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都市伝説のララの町!
82.おやすみ、おはよう、またね
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日の光が当たらないせいか、あまりスッキリとしない目覚め。重たい瞼を開けて目を擦ると、涙の乾いたあとがあった。目覚めが悪いのは、何か嫌な夢を見てたからなのか?まぁ、悪夢を見てたとして覚えてないけどさ。
大きなあくびをして、顔を洗いに洗面台に行った。ボサボサの髪を後ろに流して顔を洗って鏡を見た。なんか酷い顔。疲れた顔してるな。
リビングに行くと、メリストが朝食を用意してくれていた。途中で買い足した携帯食だけど。時間は既に昼近くだったみたいで、これが朝食兼昼食になった。
「こう君?あんまり食欲無いの?」
「え?あぁごめん。そんな事は無いんだけど…ちゃんと寝れた気がしなくて、少し眠いだけ」
「そう…。それじゃあ、ご飯食べたら一緒にお昼寝でもしよっか」
「ん………」
本当は引っ越したばっかでやらないといけない事はたくさんあるけど、俺の体調が心配らしいみつ兄と休むことになった。
この町ならメリストも自由に動けるとかで、ガルさんとメリストは二人とも町の視察に行った。二人を玄関まで見送ったところで、少し目眩と立ちくらみがした。それに気付いたみつ兄は俺をみつ兄の部屋まで手を引いた。
そしてベッドに俺を座らせると、みつ兄は俺の額に触れた。熱は無いから大丈夫だけど、心配し始めたみつ兄は『大丈夫』なんて言っても信じない。
「熱は無いね。風邪っぽいとか体が痛いとかある?」
「無いよ。本当に寝不足って感じなだけ」
「そっか、それじゃあ早く休んだ方がいいかな。何か不調があったらすぐに言うんだよ、いい?」
「分かったって、心配しすぎ」
みつ兄、変わったな。この世界に来る前は守ってあげたい可愛い兄だったのに、いつの間にか俺がこんなに甘えてる。なんか悔しいけど、こっちの世界に来てから俺は弱くなった気がする。気のせい…かな。
そのまま一緒にベッドに横になった。シングルより少し大きい…セミダブルだっけ。のサイズのベッドで隙間無くくっついて。
「苦しくない?」
「大丈夫、あったかい……」
「そっか。………あ、もう寝ちゃった。おやすみ、こう君」
優しくて大好きな声と温かい手で撫でられる感覚でそのまま眠りに落ちた。
ーーーーーヒカルーーーーー
めがさめたとき、となりにミツルくんがいた。
「おはよう、ヒカル君」
「ミツルくん………」
「泣かないで、やっぱりこう君の泣いた跡はヒカル君のものなんだね。どうして泣いてるの?」
なんでって、だって、よるにミツルくんが しらないだれかにヒカルのことはなしてたから…。ヒカルは『じゃま』だってしっちゃったから……
「ミツルくんはこーくんが好き。ヒカルだってミツルくんもこーくんも好き。でも、ミツルくんはヒカルがキライ…」
「なんで?そんなことないのに、どうしてそう思ったの?」
「だって!ヒカルがおきてるとミツルくん、なきそうなんだもん!ヒカルがひところすと、こーくんがわるく なっちゃうんでしょ!?だからミツルくんはヒカルがキライなんでしょ!?」
しってるもん!ヒカル、わるいことしてるってしってる!
でも、こーくんのかわりに ころしたりキズつけたり、こーくんがわるくならないようにヒカルがやってたのに、それでもこーくんのせいになる。からだがおなじだから、このからだがひとをキズつけたから、ヒカルがわるいことしたら こーくんがおこられる。
だから、ミツルくんはヒカルにきえてほしい、そうおもってる。わかってるもん……
でも、ヒカルは……きえるのこわいよ。
「泣かないでヒカル君。嫌いじゃないよ、大好きだよ。ずっとこう君のことも僕のことも守ってくれてたのは、他の誰でも無いヒカル君でしょ?」
「でもヒカル、こーくんじゃないもん…」
「知ってるよ。でもこう君の一部であることは変わらない。僕はこう君もヒカル君も大好き。だから…君たちが一つにならないかなって」
ヒカルとこーくんが、ひとつに?
