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歪な物語の始まり
8.晩酌
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完全に日は沈んだ。なのに何故かイオリは帰ってこない。
……やっぱり、一緒に行くべきだった?もし、あいつに何かあったら?
オレはまた、大切な人を失うのか?
そう考えた瞬間、全身に鳥肌が立った。我慢の限界になり直ぐに扉の方に走り出した。その瞬間、ドアノブはオレが触れる前に回った。
「ごめん、遅くなって。連絡手段が無かったから遅くなるって伝えられなかったから……心配かけた?」
「イオリ……の、バカっ!」
「!?」
ようやく戻って来たイオリは所々に傷や泥が付いていた。微かに血の匂いがするし、血が滲んでいるところもある。コートには再生魔法がかけられているようで破けたり切れた痕はないけど。
こんな遅くにぼろぼろになって帰って来れば心配するし怒るのは当たり前だ。コートを脱がし、ソファまで手を引いた。
「こんなに怪我して……何で回復薬を使わなかった!」
そう、オレは確かにイオリが外に出る時、超級の回復薬を持たせた。
なのに腕には何かが刺さった痕に深く切れた傷があった。すぐに魔法で治療したが、治って良かったとはならない。
「………怒ってる?」
「ったりまえだ…!もっと自分を大事にしてくれよ。痛かったろ?」
表情ひとつ変えずによく分からない質問をしてきたイオリ。当たり前の回答を返すしか無い問いに、オレは少し呆れていた。
「いや、そうでもないよ。崖から落ちたけど木が緩衝材になって助かったよ、この程度で済ん……」
「この程度じゃない!」
イオリが傷付くとこは見たくない。やっぱりオレも行くべきだっただろうか。
安堵の表情を薄く浮かべるイオリにオレは怒ってばかりだ。こうやって生きて戻ってきてくれて本当に良かった。
「ミカ、俺が傷だらけでどう思った?」
「何バカなこと聞いてんだよ……心配に決まってんだろ?こんな傷だらけで、平気そうにして。こんな事、二度とごめんだ。」
イオリの傷は、オレにとって自分が傷付くことよりも圧倒的に痛く感じる。そっと触れたイオリの胸元から感じる布越しの熱と鼓動にオレは少しだけ安堵した。
「そう…、なら分かったよな?」
「え?」
何が分かるというのだろうか。イオリは大きな手でオレの両肩をしっかりと掴んだ。アウターを羽織っていない今、直で肩に触れるイオリの手は少し冷たく感じる。
「俺だってお前が傷付いて平然として、そんなの見たくない。こんな馬鹿な真似をお前はずっとして来たんだ。」
「イオリ……?」
イオリは肩を掴む手に力を入れた。そして、僅かに声が震えている。
オレが……?だってオレは怪我をしたところで痛みはそれほど感じ無かった。別に傷付こうが何ともないから大丈夫だろう。
それよりもイオリが傷付く方が、胸の辺りが締め付けられるような感じがして苦しい………。
まさか、イオリも同じように感じてたのか?
「頼むから……お前の方こそ自分を大事にしてくれよ。平気で危険な事をするな。俺は、お前が傷付く度に生きた心地がしない。」
イオリはオレの肩に顔を埋めた。苦しそうに、悲しそうに訴えかける声。オレが血を流す度にこんな風に心配をかけていたのだろうか。
なら…せめて見えない所は隠し通さないとだな。
「分かった。オレもちゃんと自分の身は守るよ。」
「あぁ、そうしてくれ。」
イオリは少し安心したように顔を上げた。良かった。こんな小さな嘘でイオリが安心出来るのなら、オレは何度だって嘘を吐く。
「あ、そうだ。」
何かを思い出したようにイオリは立ち上がった。扉の方に行くと、放ってある袋を拾ったようだ。
口の閉じられた麻袋を抱え、棚からグラスと皿とスプーンを持って来た。机の上に並べると、麻袋から物を出し始めた。
「これが欲しくて寄り道をしてたら遅くなったんだ。」
取り出したのは一本のビンと白い紙袋。その両方にラベルが貼ってあり、中身はすぐに分かった。
「赤ワインにクラッカーと……その四角いのは?」
「なんだと思う?」
薄い大きな四角の箱。白い木で出来たシンプルかつお洒落な箱だ。他二つとは違い、ラベルは貼られていない。
イオリは黄色いリボンを解き、僅かに蓋を持ち上げた。
その瞬間、微かに甘い匂いがした。
これは……
「蜂蜜…?」
「正確。」
