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都市伝説のララの町!
83.謎にピッカピカにされてる?
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目が覚めて顔を洗って、ちょうどガルさんとメリストが帰って来た。二人とも両手に大きな紙袋を持っている。何か買い物でもして来たのだろうか。
二人は紙袋を俺とみつ兄に一つずつ渡した。中には着替えと必要そうなものが入っているらしいけど、俺の受け取った紙袋に入ってる服は少し大きいサイズだ。
「メリスト、この服俺には大きくないか?」
「それでいいんだよ。お前、16くらいっつってたろ?成長期終わってねぇならオーバーサイズじゃねぇとすぐ着れなくなるだろうが」
「そっか」
なんとなく忘れてたけど俺、まだ成長期真っ只中の子供だった。子供…がしない事たくさんしたよな。フルタイムで働いてみたり、人を殺したり、攫われてみたり、えっちなことも……。乱れてるのかしっかりしてるのか分からない子供だな…。
紙袋の中身はまだあった。小さなナイフ、羽ペンとメモ帳、それから…吸盤が付いた謎の棒。なんだこれ?
「ナイフは護身用にオレが教えてやるよ。ペンと紙は使い道に困んねぇだろうし、それと…」
「これって何?」
「それはな……」
メリストは俺の耳元でこそっと教えてくれた。というより教えやがった。
「ケツに入れるオモチャだ」
本当に余計なお世話だな。っていうか俺、さっきからそんなモン持ってたのか!?驚いてつい紙袋に勢いよくしまった。みつ兄とガルさんが驚いてこっちを見たけど、何も無かったことにした。
「お前…何買ってんだよ。ってか売ってたのかよ…!」
「あぁ、これでいつでも遊べるな。良かったじゃねぇか」
「目の前にあるのにいるか?」
「目の前に……?って、テメェ!」
いらないものを買ったお仕置きにからかってやった。めちゃくちゃ動揺するじゃん。まぁ意味は…そのままの意味だな。目の前にメリストとか言う俺のことを抱きたがってるやつがいるんだから、オモチャなんて冷たい偽物を使う必要が無い。
プルプル震えて怒ってるメリストは、俺の手首を強く握ると「来いっ!」と叫んで部屋に連れてかれた。
メリストの部屋にさっさと連れ込まれたけど…え、こんな時間からヤるつもり?それも風呂に入って無いのに?
なんて思ってたけど、椅子に座らされて上の服だけ脱がされて、そのまま俺の髪を切り始めた。……ん???
「失敗するから動くんじゃねぇぞ」
「はい……」
急にどうした?いやまぁ目的地に着いたら切るとは言われてたけども、なんでこんなタイミング?
慣れた手付きでジョキジョキと髪を切るメリスト。数十分後には綺麗に切られサッパリとしていた。うなじに髪の毛が当たらないからくすぐったく無いなと思ったら、考えを読んだのかってツッコミたくなるタイミングでメリストは俺の首を吸った。
そしてまた手首を引っ張られ、今度は風呂に連れてかれた。美容室と違ってシャンプー台なんて無いから風呂で細かい髪の毛を落とさないといけないのは分かるが、なんでメリストもの一緒に入るんだ。
まさか風呂でする気か?流石にのぼせるから無理だって!
…なんて思ってたけど、頭を洗われたり背中を流されたりして、男二人が入るには狭い浴槽に入った。それだけ。なんか尽くされてない?
