【完】悪女と呼ばれた悪役令息〜身代わりの花嫁〜

輝石玲

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キャラクターエピソード

Episode.ラシル

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私は上手く笑えません
と言うより、感情が表情に出にくいらしいです
何故かはわかりませんが
ですが、それはなんだかんだ役立ちます
例えば…誰にも悟られずに我が主の眠る神殿に様子見に行くとか
たまに休暇を頂いてはアイリスの元へと行く
10年以上続いていた事です

私は昔から姿と身分を偽りアイリスの側に居ました
公爵婦人からカメリアの耳飾りを預かったのも私です
それをアイリスに着けたのも
全て、分かりにくい表情のお陰で信用を得れていました



ですが、アイリスは…私の感情によく気付いていました
何も言わなくとも察し、適した答えを渡してくれる
思えば、私は彼女のことがずっと好きです
彼女に恋人が出来た今でさえ
それはアイリス本人は気付いていません
自身に対する好意に疎い彼女らしいです



ある日、私の半身であるユグドに聞きました

「グド、お前は自分の主人をどう見てますか?」
「えぇっと…どうって、何が?」
「関係性です」

自身の主であるカメリアに口付けも性的接触もしたことあるなら、私と同じ…なのでしょうか
グドは何故かニヤニヤと笑い出しました
何故?

「ナルホド、ジルってばアイリスのこと好きなんだ?」

……本当に何故?
私の感情に人一倍敏感なアイリスですら気付いていないことですよ?

「俺にとってのカメリアは絶対で唯一。何が何でも側にいる。じゃ無いと気が済まない。じゃ無いと…俺の存在に価値が無い。そんなとこ?」
「重症ですね」

重い……
そんな風に見てたんですか
それ、よくカメリアに気付かれませんね

「ジル、一つ忠告だ。多分お前のそれは恋なんてモンじゃない」
「は?」
「ただ、主という存在に依存してるだけだ。俺達は…最初から主しか眼中に無いからな」

たまに、グドが真っ直ぐな目で見てくる時があります
それはまるで、全てを理解しているような目と言葉
私はその時のグドに逆らえない

「ジル、お前も主に恋人が出来て寂しいんだろ?」
「それは……」


言葉を濁すと、グドは何故か私に口付けを………
あぁ、そうか……私達は…………同じなんですね
私達は2人で一つ
半分だけの1人では空いてしまう

「俺達は2人で一つ。ただの自慰とでも思ってろ」

足りない半分を補い、一瞬だけ満たすだけの行為
ほんの僅かでも寂しさが…苦しさが紛れる
同じ顔に同じ体温
でも、それで良い
元から私達は、1人で存在し続けられるものではありませんから
『主人』の為の空の半分が空いて仕舞えば、私達で満たし合うだけ
なんと虚しい行為
グド、ユグド、もう1人の私
記憶までも共有出来れば…その苦悩を理解してあげられましたか?
きっとこんな行為では、私はお前を満たせない


ユグドラシル
2人で一つ
なら何故…最初から1人にしなかったのでしょうか
常に、寂しいのです
私達は………
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感想 8

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みんなの感想(8件)

あーる。(Kaname)

完結おめでとうございます🎉
なんと…完結から3ヶ月も過ぎてからのコメントで申し訳無いです😭
最近アルファポリスでお気に入りの作品を片っ端から読み直していまして、また読ませていただきました!パズルのピースがカチッと綺麗にハマったように終わっていて「完結だァァァ」と実感しました(?)(←語彙力皆無…) 本当に良かったです😭✨
他の作品も楽しく読ませていただいてます!これからも応援しております!

解除
あーる。(Kaname)

お久しぶりです(´°v°)/!
2日連続更新ありがとうございます!
これからどうなっていくのか…展開がとても楽しみです!!(*´艸`)
かぢぃさんのペースで頑張ってください( ^ω^)♬.*゚

解除
狐
2023.08.07

とても最高な作品ありがとうございます🥺
とても幸せな気分です…!!!
これからも続き楽しみにしております!!
最近は暑いのでお体に気をつけてくださいね☺️

解除

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