【完】ゲームの世界で美人すぎる兄が狙われているが

輝石玲

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春の大陸の最奥へ!

73.お互いにお互いのもの ❇︎

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 宿の二人部屋、みつ兄が襲われた場所。考えるだけでも腹が立つ。不思議とショックよりも怒りが勝っていて、今感情的になろうものなら俺がみつ兄を傷つけかねない。

「こう君…?」
「ごめん、今はあんまり俺を見ない方がいいかも。怖い顔してる…かも、しれないから」
「お、怒ってる……?」

 不安そうに怯えながらも俺の目をしっかりと見るみつ兄。違う、誤解させたく無い。俺が怒ってるのはみつ兄に対してじゃ無い。俺が怒ってるのはみつ兄に手を出したゲンさんと、その間何も知らずに気持ちいい思いをしていた俺に対してだ。
 部屋を出る直前にガルさんに借りた防音の水晶を設置した。

「…みつ兄、ゲンさんに何されたか教えて。全部俺が上書きする」
「え、う、うん……えっと、ベッドに座ってたら急に押し倒されて、帯を解かれて……」

 感情的になってみつ兄を傷付けるわけにはいかない。そう頭で分かっていても怒りで頭が支配される。


 俺はみつ兄をベッドに押し倒すと帯を解いて布を退けた。

「……それで?」
「それで…ちんちん握られて、お尻に指を入れられて、すぐにイっちゃって……、っあ……!」

 みつ兄のちんこを優しく握って揉んでみると、あっという間に硬くなった。こんな感じやすい体、他の人に触られても反応するんだもんな。そんな事を考えながら上下に扱くと、あっという間に先走りでぐちゃぐちゃになってきた。
 次から次へと溢れ出す液を指で掬って俺の指先をよく濡らし、既にヒクヒクと動いている穴に第一関節まで入れた。

「柔らかいな。中、そんなに触られたのか?」
「ち、ちがっ…、っぼく、じぶんっ、で……♡」
「自分で弄ってた?」
「あっ…♡こーくん、の、っあつく、て…、おっきいの、ほ……、ほしくてぇ……♡っあ、くるっ、い…く、イク♡イっちゃ…から、まっ……!ぁっ………!」

 みつ兄は手淫だけで大きく痙攣しながら絶頂した。体中真っ赤になって、何も考えられないような蕩けた顔をして、内股になって震えている。この姿を、あの人が見たのか?

「っごめん、みつ兄。優しく出来ないかも」
「うんっ、いいよ♡こう君になら何をされてもいいの♡お願い、めちゃくちゃにして♡」

 あぁ、これは俺だけのだ。こんな全身で媚びて愉しそうにするみつ兄は俺しか見れない。だってこんなにも俺への気持ちが伝わってくる。頬を撫でるだけで嬉しそうに手を握って、何度も名前を呼んで、こんなみつ兄は俺以外は知らなくていい。

「みつ兄、入れるよ」
「うん、来て♡奥まで来てっ…♡っあ、は……あ、ぁあっ……!」

 両足を持ち、ずるりと奥まで入れただけでみつ兄は俺にしがみついて出さずにイった。絶頂の余韻が残ってるうちから小刻みに奥をトントンと打ち付けると、みつ兄は言葉を失ってただ喘ぐばかりになった。


 体を前に倒してキスすると、みつ兄は俺の首に手を回してしっかりと抱きしめた。そしてペロペロと唇を舐められ、いじらしい姿にやけに興奮したからか何の前触れも無くみつ兄の奥で絶頂した。

「あっ…、あつぅ………♡」
「ふーっ、まだ、っ出る……」

 イキながら腰を動かして、残りを全て出し切った。これで本当に空っぽだ。昨晩に全部搾り取られた後でこれだけ出せば、そりゃああっという間に終わっちゃう。




 呼吸を整えるために少し休んだ。みつ兄の浴衣の上でシちゃったけど…良かった、汚れてない。借り物の服を汚したら弁償しなきゃだろうし、何より汚した理由を知られるのが恥ずかしい。

 とりあえずベトベトになったから風呂に入りたいけど…花びらってたぶんまだあるよな。

「こう君、続きはお風呂でシよ…♡」
「みつ兄、俺もう空っぽだよ?手でするくらいしか出来ないけど…」
「え?何言ってるの?今度は兄さんがこう君を抱く番、だよ♡」

 ……えっ!?てっきり今回は俺が抱く側だと思ってたんだけど!?
 みつ兄は俺の腰に手を回すとそのまま尻の穴に触れた。

「柔らかいしヒクヒクしてるし…こう君、ちんちんだけじゃ足りないんじゃないの?」
「そ、うなの…かな……?」

 思い当たる節はあるけども………。俺自身でさえ気付かなかったことに気付くみつ兄、凄いなぁ。
 とか上手く働かない頭で考えていると、みつ兄はそのまま俺の尻に指先を入れた。

