。
一応、イベリスの心音も確認する。
通常だ。普通の人間と同じ心音で感じ取れる。生きているようだ。
イベリスがネクロマンサーだということは隠した方がいいのか? どちらにせよカレンなら分かってしまうのだが。
カレンが闇雲に人に教えるようなことはないだろうから、心配はいらないのか。
後で、カレンに聞いてみるか。
「イベリス、俺は試験が終わったから戻る。君はどうするんだ? ここにいるのか?」
「試験?」
「ああ、さっきまで試験をしていたんだ。教官がいて、その教官を探していたら、君が隠れていた」
「あなたに着いて行くわ」
「そっか、その方が良いかもしれない」
俺は来た道を引き返して歩き始める。
「それで、イベリスは、どこか他の施設から迷い込んできたのかい?」
「施設? なんの?」
「いや、戦士を養成する施設のことなんだけど」
「戦士?」
ポカンとしているイベリス。まったく分かっていない雰囲気だ。
「えっと、魔術師かな、君の場合は、何か魔法の訓練とかさせられたりしてなかった?」
「ううん。してないわ」
「そっか」
では本当にただの迷子なのだろうか。それにしても異様過ぎる。
すると、思い出したようにイベリスが話し始めた。
「施設なのかわからないけど、暗い鉄の部屋にいたわ。時々、連れ出されて、身体の調子を聞かれた。何か飲まされて、そのまま眠って。気づいたら、部屋がボロボロになってて、外に出たわ」
「へー、なんで部屋が急にそんなことに?」
「分からない。でも、外に出たかったから、誰かが出してくれたんだと思う」
「よ、良かったね」
誰かが出してくれた? そんなことがあるのか?
話を聞いたところ、イベリスは何か実験台にでもされていたんじゃないかと思った。
さっきのネクロマンサーの力もそうだが、おそらく、特殊な子どもだったのだろう。
何をされていたのかはともかく、無自覚に力が暴走して目覚めたら周辺が消え去っていたということなのかもしれない。
もちろん、イベリス以外が原因の可能性もある。
しかし、もしそんな施設があるのだとしたら、このクロムランドという島は、かなり危険な島だということになる。
牢獄というのも、間違いではないかもしれない。なんとか脱出する手段を見つけなくては。
ディークから何か探れないだろうか?
スタート地点の集合場所に戻ると、生徒たちと、ディークがいた。
アゲパンが俺を見つける。
「お! ハル! どこにいたんだ? 戻っても同じ場所にいなかったから、けっこう探したんだぜ」
「すまない。ディークを見つけたと思ったんだが、いなかったよ」
「てか、その子誰だ? 見たことないぞ」
「イベリスだ。他の施設から迷い込んだらしい。本人も良く分からないままここに来たって言っている」
「ふーん。で、ハル、マリアはどこに行ったんだ? 戻ってないらしいんだが、一緒にいたんだろ?」
マリアが戻ってない?
「いや、俺も見てないぞ。捜索の途中でいつの間にか消えてたんだ」
「マジかよ、じゃあ行方不明じゃないか。訓練校の外に出たのか? 何のために?」
「俺に聞かれてもな、ディークはなんて言ってるんだ?」
「何も。何考えてんのかさっぱりだ」
そんな会話をしていると、ディークが話し始めた。
「今日の試験はこれで終了だ。非常に残念なことだが、一人、生徒が行方不明になっている。原因不明だ。我々で捜索をする。君たちは部屋に戻り、明日朝まで大人しく待機していなさい。施設の外へは一歩たりとも出るな。自分の身を守りたいのならな」
「だそうだハル。マリアについては、何も分かっていないらしい。困ったもんだね」
アゲパンもさっきまでのテンションを失っている。マリアがいないんじゃ、そうなっても仕方ないな。
さっそく、コネクターでマリアを、っと。急に視界がぼやけて、ふらつく。
「大丈夫なの? あなた、顔色が真っ青よ」
カレンの声。受け止められたようだ。
そうか、俺は無理し過ぎていたようだ。
考えてみれば、コネクターをほぼ使いっぱなしだった。環境に慣れないうちにスタミナを消費しまくったせいで、気付かないところで無茶していたらしい。
だが、マリアのことは、俺がなんとかしないと。
「ハル、一度、医務室で休みなさい。私も行くから、ね」
「わ、わりーな、カレン」
カレンの腕の中で眠りに落ちる俺。なぜかディークが俺を名指しで呼んでいるのが聞こえた。
どういうことだろう? 何かしたっけ?
