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役目を果たす時

87話 これから行われること

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僕の知らないところで、僕が知らないうちに、僕にとっていい方向に向かっていると知った

ハルを罰する権利

こんなにいい物を貰うことができた
でも、それでもまだ足りない
まだ、あと2人………
実父であるプラント公爵、田辺華乃が憑依したローズ
命まで欲しいとは思わない
それでも僕は欲しい
奴らに、地獄を与えて欲しい
僕が与えたって構わない
どの道ローズは殺す
それが神子の役目の一つだから
でも、そうじゃなくても殺す
あいつは、あいつだけはとにかく関わりたくない
公爵は……馬鹿みたいに高いプライドを粉々にしたいな

なんだかやけに冷静なのは、グドの意識が繋がっているからだろう
僕のためならなんでもする、盲目的で容赦無い部分が僕にも入り込んでくる
僕は僕のためになんでもする
僕の大切な人はそれを望んでいる
だからそうする
……今の僕は、壊れて見えるだろうか


「さて2人とも、これから何が起こるかは知っているだろう」
「いえ知りません」
「これから速やかに準備を………む?知らない?」

知らないよ
だってずっと教えてくれなかったんだもん
しかも意図的に隠されてた

「もう教えてもいいか」
「エリー……」
「わ、悪かったって…。でも、教えたらお前が落ち着かないかと思ってな。……で、だ。今日これから行われることは『貴族裁判』で、反王室派の過激派と神子を殺した2人に罰が言い渡されるんだ」

……反王室過激派、神子を殺した2人
それってまさか……
………
本当に驚いた
もしかして、僕が嫌いな3人が裁かれるかもしれない?
いや、まだそうと決まったわけじゃない
落ち着いて、ちゃんと話を聞かないと

「それって……」
「お前が考えてることだ。な?知ったら落ち着かなくなるだろ?」

まさか本当に、公爵とローズとハルの3人が……
なるほど、エリーの考えは正しかった
こんなことを知って落ち着けるわけがない
きっと早くに知っていたら、他のことなんて身に付かなかっただろう
あ、でも………

「でも、プラント公爵はずる賢い。証拠は残ってなさそうだよ?」
「それがだな…どこからか、いつの間にやらアスフォデルが証拠を集めていたのだよ。裏取引の書類に不正の証拠、挙げ句の果てには人の出入りまで……」

なんでそこまで?
そんなにたくさんの情報を入手出来たことにも驚くけど、そこまで集めた理由が分からない
人の出入りの情報がどんなものかは分からないけど、でも公爵は他人を屋敷に入れることは滅多に無かった
誰かに会うときは別の場所で会ってたし、必要ない情報の気がする

なぜ、アズがそこまで公爵を調べていたのか
その理由はいずれ知ることになる
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