【完】ゲームの世界で美人すぎる兄が狙われているが

輝石玲

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春の大陸の最奥へ!

63.尻尾を乾かしただけなのに ❇︎

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 シャワーを浴びてサッパリして部屋に戻ると、今度はガルさんがシャワーを浴びに行った。一応シャワーで自分で準備したけど…心配だな。初対面の時に一度見ただけだけど、ガルさんの、俺のより全然デカかったし…。



 髪を乾かして待ってると、ガルさんはすぐにシャワーを終えた。上裸で部屋に戻ってくると、備え付けのドライヤーで尻尾を乾かし始めた。なんだろう、この光景、すごく不思議な感じがする。って言うかちょっと面白い?

「…ガルさん、尻尾俺が乾かそうか?」
「尻尾に触りたいだけだろ」
「うん」

 ドライヤーとブラッシングとかしてみたかったんだよな。家じゃペットは飼えなかったし、ちょっとした憧れみたいなものがある。ダメかな…。

「お前さ、獣人にとって尻尾がどんな場所か分かって無ぇだろ」
「え?どんな場所か?」

 もしかしてあんまり触られたく無いとか、実は結構痛いとか?
 サッパリ分からず考えていると、ガルさんは俺を思いっきり引っ張って耳元で囁いた。

「…あのな、獣にとって尻尾は性感帯のひとつなんだよ」
「……ふぇ?」

 え、俺、そんなとこ触りたいってずっと言ってたのか!?それは恥ずい!そして嫌がるわけだ!人間からしたら全然分かんないけど、当人からしたら触れられたく無いって思うのも無理は無いだろう。

「でもまぁ、どうせこれからヤるからな。今ならいいぜ?」
「え、いいなら全然触る」
「…………」

 即答するとガルさんは俺を変な目で見た。そんなに変なことなのか…?
 俺に変な目を向けるガルさんはため息を吐いて俺にドライヤーを渡してきた。

「もういい、好きにしろ」
「じゃあ好きにする」

 とりあえずドライヤーとブラッシングできるからよし!
 部屋の鏡台から備え付けのブラシを取って、ガルさんの背後に回った。風を当てながら尻尾を撫でると、濡れてるからかツルツルした。トリートメントした後の髪の毛みたいだ。毛並みに沿ってブラッシングすると、ちょいちょいガルさんが尻尾を動かした。

「ちょ、動かないで!やりづらい!」
「勝手に動くんだ、仕方ねぇだろ」

 尻尾って感情が出やすいけど、そんな逃げるほど嫌なのかな。ブラッシングしてると逃げようとするか、こっちをペシペシ叩いてくる。


 それでもなんとか乾かしてると、段々とサラサラの毛並みになっていった。サラサラでツヤツヤでフワフワだ……。
 尻尾の真ん中辺りを乾かしたら、今度は尻尾の先の方を乾かす。軽く掴んで手からするんと抜けるの、触ってて気持ちいいな。先の方はすぐに乾いて次は根本を乾かそうとした。風を当ててブラシで軽く撫でると、今度は尻尾どころか背中まで逃げようとしてた。そんなに嫌?

「っ……」
「あ、痛かった?大丈夫?」
「いいから、黙ってやれ……」

 なんかガルさんの声が震えてる。もしかして、気持ちよくなってる?恐る恐るもう一度尻尾の付け根をブラッシングすると、やっぱり体がびくってなった。



 他の場所よりも丁寧に念入りにブラッシングして乾かすと、段々とガルさんの息が上がって行った。

「っおい!お前、わざとだろ…!」
「なんのことやら」
「あぁそう、お前がその気なら……」
「っ!?」

 ガルさんは急に振り向いて俺からドライヤーとブラシを取り上げると、ドライヤーのスイッチを止めて俺を押し倒した。そのまま片手で俺の両手を封じると、服の中にもう片方の手を入れて乳首に触れられ、そのまま深い深いキスをされた。

「んっ、んんーっ……!」

 い、息が……!しかも服の中で乳首を捏ねられて、じわじわと興奮と期待が押し寄せる。どうしよう、抵抗する気すら起きない…!
 しばらくしてやっと口が離れて息がまともに出来るようになった。と思ったら、ガルさんはそのまま俺の耳に口付けた。待って、嘘…舌が、入って……!?

「ひ、っあ、まっ…!あっ、あたま、ヘンにな…!っやぁ、あぁっ……!」

 耳の中が熱くてヌルヌルして、ぐちゃぐちゃって音で頭が変になりそう…!やばい、頭がぼーっとして、何も考えられなくなる。目の前が白んで涙が滲む。直接触られてもいないのに、ちんこが勃って痛い……

「ひっ、ぁっ、……っあ、ぅ……、は、あぁ………っ」
「っは…情け無ぇ声。自業自得だな」

 やっと離れたガルさんも、痛く無いのか心配になるほど勃っていた。それはもう、ズボン越しでも形がしっかりと分かるくらいに……でっっっか!?

「どこ見てんだよ、変態」
「ううううっさいなぁ!こっちだって訳わかんなくていっぱいいっぱいなんだよぉ!」

 っていうか、ガルさんなんか楽しそうなんだけど!?口角が上がってるんだけど!?

「へ、ヘンタイはどっちだ…!そんな、楽しそうな目ぇして……!」
「言葉通り獣なんでな。愉しいのは当たり前だ」

 そうだった!ガルさん狼だった!完全に捕食者の目なんだけど!



 息を切らせてギラついた目で見てくるガルさんは、何かを考えると俺の手を引いて立ち上がらせた。

「ベッド、汚すわけにはいかねぇから、ヤりづらくても文句言うなよ」

 そう言って俺の手を引いて向かった先はトイレ。確かに汚しても後処理は楽そうだけど、それで言ったらシャワールームの方が楽じゃないか?って思ったけど、滑るから危ないらしい。


 トイレに着くなり俺の服を全部剥ぎ取るガルさん。気付けば俺は全裸で便座に座っていた。
 あ、俺、これから狼に食べられるんだ。
 そう思うと身震いがしたけど、それが恐怖か興奮かは自分でも分からない。それでも逃げられないことが、逃げる気が起きないことだけが確かだった。
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