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転生した意味
66話 呪いか、祝福か
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散髪が終わり、グドが切った髪の毛を片付けに部屋を出た
この部屋に鏡は無く、僕が眠ってた泉の水面は凪ぐことが無い
赤い剣を出して、その刃を鏡がわりにした
短い髪にオッドアイ、成長した体と顔立ち
美しく反射するその刃に、『王太子妃』だった頃の僕はいない
『この美しい刃を、憎い相手の血で染めたい』
そんな物騒なことを考える
一年前の自分が見たらどう思うかな
きっと、本当の悪役に見えるだろうな
でも僕は十分に思い知った
綺麗なまま生きるなんて出来ないことを、大嫌いな人達から学んだ
僕の全ての権利を奪ったプラント公爵
僕の大切な人達を殺したハルジオン
うまく立ち回り僕を悪役にしたローズ
いつか見た悪夢は、予知夢だったのかも知れない
無知で馬鹿な僕が『知る』ことで起こり得る未来
「せっかく生き延びたんだから、理想は叶えたいな」
「理想を叶えるのは大賛成だけど、生き延びたは否定するよ」
剣を鞘に収めながら呟くと、いつの間にか背後にグドがいた
生き延びたを否定ってなんだろう
ちゃんと心臓は動いてるけど…
「お前、死んだんだぞ?」
「………え?」
「ってゆーか、あの状態で死なないわけ無いだろ。それに生きてたらどっちみち城で殺されてる」
なら、なんで死んだのに心臓が動いてるんだろう
それに、こうやって普通じゃ無いかもだけど神殿で過ごして…
まさか、生き返ったとか?
それかゾンビになってるとか……では無いよね
「僕って死んでるの?」
「いや、死んだけど今は生きてる。……ちょっと違うか、今は生き返ってる途中だな。まだ内臓がいくつか動いてないんだよ」
「えぇ……」
割とグロい…
じゃあ、一回死んではいるんだ
ローズのせいとは言え、無理矢理体を操ったのは僕だから自業自得とも言える
……いや待って、なんで生き返られるの?
「グドって死者蘇生できるの?」
「ち・が・う!俺も神様じゃ無いんだから!」
「じゃあなんで……」
「質問ばっかだなぁ。お前が神子だって覚えてたらラクだったのに」
………え?
今、なんて言った?
僕が神子?
でも、僕にそんな力は無いのに
「僕が神子ってどういうこと?」
「……転生する時のこと、本当に何も覚えてないんだな。お前達は神子になる事を条件に転生したんだ。神子として妖精ドライアドの始末と、彼女に連れてこられた異世界人の処理をしないといけないんだよ。それが完了するまで……何度死んでも蘇る。それが最高神に与えられた呪いだ」
役目を果たすまで何度も蘇る呪い
どんなに苦しくても、言葉通り死ぬ程痛くても、蘇るんだ
神子は思ってるよりもいいものじゃ無い
そして、僕はローズとそのそばにいる妖精を殺すまで終わることが出来ない
………あれ、これって復讐を果たすにはいい能力じゃないかな?
この部屋に鏡は無く、僕が眠ってた泉の水面は凪ぐことが無い
赤い剣を出して、その刃を鏡がわりにした
短い髪にオッドアイ、成長した体と顔立ち
美しく反射するその刃に、『王太子妃』だった頃の僕はいない
『この美しい刃を、憎い相手の血で染めたい』
そんな物騒なことを考える
一年前の自分が見たらどう思うかな
きっと、本当の悪役に見えるだろうな
でも僕は十分に思い知った
綺麗なまま生きるなんて出来ないことを、大嫌いな人達から学んだ
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うまく立ち回り僕を悪役にしたローズ
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「せっかく生き延びたんだから、理想は叶えたいな」
「理想を叶えるのは大賛成だけど、生き延びたは否定するよ」
剣を鞘に収めながら呟くと、いつの間にか背後にグドがいた
生き延びたを否定ってなんだろう
ちゃんと心臓は動いてるけど…
「お前、死んだんだぞ?」
「………え?」
「ってゆーか、あの状態で死なないわけ無いだろ。それに生きてたらどっちみち城で殺されてる」
なら、なんで死んだのに心臓が動いてるんだろう
それに、こうやって普通じゃ無いかもだけど神殿で過ごして…
まさか、生き返ったとか?
それかゾンビになってるとか……では無いよね
「僕って死んでるの?」
「いや、死んだけど今は生きてる。……ちょっと違うか、今は生き返ってる途中だな。まだ内臓がいくつか動いてないんだよ」
「えぇ……」
割とグロい…
じゃあ、一回死んではいるんだ
ローズのせいとは言え、無理矢理体を操ったのは僕だから自業自得とも言える
……いや待って、なんで生き返られるの?
「グドって死者蘇生できるの?」
「ち・が・う!俺も神様じゃ無いんだから!」
「じゃあなんで……」
「質問ばっかだなぁ。お前が神子だって覚えてたらラクだったのに」
………え?
今、なんて言った?
僕が神子?
でも、僕にそんな力は無いのに
「僕が神子ってどういうこと?」
「……転生する時のこと、本当に何も覚えてないんだな。お前達は神子になる事を条件に転生したんだ。神子として妖精ドライアドの始末と、彼女に連れてこられた異世界人の処理をしないといけないんだよ。それが完了するまで……何度死んでも蘇る。それが最高神に与えられた呪いだ」
役目を果たすまで何度も蘇る呪い
どんなに苦しくても、言葉通り死ぬ程痛くても、蘇るんだ
神子は思ってるよりもいいものじゃ無い
そして、僕はローズとそのそばにいる妖精を殺すまで終わることが出来ない
………あれ、これって復讐を果たすにはいい能力じゃないかな?
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