425 / 1,212
チェインジング・ダーリン
29(チェインジング・ダーリン 完結)
しおりを挟む
「うははー! 最高じゃね? だったらさ、今年のクリスマスはウチでケーキを作るってのはどうだ? 今までずーっと遼がケーキを選んでくれてて、それは超楽しみなんだけどさ。たまには感謝の気持ちを込めて俺らが手作りすんの! 料理の方は板さんがいるから任せるとして、俺と冰君でケーキだけ焼くってのは?」
「わぁ! いいですね! それだったら俺、作りたいケーキがあります!」
早速に嫁同士で盛り上がっている。
「作りたいケーキってどんなの?」
「えっとですね、ケーキの上に龍の模様をチョコレートとかで描いてみたいかなって。紫月さんの好きな例のケーキのお店に行く度に思ってたんですよ。そんな感じのケーキがあったらいいのになって」
モジモジと冰が頬を赤らめながら言うと紫月が破顔するほどの笑みを見せた。
「うっは! それって”白龍”じゃん! さすが冰君、愛があふれてんなぁ!」
「い、いえ……そういうわけじゃ……まあ……ないわけじゃ……ないですけど」
こんなに可愛いことを言われて黙っていられるわけもない。
「冰――お前ってヤツは……毎度のことだがどこまで俺を喜ばせるんだ!」
周はガラにもなく仔犬のようにウルウルと瞳を輝かせながら、またもや冰を抱き締めてしまった。
「俺は正直その気持ちを聞けただけで感無量だが、お前の手作りなら実際に食ってみてえと思っちまう。今からめちゃくちゃ楽しみだ!」
「白龍……あんまり上手く作れないかも知れないけど、でも心を込めて作るよ!」
「ああ。いい、いい! お前が例の店でそんなことを考えてくれてたってのを知っただけで感無量だ!」
「うっは! ラブラブじゃん! 遼、お前は甘いモン苦手だからケーキ焼いても嬉しくねえかもだけど、見た目だけでも楽しんでもらえるようなの考えるからさ!」
「いや、俺もお前が焼くケーキなら完食する自信はあるぞ」
すっかりカップル同士で盛り上がっている様子に、森崎も里恵子も肩を寄せ合いながら微笑ましく見つめるのだった。
「ホント、あなたたちって仲良いのよねぇ! 見てるこっちが照れちゃうじゃないの!」
「俺も……正直鐘崎さんや周さんのこんな姿を拝めるなんて思ってなかったっていうか……めちゃくちゃレアで感動してます!」
「そうよね! 普段はこわーい極道とは思えないわ」
里恵子がチャーミングなウィンクで場を盛り上げる。
「よし、それじゃパーティーの方は今年は汐留でするか! ケーキは冰と一之宮に任せるとして、料理の方は真田が何か考えてくれるだろう」
「うっはぁ! いいねいいね!」
「森崎と里恵子も都合が合えば是非来てくれ。ああ、でも里恵子のところは店でクリスマスパーティーがあるんだっけな?」
「ううん、それならお店のパーティーの日を繰り上げてイブイブあたりにずらすわ! だって周家と鐘崎家のクリスマスパーティーなんて何が何でも参加したいじゃない!」
里恵子が胸前で手を組んでワクワクと頬を紅潮させる。森崎も同様に『俺もそれまでに仕事を片付けて絶対参加させてもらいたい!』と意気込みをみせた。
緊迫で始まった一日だったが無事に事件も解決し、それぞれの夫婦間と仲間同士の絆も確固たるものとなった。大団円といえる結果に、朗らかな笑い声に包まれながら帰路に着いた極道たちであった。
チェインジング・ダーリン - FIN -
「わぁ! いいですね! それだったら俺、作りたいケーキがあります!」
早速に嫁同士で盛り上がっている。
「作りたいケーキってどんなの?」
「えっとですね、ケーキの上に龍の模様をチョコレートとかで描いてみたいかなって。紫月さんの好きな例のケーキのお店に行く度に思ってたんですよ。そんな感じのケーキがあったらいいのになって」
モジモジと冰が頬を赤らめながら言うと紫月が破顔するほどの笑みを見せた。
「うっは! それって”白龍”じゃん! さすが冰君、愛があふれてんなぁ!」
「い、いえ……そういうわけじゃ……まあ……ないわけじゃ……ないですけど」
こんなに可愛いことを言われて黙っていられるわけもない。
「冰――お前ってヤツは……毎度のことだがどこまで俺を喜ばせるんだ!」
周はガラにもなく仔犬のようにウルウルと瞳を輝かせながら、またもや冰を抱き締めてしまった。
「俺は正直その気持ちを聞けただけで感無量だが、お前の手作りなら実際に食ってみてえと思っちまう。今からめちゃくちゃ楽しみだ!」
「白龍……あんまり上手く作れないかも知れないけど、でも心を込めて作るよ!」
「ああ。いい、いい! お前が例の店でそんなことを考えてくれてたってのを知っただけで感無量だ!」
「うっは! ラブラブじゃん! 遼、お前は甘いモン苦手だからケーキ焼いても嬉しくねえかもだけど、見た目だけでも楽しんでもらえるようなの考えるからさ!」
「いや、俺もお前が焼くケーキなら完食する自信はあるぞ」
すっかりカップル同士で盛り上がっている様子に、森崎も里恵子も肩を寄せ合いながら微笑ましく見つめるのだった。