「ちょっ!?」
「柔らかくてあったかい♡ナカ、トロトロで…もしかしてお風呂でシてた?」
「そ、れは……」

 確かに自分でシてたけど、中が濡れてるのはメリストがイタズラにお湯を入れたからだろうな。まぁ、こんな時に他の人の名前を出すのは野暮だから言わないけど。

「こう君、お風呂…行こっか♡」
「ん……」

 なんだろう、これからが一番酷くなる予感。




 浴衣を脱いで順番にシャワーを浴び、甘い匂いのする花びらが浮かべられた湯船に浸かった。花びらの浮かんだ温泉にみつ兄と入りたいと思ってたけど、まさかこんな形で叶うとは。

「気持ちぃ…けど、熱すぎてすぐのぼせちゃいそうだね」
「そ、だな…」
「ふふっ、こう君ってば全くゆっくりしないで期待しちゃってるんだから…」

 バレバレだ……。勃ってるわけでもないのに、なんで分かるんだろう。俺ってそんなに分かりやすい?

「こー君、おーいで」

 手を広げて抱っこのポーズをするみつ兄に近付くと、そのまま強く抱きしめられた。しっかりと捕まえられて、そのまま俺の尻に指を入れると深く掻き混ぜられた。

「っあ…!だめっ、ぬるぬる……っおかしく、なるっ………!」
「そんなに気持ちぃの?ふふっ、甘イキ止まらないね♡」

 滑りがいいだけでいつもの何倍も感じる。いや、そう言えば花がなんかいやらしくなるやつなんだっけ…?
 ダメだ、何も考えられない。とにかく気持ちいいことと、みつ兄の勃ったものが股に当たってることくらいしか分からない。

「いっ、いれて…!にぃの、おくに……っ!」
「可愛いなぁ、頭が働かなくなると兄さんのこと『にぃ』呼びに戻るの、すっごく可愛い♡いいよ♡そんな可愛いおねだり、聞かないわけにはいかないからね♡」

 みつ兄に言われてハッとしたけど、今俺、みつ兄のこと『にぃ』って呼んでた!?あれっ、昔の呼び方に戻ってたのか!?うわ、恥ずっ…!

「まっ、今のわすれ……ひぁっ!?」
「ん?なぁに?」

 今の忘れてくれ!と言おうとした瞬間、尻に熱くて硬いのが触れた。そのまま先端を抜き差しされると、中にトロトロのお湯が少しずつ入って来た。
 じれったくて熱くて何も考えられなくなった俺は、自分から腰を下ろして一気に奥まで入れた。

「ぁっ、は、ぅん………っ!」
「わっ…!急に、っ奥まで……!こう君、ナカすっごいビクビクって、気持ち良すぎるよ…♡」

 湯船の中で我慢できずに自分から腰を振っていいところに擦り付けた。完全に本能みたいな行動で、それ以外何も考えられない。それでも動く度に響く水音とみつ兄の喘ぎ声でずっと昂る。

「っこう君、お風呂の中で出ちゃうから、お湯汚しちゃうから一旦出よう?」
「ごめっ、むりっ…!あっ♡とまれ…ない……っ♡」

 言葉通り俺は止まることが出来ず、みつ兄はそのまま湯船に浸かったまま俺の中に出した。お湯と体温で熱すぎて、そろそろ本気で逆上せそうだ。





 お湯を汚さないように繋がったままなんとか湯船から出たけど、移動する時の感覚で気持ちよくなって、そのままもう一回戦に突入して本当に意識が無くなりそうになった。

「こう君、大丈夫?」
「みつ兄こそ真っ赤。もう風呂ではしないようにしようか」
「そうだね……」

 あとは髪の毛を洗ったり背中を洗いっこしたりして、倒れる寸前で風呂を上がった。水分補給をしっかりして、髪の毛をしっかりと乾かして、その後は同じベッドでぐっすり眠った。

 みつ兄がいつも通りに戻ってよかった。もう嫌な思いはさせたく無いからな。俺が近くにいてもロクに守れやしないって分かってるけど、それでも常にそばに居たい。
 俺だけでも、みつ兄を絶対に傷付けない存在でいたい。こうやって、安心して眠れるように。
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