◇ ◇ ◇
目を覚ますと、木の天井が見えた。全体的に木造の部屋で、蝋燭の明かりがチラホラ映っていた。
布団の厚さが、寝室とは違う。しっかりと暖かい。
なるほど、医務室か。
右隣りを見ると、カレンが椅子に足組をして座ったまま眠っていた。
そうか、カレン、俺のために看病をしてくれたのか、意外に優しい一面もあるじゃないか。
今回の試験はカレンの能力にかなり助けられた。
できることなら、これからも力になってほしいところではあるが、性格的に協力はしてくれないだろう。
だが、マリアが行方不明だとしたら、なんとしても協力して貰わなくては。
仲が悪そうなので、イマイチ希望が持てないが。
だが、こうしてうとうとしているカレンを見ると、意外と可愛い顔をしている。マリアのような色気は感じないが、愛嬌のある可愛らしさがあるというか、なんというか。
何を考えているんだ俺は。
まずはマリアを助け出さなくては。てか何時間くらい寝てたんだろう。深夜であることは間違いないが。
右を見ていた顔を天井へ戻した瞬間、黒い大きな目が目の前に現れた。
「わっ!」
額と額がぶつかった。
「イタっ!」
イベリスだった。左隣に座っていたのか。
「イベリス?」
「ハル、起きた?」
「なんなんだよ、急に顔近づけるんじゃなくて、声かけろよ」
「ごめんなさい」
「べつにいいんだけどさ、てか、イベリスもいてくれたんだな」
「私は何も指示されてないから、あなたと一緒にいたのよ」
「そ、そうなのか」
イベリスは謎が多いが、今の彼女には居場所がないのだろう。よく見ると、近くの棚の上でナッツが眠っている。ナッツも眠るんだな。
「うーん」
カレンの唸り声が聞こえた。
目が覚めたようだ。
「ハル、起きたの? 大丈夫?」
「え? あ、ああ。何とかな。それより、教官から何か聞いてないか? マリアは?」
「あなた起きてすぐ人の心配するのね。マリアなら、今、探してくれてるわよ」
「ディークが?」
「ううん、他の教官たち。ディークからは、あなたが起きたら呼びに来るように言われてるわ」
「なら、早く行かないと」
俺は立ってベッドから降りようとしたが、足元がおぼつかず、倒れ掛け、カレンに受け止められた。二度目だ。
「ちょっと、そんな焦る必要ないでしょ。あなたはあなたで休まないと」
カレンの手によってベッドに再び戻される俺。
「わりー、ごめんな、迷惑かけて」
「少なくとも私は迷惑だなんてこれっぽっちも思ってないわよ。私はここに居たくてここに居るんだから」
「そうなのか、気を遣わせてすまないな」
「なんでそんなに私を薄情者みたいに言うのか分からないけど、何とも思ってないからね」
「そうか。ありがとう」
「水、飲む?」
カレンがコップを持ってきてくれる。確かに喉が渇いていた。
「あ、お腹すいてたらスープもあるわよ。でも飲ませてあげないわよ、自分で飲みなさいよ」
「いや、大丈夫、後で貰うから」
意外と母性のあるタイプなのかもしれないなカレンは。
「ハルって、何か特別な訓練とか受けてるの?」
「何の話?」
「ディークがさ、ハルについて聞かせろって何度も言ってきて」
「そうなのか、すまないな、色々答えさせて」
やはりディーク、俺のコネクターの能力について、すでにある程度は見抜いているのかもしれない。
侮れないなあの体育教師。
「答えてないわよ」
「え? そうなの?」
「私、あれこれ探られるのって好きじゃないのよねー」
「探られるって、教官じゃないか」
「教官とか先生とか、そういうのじゃないって言うか、礼儀ってもんがあるでしょって思うのよ」
「礼儀か、そりゃ、大事なことではある気はするけど」
カレンが礼儀というと、なんだか違和感がある。無礼な雰囲気があるからなのか?