「ホント、あなたたちって仲良いのよねぇ! 見てるこっちが照れちゃうじゃないの!」
「俺も……正直鐘崎さんや周さんのこんな姿を拝めるなんて思ってなかったっていうか……めちゃくちゃレアで感動してます!」
「そうよね! 普段はこわーい極道とは思えないわ」
里恵子がチャーミングなウィンクで場を盛り上げる。
「よし、それじゃパーティーの方は今年は汐留でするか! ケーキは冰と一之宮に任せるとして、料理の方は真田が何か考えてくれるだろう」
「うっはぁ! いいねいいね!」
「森崎と里恵子も都合が合えば是非来てくれ。ああ、でも里恵子のところは店でクリスマスパーティーがあるんだっけな?」
「ううん、それならお店のパーティーの日を繰り上げてイブイブあたりにずらすわ! だって周家と鐘崎家のクリスマスパーティーなんて何が何でも参加したいじゃない!」
里恵子が胸前で手を組んでワクワクと頬を紅潮させる。森崎も同様に『俺もそれまでに仕事を片付けて絶対参加させてもらいたい!』と意気込みをみせた。
緊迫で始まった一日だったが無事に事件も解決し、それぞれの夫婦間と仲間同士の絆も確固たるものとなった。大団円といえる結果に、朗らかな笑い声に包まれながら帰路に着いた極道たちであった。
チェインジング・ダーリン - FIN -
13
お気に入りに追加
867
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【BL】SNSで人気の訳あり超絶イケメン大学生、前立腺を子宮化され、堕ちる?【R18】
NichePorn
BL
スーパーダーリンに犯される超絶イケメン男子大学生
SNSを開設すれば即10万人フォロワー。
町を歩けばスカウトの嵐。
超絶イケメンなルックスながらどこか抜けた可愛らしい性格で多くの人々を魅了してきた恋司(れんじ)。
そんな人生を謳歌していそうな彼にも、児童保護施設で育った暗い過去や両親の離婚、SNS依存などといった訳ありな点があった。
愛情に飢え、性に奔放になっていく彼は、就活先で出会った世界規模の名門製薬会社の御曹司に手を出してしまい・・・。
イケメンドクターは幼馴染み!夜の診察はベッドの上!?
すずなり。
恋愛
仕事帰りにケガをしてしまった私、かざね。
病院で診てくれた医師は幼馴染みだった!
「こんなにかわいくなって・・・。」
10年ぶりに再会した私たち。
お互いに気持ちを伝えられないまま・・・想いだけが加速していく。
かざね「どうしよう・・・私、ちーちゃんが好きだ。」
幼馴染『千秋』。
通称『ちーちゃん』。
きびしい一面もあるけど、優しい『ちーちゃん』。
千秋「かざねの側に・・・俺はいたい。」
自分の気持ちに気がついたあと、距離を詰めてくるのはかざねの仕事仲間の『ユウト』。
ユウト「今・・特定の『誰か』がいないなら・・・俺と付き合ってください。」
かざねは悩む。
かざね(ちーちゃんに振り向いてもらえないなら・・・・・・私がユウトさんを愛しさえすれば・・・・・忘れられる・・?)
※お話の中に出てくる病気や、治療法、職業内容などは全て架空のものです。
想像の中だけでお楽しみください。
※お話は全て想像の世界です。現実世界とはなんの関係もありません。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
ただただ楽しんでいただけたら嬉しいです。
すずなり。
受け付けの全裸お兄さんが店主に客の前で公開プレイされる大人の玩具専門店
ミクリ21 (新)
BL
大人の玩具専門店【ラブシモン】を営む執事服の店主レイザーと、受け付けの全裸お兄さんシモンが毎日公開プレイしている話。
僕を拾ってくれたのはイケメン社長さんでした
なの
BL
社長になって1年、父の葬儀でその少年に出会った。
「あんたのせいよ。あんたさえいなかったら、あの人は死なずに済んだのに…」
高校にも通わせてもらえず、実母の恋人にいいように身体を弄ばれていたことを知った。
そんな理不尽なことがあっていいのか、人は誰でも幸せになる権利があるのに…
その少年は昔、誰よりも可愛がってた犬に似ていた。
ついその犬を思い出してしまい、その少年を幸せにしたいと思うようになった。
かわいそうな人生を送ってきた少年とイケメン社長が出会い、恋に落ちるまで…
ハッピーエンドです。
R18の場面には※をつけます。
新しいパパは超美人??~母と息子の雌堕ち記録~
焼き芋さん
BL
ママが連れてきたパパは超美人でした。
美しい声、引き締まったボディ、スラリと伸びた美しいおみ足。
スタイルも良くママよりも綺麗…でもそんなパパには太くて立派なおちんちんが付いていました。
これは…そんなパパに快楽地獄に堕とされた母と息子の物語…
※DLsite様でCG集販売の予定あり
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる