【完】ゲームの世界で美人すぎる兄が狙われているが

輝石玲

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まじか攫われた!?

35.お荷物になりたくない(光流) ❇︎

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 ガルさんとレティの町を出て、既に1日が終わろうとしていた。ガルさんが馬車のルートを調べながら違う町に来たけど、正直ヒントが少な過ぎて辿り着けるか分からないらしい。

 でも僕は…何も出来ていない。正直ただのお荷物だ。

 ガルさん一人ならもっと早く移動できるし、旅の食事代や宿代だって節約出来たはず。このまま着いていくだけじゃ、役立たずのお荷物でしか無い。そんなに人に迷惑を掛けてたら、こう君と会えても呆れられてしまいそうだ。


 1日掛けてやっと次の町に来れて、それから宿を探さないといけない。もう日は完全に落ちきっていて、街灯の灯りが無いと真っ暗になりそうな時間だ。

「この先に宿がある。先に受付だけ済ませてくるから自分のペースで来い」
「はい……」

 ガルさんが先に宿に向かい、僕はその後を遅れて着いて行った。

「なぁお兄さん、?」
「え…?」

 突然背後から声をかけられ、咄嗟に声の方を向いた。そこには二人組の男がいたけど、『いくらだ?』ってどういう意味?

「えっと…」
「なんだ、お兄さん綺麗な顔してるから男娼かと思ったんだけど、もしかしてただの旅人か?」

 男娼……!そうだ、体を売れば旅の資金は稼げる。そうすれば、僕も役立たずじゃなくなるよね?
 本当はこう君じゃないと嫌だけど、どうせ今更だし……旅がつっかえるよりはいい。

「……いいよ、相場なんて知らないから高くても文句言わないでね」
「へぇ、いくらなんだ?」
「一人3万、上乗せしたらサービスしてあげる。ただし宿代はそっち持ちで、僕はネコしかしない。どう?買う?」

 男達は二つ返事で俺を買った。
 ガルさんに先に連絡だけして、僕は男達に着いて行った。




 シャワーを浴びて、バスローブを着てから男達の待つ寝室に入った。先に対価を払ってもらって金額を確認した。ちゃっかり上乗せされている。これは、頑張らないとな……。
 なんでこう君以外の男に頑張らなくちゃいけないんだろう。そんなこともよぎったけど、これはこう君を助けるために必要なことなんだ。お荷物で迷惑を掛けてばかりよりは体を張ったほうがいい。

「もう、始める?」

 男は僕の手を引っ張ってベッドに押し倒した。もう一人が僕の頭の方に回って、両腕をしっかりと掴んでいる。別に逃げないのに。それでも押さえつけていた方が優越感と支配感で気持ちいいのだろう。


 僕に乗ってる方の男は僕が着ているバスローブを中途半端に脱がすと、急に顔を近付けて来た。あ、それは嫌。
 僕は咄嗟に顔を逸らした。

「なんだ、嫌なのか?」
「色恋じゃ無いのにキスする必要ある?」
「雰囲気もクソもねぇな」

 拒否できるのであれば拒否したい。せめて、唇を重ねる相手は最愛のこう君だけがいい。少し諦めてる部分もあるから、無理にでもしたいのなら拒みはしないけど。


 頭の方にいる男は僕の胸を、上に乗っている男は僕の陰茎を弄んだ。愛撫にまで潤滑剤をふんだんに使い、体中がぬるぬると滑りが良くなっている。

「んっ、ふっ………」
「なんだ、大人しいな。サービスするってんならもっといい声で鳴いたらどうだ?」
「聞きたい、なら……我慢、っしないよ…」

 僕に声を掛けた時に何となく勘付いていたけど、やっぱり二人とも遊び人だ。ただのゴロツキにしか見えないけど、的確に弱いところを探っては擦ってくる。でも、じわじわと押し寄せる波はあっても、ふわふわと浮つく感覚は無い。やっぱりこう君がいいな………
 なんて思ったところでこれは『仕事』だ。そこに僕の意思なんて反映されるわけが無い。

「あっ、はっ…、イ、っく……!イク、射精る………!」

 手淫で簡単に果ててしまった。けど、サービスしろなんて言っておきながら僕には何もさせないのは何でだろうか。とりあえず動きが封じられてる以上はされるがままになるしか無い。
 もしくはそれが目的か。完全な支配。動きを封じ、絶頂を管理して乱れさせる。そういうのが好きな人がいるのは知ってる。っていうか、僕がこう君にしてるのもそんな感じだ。乱れさせるために主導権を握るのは、割と当たり前なのかもしれない。つまりこの人達は優位に立ちたいだけ。