メリストの膝に座らされて後ろから抱きしめられた状態で風呂に浸かってるけど、本当に健全。何も無い。俺の考えすぎだったってことか。うわ、それは恥ずかしいな…。
まぁ、さっきからクンクンスリスリされてるけど。それでも(一応)健全。
そして風呂上がり、ガルさんとみつ兄が夕飯の支度してたから手伝おうとしたらメリストに部屋に連れて行かれた。
そのまま部屋で…タオルドライ。髪の毛をしっかりと拭かれた後にいい香りのヘアオイルと丁寧なブラッシング。ドライヤーで乾かされてふわふわでサラサラでサッパリとした。
「メリスト、なんで俺こんなに磨かれてんの」
「夜のお楽しみのためだ」
「はぁ……」
いや、たぶん違うことだろうな。紛らわしい言い方してるけど、また思わせぶりなことをしてるだけ。もう引っかからないもんね。いったい、次は何をされるのやら。
ピカピカにされたところでリビングに行くと、ちょうど夕食の準備が終わっていた。みつ兄とガルさん、エプロン似合うなぁ…。みつ兄にエプロンが似合うのは知ってたけど、ガルさんも似合うのはちょっと意外。狼なんて肉食獣がエプロン着けてレタス千切ってる姿を想像するだけでちょっと絵面が面白いけど。
「ご飯出来たよーって、こう君、髪切ってもらったんだ。その短さ久しぶりだね。よく似合ってるよ」
「へへっ、ありがとう。みつ兄もメリストに切ってもらう?」
「兄さんは髪の毛伸ばして縛ろうかなって。元の世界だと髪長いの良い印象が無かったから切ってたけど…」
伸ばしたかったんだ。それは知らなかった。でも髪の毛の長いみつ兄か…待って、想像しただけで相当えっちなんだけど?俺の心臓が保つかどうか……。
と、とりあえずご飯ご飯。丸いパンに、レタスと甘辛ダレで焼いた鶏肉、コンソメスープ。一般的なメニューだけどこんなに美味しいのは、この町のものの質が良いからなんだろうな。流石、精霊の町なだけある。
野菜と水は何もしなくても美味しいから、相当いいものなんだろうな。他の町なら高額で取引されててもおかしくない。けどこの町なら普通に安値で買えるとか。水は水道代も無く飲み放題だし。
凄いなぁ。心も体も町もご飯もピッカピカだ。ここで始まる新しい生活が楽しみだ。なんて、美味しい夕食を食べて幸せを噛み締めた。
食べ終わって片付けも終わった頃、メリストに呼ばれるまま部屋に行った。今度はいったい何をするやら。
部屋に行くと、メリストは小さな紙袋をガサゴソと漁っていた。
「なぁコウセイ、お前って相当バカだろ」
「はあ?急に何を…否定出来ないけどさぁ……」
唐突に何を言い出すんだと困惑してると、メリストは紙袋から小瓶を取り出し、中に入っている赤紫の液体を飲んだ。なんだろう、嫌な予感がし始めた。
予感がしたところで既に手遅れだと、すぐに思い知ることになる。
二人は紙袋を俺とみつ兄に一つずつ渡した。中には着替えと必要そうなものが入っているらしいけど、俺の受け取った紙袋に入ってる服は少し大きいサイズだ。
「メリスト、この服俺には大きくないか?」
「それでいいんだよ。お前、16くらいっつってたろ?成長期終わってねぇならオーバーサイズじゃねぇとすぐ着れなくなるだろうが」
「そっか」
なんとなく忘れてたけど俺、まだ成長期真っ只中の子供だった。子供…がしない事たくさんしたよな。フルタイムで働いてみたり、人を殺したり、攫われてみたり、えっちなことも……。乱れてるのかしっかりしてるのか分からない子供だな…。
紙袋の中身はまだあった。小さなナイフ、羽ペンとメモ帳、それから…吸盤が付いた謎の棒。なんだこれ?
「ナイフは護身用にオレが教えてやるよ。ペンと紙は使い道に困んねぇだろうし、それと…」
「これって何?」
「それはな……」
メリストは俺の耳元でこそっと教えてくれた。というより教えやがった。
「ケツに入れるオモチャだ」
本当に余計なお世話だな。っていうか俺、さっきからそんなモン持ってたのか!?驚いてつい紙袋に勢いよくしまった。みつ兄とガルさんが驚いてこっちを見たけど、何も無かったことにした。
「お前…何買ってんだよ。ってか売ってたのかよ…!」
「あぁ、これでいつでも遊べるな。良かったじゃねぇか」
「目の前にあるのにいるか?」
「目の前に……?って、テメェ!」
いらないものを買ったお仕置きにからかってやった。めちゃくちゃ動揺するじゃん。まぁ意味は…そのままの意味だな。目の前にメリストとか言う俺のことを抱きたがってるやつがいるんだから、オモチャなんて冷たい偽物を使う必要が無い。
プルプル震えて怒ってるメリストは、俺の手首を強く握ると「来いっ!」と叫んで部屋に連れてかれた。
メリストの部屋にさっさと連れ込まれたけど…え、こんな時間からヤるつもり?それも風呂に入って無いのに?