蓋を完全に取ると、白い点が密集した長方形のものが出て来た。これが蜂蜜?なんて思っていると、イオリがナイフで白い点を剥ぎ取り始めた。そこにあったのは無数の小さな穴にぎっしり詰められた黄金の蜜。
「わぁ……!」
光を反射した黄金のプレートからは、酔いそうな程の甘い香りが肺いっぱいに入ってくる。
「これは蜂の巣。蜂蜜はここから蜜だけを取ってるんだ。」
「凄い!何コレ!」
「ミカはここだと十六って事になってるから外では飲めないだろ?たまには二人で晩酌なんてどうかと思ってね。」
箱の中でキラキラと光る蜂蜜。甘い匂いが辺りに漂い光輝く『蜂の巣』は、オレから見て宝石より綺麗だ。ずっと目を輝かせるばかりで、言葉を失った。
「偶然見かけてね。お気に召したかな?」
「あぁ!」
「それは良かった。」
イオリはワインをグラスに注いだ。甘さを含んだ芳醇な香り。悪魔の国で飲んだものよりも自分好みの香りが鼻をくすぐる。
オレもイオリも甘い物が好きだから、こう言う時にとても嬉しい。同じ物を同じ時に同じように楽しめる、今までに過ごした事のない時間。
なんだか心臓が煩くなる。鼓動が段々と大きくなっても苦しくは無い。むしろ暖かいような……?感じた事のない不思議な感覚は、どうにもオレを虜にして来る。
この時間が、続けばいいのにな………。
なんてな。
「それにしても、イオリも酒は飲むんだな。」
「これが二回目だけどね。」
随分と少ないな……。イオリの世界で飲酒が許される歳が二十歳である事は後で知った。そして、しばらく雑談をしながらワインを嗜んでいた。
数十分経っただろうか。イオリは少し酔っているように見える。
蜂蜜もワインもクラッカーも美味しかったが、酔って少し脱力しているイオリを見れたと言う事が何気に嬉しい。飲んでる途中で「邪魔だな…」と言って眼鏡を外し、泣き黒子がある左側の前髪をサラリと耳にかけていた。表情が分かりやすいし、何より酔ってふわふわしているイオリの可愛い顔がよく見える。
「ミカ?俺の顔に何かついてる?」
「え?いや…。」
「はは、そんなに見られたら穴が開きそうだ。」
声もいつもと違う。いつもの色を含んだ大人な声もいいけど、今の少し幼く感じる甘い声もいいと思う。
イオリがオレを呼ぶ声は、どこか安心できて好きだ。
「イオリ…。もっと、オレの名前呼んで…?」
「ん?どうした、ミカ。」
疑問は持ちつつもお願いを聞いてくれた。本当に、イオリは優しい。優しいからこそ、もっと甘えたくなってしまう。ダメだと分かっているのに甘えたのは、オレも酔っているのだろうか。
「オレ、イオリに名前呼ばれるの好きだな。イオリがくれた名前も好き。」
「………俺のことは?」
「もちろん、大好きだよ。イオリはオレにとって大切な仲間だからな。」
「…………それだけ?」
オレは、最後の一言が分からなかった。「それだけ?」はどう言う事なのだろうか。
考えてももっと分からなくなっていくから、話題を変えることにした。何故か、そうした方がいいと思ったから。
オレはずっと疑問に思ってた事を聞いた。
「なぁ、何で今日飲もうと思ったんだ?今日はイオリのこと教えて貰おうと思ってたのにさ。」
そう、昨夜オレは『実戦経験が浅いのに何故あれほど動けるのか』をイオリに聞いていた。それに対してイオリは『明日の夜に話す』と答えていた。
酒を飲んで眠るタイプでは無いようだが、何か理由があるように感じた。
「…だからだよ。俺がこの世界に来てちゃんと戦えてる自負はある。そして、何でかの目処もついてる。それを説明するってなると必然的に俺の過去を一部話す事になるから…。素面だとなんか恥ずかしくて。」
一体なんだろうか。オレもイオリの過去は気になる。綺麗な顔を隠す理由も、強い理由も、賢い理由も、何もかも。
普通なんてものが分からないオレが思える事では無いかも知れないけど、それでもイオリは人間にしては頭一つ飛び抜けて見える。
「イオリ、オレはお前の事がもっと知りたい。イオリが言える範囲で良いから教えて欲しい。何を感じて、どう過ごして来たのか。」
「……ああ、いいよ。俺の過去のことを話そうか。」
イオリは、ゆっくりと語り出した。まるで一つの物語を読み聞かせるように。その時のイオリは、話す程に色々な表情を見せていた。
過去の事を思い出し、懐かしそうに。どの出来事も大切にしているような優しい顔で。イオリは、本当は感情豊かな人間だったんだ。
……やっぱり、一緒に行くべきだった?もし、あいつに何かあったら?
