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孤児院での生活
24.本当の欲求は………
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昨夜のアレから、みつ兄の顔が直視できない。アレが何かって?…………言葉にするのは恥ずかしいんだよな。
「兄の方にケツでも弄られたか?」
「……そう、だけど………」
「それで顔合わせらんねぇからって俺のとこに逃げるこた無ぇだろ」
うぅ……でも、逃げ道というか隠れる場所はガルさんのとこくらいしか思い浮かばなかった。今日はなんだか部屋に戻れそうに無い。
「ったく、匿ってはやるから気持ちの整理くらいは自分でしろよ」
「分かってる、ありがとう………」
今日はそのままずっとガルさんの部屋にいた。みつ兄を避けるためにガルさんも協力してくれたみたいで、トイレと風呂以外はずっと部屋に籠っている。
それにしても、何でこんなに会いたく無いんだろう。気持ち悪かったわけでも怖かった訳でも無いのに。……いや、ちょっとは怖かったか。でも、みつ兄に手を出されるのは初めてじゃないのに何でこんなに不安なんだ?
「今日はベッドは譲ってやるから、明日になったら戻れよ」
「分かった………」
「………だぁっ!まどろっこしい!」
「っ!?」
唐突に声を荒げたガルさん。思わず飛び跳ねて驚いたが、ビックリが収まる前に文字通り目と鼻の先に来たガルさんにもう一度驚く。
「そんなに嫌だったなら直接言えばいいだろ!」
「え、いや…だったわけじゃ………」
「じゃあ何をうじうじ考えてんだ!」
ものすごい剣幕で詰め寄ってきたガルさんは「ちょっと待ってろ!」と言い捨てて部屋を飛び出した。そして、ポカーンとしたまま十分くらい待ってるとガルさんが戻ってきた。
「一旦落ち着いて考えろ!」
そう言って俺に差し出された温かいカップ。中にはホットミルクが入っている。まさかの落ち着く方法→ホットミルク。しかも一口飲んでみると甘い。蜂蜜入りだ。お節介がなんか乙女チックで、しかも言葉と行動がチグハグだ。ガルさんのそういうところ、推せる。
「………ぷっ、ははっ……!」
「何だよ急に笑い出すなよ怖えな……」
「いや、余計なことを考えられるくらいには落ち着いたみたいだ。ありがとう、ガルさん」
なんてことない事でオタクみたいな事を考えていた。まさかの落ち着いた方法がホットミルクよりそれを用意したガルさんの姿とは。
でも、どれだけ落ち着いて頭がスッキリしても何でこんなに不安なのかは分からない。
「何で俺は………」
「昨夜のことを思い出してみたらどうだ?」
「昨夜は…俺がぐずぐずだったことくらいしか分からないな。今朝になって条件反射みたいに逃げ出したけど、ただ恥ずかしかっただけじゃ無い気がして………」
そうだ、昨夜はみつ兄がリードしてて、全部任せっきりになっていた。でも、俺がその時に思ったのは……ただひたすらに気持ちいいってことだけ。それに夢中になって、何も考えないでずっと縋っていた。しかも、クタクタになって空になっても『もっと』ってなって……。
嘘、俺はまさか……性的に虐められるのが好きなのか?どうしよう、俺がマゾじゃみつ兄を満足させられない。
「ど、どうしよう………」
「なんか分かったのか?」
「俺…みつ兄に気持ちよくなって欲しかったのに、いつの間にか俺の方が気持ちよくなりたいって思ってたみたいだ………」
「まぁ、お前は会った時からMの素質しか無かったしな」
そ、そうだったんだ。でも、確かにガルさんに会ったばっかりでシて貰った時はすぐにダメになってた。そんな……それじゃあみつ兄をガッカリさせるかも………?
「ま、要するに兄の方の期待に応えられない気がして申し訳なくて逃げて来たってことか」
「そう……かも。みつ兄、こんな俺じゃあ嫌になるかな」
「それは本人に聞け。なぁ?兄の方、どうなんだ?」
……へ?ガルさんは左腕を体の前に出して腕時計を見るようなポーズをすると、既に起動していた水晶からみつ兄の声が聞こえた。
((ふふっ、こう君がそんな事を考えてたなんてビックリだな♡))
「う、嘘……いつの間に………」
「ホットミルクを作りに行ったついでに繋げておいた」
あの時か!って、どうしよう、知られちゃった…!い、いや、でも、ただされる方がいいってだけで虐められたいとは口に出していない!まだ何とか誤魔化しが………!
((ふ、ふふっ、そう…そっかぁ………))
「み、みつ兄?」
((あのね、こう君。兄さんはずっと……こう君を泣かせるくらいぐちゃぐちゃにしたかったんだ♡))
……………へ?
((今はまだ兄さんの方が大人だから我慢してるけど、本当はずっと…故郷にいた時からずっとこう君をめちゃくちゃに愛してぐちゃぐちゃにドロドロにしたいって思ってたんだよ♡))
あ、これ、ダメだ。もう戻れない。今のみつ兄の言葉だけで俺は、訳が分からないくらい興奮してる……!