「大事よ、私、舐められるって大嫌いだもん」
「べつにカレンのこと舐めるヤツなんていないだろ、威圧感あるし」
「ほんとに? どーだか」
両手を広げ、ばかばかしいと言いたげなポーズを取る。
「でも、たしかに、自分のことは自分で説明したいし、カレンの判断は助かるよ」
「でしょ? 私は礼儀にうるさいのよ」
カレンは得意げだ。根が生真面目で努力家なのかもしれない。
そういや、俺が眠っている間に、イベリスとは話したのだろうか?
「そういやカレン、イベリスとは話したのか?」
「え? その子のこと? ええ、色々聞いたわよ」
「そうか」
どこまで話したらいいのだろう。ネクロマンサーだってことはもう知っているのだろうか。
「ネクロマンサーなんでしょ? その子」
ドキっとした。なんだ、カレン、すぐに分かったのか。
「あ、あぁ、そうなんだ。リスを従者として使役している」
「ナッツちゃんでしょ?」
「そこまで分かってるんだ。びっくりしなかったかい?」
「一応、ネクロマンサーについての知識はあったもの。確かに珍しい存在ではあるけど、会ったからってどうってこともないわ」
「なら良かった」
「でも、イベリスが出てきたってことは、他にも何体か実験体が逃げ出している可能性があるわね」
「実験体? なんだ? 実験体って」
カレンは意外そうな顔をする。
「島のラボから逃げてきたってことでしょ? イベリスも実験体だったのよ」
俺は衝撃を受けた。イベリスが実験体?
島で人体実験がどうのっていうのは、何となく聞いたことはあったが、本当だったのか。
「ラボって、何か人体実験でもしてたっていうのか?」
「そうよ、ハルは知らなかったんだ。まぁ、戦士になるために連れてこられただけだったら、そういう情報は伏せられてるのかもね。いい? クロムランドには、戦士の訓練校よりもっと重要な研究所があって、それが、ラボ・ブラックポンドよ。ブラックポンドには、色んな魔物が送られてくるの。生体実験をするための材料としてね」
「いったい、何が目的なんだよ」
「そりゃ、より強い生物兵器を作るためでしょ。イベリスみたいな」
「なんだよそれ、イベリスは、人体実験の材料にされてたのかよ、最悪だろ」
「たしかに、あんまり楽しい話とは言えないわね」
「どんな実験かは、知ってるのか?」
「そうね。基本的には、人に対して、魔物の力を付与することが目的かしら。魔物の特性や、ユニークスキルを、外部から強制的に転移させるのよ。イベリスも、元からネクロマンサーだったわけじゃないんじゃない?」
俺はイベリスを見る。
彼女は無表情で俺の目を見つめる。
「そうなのか? イベリス」
「分からない。いつからこうなったのか。ずっと前からこうだったような気もするし、そうじゃなかったような気もする」
俺は溜息をつく。
「大した世界だよ、ここは」
「何の話?」
「いや、なんでもないよ。とにかく、イベリスみたいな実験体が他にもいたってことになると、あんまり穏やかではないだろうな」
「ディークなら多分もう知ってるんじゃない? 他の施設で動いてるかも。どうせ、私たちには何もできないわ」
「なおさらマリアが心配だよ」
「ま、あなたじゃ何もできないわよ。体力も戻ってないし、元気になってから考えなさい」
「ひどいこと言うな、カレンは」
「じゃ、私も寝るわね。なんか大丈夫そうだし、ちなみにスープは入口近くの棚に入ってるわ。元気になったら飲みなさい」
カレンは立って、ドアへ向かう。
「カレン!」
カレンは振り向く。
「なに? まだ何か文句あるの?」
「ありがとう。そばにいてくれて」
カレンは微笑む。
「何言ってんだか」
カレンはそのまま部屋を出ていった。あの様子では、ディークに報告する気はないようだ。
彼女なりの優しさってことか。
改めて布団を被る俺。
視線を感じる。
イベリスは、俺をじっと見つめている。
そういや、結局イベリスはこの施設でどう扱われているのだろうか?