ミツルくん、ヒカルをぎゅっていっぱいだきしめてくれてる。あたまなでて、いいこいいこって。ヒカルのこと、キライじゃないの?
「ヒカル君が、誰かを傷つけるだけの存在でいるのは嫌なの。それとこう君が知らないままその手で人を傷付けるのも嫌。だから、ヒカル君にはもっといろんなことを知って欲しいし、こう君にも自分の意志と覚悟で戦って欲しいんだ」
……ミツルくんは、ヒカルにいろんなことをしってほしいっておもってる。ヒカルも、もっとたくさんのことが しりたいっておもってる。
きえるんじゃない。ヒカルがこーくんのカケラになる。ひとつにもどる。
それなら、いいのかも。
「……わかった、やってみるよ。でも、こーくんがヒカルのしたこと、しっちゃうかも」
「大丈夫、ヒカル君も僕も大好きなこう君は強く優しくなったよ。きっと受け止められる」
「うん。……またね、ミツルくん。きっとつぎは、こーくんとして………」
あれ、あたまが。ぼやぁ…って、なっ、て…………
また、あえる…よね……?みつ………にぃ…………
ーーーーーコウセイーーーーー
「んっ……ふわぁ…………」
「おはよう、こう君。よく眠れた?」
「うん。頭が凄くスッキリして……って、もう夕方!?」
そんなに寝てたのか俺!そりゃあすっかり元気なわけだ!
でも、また涙の跡がある。また泣いてたのかな。それでも今度はしっかり寝れた。なんだろう…自分のことなのに分からないのは嫌だな。
「みつ兄、俺、寝てる間にうなされてたり寝言言ってたりした?」
「…ううん。泣いてたけど何も言ってなかったよ」
「そう……」
みつ兄、今言い辛そうだった。何か知ってる?何か隠してる?嘘か隠し事か分からないけど、何かはありそうだ。知りたいって強く思うと同時に、みつ兄が隠す何かしらの事情があるんだろうなって思う。
今は聞きづらいな、またの機会に聞いてみよう。
大きなあくびをして、顔を洗いに洗面台に行った。ボサボサの髪を後ろに流して顔を洗って鏡を見た。なんか酷い顔。疲れた顔してるな。
リビングに行くと、メリストが朝食を用意してくれていた。途中で買い足した携帯食だけど。時間は既に昼近くだったみたいで、これが朝食兼昼食になった。
「こう君?あんまり食欲無いの?」
「え?あぁごめん。そんな事は無いんだけど…ちゃんと寝れた気がしなくて、少し眠いだけ」
「そう…。それじゃあ、ご飯食べたら一緒にお昼寝でもしよっか」
「ん………」
本当は引っ越したばっかでやらないといけない事はたくさんあるけど、俺の体調が心配らしいみつ兄と休むことになった。
この町ならメリストも自由に動けるとかで、ガルさんとメリストは二人とも町の視察に行った。二人を玄関まで見送ったところで、少し目眩と立ちくらみがした。それに気付いたみつ兄は俺をみつ兄の部屋まで手を引いた。
そしてベッドに俺を座らせると、みつ兄は俺の額に触れた。熱は無いから大丈夫だけど、心配し始めたみつ兄は『大丈夫』なんて言っても信じない。
「熱は無いね。風邪っぽいとか体が痛いとかある?」
「無いよ。本当に寝不足って感じなだけ」
「そっか、それじゃあ早く休んだ方がいいかな。何か不調があったらすぐに言うんだよ、いい?」
「分かったって、心配しすぎ」
みつ兄、変わったな。この世界に来る前は守ってあげたい可愛い兄だったのに、いつの間にか俺がこんなに甘えてる。なんか悔しいけど、こっちの世界に来てから俺は弱くなった気がする。気のせい…かな。
そのまま一緒にベッドに横になった。シングルより少し大きい…セミダブルだっけ。のサイズのベッドで隙間無くくっついて。
「苦しくない?」
「大丈夫、あったかい……」
「そっか。………あ、もう寝ちゃった。おやすみ、こう君」
