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転生した意味
77話 2人の妖精 (アズ)
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姉上が…カメリアが死んだ時、私は何も出来なかった
防護魔法に異変を感じ、騒ぎに駆けつけた時には既に事切れていた
私が聖女の部屋に着き、その状況に唖然とする中風の様に突如現れたのはグドだった
カメリアの亡骸を他の誰にも触れさせない様に奪い取り、今にもその場にいる全員を皆殺しにしそうな、恐ろしい殺気を放つ姿に誰も逆らおうとはしない
もちろん私も、兄上も
彼は何かを…恐らく、本当に皆殺しにしようとしたのだろう
足元に大きな魔法陣が広がった
「やめなさい」
グドを止めたのはカメリアの唯一のメイドであるジル
どこからか現れ、グドの出した魔法陣を一瞬で乗っ取った
でもおかしい
彼女の髪と瞳は灰色だったはず
なのに、今は聖女と同じ…銀髪に青い瞳だ
彼女が何かを耳打ちすると、グドはカメリアを抱えて窓からどこかへと逃げた
そこでようやく呆然としていた兄上が声を上げた
「お前は…アイリスのメイドだな?」
「ええ、そうです」
「これは国を敵に回す事だと分かってあの2人を逃したのか!?」
怒鳴る兄上とは反対に、ジルは冷静だった
いや、冷静というか…冷徹というか…王太子に絶対零度の眼差しを向けている
表情はいつも通り変わりないが、怒っていると嫌でも察してしまう
「貴方は私の主人ではありません。それに、これは陛下の命でもありますが?」
「聖女を殺そうとした罪人を逃すことが陛下の命と言うのか?」
「……はぁ、はっきり言って面倒です。そのうち分かりますから、その時までどうぞ愚行を重ねていてください」
グドに負けず劣らずの圧で兄上を黙らせ、彼女も窓からどこかへと向かった
……3階の窓から
普通のメイドがこの高さから飛び降りれるだろうか?
グドは妖精だから分かる
そうだ、妖精…グドとジルは同じ髪と瞳だ
本来ならそれは聖女の証とされてる
…………なんで気付かなかったんだろうか
例え雰囲気が正反対と言えど、よく見れば2人はそっくりだ
特に、さっきの怒った顔は重なる部分がいくつもある
先程の状況から考えたら、彼女も『妖精』では無いのだろうか?
カメリアのそばに妖精が2人
もしかしたら、国を敵に回すよりも大ごとかもしれない
それこそ世界を敵に回す様な……
いや、ここまでくればただの妄想だ
本当に彼女が妖精なのか、そしてこの世界において妖精はどんな立ち位置なのか
それを調べたとしても見つからないだろう
でも、御伽噺でもなんでもいいから調べよう
何かを考え続けないと、彼の死を実感して苦しくなってしまいそうだ
手の甲の印が残ってる事
カメリアとの契約が続行されてること
私がそれに気付くのはまだもう少し後だった
防護魔法に異変を感じ、騒ぎに駆けつけた時には既に事切れていた
私が聖女の部屋に着き、その状況に唖然とする中風の様に突如現れたのはグドだった
カメリアの亡骸を他の誰にも触れさせない様に奪い取り、今にもその場にいる全員を皆殺しにしそうな、恐ろしい殺気を放つ姿に誰も逆らおうとはしない
もちろん私も、兄上も
彼は何かを…恐らく、本当に皆殺しにしようとしたのだろう
足元に大きな魔法陣が広がった
「やめなさい」
グドを止めたのはカメリアの唯一のメイドであるジル
どこからか現れ、グドの出した魔法陣を一瞬で乗っ取った
でもおかしい
彼女の髪と瞳は灰色だったはず
なのに、今は聖女と同じ…銀髪に青い瞳だ
彼女が何かを耳打ちすると、グドはカメリアを抱えて窓からどこかへと逃げた
そこでようやく呆然としていた兄上が声を上げた
「お前は…アイリスのメイドだな?」
「ええ、そうです」
「これは国を敵に回す事だと分かってあの2人を逃したのか!?」
怒鳴る兄上とは反対に、ジルは冷静だった
いや、冷静というか…冷徹というか…王太子に絶対零度の眼差しを向けている
表情はいつも通り変わりないが、怒っていると嫌でも察してしまう
「貴方は私の主人ではありません。それに、これは陛下の命でもありますが?」
「聖女を殺そうとした罪人を逃すことが陛下の命と言うのか?」
「……はぁ、はっきり言って面倒です。そのうち分かりますから、その時までどうぞ愚行を重ねていてください」
グドに負けず劣らずの圧で兄上を黙らせ、彼女も窓からどこかへと向かった
……3階の窓から
普通のメイドがこの高さから飛び降りれるだろうか?
グドは妖精だから分かる
そうだ、妖精…グドとジルは同じ髪と瞳だ
本来ならそれは聖女の証とされてる
…………なんで気付かなかったんだろうか
例え雰囲気が正反対と言えど、よく見れば2人はそっくりだ
特に、さっきの怒った顔は重なる部分がいくつもある
先程の状況から考えたら、彼女も『妖精』では無いのだろうか?
カメリアのそばに妖精が2人
もしかしたら、国を敵に回すよりも大ごとかもしれない
それこそ世界を敵に回す様な……
いや、ここまでくればただの妄想だ
本当に彼女が妖精なのか、そしてこの世界において妖精はどんな立ち位置なのか
それを調べたとしても見つからないだろう
でも、御伽噺でもなんでもいいから調べよう
何かを考え続けないと、彼の死を実感して苦しくなってしまいそうだ
手の甲の印が残ってる事
カメリアとの契約が続行されてること
私がそれに気付くのはまだもう少し後だった
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