【完】ゲームの世界で美人すぎる兄が狙われているが

輝石玲

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はじめまして見知った異世界!

2.緑のスライムは癒し()のスライム ❇︎

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 前回の振り返り。
 ゲームを起動したらゲームの世界に飛ばされた。ヤッタネ!


 ………はぁぁ!?




 ってことで、絶賛森で迷子中。
 ゲームの世界だから見覚えがあるっちゃある。けどマップが無いから正確な位置も何も分からない。


「こ、こう君、何があるか分からないし、慎重に行こうよ……」
「何があるか分からないから急いでるんだろ。野宿の方が危ないだろうしなー」
「た、確かに……」


 でもまぁ何か話してないと怖いかも。
 とりあえず適当に話題を考えていると、どこかから物音がした。……そう言えばここの森、モンスターの狩場だった気が……
 やばくね!?

 とりあえず木陰に二人隠れて息を殺した。
 音は段々と近付いている。小枝が折れるような音と枯葉が割れる音。そしてそれに重なるぐちゃぐちゃと高い音。
 えっと、ここってなんのモンスターが……って、どの森か分かんないんだった!


 音は確実に近付きもうダメかと諦め掛けた時、目の前に現れたのはモンスターでも敵対しない友好敵のスライムだった。


「な、なんだ~…」


 スライムはモンスターだが知能が高く人間の言葉を理解できる。また、スライムは色ごとに力が異なっていて、その特性ごとに旅の手助けをしてもらうのだ。
 例えば緑のスライムは治療が得意、赤いスライムは攻撃が得意、黄色いスライムは体内で錬金ができる。他にも防御が上がる青いスライムや、状態異常を相手につける紫のスライムもいる。

 今遭遇したのは緑のスライム。攻撃性は無く、怪我や状態異常を治してくれる優しい味方だ。小さい二匹のスライムはポヨポヨと跳ね、俺とみつ兄の肩に乗ってきた。可愛いけどぬるぬるして、ワイシャツにシミが出来る。あーあ、一張羅なのに……。


 小さなスライムは形を崩し、体や顔を這って傷を治し始めた。ちょいちょいついた傷に反応したんだろう。あっという間に移動中に挫いた足も葉っぱで切った傷も無くなっていく。ちょっとくすぐったいけど痛みが消えていくのはすっごく良い。

 …なんて感心してると、隣で同じように傷を治されているみつ兄の様子がおかしいことに気付いた。お皿で切った手のひらやリスカ痕を治されている以外に何も無いように見えるのに。

「みつ兄?」
「こ…くん……っこれ、取って……!」

 よく見るとみつ兄はスライムを引き剥がそうと必死だ。そう言えばこのスライムは敵対しない事を教えてなかったっけ。

「大丈夫だよ、このスライムは安全で……」
「ゃあっ……!」

 突然高い声を出したみつ兄は俺の肩にしがみついて顔を埋めた。息を荒げて小さく唸るみつ兄。…なんだろう、嫌な予感がする。
 なんて思った次の瞬間、俺の傷を治してたスライムが服の中に入ってきた。胸元からにゅるりと入ってくるとそのまま腹を這い、ズボンの中に…と言うか下着の中に入ってきた。

「えっ、えっ…!?なに…!」

 足の付け根に巻きつき、そのままゆっくりと這うスライム。戸惑い、どうすれば良いかパッと思い浮かばないでされるがままになってると、スライムはダメなところに巻きついてきた。

「えっ!うそっ、うそっ…!」

 まだ小さなちんこにまとわりつき、気付けば丸々スライムに飲まれている。そのままぐちゃぐちゃと動き、慣れない感覚に段々力が抜けていった。
 ほんの数ヶ月前に人より遅れて精通が来たばかりで、家で一人になるタイミングもほとんど無く自慰も数える程度。それがいきなりこんなヌルヌルしたスライムに這われても刺激が強すぎて体が強張る。
 とは言えやっぱり気持ち良くて、俺に体重を掛けるみつ兄ごと木の根元に座り込んでしまう。もしかして、みつ兄もおんなじ状況になってるのかな。

「あっ、やだっ、見ないでこう君…!」

 震えた泣いてる声で嫌々するみつ兄。泣きが伝染するみたいに俺も泣き始めた。

「みつ兄…!なに、これ…!怖い……!」

 人に触られる事のない敏感な場所を強く刺激され、知らない感覚に怖くなってきた。確実に誘導される射精感に心は抵抗している。それでも完全に抵抗なんか出来っこ無くて、とうとう俺は下着の中に射精した。

「はー…、はっ、も…やだぁ……」

 やだなんて言ってもスライムはずっと搾り取ろうとしてくる。最悪な事に健全な中学生の体力と性欲はなかなかにしぶとい。そのせいで何回出しても終わらず、ずっとスライムに搾取される始末だ。元々体力の無いみつ兄なんかはまともに喋れていない。

「ぅあっ、あ……!みつ…に………!」

 座る事すら出来なくなって倒れると、スライムは尻を揉んで来た。そのまま肛門から入ってくると、あまりの不快感と異物感に気持ち良さは一気に消える。頭では気持ち悪いと思っていても、俺は力無く精を出し続けている。



 しばらく搾取され、みつ兄が気を失った。俺も今にも寝落ちそうな時、どこからか声が聞こえた。

「おい!大丈夫か!」

 複数人の男性の声。何をされてるか詳しくは分からなかったけど、どうやらスライムを引き剥がして始末してくれたらしい。

「俺たちはここの警備隊だ。もう大丈夫だからな」

 警備隊…。それじゃあこの近くに大きな町があるはず。あぁ、良かった。これで助かるんだ……


 もう大丈夫だと安堵した俺は、そのままみつ兄の隣で気を失った。
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