オレはまた、大切な人を失うのか?
そう考えた瞬間、全身に鳥肌が立った。我慢の限界になり直ぐに扉の方に走り出した。その瞬間、ドアノブはオレが触れる前に回った。
「ごめん、遅くなって。連絡手段が無かったから遅くなるって伝えられなかったから……心配かけた?」
「イオリ……の、バカっ!」
「!?」
ようやく戻って来たイオリは所々に傷や泥が付いていた。微かに血の匂いがするし、血が滲んでいるところもある。コートには再生魔法がかけられているようで破けたり切れた痕はないけど。
こんな遅くにぼろぼろになって帰って来れば心配するし怒るのは当たり前だ。コートを脱がし、ソファまで手を引いた。
「こんなに怪我して……何で回復薬を使わなかった!」
そう、オレは確かにイオリが外に出る時、超級の回復薬を持たせた。
なのに腕には何かが刺さった痕に深く切れた傷があった。すぐに魔法で治療したが、治って良かったとはならない。
「………怒ってる?」
「ったりまえだ…!もっと自分を大事にしてくれよ。痛かったろ?」
表情ひとつ変えずによく分からない質問をしてきたイオリ。当たり前の回答を返すしか無い問いに、オレは少し呆れていた。
「いや、そうでもないよ。崖から落ちたけど木が緩衝材になって助かったよ、この程度で済ん……」
「この程度じゃない!」
イオリが傷付くとこは見たくない。やっぱりオレも行くべきだっただろうか。
安堵の表情を薄く浮かべるイオリにオレは怒ってばかりだ。こうやって生きて戻ってきてくれて本当に良かった。
「ミカ、俺が傷だらけでどう思った?」
「何バカなこと聞いてんだよ……心配に決まってんだろ?こんな傷だらけで、平気そうにして。こんな事、二度とごめんだ。」
イオリの傷は、オレにとって自分が傷付くことよりも圧倒的に痛く感じる。そっと触れたイオリの胸元から感じる布越しの熱と鼓動にオレは少しだけ安堵した。
「そう…、なら分かったよな?」
「え?」
何が分かるというのだろうか。イオリは大きな手でオレの両肩をしっかりと掴んだ。アウターを羽織っていない今、直で肩に触れるイオリの手は少し冷たく感じる。
「俺だってお前が傷付いて平然として、そんなの見たくない。こんな馬鹿な真似をお前はずっとして来たんだ。」
「イオリ……?」
イオリは肩を掴む手に力を入れた。そして、僅かに声が震えている。
オレが……?だってオレは怪我をしたところで痛みはそれほど感じ無かった。別に傷付こうが何ともないから大丈夫だろう。
それよりもイオリが傷付く方が、胸の辺りが締め付けられるような感じがして苦しい………。
まさか、イオリも同じように感じてたのか?
「頼むから……お前の方こそ自分を大事にしてくれよ。平気で危険な事をするな。俺は、お前が傷付く度に生きた心地がしない。」
イオリはオレの肩に顔を埋めた。苦しそうに、悲しそうに訴えかける声。オレが血を流す度にこんな風に心配をかけていたのだろうか。
なら…せめて見えない所は隠し通さないとだな。
「分かった。オレもちゃんと自分の身は守るよ。」
「あぁ、そうしてくれ。」
イオリは少し安心したように顔を上げた。良かった。こんな小さな嘘でイオリが安心出来るのなら、オレは何度だって嘘を吐く。
「あ、そうだ。」
何かを思い出したようにイオリは立ち上がった。扉の方に行くと、放ってある袋を拾ったようだ。
口の閉じられた麻袋を抱え、棚からグラスと皿とスプーンを持って来た。机の上に並べると、麻袋から物を出し始めた。
「これが欲しくて寄り道をしてたら遅くなったんだ。」
取り出したのは一本のビンと白い紙袋。その両方にラベルが貼ってあり、中身はすぐに分かった。
「赤ワインにクラッカーと……その四角いのは?」
「なんだと思う?」
薄い大きな四角の箱。白い木で出来たシンプルかつお洒落な箱だ。他二つとは違い、ラベルは貼られていない。
イオリは黄色いリボンを解き、僅かに蓋を持ち上げた。
その瞬間、微かに甘い匂いがした。
これは……
「蜂蜜…?」
「正確。」
蓋を完全に取ると、白い点が密集した長方形のものが出て来た。これが蜂蜜?なんて思っていると、イオリがナイフで白い点を剥ぎ取り始めた。そこにあったのは無数の小さな穴にぎっしり詰められた黄金の蜜。
「わぁ……!」