 だったら僕はただの淫乱に成り下がればいい。

「随分と感度がいいじゃねぇか。こんなんで腰浮かせてイクなんてよ」
「………さい」
「あ?」
「くだ、さい…。奥、おくに、っほしい…です……!」

 僕の言葉に反応するように見下して固唾を飲む男達。あぁ、当たりか。
 男は僕の体制を四つん這いに変えさせると、後ろからゴツゴツした指を一気に2本入れて来た。

「んっ…!あぁっ、そこっ…!そこ、ダメっ…!すぐ、に、きちゃ……あ、は、あっ……!」
「痙攣と締め付けすげぇな…。それに、そんなに慣らさなくても入るんじゃねぇか?コレ」
「おい、お前ばっか楽しむのはフェアじゃねぇだろ。オレだって金払ってるんだぞ。ほら、お兄さんもちゃんと奉仕しろ」

 僕を押さえつけていた方の男は僕の口を開けさせると、そのままガチガチになったちんちんを僕の口に捩じ込んだ。

「ふっ、んぐぅ……!」
「おい、それじゃあ声が聞こえねぇだろ」
「でもこいつフェラ上手いぞ。こりゃあ何本も咥え込んでるだろ」
「あー、オレも我慢ならねぇ!一気に奥まで挿入れるから、壊れるなよ!」

 口を塞がれたまま後ろから串刺しにされた。ご立派でオス臭い男根で上の口も下の口も塞がれ、ずっと昔に覚えさせられてしまった感覚に興奮が止まらなくなる。
 こんな、最悪なことで興奮なんてしたく無い。こんなことで乱れる姿なんてこう君に見られたくない。こう君に対してだけは優位でいたいのは、情けない姿を見られたくないから。それから、こんな不浄な行為を思い出しながらこう君とシたくないから。


 僕の目の前にいる方の男は、僕の口の中で簡単に達した。僕が舌と喉を使って『サービス』したのだから当たり前だけど。そのまま容赦なく喉の奥に吐き出された精を必死で飲み干す。
 飲み込む感覚も匂いも最低最悪だけど、それがクセになってるのも否めない。というか、ぶっちゃけ興奮する。

「口開けろ。……まじで全部飲んだんだな」
「なんだ、この兄さんも随分と楽しんでるみたいじゃねぇか!あー、すげぇよホント。っ、オレも、もう射精すからな…!」

 後ろから貫いてくる男も僕のナカで達した。一応ゴムは着けてたみたいで、直接出されたわけじゃないみたいだ。
 男が絶頂するまでに僕も何度もドライオーガズムを迎えていた。何度も絶頂出来たから一応気持ち良かったけど、それでも射精出来なかったのは少し違和感が残る。
 もういいや。この男達が僕を乱れさせたいのなら、僕も精処理として利用させて貰おう。

「っと、もっとぉ…♡メスイキ、ばっかで…出せないの…!出したい、おねがい…、せーし、出させてぇ……!」

 男は場所を入れ替え、僕の体制を変えさせた。さっきまで口淫していた方の男が今度は僕を下から後背位で深く貫き始めた。そして、さっきまで僕を何度も女の子でイかせてきた男は、兜合わせで強く擦って来た。

「ひぁっ、あ゛っ…♡きもちぃっ♡ちんちん、いいのっ…きちゃ……!あっ、あぁっ……!」
「はー、ナカ、すっげぇ締まるっ……!」
「こんなお綺麗な顔してちんぽ狂いとか、相当な淫乱だな…!」

 もう言葉は何も頭に入ってこない。このまま日付が変わるまで男達は交代で僕を犯し続けた。




 二人掛かりで与えられる快楽は体力の少ない僕には刺激が強過ぎたようで、気が付けば途中からの記憶が飛んだ状態で朝になっていた。
 急いで荷物を準備して着替えを済ませ、まだ寝ぼけている男達に一言挨拶だけしてその部屋を後にした。


 ガルさんが泊まってる宿に向かい受付付近で待とうとしたら、既にガルさんが宿の出入り口で待っていた。……あれ、なんか怒ってるように見えるけど……?

「よう」
「えっと、おはようございます。その…昨日は急に別行動をしてごめんなさい。あとこれ、旅の資金になればと……」
「いらない。説教は移動しながらするが、まず……もう二度と身売りはするな。分かったか」

 どうしよう、ガルさんのお荷物になりたく無くて体を張ったけど怒られてしまった。それに、お金もいらないって…。僕、どうすれば良かったんだろう。
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