「イベリス、君は、寝ないのかい?」
「え? 寝るの?」
もしかしてネクロマンサーって寝なくても大丈夫なのか? しかし、心音も普通だし、イベリス自身はアンデットでも何でもない、普通の少女だ。
「そうだ。寝なくても平気なのか? 眠くなったことないとか」
「眠い」
眠いのか。やっぱり普通の女の子なんだな。
「じゃあ、部屋に行きなよ、もう俺は大丈夫だから」
「私の部屋ない」
「そうなのか?」
「だから、あなたとここに居る」
「そっか、でも、そうだな、寝る場所って、ここベッド一つしかないし、って、オイ、イベリス?」
イベリスが布団の中へ入ってきた。
「ハル、あったかい」
イベリスが布団の中で俺を抱きしめてくる。
どういうアレなんだ? これはどう対処していいのか分からない。
「イベリス、良いのか? そんなことしても」
「イヤなの?」
「そりゃ、べつにイヤってわけではないんだけど、ほら、やっぱあんまり良くはないんじゃないかと」
イベリスが完全に密着してくる。少し良い香りがする。
身体は柔らかいし、体温も感じて普通に温かい。べつにネクロマンサーだからと言って何も変わらないようだ。
しかし、恥ずかしいというか何というか、どうしていいか困った。
「なんで良くないの?」
「なんでってこともないというか何と言うかなんでしょうか?」
「何言ってるのか分からない」
「でしょうね」
とにかく理性で我慢するしかないと思った。イベリスは抱きしめてくるが、少し震えているようでもあった。
「私、実験台にされてたのは、分かってたの」
「そっか、つらかったんだな」
「うん、大人の人はいたけど、ずっと一人だった」
「そうなんだ」
「こわかった」
「がんばったね」
「うん」
「えらいぞ」
「うん」
片手でイベリスを抱きしめ、もう片方の手で彼女の頭を撫でる。
「もう、大丈夫だからな」
「うん」
「安心して眠りなよ」
「うん」
「あした、ディークに相談しよう。きっと何とかしてくれるさ」
「―――」
返事がない、ただのネクロマンサーのようだ。――っじゃない。寝息が聞こえてくる。
辛かったんだなと思うと、イベリスが不憫に思えて悲しくなってくる。
そういや、俺も孤独と言えば孤独なのかもしれない。
決して明るい境遇とは言えないはずだ。
同じなのかもな。この子と。
腕の中に収まる愛くるしい少女の寝息を聞きながら、俺も眠りについた。
だが目の前で起こっている事象のせいで、ほとんど耳に入らなかった
背中まであるパサついた黒髪の少女が、大きな黒い目で不思議そうに俺を見つめている。
汚れたグレーのワンピースを着ていて、更に不気味な印象を際立たせていた。
「あなたこそ、だれなの?」
俺の問いかけに答えることもなく、尋ねられる。
高く幼い声だが、外見の年齢的には俺とさほど変わらない。12歳くらいだろうか。
ただ、異様な空気感を醸し出している。
細い腕、不自然なくらいの青白い肌。髪がパサついていてまとまりがないが、日本人形のようだった。
とはいっても、人形というのが、褒め言葉ではなく、本当に人形のように生気を感じられない。
本当に人間なのか? あるいは、霊的な何かが宿っているのだろうか。
「どうしたの?」
硬直している俺に対してさらに声を掛ける少女。
「お、俺は、ハル、ハルだ」
「ハル?」
「あ、ああ、そうだ」
「ふーん」
「キミは?」
「私は、イベリス」
イベリス、花の名前だな。だが、前世の世界とは関係はないのか。いや、むしろ全て何か関係があると思った方が良いかもしれない。この世界について何も知らない以上、情報だけが頼りだ。
「イベリス、そこのリスは、君がやったのか?」
転がったリスに視線を向け、彼女に問う。
「リス?」
「そうだ、その動物が何かは知っているか?」
「知ってる」
「君なのか?」
じわっと冷や汗が出てくる。嫌な汗だ。警戒心が伝わってしまっているかもしれないが、大事なことだ。
「リスのこと? リスがなに?」
「君が殺したのか?」
「殺したらダメだったの?」
「いや、それは、そういう意味もある。君になにか、危害を加えたわけではないだろう? 理由が知りたい」
どう答えるのがいいのか。
「そう」
彼女は呟くと、リスを拾い上げ、両手に持った。
目を閉じ、リスに自分の額を押し付ける。
