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役目を果たす時
86話 気付いた人達
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話しは驚く程スムーズに進み、罪人の処罰に関することをあっという間に書類に残した
陛下曰く、
「もともとハルジオンから王位継承権を剥奪する準備は進めていた。次の王位継承者の準備とハルジオンを推す者達との交渉に時間を取られてしまったがな。それでもある程度は穏便に済むだろう」
しっかりとした教育を受けた次の継承者
急激な変更による反乱
それらの問題を解決するために長い時間をかけていた
準備を始めたのは僕が嫁いで来た後だから急ぎ足ではあったけど、ちゃんと準備はできたらしい
……僕が嫁いでから?
なんでそんな微妙なタイミングで?
ただの偶然だろうか……
「それにしても、一年近く見ないうちに立派に成長したようだな。カメリア殿」
「そうですね。僕自身も驚いて……一年近く?」
僕とエリーの立場は反転してた
一年前は僕がアイリスでエリーが死んだカメリア
でも約一年前はエリーが目覚めて僕がローズに殺されて……
「陛下、まさか僕とエリー…アイリスが入れ替わってたこと知って………」
「最初から気づいておったとも」
えぇ……
よく婚約をそのままにしたな……
もし本当にハルが初夜を過ごそうとしてたら終わりだったのに
っていうか、そもそも僕が嫁いだのは暗殺者としてだったんだけど?
どうやら陛下はそれも気付いてたらしい
そして当時は僕がハルに対して殺意が無かったことも
……うん、だからなんで結婚をそのまま進めたの?
「へぇ、さっすが年の功」
「やかましいわ」
「エリー……」
双子の入れ替わりや暗殺、挙げ句の果てには僕の考えを見抜いた陛下も凄いけど、陛下に軽いノリで『年の功』って言ったエリーに全部持って行かれた
失礼の無いようにって自分で言ってなかったっけ?
「……実はな、此度のことを一番最初に知ったのは第二王子であるアスフォデルだったのだよ。私は双子の立場が変わっていることしか気付けなかった。裏でアスフォデルとフリージアが調べ、私に報告した事で詳細を知ったのだ。12年前の事故も、2年前の刺客も、1年前の聖女殺害未遂も、その他も全てアスフォデルが率先して真実を追い求めたこと」
アズが…調べてくれてたんだ
リージュがなんで知ってるのかは分からないけど、二人ともこんなに僕に協力してくれてたんだ
その目的がなんであれ、すごく嬉しい
全てを明るみにできるんだから
あまりにも上手く流れ過ぎて、まるでここが僕のために用意された、僕が主人公の舞台だと錯覚する
ならば成功させよう
何もかも、奪われるのはもうごめんだ
「……直接お礼が言いたかったけど、それはまたいつかかな」
「ミリー、他の王子にもバレてたのか」
「そうみたい。アズ様は会ってすぐにバレたのは知ってるけど、リージュ様はなんで知ってたんだろう」
どっかで気付かれてた?
でもそんな素振りは無かった
もしかして、知った上で変わらずに接してくれていた?
……分からないけど、それでも確かにリージュも恩人で大切な人だ
リージュが強引に剣を習わせようとしなかったら、もしかしたら僕は剣を握らなかったかも知れないから
全て終わったら、あの2人にちゃんとお礼を言わないとね
陛下曰く、
「もともとハルジオンから王位継承権を剥奪する準備は進めていた。次の王位継承者の準備とハルジオンを推す者達との交渉に時間を取られてしまったがな。それでもある程度は穏便に済むだろう」
しっかりとした教育を受けた次の継承者
急激な変更による反乱
それらの問題を解決するために長い時間をかけていた
準備を始めたのは僕が嫁いで来た後だから急ぎ足ではあったけど、ちゃんと準備はできたらしい
……僕が嫁いでから?
なんでそんな微妙なタイミングで?
ただの偶然だろうか……
「それにしても、一年近く見ないうちに立派に成長したようだな。カメリア殿」
「そうですね。僕自身も驚いて……一年近く?」
僕とエリーの立場は反転してた
一年前は僕がアイリスでエリーが死んだカメリア
でも約一年前はエリーが目覚めて僕がローズに殺されて……
「陛下、まさか僕とエリー…アイリスが入れ替わってたこと知って………」
「最初から気づいておったとも」
えぇ……
よく婚約をそのままにしたな……
もし本当にハルが初夜を過ごそうとしてたら終わりだったのに
っていうか、そもそも僕が嫁いだのは暗殺者としてだったんだけど?
どうやら陛下はそれも気付いてたらしい
そして当時は僕がハルに対して殺意が無かったことも
……うん、だからなんで結婚をそのまま進めたの?
「へぇ、さっすが年の功」
「やかましいわ」
「エリー……」
双子の入れ替わりや暗殺、挙げ句の果てには僕の考えを見抜いた陛下も凄いけど、陛下に軽いノリで『年の功』って言ったエリーに全部持って行かれた
失礼の無いようにって自分で言ってなかったっけ?
「……実はな、此度のことを一番最初に知ったのは第二王子であるアスフォデルだったのだよ。私は双子の立場が変わっていることしか気付けなかった。裏でアスフォデルとフリージアが調べ、私に報告した事で詳細を知ったのだ。12年前の事故も、2年前の刺客も、1年前の聖女殺害未遂も、その他も全てアスフォデルが率先して真実を追い求めたこと」
アズが…調べてくれてたんだ
リージュがなんで知ってるのかは分からないけど、二人ともこんなに僕に協力してくれてたんだ
その目的がなんであれ、すごく嬉しい
全てを明るみにできるんだから
あまりにも上手く流れ過ぎて、まるでここが僕のために用意された、僕が主人公の舞台だと錯覚する
ならば成功させよう
何もかも、奪われるのはもうごめんだ
「……直接お礼が言いたかったけど、それはまたいつかかな」
「ミリー、他の王子にもバレてたのか」
「そうみたい。アズ様は会ってすぐにバレたのは知ってるけど、リージュ様はなんで知ってたんだろう」
どっかで気付かれてた?
でもそんな素振りは無かった
もしかして、知った上で変わらずに接してくれていた?
……分からないけど、それでも確かにリージュも恩人で大切な人だ
リージュが強引に剣を習わせようとしなかったら、もしかしたら僕は剣を握らなかったかも知れないから
全て終わったら、あの2人にちゃんとお礼を言わないとね
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