優しくて大好きな声と温かい手で撫でられる感覚でそのまま眠りに落ちた。
ーーーーーヒカルーーーーー
めがさめたとき、となりにミツルくんがいた。
「おはよう、ヒカル君」
「ミツルくん………」
「泣かないで、やっぱりこう君の泣いた跡はヒカル君のものなんだね。どうして泣いてるの?」
なんでって、だって、よるにミツルくんが しらないだれかにヒカルのことはなしてたから…。ヒカルは『じゃま』だってしっちゃったから……
「ミツルくんはこーくんが好き。ヒカルだってミツルくんもこーくんも好き。でも、ミツルくんはヒカルがキライ…」
「なんで?そんなことないのに、どうしてそう思ったの?」
「だって!ヒカルがおきてるとミツルくん、なきそうなんだもん!ヒカルがひところすと、こーくんがわるく なっちゃうんでしょ!?だからミツルくんはヒカルがキライなんでしょ!?」
しってるもん!ヒカル、わるいことしてるってしってる!
でも、こーくんのかわりに ころしたりキズつけたり、こーくんがわるくならないようにヒカルがやってたのに、それでもこーくんのせいになる。からだがおなじだから、このからだがひとをキズつけたから、ヒカルがわるいことしたら こーくんがおこられる。
だから、ミツルくんはヒカルにきえてほしい、そうおもってる。わかってるもん……
でも、ヒカルは……きえるのこわいよ。
「泣かないでヒカル君。嫌いじゃないよ、大好きだよ。ずっとこう君のことも僕のことも守ってくれてたのは、他の誰でも無いヒカル君でしょ?」
「でもヒカル、こーくんじゃないもん…」
「知ってるよ。でもこう君の一部であることは変わらない。僕はこう君もヒカル君も大好き。だから…君たちが一つにならないかなって」
ヒカルとこーくんが、ひとつに?
ミツルくん、ヒカルをぎゅっていっぱいだきしめてくれてる。あたまなでて、いいこいいこって。ヒカルのこと、キライじゃないの?
「ヒカル君が、誰かを傷つけるだけの存在でいるのは嫌なの。それとこう君が知らないままその手で人を傷付けるのも嫌。だから、ヒカル君にはもっといろんなことを知って欲しいし、こう君にも自分の意志と覚悟で戦って欲しいんだ」
……ミツルくんは、ヒカルにいろんなことをしってほしいっておもってる。ヒカルも、もっとたくさんのことが しりたいっておもってる。
きえるんじゃない。ヒカルがこーくんのカケラになる。ひとつにもどる。
それなら、いいのかも。
「……わかった、やってみるよ。でも、こーくんがヒカルのしたこと、しっちゃうかも」
「大丈夫、ヒカル君も僕も大好きなこう君は強く優しくなったよ。きっと受け止められる」
「うん。……またね、ミツルくん。きっとつぎは、こーくんとして………」
あれ、あたまが。ぼやぁ…って、なっ、て…………
また、あえる…よね……?みつ………にぃ…………
ーーーーーコウセイーーーーー
「んっ……ふわぁ…………」
「おはよう、こう君。よく眠れた?」
「うん。頭が凄くスッキリして……って、もう夕方!?」
そんなに寝てたのか俺!そりゃあすっかり元気なわけだ!
でも、また涙の跡がある。また泣いてたのかな。それでも今度はしっかり寝れた。なんだろう…自分のことなのに分からないのは嫌だな。
「みつ兄、俺、寝てる間にうなされてたり寝言言ってたりした?」
「…ううん。泣いてたけど何も言ってなかったよ」
「そう……」
みつ兄、今言い辛そうだった。何か知ってる?何か隠してる?嘘か隠し事か分からないけど、何かはありそうだ。知りたいって強く思うと同時に、みつ兄が隠す何かしらの事情があるんだろうなって思う。
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