すると、彼女の全身から青紫と黒いオーラが噴き出し、そのオーラがリスへ移動していく。
たぶんこれは、闇魔法ではなく、霊力だろうと俺は思った。
リスの全身が、明るい栗色から灰褐色の毛肌に代わり、目が赤くなる。全身を震わせ、動き始めた。
そのままリスは彼女の細い右腕を伝って、肩へ上ると首回りを一周して左肩へ落ち着いた。
まったく動じないイベリス。
「これでいいの?」
どう反応していいかまったく分からなかったが、彼女なりの謝罪のようにも受け取れた。
殺してはいけないモノを殺したのだという、そういう雰囲気だ。
しかしコレは―――。
「コネクター」
小さくつぶやく。
イベリスに光の糸を飛ばした。
そう、今の俺はただの捜索だけでなく、『見破る』感知の力も持っている。
この少女が何者なのか、見極める。
答えが出た。なるほど、そういうことか。
『ネクロマンサー 注 死霊を操るもの』
彼女の中では、死は終わりを意味しないということなのか。
なぜここにネクロマンサーなんて術師がいるのか。試験が始まる前から隠れていたのか、もしくは、どこかから逃げてきたのか。
何か他にも施設があるというのだろうか。
入口に近いから、試験当初にカレンが見つけていても不思議ではない。
とにかく試験は終了だ。戻らなくては。
「あぁ、リスは、君に懐いているようだね」
「そうなの? 邪魔なんだけど」
「君が殺したんだから、責任は取らないとね」
「分かったわ。あなたの名前はナッツよ、私に従いなさい」
肩に乗っている灰褐色のリスを見ながらイベリスは名付けた。
ナッツか。あっさり納得したな。実は素直な子なのかもしれない。
その素直さが逆に恐ろしくもあるが。
試しに、ナッツにもコネクターを飛ばしてみる。
コネクトできた。しかし心音は感じられない。コネクターは、意識のある物体であれば、必ずしも生物でなくても接続が可能ということなのだろうか。
それとも、ネクロマンサーによって生物として認識される何かが施されているのだろうか。
一応、イベリスの心音も確認する。
通常だ。普通の人間と同じ心音で感じ取れる。生きているようだ。
イベリスがネクロマンサーだということは隠した方がいいのか? どちらにせよカレンなら分かってしまうのだが。
カレンが闇雲に人に教えるようなことはないだろうから、心配はいらないのか。
後で、カレンに聞いてみるか。
「イベリス、俺は試験が終わったから戻る。君はどうするんだ? ここにいるのか?」
「試験?」
「ああ、さっきまで試験をしていたんだ。教官がいて、その教官を探していたら、君が隠れていた」
「あなたに着いて行くわ」
「そっか、その方が良いかもしれない」
俺は来た道を引き返して歩き始める。
「それで、イベリスは、どこか他の施設から迷い込んできたのかい?」
「施設? なんの?」
「いや、戦士を養成する施設のことなんだけど」
「戦士?」
ポカンとしているイベリス。まったく分かっていない雰囲気だ。
「えっと、魔術師かな、君の場合は、何か魔法の訓練とかさせられたりしてなかった?」
「ううん。してないわ」
「そっか」
では本当にただの迷子なのだろうか。それにしても異様過ぎる。
すると、思い出したようにイベリスが話し始めた。
「施設なのかわからないけど、暗い鉄の部屋にいたわ。時々、連れ出されて、身体の調子を聞かれた。何か飲まされて、そのまま眠って。気づいたら、部屋がボロボロになってて、外に出たわ」
「へー、なんで部屋が急にそんなことに?」
「分からない。でも、外に出たかったから、誰かが出してくれたんだと思う」
「よ、良かったね」
誰かが出してくれた? そんなことがあるのか?
話を聞いたところ、イベリスは何か実験台にでもされていたんじゃないかと思った。
さっきのネクロマンサーの力もそうだが、おそらく、特殊な子どもだったのだろう。
何をされていたのかはともかく、無自覚に力が暴走して目覚めたら周辺が消え去っていたということなのかもしれない。
もちろん、イベリス以外が原因の可能性もある。
しかし、もしそんな施設があるのだとしたら、このクロムランドという島は、かなり危険な島だということになる。
牢獄というのも、間違いではないかもしれない。なんとか脱出する手段を見つけなくては。
ディークから何か探れないだろうか?
