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都市伝説のララの町!
86.自分の役割と出来ること
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メリストのせいで何時間か歩けなくなったまま、家族会議ならぬ同居人会議をする事になった。それぞれの家での役目を決めようってことだ。リビングでそれぞれ席に着き、お茶を用意した。
とりあえず今はガルさんとメリストが同じとこで働いている。ララの町と外を繋ぐ物資運びの仕事だ。結構な重労働だから俺とみつ兄には向いてない仕事らしい。
あと他に仕事の求人は、町の周りの警備とか森の管理らしい。町の人や精霊たちは町の外に出たがらないらしく、町周辺の仕事が人手不足なんだとか。
四人いるから一人は家のことを任せて、三人で働いた方がいいかなって話になった。この町自体そこまでお金が掛かる場所じゃ無いけど、この町に無いものは時間とお金を掛けて外まで買いに行かないといけないから、貯めておいた方がいいらしい。
確かに、メリストが使った媚薬とか絶対こんな場所に無いものだもんな。いやそれを言うなら玩具もあるのおかしいけど。
「それなら俺が働いて、家のことはみつ兄に任せる?」
「僕が家事を…うん、掃除も洗濯も結構好きだしいいかも。ご、ご飯はレシピがあればたぶん作れるよ」
元の世界にいた時みたいに皿割ってケガしなければまぁ任せて大丈夫か。町の外に連れてって危ない目に遭う方が嫌だし。
それで俺は働きに行くわけだけど、何をしよう。あっ、そう言えばメリストが俺にナイフの使い方を教えてくれるとか言ってたよな。なら戦い方を教わって、町の周りの警備をやってもいいかも。この町の周りにいるモンスターの情報なら頭の中に入ってる。
ララの町の周辺にいるモンスターは蝶のモンスターだ。そのまま蝶の見た目のモンスターもいれば、人の形に寄った蝶のモンスターもいる。綺麗だけど見た目がリアルで虫嫌いのプレイヤーはこの森を嫌がってたんだよなぁ。
高グラフィックなゲームはそう言うところで忌避する人が多い。生々しくなるからな。
とにかく、蝶の鱗粉を吸わなければ幻覚状態にならないから勝てる。ガルさんが港町で着けてたみたいなマスクがあれば大丈夫だ。
「俺、町の周りの警備をやるよ。ただその前に体力を戻さないとな。それから、メリスト、ナイフの使い方を教えてくれ」
「任せろ!テメェの体が回復したら戦闘を叩き込んでやんよ」
そう言って自身たっぷりに胸を叩くメリスト。頼もしくてかっこいい!って思ったけど、昨日は気にならなかった無精髭でちょっと頼りなく感じた。また髭剃りサボってるなぁ…。
そう言えば余談だけど、ガルさんに髭が生えてないのは獣人だかららしい。人間と獣じゃ髭生え方とかが違うから、例え人間の姿で髭が生えても獣の姿に変われば消えるらしい。そう言えばガルさん、下の毛も生えてなかったっけ。
そうしてとりあえずは決まった。
ガルさん、メリストが稼ぎ頭になって、俺は仕事と買い出し担当。みつ兄が家事全般だ。
早速、俺も正式に職に就きたい…が、今は動けないから明日だな。今日はさっさと回復して、しばらくガルさんとメリストとはシないでおこう。
話し合いが終わってから、俺はガルさんにみつ兄の部屋に連れてってもらった。メリストは…反省って事で部屋に引きこもって落ち込んでる。
そう言えば自分の部屋にそんなに行かないな、俺。俺の部屋の意味ってあるのか?
