109 / 161
役目を終えて
107話 最恐の罰
しおりを挟む
ハルとローズに今できることは全てやった
後は一人だけ
実父であるプラント元公爵
奴に与える罰は考えるまでもない
慈悲も無い
「久しぶり、父様」
「貴様らか。ふん、今の気分はさぞ愉快だろうな」
「不愉快極まりないけど。まぁいい、エリー、悪いけど部屋に戻っていてくれる?いい思いはしないだろうから」
「え、あ、わかった……」
エリーを強制的に払った
ハルやローズに下したかった罰は、たった一人こいつにしか出来ない
近くにいた兵士を呼び、鍵を開けてもらった
牢の鍵が開いたところで、手足は拘束されていて外には出れない
「ありがとう。それと、これを借りるよ」
鍵を開けた兵士から剣を拝借した
許可は取らずに勝手に取ったけど、今はそんな余裕も無い
「殺す気か?実父を?」
「あぁ、まさか殺されないと思っていた訳じゃ無いだろうな?」
「貴様に親殺しの責に耐え得る精神があるとは思わんがな」
耐える?
冗談にしては笑えない
エリーにはさせたく無いし、他の誰でも無い僕が殺したいんだ
僕はあまりにも愚かな目の前の男に嗤うしか無い
「僕を誰だと思ってる。お前の息子なんだ、この程度に抵抗なんて微塵も無い」
「そうか?それでも私は実の子を手にかけられんが?」
「冗談キツイな。もうその煩い口を閉じてもらおうか」
僕は目の前にいる父だった男の両足を斬った
この程度は致命傷にもならないだろう
それにしても…この程度で態度が変わりすぎだ
痛みに全く慣れていないのだろう
……この程度で悲鳴を上げるなんて
「どうした?この程度でみっともない」
「貴様ッ…!何がこの程度だ!」
「まぁ、確かに鞭打ちされた方が痛くは無いよな。でもお前には僕以上の苦痛を与える。じゃ無いと僕の気が済まない」
次に右肩を刺した
その次は左肩
そして手のひら、足の甲を串刺しに
それ以上は何も考えずに斬りつけていた
数分で満身創痍の男は既に精神崩壊していた
何度も繰り返し「殺してくれ」と呟いている
まだ、まだ殺さない
肩にある傷を足蹴にして、既に焦点の合わない目を見た
「今、どんな気分?」
「殺してくれ……」
「答えてよ、どんな気分?痛い?苦しい?」
「殺してくれ……」
ダメだ
もう会話も出来ない
ならいいや
僕はポケットから小さな箱を出した
中から小瓶を取り出して男に見せた
「これ、何かわかる?お前が僕に渡した毒薬。アズから少し貰っておいたんだよね。使い道は教えて無いんだけどさ」
「っ……!それ、だけは…やめろ……!やめてくれ………!」
反応を見る限りやっぱり相当危険な毒だったんだ
ちなみに遅効性って聞いてたけどそれはどうも嘘らしい
アズが調べた時に即効性だってことはわかってる
でも、どれほどの物かは知らない
だから実験台になってもらおう
「ほら、飲んで」
「やめ……やめろ!」
「ほら」
小瓶の中身を無理矢理押し付けて飲ませた
すると男は乾いた悲鳴をあげた
全ての傷が焼け爛れ、あっという間に灰になり、その場には骨と灰と衣服が残った
こんな物が戦争に使われていたらなんて考えるとゾッとする
ドライアドが全然可愛く見えるレベルだ
刃についた血を拭って剣を返した
そして僕には二つ名がついた
『最恐の神子』と
周りに誰もいない事を確認した後
僕はグドに告げた
「今すぐここを発とう」
後は一人だけ
実父であるプラント元公爵
奴に与える罰は考えるまでもない
慈悲も無い
「久しぶり、父様」
「貴様らか。ふん、今の気分はさぞ愉快だろうな」
「不愉快極まりないけど。まぁいい、エリー、悪いけど部屋に戻っていてくれる?いい思いはしないだろうから」
「え、あ、わかった……」
エリーを強制的に払った
ハルやローズに下したかった罰は、たった一人こいつにしか出来ない
近くにいた兵士を呼び、鍵を開けてもらった
牢の鍵が開いたところで、手足は拘束されていて外には出れない
「ありがとう。それと、これを借りるよ」
鍵を開けた兵士から剣を拝借した
許可は取らずに勝手に取ったけど、今はそんな余裕も無い
「殺す気か?実父を?」
「あぁ、まさか殺されないと思っていた訳じゃ無いだろうな?」
「貴様に親殺しの責に耐え得る精神があるとは思わんがな」
耐える?
冗談にしては笑えない
エリーにはさせたく無いし、他の誰でも無い僕が殺したいんだ
僕はあまりにも愚かな目の前の男に嗤うしか無い
「僕を誰だと思ってる。お前の息子なんだ、この程度に抵抗なんて微塵も無い」
「そうか?それでも私は実の子を手にかけられんが?」
「冗談キツイな。もうその煩い口を閉じてもらおうか」
僕は目の前にいる父だった男の両足を斬った
この程度は致命傷にもならないだろう
それにしても…この程度で態度が変わりすぎだ
痛みに全く慣れていないのだろう
……この程度で悲鳴を上げるなんて
「どうした?この程度でみっともない」
「貴様ッ…!何がこの程度だ!」
「まぁ、確かに鞭打ちされた方が痛くは無いよな。でもお前には僕以上の苦痛を与える。じゃ無いと僕の気が済まない」
次に右肩を刺した
その次は左肩
そして手のひら、足の甲を串刺しに
それ以上は何も考えずに斬りつけていた
数分で満身創痍の男は既に精神崩壊していた
何度も繰り返し「殺してくれ」と呟いている
まだ、まだ殺さない
肩にある傷を足蹴にして、既に焦点の合わない目を見た
「今、どんな気分?」
「殺してくれ……」
「答えてよ、どんな気分?痛い?苦しい?」
「殺してくれ……」
ダメだ
もう会話も出来ない
ならいいや
僕はポケットから小さな箱を出した
中から小瓶を取り出して男に見せた
「これ、何かわかる?お前が僕に渡した毒薬。アズから少し貰っておいたんだよね。使い道は教えて無いんだけどさ」
「っ……!それ、だけは…やめろ……!やめてくれ………!」
反応を見る限りやっぱり相当危険な毒だったんだ
ちなみに遅効性って聞いてたけどそれはどうも嘘らしい
アズが調べた時に即効性だってことはわかってる
でも、どれほどの物かは知らない
だから実験台になってもらおう
「ほら、飲んで」
「やめ……やめろ!」
「ほら」
小瓶の中身を無理矢理押し付けて飲ませた
すると男は乾いた悲鳴をあげた
全ての傷が焼け爛れ、あっという間に灰になり、その場には骨と灰と衣服が残った
こんな物が戦争に使われていたらなんて考えるとゾッとする
ドライアドが全然可愛く見えるレベルだ
刃についた血を拭って剣を返した
そして僕には二つ名がついた
『最恐の神子』と
周りに誰もいない事を確認した後
僕はグドに告げた
「今すぐここを発とう」
11
お気に入りに追加
358
あなたにおすすめの小説