スタート地点の集合場所に戻ると、生徒たちと、ディークがいた。
アゲパンが俺を見つける。
「お! ハル! どこにいたんだ? 戻っても同じ場所にいなかったから、けっこう探したんだぜ」
「すまない。ディークを見つけたと思ったんだが、いなかったよ」
「てか、その子誰だ? 見たことないぞ」
「イベリスだ。他の施設から迷い込んだらしい。本人も良く分からないままここに来たって言っている」
「ふーん。で、ハル、マリアはどこに行ったんだ? 戻ってないらしいんだが、一緒にいたんだろ?」
マリアが戻ってない?
「いや、俺も見てないぞ。捜索の途中でいつの間にか消えてたんだ」
「マジかよ、じゃあ行方不明じゃないか。訓練校の外に出たのか? 何のために?」
「俺に聞かれてもな、ディークはなんて言ってるんだ?」
「何も。何考えてんのかさっぱりだ」
そんな会話をしていると、ディークが話し始めた。
「今日の試験はこれで終了だ。非常に残念なことだが、一人、生徒が行方不明になっている。原因不明だ。我々で捜索をする。君たちは部屋に戻り、明日朝まで大人しく待機していなさい。施設の外へは一歩たりとも出るな。自分の身を守りたいのならな」
「だそうだハル。マリアについては、何も分かっていないらしい。困ったもんだね」
アゲパンもさっきまでのテンションを失っている。マリアがいないんじゃ、そうなっても仕方ないな。
さっそく、コネクターでマリアを、っと。急に視界がぼやけて、ふらつく。
「大丈夫なの? あなた、顔色が真っ青よ」
カレンの声。受け止められたようだ。
そうか、俺は無理し過ぎていたようだ。
考えてみれば、コネクターをほぼ使いっぱなしだった。環境に慣れないうちにスタミナを消費しまくったせいで、気付かないところで無茶していたらしい。
だが、マリアのことは、俺がなんとかしないと。
「ハル、一度、医務室で休みなさい。私も行くから、ね」
「わ、わりーな、カレン」
カレンの腕の中で眠りに落ちる俺。なぜかディークが俺を名指しで呼んでいるのが聞こえた。
どういうことだろう? 何かしたっけ?
◇ ◇ ◇
目を覚ますと、木の天井が見えた。全体的に木造の部屋で、蝋燭の明かりがチラホラ映っていた。
布団の厚さが、寝室とは違う。しっかりと暖かい。
なるほど、医務室か。
右隣りを見ると、カレンが椅子に足組をして座ったまま眠っていた。
そうか、カレン、俺のために看病をしてくれたのか、意外に優しい一面もあるじゃないか。
今回の試験はカレンの能力にかなり助けられた。
できることなら、これからも力になってほしいところではあるが、性格的に協力はしてくれないだろう。
だが、マリアが行方不明だとしたら、なんとしても協力して貰わなくては。
仲が悪そうなので、イマイチ希望が持てないが。
だが、こうしてうとうとしているカレンを見ると、意外と可愛い顔をしている。マリアのような色気は感じないが、愛嬌のある可愛らしさがあるというか、なんというか。
何を考えているんだ俺は。
まずはマリアを助け出さなくては。てか何時間くらい寝てたんだろう。深夜であることは間違いないが。
右を見ていた顔を天井へ戻した瞬間、黒い大きな目が目の前に現れた。
「わっ!」
額と額がぶつかった。
「イタっ!」
イベリスだった。左隣に座っていたのか。
「イベリス?」
「ハル、起きた?」
「なんなんだよ、急に顔近づけるんじゃなくて、声かけろよ」
「ごめんなさい」
「べつにいいんだけどさ、てか、イベリスもいてくれたんだな」
「私は何も指示されてないから、あなたと一緒にいたのよ」
「そ、そうなのか」