みつ兄のベッドに横になって、また一緒に昼寝する事になった。今日は寝不足もあるし朝から体力を消耗したからな。っていうか、みつ兄昼寝ばっかで夜にちゃんと寝れてるか心配だな。
「こう君、無理はダメだよ。なんでもかんでも許しちゃダメ。こう君自身の体、でしょ?」
「そうだな。って、俺だけのじゃ無くて、俺とみつ兄の体じゃ無いのか?」
「…ふふっ、そうだね」
あーもー、みつ兄の幸せそうな顔が可愛すぎて辛い。思わず力一杯抱きしめて、みつ兄を苦しませてしまった。
「いてて、ぎゅーってするのはいいけど、力は加減してよ」
「ごめんなさい…」
「もう、ぎゅーっ!」
今度はみつ兄から抱きしめられた。みつ兄は仕返しのつもりで力一杯やってるつもりみたいだけど、全然苦しくない。弱いなぁ、大丈夫かな。
「あ、あれ?兄さんって自分で思ってるより非力?」
「あー、うん。弱すぎる。俺も力落ちたけど、それ以下は本当にやばいよ?」
「兄さんも少しは体動かすようにしたんだけどな…」
相変わらずほっそいし、もっとたくさん食べさせるとこからか。
それにしても、みつ兄との身長差も少し開いた気がする。この世界に来たばっかの時はギリギリみつ兄の方が高かったのに、今じゃ俺の方が高い。もっと大きくなって、みつ兄をすっぽり包み込めるくらいになりたいな。
そして、もっとみつ兄を守れるように強くなりたい。
「うーん…、夜を頑張って体力を付けるのもアリかな」
……やっぱりみつ兄の方が強かかも。まぁ、みつ兄なら動けなくなるまで犯されるのも悪く無いか。みつ兄がそこまで出来るなら。
「……じゃあ期待してるよ」
「もぉ、今夜は我慢しないとなんだから煽らないで」
「煽ったつもりは無いんだけどな」
顔を赤くしてむすっとするみつ兄、可愛いな。けど俺こんな可愛い人に抱かれてるんだもんな…。
未だみつ兄に上でも下でも負けてるから、今度こそ優位に立ちたい。そんな日が本当に来るかは分からないけど、俺ばっか満足しがちだから一回くらいは俺が尽くす側をしっかりとやりたいな。
出来る…よな?え、絶望的……?
とりあえず今はガルさんとメリストが同じとこで働いている。ララの町と外を繋ぐ物資運びの仕事だ。結構な重労働だから俺とみつ兄には向いてない仕事らしい。
あと他に仕事の求人は、町の周りの警備とか森の管理らしい。町の人や精霊たちは町の外に出たがらないらしく、町周辺の仕事が人手不足なんだとか。
四人いるから一人は家のことを任せて、三人で働いた方がいいかなって話になった。この町自体そこまでお金が掛かる場所じゃ無いけど、この町に無いものは時間とお金を掛けて外まで買いに行かないといけないから、貯めておいた方がいいらしい。
確かに、メリストが使った媚薬とか絶対こんな場所に無いものだもんな。いやそれを言うなら玩具もあるのおかしいけど。
「それなら俺が働いて、家のことはみつ兄に任せる?」
「僕が家事を…うん、掃除も洗濯も結構好きだしいいかも。ご、ご飯はレシピがあればたぶん作れるよ」
元の世界にいた時みたいに皿割ってケガしなければまぁ任せて大丈夫か。町の外に連れてって危ない目に遭う方が嫌だし。
それで俺は働きに行くわけだけど、何をしよう。あっ、そう言えばメリストが俺にナイフの使い方を教えてくれるとか言ってたよな。なら戦い方を教わって、町の周りの警備をやってもいいかも。この町の周りにいるモンスターの情報なら頭の中に入ってる。
ララの町の周辺にいるモンスターは蝶のモンスターだ。そのまま蝶の見た目のモンスターもいれば、人の形に寄った蝶のモンスターもいる。綺麗だけど見た目がリアルで虫嫌いのプレイヤーはこの森を嫌がってたんだよなぁ。
高グラフィックなゲームはそう言うところで忌避する人が多い。生々しくなるからな。
とにかく、蝶の鱗粉を吸わなければ幻覚状態にならないから勝てる。ガルさんが港町で着けてたみたいなマスクがあれば大丈夫だ。
「俺、町の周りの警備をやるよ。ただその前に体力を戻さないとな。それから、メリスト、ナイフの使い方を教えてくれ」
「任せろ!テメェの体が回復したら戦闘を叩き込んでやんよ」
そう言って自身たっぷりに胸を叩くメリスト。頼もしくてかっこいい!って思ったけど、昨日は気にならなかった無精髭でちょっと頼りなく感じた。また髭剃りサボってるなぁ…。
そう言えば余談だけど、ガルさんに髭が生えてないのは獣人だかららしい。人間と獣じゃ髭生え方とかが違うから、例え人間の姿で髭が生えても獣の姿に変われば消えるらしい。そう言えばガルさん、下の毛も生えてなかったっけ。
そうしてとりあえずは決まった。
ガルさん、メリストが稼ぎ頭になって、俺は仕事と買い出し担当。みつ兄が家事全般だ。
早速、俺も正式に職に就きたい…が、今は動けないから明日だな。今日はさっさと回復して、しばらくガルさんとメリストとはシないでおこう。
話し合いが終わってから、俺はガルさんにみつ兄の部屋に連れてってもらった。メリストは…反省って事で部屋に引きこもって落ち込んでる。
そう言えば自分の部屋にそんなに行かないな、俺。俺の部屋の意味ってあるのか?
みつ兄のベッドに横になって、また一緒に昼寝する事になった。今日は寝不足もあるし朝から体力を消耗したからな。っていうか、みつ兄昼寝ばっかで夜にちゃんと寝れてるか心配だな。
「こう君、無理はダメだよ。なんでもかんでも許しちゃダメ。こう君自身の体、でしょ?」
「そうだな。って、俺だけのじゃ無くて、俺とみつ兄の体じゃ無いのか?」
「…ふふっ、そうだね」
あーもー、みつ兄の幸せそうな顔が可愛すぎて辛い。思わず力一杯抱きしめて、みつ兄を苦しませてしまった。
「いてて、ぎゅーってするのはいいけど、力は加減してよ」
「ごめんなさい…」
「もう、ぎゅーっ!」
今度はみつ兄から抱きしめられた。みつ兄は仕返しのつもりで力一杯やってるつもりみたいだけど、全然苦しくない。弱いなぁ、大丈夫かな。
「あ、あれ?兄さんって自分で思ってるより非力?」
「あー、うん。弱すぎる。俺も力落ちたけど、それ以下は本当にやばいよ?」
「兄さんも少しは体動かすようにしたんだけどな…」
相変わらずほっそいし、もっとたくさん食べさせるとこからか。
それにしても、みつ兄との身長差も少し開いた気がする。この世界に来たばっかの時はギリギリみつ兄の方が高かったのに、今じゃ俺の方が高い。もっと大きくなって、みつ兄をすっぽり包み込めるくらいになりたいな。
そして、もっとみつ兄を守れるように強くなりたい。
「うーん…、夜を頑張って体力を付けるのもアリかな」
……やっぱりみつ兄の方が強かかも。まぁ、みつ兄なら動けなくなるまで犯されるのも悪く無いか。みつ兄がそこまで出来るなら。
「……じゃあ期待してるよ」
「もぉ、今夜は我慢しないとなんだから煽らないで」
「煽ったつもりは無いんだけどな」
顔を赤くしてむすっとするみつ兄、可愛いな。けど俺こんな可愛い人に抱かれてるんだもんな…。
未だみつ兄に上でも下でも負けてるから、今度こそ優位に立ちたい。そんな日が本当に来るかは分からないけど、俺ばっか満足しがちだから一回くらいは俺が尽くす側をしっかりとやりたいな。
出来る…よな?え、絶望的……?
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