なんて思ってたけど、椅子に座らされて上の服だけ脱がされて、そのまま俺の髪を切り始めた。……ん???
「失敗するから動くんじゃねぇぞ」
「はい……」
急にどうした?いやまぁ目的地に着いたら切るとは言われてたけども、なんでこんなタイミング?
慣れた手付きでジョキジョキと髪を切るメリスト。数十分後には綺麗に切られサッパリとしていた。うなじに髪の毛が当たらないからくすぐったく無いなと思ったら、考えを読んだのかってツッコミたくなるタイミングでメリストは俺の首を吸った。
そしてまた手首を引っ張られ、今度は風呂に連れてかれた。美容室と違ってシャンプー台なんて無いから風呂で細かい髪の毛を落とさないといけないのは分かるが、なんでメリストもの一緒に入るんだ。
まさか風呂でする気か?流石にのぼせるから無理だって!
…なんて思ってたけど、頭を洗われたり背中を流されたりして、男二人が入るには狭い浴槽に入った。それだけ。なんか尽くされてない?
メリストの膝に座らされて後ろから抱きしめられた状態で風呂に浸かってるけど、本当に健全。何も無い。俺の考えすぎだったってことか。うわ、それは恥ずかしいな…。
まぁ、さっきからクンクンスリスリされてるけど。それでも(一応)健全。
そして風呂上がり、ガルさんとみつ兄が夕飯の支度してたから手伝おうとしたらメリストに部屋に連れて行かれた。
そのまま部屋で…タオルドライ。髪の毛をしっかりと拭かれた後にいい香りのヘアオイルと丁寧なブラッシング。ドライヤーで乾かされてふわふわでサラサラでサッパリとした。
「メリスト、なんで俺こんなに磨かれてんの」
「夜のお楽しみのためだ」
「はぁ……」
いや、たぶん違うことだろうな。紛らわしい言い方してるけど、また思わせぶりなことをしてるだけ。もう引っかからないもんね。いったい、次は何をされるのやら。
ピカピカにされたところでリビングに行くと、ちょうど夕食の準備が終わっていた。みつ兄とガルさん、エプロン似合うなぁ…。みつ兄にエプロンが似合うのは知ってたけど、ガルさんも似合うのはちょっと意外。狼なんて肉食獣がエプロン着けてレタス千切ってる姿を想像するだけでちょっと絵面が面白いけど。
「ご飯出来たよーって、こう君、髪切ってもらったんだ。その短さ久しぶりだね。よく似合ってるよ」
「へへっ、ありがとう。みつ兄もメリストに切ってもらう?」
「兄さんは髪の毛伸ばして縛ろうかなって。元の世界だと髪長いの良い印象が無かったから切ってたけど…」
伸ばしたかったんだ。それは知らなかった。でも髪の毛の長いみつ兄か…待って、想像しただけで相当えっちなんだけど?俺の心臓が保つかどうか……。
と、とりあえずご飯ご飯。丸いパンに、レタスと甘辛ダレで焼いた鶏肉、コンソメスープ。一般的なメニューだけどこんなに美味しいのは、この町のものの質が良いからなんだろうな。流石、精霊の町なだけある。
野菜と水は何もしなくても美味しいから、相当いいものなんだろうな。他の町なら高額で取引されててもおかしくない。けどこの町なら普通に安値で買えるとか。水は水道代も無く飲み放題だし。
凄いなぁ。心も体も町もご飯もピッカピカだ。ここで始まる新しい生活が楽しみだ。なんて、美味しい夕食を食べて幸せを噛み締めた。
食べ終わって片付けも終わった頃、メリストに呼ばれるまま部屋に行った。今度はいったい何をするやら。
部屋に行くと、メリストは小さな紙袋をガサゴソと漁っていた。
「なぁコウセイ、お前って相当バカだろ」
「はあ?急に何を…否定出来ないけどさぁ……」
唐突に何を言い出すんだと困惑してると、メリストは紙袋から小瓶を取り出し、中に入っている赤紫の液体を飲んだ。なんだろう、嫌な予感がし始めた。
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