イベリスは謎が多いが、今の彼女には居場所がないのだろう。よく見ると、近くの棚の上でナッツが眠っている。ナッツも眠るんだな。
「うーん」
カレンの唸り声が聞こえた。
目が覚めたようだ。
「ハル、起きたの? 大丈夫?」
「え? あ、ああ。何とかな。それより、教官から何か聞いてないか? マリアは?」
「あなた起きてすぐ人の心配するのね。マリアなら、今、探してくれてるわよ」
「ディークが?」
「ううん、他の教官たち。ディークからは、あなたが起きたら呼びに来るように言われてるわ」
「なら、早く行かないと」
俺は立ってベッドから降りようとしたが、足元がおぼつかず、倒れ掛け、カレンに受け止められた。二度目だ。
「ちょっと、そんな焦る必要ないでしょ。あなたはあなたで休まないと」
カレンの手によってベッドに再び戻される俺。
「わりー、ごめんな、迷惑かけて」
「少なくとも私は迷惑だなんてこれっぽっちも思ってないわよ。私はここに居たくてここに居るんだから」
「そうなのか、気を遣わせてすまないな」
「なんでそんなに私を薄情者みたいに言うのか分からないけど、何とも思ってないからね」
「そうか。ありがとう」
「水、飲む?」
カレンがコップを持ってきてくれる。確かに喉が渇いていた。
「あ、お腹すいてたらスープもあるわよ。でも飲ませてあげないわよ、自分で飲みなさいよ」
「いや、大丈夫、後で貰うから」
意外と母性のあるタイプなのかもしれないなカレンは。
「ハルって、何か特別な訓練とか受けてるの?」
「何の話?」
「ディークがさ、ハルについて聞かせろって何度も言ってきて」
「そうなのか、すまないな、色々答えさせて」
やはりディーク、俺のコネクターの能力について、すでにある程度は見抜いているのかもしれない。
侮れないなあの体育教師。
「答えてないわよ」
「え? そうなの?」
「私、あれこれ探られるのって好きじゃないのよねー」
「探られるって、教官じゃないか」
「教官とか先生とか、そういうのじゃないって言うか、礼儀ってもんがあるでしょって思うのよ」
「礼儀か、そりゃ、大事なことではある気はするけど」
カレンが礼儀というと、なんだか違和感がある。無礼な雰囲気があるからなのか?
「大事よ、私、舐められるって大嫌いだもん」
「べつにカレンのこと舐めるヤツなんていないだろ、威圧感あるし」
「ほんとに? どーだか」
両手を広げ、ばかばかしいと言いたげなポーズを取る。
「でも、たしかに、自分のことは自分で説明したいし、カレンの判断は助かるよ」
「でしょ? 私は礼儀にうるさいのよ」
カレンは得意げだ。根が生真面目で努力家なのかもしれない。
そういや、俺が眠っている間に、イベリスとは話したのだろうか?
「そういやカレン、イベリスとは話したのか?」
「え? その子のこと? ええ、色々聞いたわよ」
「そうか」
どこまで話したらいいのだろう。ネクロマンサーだってことはもう知っているのだろうか。
「ネクロマンサーなんでしょ? その子」
ドキっとした。なんだ、カレン、すぐに分かったのか。
「あ、あぁ、そうなんだ。リスを従者として使役している」
「ナッツちゃんでしょ?」
「そこまで分かってるんだ。びっくりしなかったかい?」
「一応、ネクロマンサーについての知識はあったもの。確かに珍しい存在ではあるけど、会ったからってどうってこともないわ」
「なら良かった」
「でも、イベリスが出てきたってことは、他にも何体か実験体が逃げ出している可能性があるわね」
「実験体? なんだ? 実験体って」
カレンは意外そうな顔をする。
「島のラボから逃げてきたってことでしょ? イベリスも実験体だったのよ」
俺は衝撃を受けた。イベリスが実験体?