性に依存したみつ兄は、てっきり抱かれたいと思ってると勘違いしていた。でも、本当は俺をめちゃくちゃに抱きたい加虐心を持っていた。
そして、俺も…………
「兄の方にケツでも弄られたか?」
「……そう、だけど………」
「それで顔合わせらんねぇからって俺のとこに逃げるこた無ぇだろ」
うぅ……でも、逃げ道というか隠れる場所はガルさんのとこくらいしか思い浮かばなかった。今日はなんだか部屋に戻れそうに無い。
「ったく、匿ってはやるから気持ちの整理くらいは自分でしろよ」
「分かってる、ありがとう………」
今日はそのままずっとガルさんの部屋にいた。みつ兄を避けるためにガルさんも協力してくれたみたいで、トイレと風呂以外はずっと部屋に籠っている。
それにしても、何でこんなに会いたく無いんだろう。気持ち悪かったわけでも怖かった訳でも無いのに。……いや、ちょっとは怖かったか。でも、みつ兄に手を出されるのは初めてじゃないのに何でこんなに不安なんだ?
「今日はベッドは譲ってやるから、明日になったら戻れよ」
「分かった………」
「………だぁっ!まどろっこしい!」
「っ!?」
唐突に声を荒げたガルさん。思わず飛び跳ねて驚いたが、ビックリが収まる前に文字通り目と鼻の先に来たガルさんにもう一度驚く。
「そんなに嫌だったなら直接言えばいいだろ!」
「え、いや…だったわけじゃ………」
「じゃあ何をうじうじ考えてんだ!」
ものすごい剣幕で詰め寄ってきたガルさんは「ちょっと待ってろ!」と言い捨てて部屋を飛び出した。そして、ポカーンとしたまま十分くらい待ってるとガルさんが戻ってきた。
「一旦落ち着いて考えろ!」
そう言って俺に差し出された温かいカップ。中にはホットミルクが入っている。まさかの落ち着く方法→ホットミルク。しかも一口飲んでみると甘い。蜂蜜入りだ。お節介がなんか乙女チックで、しかも言葉と行動がチグハグだ。ガルさんのそういうところ、推せる。
「………ぷっ、ははっ……!」
「何だよ急に笑い出すなよ怖えな……」
「いや、余計なことを考えられるくらいには落ち着いたみたいだ。ありがとう、ガルさん」
なんてことない事でオタクみたいな事を考えていた。まさかの落ち着いた方法がホットミルクよりそれを用意したガルさんの姿とは。
でも、どれだけ落ち着いて頭がスッキリしても何でこんなに不安なのかは分からない。
「何で俺は………」
「昨夜のことを思い出してみたらどうだ?」
「昨夜は…俺がぐずぐずだったことくらいしか分からないな。今朝になって条件反射みたいに逃げ出したけど、ただ恥ずかしかっただけじゃ無い気がして………」
そうだ、昨夜はみつ兄がリードしてて、全部任せっきりになっていた。でも、俺がその時に思ったのは……ただひたすらに気持ちいいってことだけ。それに夢中になって、何も考えないでずっと縋っていた。しかも、クタクタになって空になっても『もっと』ってなって……。
嘘、俺はまさか……性的に虐められるのが好きなのか?どうしよう、俺がマゾじゃみつ兄を満足させられない。
「ど、どうしよう………」
「なんか分かったのか?」
「俺…みつ兄に気持ちよくなって欲しかったのに、いつの間にか俺の方が気持ちよくなりたいって思ってたみたいだ………」
「まぁ、お前は会った時からMの素質しか無かったしな」
そ、そうだったんだ。でも、確かにガルさんに会ったばっかりでシて貰った時はすぐにダメになってた。そんな……それじゃあみつ兄をガッカリさせるかも………?
「ま、要するに兄の方の期待に応えられない気がして申し訳なくて逃げて来たってことか」
「そう……かも。みつ兄、こんな俺じゃあ嫌になるかな」
「それは本人に聞け。なぁ?兄の方、どうなんだ?」
……へ?ガルさんは左腕を体の前に出して腕時計を見るようなポーズをすると、既に起動していた水晶からみつ兄の声が聞こえた。
((ふふっ、こう君がそんな事を考えてたなんてビックリだな♡))
「う、嘘……いつの間に………」
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あの時か!って、どうしよう、知られちゃった…!い、いや、でも、ただされる方がいいってだけで虐められたいとは口に出していない!まだ何とか誤魔化しが………!
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((あのね、こう君。兄さんはずっと……こう君を泣かせるくらいぐちゃぐちゃにしたかったんだ♡))
……………へ?
((今はまだ兄さんの方が大人だから我慢してるけど、本当はずっと…故郷にいた時からずっとこう君をめちゃくちゃに愛してぐちゃぐちゃにドロドロにしたいって思ってたんだよ♡))
あ、これ、ダメだ。もう戻れない。今のみつ兄の言葉だけで俺は、訳が分からないくらい興奮してる……!
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