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一園木蓮

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過去からの招待状

24話

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 ホテルへと向かう僅かな時間でも、冰は酷く苦しげに身悶え続けていた。既に欲情が抑えきれず、今すぐにでも解放しなければ気が狂いそうだ。だが、氷川の他にも運転手や側近が同乗しているこの車中で慰めるのも躊躇われるわけだろう。氷川はそんな冰の心の内を察すると、助手席にいる自身の側近の李に声を掛けた。
「李、間仕切りを上げろ」
「かしこまりました」
 李も状況を察したのだろう、すぐに言われた通りに運転席側と後部座席を仕切る間仕切りを作動させた。
 これでもう前の座席からは後ろの様子が分からない。濃くて分厚いスモークガラスが氷川と冰だけの空間を作り出していた。
 氷川は冰を抱きかかえると、シートを目一杯倒して横たわらせた。
「りゅ……龍……?」
「何も心配するな。お前はそのまま楽にしていろ」
「龍……何を……? ……ッ……はぁあっ……!」
 冰は思わず叫び声を上げながら仰け反った。氷川がいきなり下着をずり下ろし、口淫で愛撫を始めたからだ。
「龍ッ……! や……っ、何……を……!」
「そのままじゃ辛えだろうが。とにかく出しちまえ」
「や……でも……ッあああ……!」
「大丈夫だ。間仕切りを上げたから、前の席のことは気にするな。お前は感じたままにしていればいい」
 そそり立ち、淫らな蜜液であふれた熱い雄を口中に含む。これでもかというくらい吸い上げ、舐め上げながらがっしりとした大きな掌でも扱いて愛撫を繰り返す。
「い……ぁあッ……! あ、あ……くる……! また……はぁあッ……」
 荒い吐息と共に冰は嬌声を上げ続け、愛しい男の腕の中で立て続けに果てた。果てては再び登り詰め、また果てては登りを繰り返す。そうしてホテルへと到着する頃には、既に気を失ってしまったのだった。



◇    ◇    ◇



 ホテルに着いた後、氷川は冰の身体を丁寧に湯拭きしてから寝かし付けると、再び高瀬貿易の倉庫へと向かった。側近たちに確保させている高瀬への制裁を下す為だ。
 とんでもないことをしでかしてくれた男をこのまま放置できるわけもない。彼にはそれ相当の沙汰を受けてもらわねばならない。そして、今後二度と冰に近寄らないよう、男の”心”を折る必要があった。

 氷川が倉庫に到着すると、側近たちに囲まれた高瀬が正座をしながらうつむいていた。
 既に恐怖に打ち震えているといった調子である。常人とは異なる、鋭い雰囲気の男たち数人に見張られているだけで、心底肝っ玉が縮む思いだったのだろう。
 そんな高瀬は、氷川の顔を見た瞬間に、まるで助けてくれとでもいうように縋るような狂気の声を上げた。
「龍……ッ! こ、この人たちは何なんだ……」
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