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幸せのクリスマス・ベル
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龍図に椿花といえば周と鐘崎の刺青である。しかも形はお揃いで柄違い、これ以上ない贈り物だ。迷うことなく二人はそれで決めることにした。
「やったな冰君! 最高に粋なのが選べた!」
「ですね!」
二人手を合わせてはしゃぎ合う。
「あとはこれを一点物にしてもらう為にちょっと細工を付け足してもらうとかできますか?」
支配人に訊くと、もちろんですと言って、今度は加工のサンプルを紹介してくれた。
「お好きな箇所に宝石を埋め込むことも可能ですし、留め口にチェーンなどを取り付けたり、イニシャルを刻むだけのシンプルな加工もできます」
一般的にはイニシャルを入れるだけというのが多いそうだ。
「いや、もう……龍に椿とくればアレをはめ込むっきゃねえべ!」
「ですね、ですね!」
盛り上がる二人を横目に、支配人には『アレ』の意味が分かったようである。
「もしかして宝石でございますか? 鐘崎様はブラックダイヤかアメジスト、周様はガーネットもしくはダイヤモンド……ですかな?」
「ビンゴ!」
「おっしゃる通りです!」
紫月と冰が同時に歓喜の声をハモらせる。と同時になぜ分かったのかと不思議顔だ。
「ほほ、クリスマスプレートでございますよ。御二方のご主人様方が思い入れの石だと仰られまして」
そういえば昨年のクリスマスにもらった純金製のプレートにはそれぞれの名にちなんだ宝石が埋め込まれていたものだ。支配人はそれを覚えていてくれたのだ。
思い返せば周も鐘崎も毎年一枚ずつプレートを増やしていきたいと言っていた。実は今年も既に旦那二人からクリスマスプレートを頼まれていたので、支配人にしてみればすぐに思い至ったわけだが、そこはクリスマス当日までの秘密ということにしておく。
「では石をはめ込む位置などをご相談させてくださいませ」
一旦奥へと下がっていった支配人が石のサンプルを手にやって来た。
「うっは! めっちゃキラキラ!」
「綺麗ですねぇ」
紫月も冰も身を乗り出してワクワク顔だ。
「シガーケースが薄型でございますから、あまり大きな石よりは小さめの物の方がしっくりくるかと存じます。位置はお好きな箇所を選んでいただけますぞ」
どうぞお手に取ってケースに当ててみてくださいと言われ、二人は白い手袋を借りて、恐る恐る宝石の粒を置く位置を考えていった。
「俺は龍の目の位置かなぁ。もう一つはどこにしよう」
「俺ン方は椿の花弁のトコかな」
二色の宝石を配置するとなると、なかなかに難しいものである。
「でしたら宝石はおひとつで決められては如何でしょう」
「よろしいじゃないですか。姐さんはアメジスト、冰さんはダイヤモンド。きっとご主人様方はご自分のイメージの宝石よりも姐様方の宝石が入っている方が喜ばれると思いますし」
支配人と源次郎のアドバイスで、
「ん、そうすっか!」
「いいですね!」
宝石はそれぞれひとつずつを埋め込んでもらうことに決まった。
「やったな冰君! 最高に粋なのが選べた!」
「ですね!」
二人手を合わせてはしゃぎ合う。
「あとはこれを一点物にしてもらう為にちょっと細工を付け足してもらうとかできますか?」
支配人に訊くと、もちろんですと言って、今度は加工のサンプルを紹介してくれた。
「お好きな箇所に宝石を埋め込むことも可能ですし、留め口にチェーンなどを取り付けたり、イニシャルを刻むだけのシンプルな加工もできます」
一般的にはイニシャルを入れるだけというのが多いそうだ。
「いや、もう……龍に椿とくればアレをはめ込むっきゃねえべ!」
「ですね、ですね!」
盛り上がる二人を横目に、支配人には『アレ』の意味が分かったようである。
「もしかして宝石でございますか? 鐘崎様はブラックダイヤかアメジスト、周様はガーネットもしくはダイヤモンド……ですかな?」
「ビンゴ!」
「おっしゃる通りです!」
紫月と冰が同時に歓喜の声をハモらせる。と同時になぜ分かったのかと不思議顔だ。
「ほほ、クリスマスプレートでございますよ。御二方のご主人様方が思い入れの石だと仰られまして」
そういえば昨年のクリスマスにもらった純金製のプレートにはそれぞれの名にちなんだ宝石が埋め込まれていたものだ。支配人はそれを覚えていてくれたのだ。
思い返せば周も鐘崎も毎年一枚ずつプレートを増やしていきたいと言っていた。実は今年も既に旦那二人からクリスマスプレートを頼まれていたので、支配人にしてみればすぐに思い至ったわけだが、そこはクリスマス当日までの秘密ということにしておく。
「では石をはめ込む位置などをご相談させてくださいませ」
一旦奥へと下がっていった支配人が石のサンプルを手にやって来た。
「うっは! めっちゃキラキラ!」
「綺麗ですねぇ」
紫月も冰も身を乗り出してワクワク顔だ。
「シガーケースが薄型でございますから、あまり大きな石よりは小さめの物の方がしっくりくるかと存じます。位置はお好きな箇所を選んでいただけますぞ」
どうぞお手に取ってケースに当ててみてくださいと言われ、二人は白い手袋を借りて、恐る恐る宝石の粒を置く位置を考えていった。
「俺は龍の目の位置かなぁ。もう一つはどこにしよう」
「俺ン方は椿の花弁のトコかな」
二色の宝石を配置するとなると、なかなかに難しいものである。
「でしたら宝石はおひとつで決められては如何でしょう」
「よろしいじゃないですか。姐さんはアメジスト、冰さんはダイヤモンド。きっとご主人様方はご自分のイメージの宝石よりも姐様方の宝石が入っている方が喜ばれると思いますし」
支配人と源次郎のアドバイスで、
「ん、そうすっか!」
「いいですね!」
宝石はそれぞれひとつずつを埋め込んでもらうことに決まった。
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