本当に悪役なんですか?
メカラウロ子
BL
気づいたら乙女ゲームのモブに転生していた主人公は悪役の取り巻きとしてモブらしからぬ行動を取ってしまう。
状況が掴めないまま戸惑う主人公に、悪役令息のアルフレッドが意外な行動を取ってきて…
ムーンライトノベルズ にも掲載中です。

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

乙女ゲームのサポートメガネキャラに転生しました
西楓
BL
乙女ゲームのサポートキャラとして転生した俺は、ヒロインと攻略対象を無事くっつけることが出来るだろうか。どうやらヒロインの様子が違うような。距離の近いヒロインに徐々に不信感を抱く攻略対象。何故か攻略対象が接近してきて…
ほのほのです。
※有難いことに別サイトでその後の話をご希望されました(嬉しい😆)ので追加いたしました。

【完結】俺はずっと、おまえのお嫁さんになりたかったんだ。
ペガサスサクラ
BL
※あらすじ、後半の内容にやや二章のネタバレを含みます。
幼なじみの悠也に、恋心を抱くことに罪悪感を持ち続ける楓。
逃げるように東京の大学に行き、田舎故郷に二度と帰るつもりもなかったが、大学三年の夏休みに母親からの電話をきっかけに帰省することになる。
見慣れた駅のホームには、悠也が待っていた。あの頃と変わらない無邪気な笑顔のままー。
何年もずっと連絡をとらずにいた自分を笑って許す悠也に、楓は戸惑いながらも、そばにいたい、という気持ちを抑えられず一緒に過ごすようになる。もう少し今だけ、この夏が終わったら今度こそ悠也のもとを去るのだと言い聞かせながら。
しかしある夜、悠也が、「ずっと親友だ」と自分に無邪気に伝えてくることに耐えきれなくなった楓は…。
お互いを大切に思いながらも、「すき」の色が違うこととうまく向き合えない、不器用な少年二人の物語。
主人公楓目線の、片思いBL。
プラトニックラブ。
いいね、感想大変励みになっています!読んでくださって本当にありがとうございます。
2024.11.27 無事本編完結しました。感謝。
最終章投稿後、第四章 3.5話を追記しています。
(この回は箸休めのようなものなので、読まなくても次の章に差し支えはないです。)
番外編は、2人の高校時代のお話。
【完結・ルート分岐あり】オメガ皇后の死に戻り〜二度と思い通りにはなりません〜
ivy
BL
魔術師の家門に生まれながら能力の発現が遅く家族から虐げられて暮らしていたオメガのアリス。
そんな彼を国王陛下であるルドルフが妻にと望み生活は一変する。
幸せになれると思っていたのに生まれた子供共々ルドルフに殺されたアリスは目が覚めると子供の頃に戻っていた。
もう二度と同じ轍は踏まない。
そう決心したアリスの戦いが始まる。
【完結】竜を愛する悪役令嬢と、転生従者の謀りゴト
しゃもじ
BL
貴族の間で婚約破棄が流行し、歪みに歪んだサンドレア王国。
飛竜騎士団率いる悪役令嬢のもとに従者として転生した主人公グレイの目的は、前世で成し遂げられなかったゲームクリア=大陸統治を目指すこと、そして敬愛するメルロロッティ嬢の幸せを成就すること。
前世の記憶『予知』のもと、目的達成のためグレイは奔走するが、メルロロッティ嬢の婚約破棄後、少しずつ歴史は歪曲しグレイの予知からズレはじめる……
*主人公の股緩め、登場キャラ貞操観念低め、性癖尖り目、ピュア成分低めです。苦手な方はご注意ください。
*他サイト様にも投稿している作品です。
悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる