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新しい生活
109話 慣れ始め
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城を出てから一年近く経った
僕とグドはラディクス王国から遠く離れた森で暮らしている
罪人たちに罰を与えたあの日、『僕はここにいてはいけない』という衝動に駆られてノープランで城を飛び出した
何も持たずに飛び出したせいで、最初は衣食住も金銭面も確保できずにいた
辺境の地で簡単なアルバイトをしてみたり、手に入れたものを売ったりして最低限は賄って来たけど、暫くは野宿をせざるを得なかった
それでも今は森の小さな家に住んでいる
幸運なことがあったのだ
人目の無いところでは飛んで移動していたから1ヶ月くらいでかなり国から離れることが出来た
オッドアイは目立つから片目を隠しての移動になって視野が狭かったけど、それでも周りを警戒しながら安全に移動できたと思う
そんな中、とある森の深くで老夫婦に出会った
年齢的に街で身内に面倒を見てもらうことになったというその老夫婦は、もう住まないからと森にある小さな家を譲ってくれた
設備もしっかりしてて綺麗だし、近くには綺麗な川があるから体を洗うこともできる
今はそこが安住の地となっている
こればかりは本当に幸運だったとしか言えない
今ではここでの生活にも慣れた
グドが町まで行って稼いでいる間に僕は家のことを片付けたり買い物に出たり、あとは小動物を狩ったりしている
ドライアド戦で砕けた剣は修復に時間がかかるらしい
完全に直るまでは普通のナイフを使って狩をしている
野鹿や野うさぎ、よくわからない獣
色んな動物を狩ってきたけど、人間を殺すよりは心が痛まないから苦労しない
それにしても一年でだいぶ髪が伸びた
僕はもう一度髪を伸ばすことにした
ずっと長かったからだろうか、短いとどうにも落ち着かない
手入れは大変だけど、そこはもう諦めた
動く時だけ手間がかかるけどポニーテールにしている
グドは町で配達員をしているらしい
身軽で体力もあるからグドに合ってるようだ
もちろんグドの容姿は目立つから変装(?)はしている
銀髪を金髪に変えて、青い右目を眼帯で隠している
活発で明るいグドはそっちの方が似合ってると僕は思う
緑の瞳は僕よりグドの方が似合ってるかも
…僕の髪の毛の色が違ったら青い瞳も似合ったかな
城を飛び出したあの日から色々と変わった
今までとは全然違う暮らし
僕は貴族でも神子でもない身分になって、グドは人間と大差ない暮らしをしている
僕達に人と違う能力がある以上は一般に溶け込めない部分もある
人間の暮らしをしていてもグドは妖精で、神子としての役目を終えた僕も運動神経は並外れたまま
それでもこの暮らしが『普通』であると、とても平和に思える
それでも、何か足りないと思ってしまうのは何故だろうか
僕とグドはラディクス王国から遠く離れた森で暮らしている
罪人たちに罰を与えたあの日、『僕はここにいてはいけない』という衝動に駆られてノープランで城を飛び出した
何も持たずに飛び出したせいで、最初は衣食住も金銭面も確保できずにいた
辺境の地で簡単なアルバイトをしてみたり、手に入れたものを売ったりして最低限は賄って来たけど、暫くは野宿をせざるを得なかった
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幸運なことがあったのだ
人目の無いところでは飛んで移動していたから1ヶ月くらいでかなり国から離れることが出来た
オッドアイは目立つから片目を隠しての移動になって視野が狭かったけど、それでも周りを警戒しながら安全に移動できたと思う
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手入れは大変だけど、そこはもう諦めた
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もちろんグドの容姿は目立つから変装(?)はしている
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僕達に人と違う能力がある以上は一般に溶け込めない部分もある
人間の暮らしをしていてもグドは妖精で、神子としての役目を終えた僕も運動神経は並外れたまま
それでもこの暮らしが『普通』であると、とても平和に思える
それでも、何か足りないと思ってしまうのは何故だろうか
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