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新しい生活
113話 方向音痴
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グドは玄関でささっと着替えてから部屋に入った
部屋に入ってディンを見たグドは、やっぱりそのサイズ感に驚いていた
「ミリーが拾ったっていうからどんな奴かと思ったら、思ってた以上にでっかいなー」
「ははっ…、俺はディン。邪魔させて貰っている」
「おう、俺はグドだ。いきなりでごめんだけどさ、その包帯はどうしたんだ?」
本当にいきなりだなぁ…
でも、確かにさっき見た治りかけの傷は何があったのか気になりはする
「これか?最近ヘマをしてな、もうほとんど塞がってるさ」
「ふぅん…、痛くないならいいと思うけど」
細かいことは教えようとしないか…
何か仕事でできた傷ってこと?
一般兵って確か警備とか獣退治とかしてるんだっけ
この辺に獣はいないし、警備が必要な場所でもない
森に住んでる僕達の調査か、ただの迷子ってところかな
「ところで聞きたいんだが…ここはどこだ?」
「え、もしかして迷子?」
「まぁな…。ラディクス王国に向かってる途中でコンパスを落としたみたいで、ずっと彷徨っていてな」
……はい?
ラディクス王国に向かってた?
こっち、全然逆方向だよ?
それを聞いたグドは大爆笑し始めた
「おまっ、うっそだろぉ!?あーっはっはっ!」
「グド、笑いすぎ。ここはラディクス王国から正反対だよ?シソーラスの最端、全然ど田舎」
「正反対…まじか……」
逆にどうすればこんなに方向を間違えられるんだろう
この国の地理に疎いのだろうか
……僕以上に?
流石にそれは無いだろう
やっぱり治りかけの傷で弱ってたからかもしれない
体温の低さも貧血が関わっておかしくないくらいだし
「まぁ、とりあえず体力が回復するまでは休んでて。あと傷がちゃんと塞がるまで。そんなボロボロで外に出したらまた倒れるかもしれない」
「ははっ、悪いな。それじゃあしばらく世話になる」
そうして、新しい生活に人ひとり増えた
短い間だけど上手く共同生活できればいいな
なんて思ってるけど、グドは不服そうだ
明らかに不機嫌そうな顔をしている
「えー、それじゃ2人っきりの時間無くなるじゃーん」
「文句言わない。怪我人放り出す方が良く無いでしょ?」
不機嫌の理由はそれか…
2人っきりにこだわる必要もないと思うんだけどな
って言っても、確かにグドにも負担は増える
金銭的な余裕は……減らないと思うな?
割と自給自足だし、自分たちで用意できない物だけ買ってるから貯金はある
日中は町にいるグドにはそこまで影響はないはず
「えっとすまないが…2人はどういう関係だ?」
「どういう…って言ってもな……」
「俺はこいつの道具♡」
「グド…語弊がありすぎる言い方は止めて。ディンも間に受けないで!」
若干引いてるんだけど
でも確かに僕達はどういう関係なんだろう
主従にしては対等
でも付き合ってるわけでも無いし、友達にしては近すぎる
家族…なら余計に体を許したりしないし
グドは僕のための存在で、僕はグドの命
その関係をなんて言うんだろう
ただ確かなことは、互いが互いに依存してること
それだけだ
部屋に入ってディンを見たグドは、やっぱりそのサイズ感に驚いていた
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若干引いてるんだけど
でも確かに僕達はどういう関係なんだろう
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でも付き合ってるわけでも無いし、友達にしては近すぎる
家族…なら余計に体を許したりしないし
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それだけだ
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