島で人体実験がどうのっていうのは、何となく聞いたことはあったが、本当だったのか。
「ラボって、何か人体実験でもしてたっていうのか?」
「そうよ、ハルは知らなかったんだ。まぁ、戦士になるために連れてこられただけだったら、そういう情報は伏せられてるのかもね。いい? クロムランドには、戦士の訓練校よりもっと重要な研究所があって、それが、ラボ・ブラックポンドよ。ブラックポンドには、色んな魔物が送られてくるの。生体実験をするための材料としてね」
「いったい、何が目的なんだよ」
「そりゃ、より強い生物兵器を作るためでしょ。イベリスみたいな」
「なんだよそれ、イベリスは、人体実験の材料にされてたのかよ、最悪だろ」
「たしかに、あんまり楽しい話とは言えないわね」
「どんな実験かは、知ってるのか?」
「そうね。基本的には、人に対して、魔物の力を付与することが目的かしら。魔物の特性や、ユニークスキルを、外部から強制的に転移させるのよ。イベリスも、元からネクロマンサーだったわけじゃないんじゃない?」
俺はイベリスを見る。
彼女は無表情で俺の目を見つめる。
「そうなのか? イベリス」
「分からない。いつからこうなったのか。ずっと前からこうだったような気もするし、そうじゃなかったような気もする」
俺は溜息をつく。
「大した世界だよ、ここは」
「何の話?」
「いや、なんでもないよ。とにかく、イベリスみたいな実験体が他にもいたってことになると、あんまり穏やかではないだろうな」
「ディークなら多分もう知ってるんじゃない? 他の施設で動いてるかも。どうせ、私たちには何もできないわ」
「なおさらマリアが心配だよ」
「ま、あなたじゃ何もできないわよ。体力も戻ってないし、元気になってから考えなさい」
「ひどいこと言うな、カレンは」
「じゃ、私も寝るわね。なんか大丈夫そうだし、ちなみにスープは入口近くの棚に入ってるわ。元気になったら飲みなさい」
カレンは立って、ドアへ向かう。
「カレン!」
カレンは振り向く。
「なに? まだ何か文句あるの?」
「ありがとう。そばにいてくれて」
カレンは微笑む。
「何言ってんだか」
カレンはそのまま部屋を出ていった。あの様子では、ディークに報告する気はないようだ。
彼女なりの優しさってことか。
改めて布団を被る俺。
視線を感じる。
イベリスは、俺をじっと見つめている。
そういや、結局イベリスはこの施設でどう扱われているのだろうか?
「イベリス、君は、寝ないのかい?」
「え? 寝るの?」
もしかしてネクロマンサーって寝なくても大丈夫なのか? しかし、心音も普通だし、イベリス自身はアンデットでも何でもない、普通の少女だ。
「そうだ。寝なくても平気なのか? 眠くなったことないとか」
「眠い」
眠いのか。やっぱり普通の女の子なんだな。
「じゃあ、部屋に行きなよ、もう俺は大丈夫だから」
「私の部屋ない」
「そうなのか?」
「だから、あなたとここに居る」
「そっか、でも、そうだな、寝る場所って、ここベッド一つしかないし、って、オイ、イベリス?」
イベリスが布団の中へ入ってきた。
「ハル、あったかい」
イベリスが布団の中で俺を抱きしめてくる。
どういうアレなんだ? これはどう対処していいのか分からない。
「イベリス、良いのか? そんなことしても」
「イヤなの?」
「そりゃ、べつにイヤってわけではないんだけど、ほら、やっぱあんまり良くはないんじゃないかと」
イベリスが完全に密着してくる。少し良い香りがする。
身体は柔らかいし、体温も感じて普通に温かい。べつにネクロマンサーだからと言って何も変わらないようだ。
しかし、恥ずかしいというか何というか、どうしていいか困った。
「なんで良くないの?」
「なんでってこともないというか何と言うかなんでしょうか?」
「何言ってるのか分からない」
「でしょうね」
とにかく理性で我慢するしかないと思った。イベリスは抱きしめてくるが、少し震えているようでもあった。
「私、実験台にされてたのは、分かってたの」
「そっか、つらかったんだな」
「うん、大人の人はいたけど、ずっと一人だった」
「そうなんだ」
「こわかった」
「がんばったね」
「うん」
「えらいぞ」
「うん」
片手でイベリスを抱きしめ、もう片方の手で彼女の頭を撫でる。
「もう、大丈夫だからな」
「うん」
「安心して眠りなよ」
「うん」
「あした、ディークに相談しよう。きっと何とかしてくれるさ」
「―――」
返事がない、ただのネクロマンサーのようだ。――っじゃない。寝息が聞こえてくる。
辛かったんだなと思うと、イベリスが不憫に思えて悲しくなってくる。
そういや、俺も孤独と言えば孤独なのかもしれない。
決して明るい境遇とは言えないはずだ。
同じなのかもな。この子と。
腕の中に収まる愛くるしい少女の寝息を聞きながら、俺も眠りについた。
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