光を反射した黄金のプレートからは、酔いそうな程の甘い香りが肺いっぱいに入ってくる。
「これは蜂の巣。蜂蜜はここから蜜だけを取ってるんだ。」
「凄い!何コレ!」
「ミカはここだと十六って事になってるから外では飲めないだろ?たまには二人で晩酌なんてどうかと思ってね。」
箱の中でキラキラと光る蜂蜜。甘い匂いが辺りに漂い光輝く『蜂の巣』は、オレから見て宝石より綺麗だ。ずっと目を輝かせるばかりで、言葉を失った。
「偶然見かけてね。お気に召したかな?」
「あぁ!」
「それは良かった。」
イオリはワインをグラスに注いだ。甘さを含んだ芳醇な香り。悪魔の国で飲んだものよりも自分好みの香りが鼻をくすぐる。
オレもイオリも甘い物が好きだから、こう言う時にとても嬉しい。同じ物を同じ時に同じように楽しめる、今までに過ごした事のない時間。
なんだか心臓が煩くなる。鼓動が段々と大きくなっても苦しくは無い。むしろ暖かいような……?感じた事のない不思議な感覚は、どうにもオレを虜にして来る。
この時間が、続けばいいのにな………。
なんてな。
「それにしても、イオリも酒は飲むんだな。」
「これが二回目だけどね。」
随分と少ないな……。イオリの世界で飲酒が許される歳が二十歳である事は後で知った。そして、しばらく雑談をしながらワインを嗜んでいた。
数十分経っただろうか。イオリは少し酔っているように見える。
蜂蜜もワインもクラッカーも美味しかったが、酔って少し脱力しているイオリを見れたと言う事が何気に嬉しい。飲んでる途中で「邪魔だな…」と言って眼鏡を外し、泣き黒子がある左側の前髪をサラリと耳にかけていた。表情が分かりやすいし、何より酔ってふわふわしているイオリの可愛い顔がよく見える。
「ミカ?俺の顔に何かついてる?」
「え?いや…。」
「はは、そんなに見られたら穴が開きそうだ。」
声もいつもと違う。いつもの色を含んだ大人な声もいいけど、今の少し幼く感じる甘い声もいいと思う。
イオリがオレを呼ぶ声は、どこか安心できて好きだ。
「イオリ…。もっと、オレの名前呼んで…?」
「ん?どうした、ミカ。」
疑問は持ちつつもお願いを聞いてくれた。本当に、イオリは優しい。優しいからこそ、もっと甘えたくなってしまう。ダメだと分かっているのに甘えたのは、オレも酔っているのだろうか。
「オレ、イオリに名前呼ばれるの好きだな。イオリがくれた名前も好き。」
「………俺のことは?」
「もちろん、大好きだよ。イオリはオレにとって大切な仲間だからな。」
「…………それだけ?」
オレは、最後の一言が分からなかった。「それだけ?」はどう言う事なのだろうか。
考えてももっと分からなくなっていくから、話題を変えることにした。何故か、そうした方がいいと思ったから。
オレはずっと疑問に思ってた事を聞いた。
「なぁ、何で今日飲もうと思ったんだ?今日はイオリのこと教えて貰おうと思ってたのにさ。」
そう、昨夜オレは『実戦経験が浅いのに何故あれほど動けるのか』をイオリに聞いていた。それに対してイオリは『明日の夜に話す』と答えていた。
酒を飲んで眠るタイプでは無いようだが、何か理由があるように感じた。
「…だからだよ。俺がこの世界に来てちゃんと戦えてる自負はある。そして、何でかの目処もついてる。それを説明するってなると必然的に俺の過去を一部話す事になるから…。素面だとなんか恥ずかしくて。」
一体なんだろうか。オレもイオリの過去は気になる。綺麗な顔を隠す理由も、強い理由も、賢い理由も、何もかも。
普通なんてものが分からないオレが思える事では無いかも知れないけど、それでもイオリは人間にしては頭一つ飛び抜けて見える。
「イオリ、オレはお前の事がもっと知りたい。イオリが言える範囲で良いから教えて欲しい。何を感じて、どう過ごして来たのか。」
「……ああ、いいよ。俺の過去のことを話そうか。」
イオリは、ゆっくりと語り出した。まるで一つの物語を読み聞かせるように。その時のイオリは、話す程に色々な表情を見せていた。
過去の事を思い出し、懐かしそうに。どの出来事も大切にしているような優しい顔で。イオリは、本当は感情豊かな人間だったんだ。
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