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転生した意味
63話 良いも悪いも半分こ
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色々な不安が押し寄せる
憤怒、嫌悪、恐怖、孤独、不快、絶望、悲哀、負の感情に押し潰されそうだ
「グド……」
「うん」
「グド……っ!お願い、どこでもいいから触れて!」
「うん、大丈夫だよ。俺はここにいる」
僕を抱きしめたグドの体温が、鼓動が、呼吸の音が全てが今の僕を支えてる
グドの肩に顔を埋めて震えることしか出来ない
でも、それが今の僕の精一杯だ
「真っ暗で怖い?」
「怖い……」
「俺のこと、信じてる?」
「信じてる…」
「そか。……なぁカメリア、半分こしよっか」
半分こ…?
何を?
「俺はお前のための妖精、お前のための存在なんだ。だから、悪いの半分貰うからな」
「グド…?何、を……っ!?」
そう言ってグドは僕を浅い水に押し倒した
驚いて開いた口に、鉄の味が広がる
「んっ、んんっーーーー!?」
グドに口移しで血を飲まされてる……?
一滴も溢さないように隙間なく重なる唇
そして、喉をこじ開けるように深く入れられた舌
条件反射で閉じた瞼の隙間から少しずつ光が入って来ている
ようやく口が離れた時、そっと目を開けると
「俺が見える?」
「グド……その左目って………」
目の前にいるグドは、金髪でも少年の姿でも無い
銀髪に尖った耳、青と緑のオッドアイの青年だ
「目が2つあるのって、こう言う時のためだったのかもな!」
騎士団長だった頃とさほど変わらない、線の細い青年の姿
左目の鮮緑は確かに、僕の瞳と同じ色だ
交換ってまさか……
「左目を、僕と交換した……?」
「そぉだよ!片目だけだけどちゃんと見えてるだろ?」
そう、グドの言う通り
僕が見えるのは左目だけ
つまり……僕の左目は青くなってる?
「へへっ、おそろいみたいで結構いいかもな♪」
「それじゃあ、グドの左目は見えないんじゃ……!?」
「俺はそれでいいんだ。でも大丈夫、時間が経てば見えるようになるはずだからさ!」
目の交換
グドが『半分こ』したのは、グドの目に写る光だった
そして本人はそれを喜んでいる
盲目的な笑みを浮かべながら
『信じてる』の確認はグドの表に出してる感情のことだって、何となく気付いた
そっか、グドは目を交換して本当に嬉しいんだ
グドは本当に僕のために存在してるんだ
絶対に僕のそばにいるんだ
……なんだろう、凄く嬉しい
僕はグドと同じくらいに成長していた体で精一杯にグドを抱きしめた
「ありがとう、グド。おかげで僕からもグドを抱きしめられるね」
「っ!え、へへっ!」
何度もグドは僕を助けてくれた
希望も光もたくさんくれた
今のこの瞬間が、とても愛しい
そして僕はようやく気付いた
いつからか僕はグドに『依存』していたんだ、と
憤怒、嫌悪、恐怖、孤独、不快、絶望、悲哀、負の感情に押し潰されそうだ
「グド……」
「うん」
「グド……っ!お願い、どこでもいいから触れて!」
「うん、大丈夫だよ。俺はここにいる」
僕を抱きしめたグドの体温が、鼓動が、呼吸の音が全てが今の僕を支えてる
グドの肩に顔を埋めて震えることしか出来ない
でも、それが今の僕の精一杯だ
「真っ暗で怖い?」
「怖い……」
「俺のこと、信じてる?」
「信じてる…」
「そか。……なぁカメリア、半分こしよっか」
半分こ…?
何を?
「俺はお前のための妖精、お前のための存在なんだ。だから、悪いの半分貰うからな」
「グド…?何、を……っ!?」
そう言ってグドは僕を浅い水に押し倒した
驚いて開いた口に、鉄の味が広がる
「んっ、んんっーーーー!?」
グドに口移しで血を飲まされてる……?
一滴も溢さないように隙間なく重なる唇
そして、喉をこじ開けるように深く入れられた舌
条件反射で閉じた瞼の隙間から少しずつ光が入って来ている
ようやく口が離れた時、そっと目を開けると
「俺が見える?」
「グド……その左目って………」
目の前にいるグドは、金髪でも少年の姿でも無い
銀髪に尖った耳、青と緑のオッドアイの青年だ
「目が2つあるのって、こう言う時のためだったのかもな!」
騎士団長だった頃とさほど変わらない、線の細い青年の姿
左目の鮮緑は確かに、僕の瞳と同じ色だ
交換ってまさか……
「左目を、僕と交換した……?」
「そぉだよ!片目だけだけどちゃんと見えてるだろ?」
そう、グドの言う通り
僕が見えるのは左目だけ
つまり……僕の左目は青くなってる?
「へへっ、おそろいみたいで結構いいかもな♪」
「それじゃあ、グドの左目は見えないんじゃ……!?」
「俺はそれでいいんだ。でも大丈夫、時間が経てば見えるようになるはずだからさ!」
目の交換
グドが『半分こ』したのは、グドの目に写る光だった
そして本人はそれを喜んでいる
盲目的な笑みを浮かべながら
『信じてる』の確認はグドの表に出してる感情のことだって、何となく気付いた
そっか、グドは目を交換して本当に嬉しいんだ
グドは本当に僕のために存在してるんだ
絶対に僕のそばにいるんだ
……なんだろう、凄く嬉しい
僕はグドと同じくらいに成長していた体で精一杯にグドを抱きしめた
「ありがとう、グド。おかげで僕からもグドを抱きしめられるね」
「っ!え、へへっ!」
何度もグドは僕を助けてくれた
希望も光もたくさんくれた
今のこの瞬間が、とても愛しい
そして僕はようやく気付いた
いつからか僕はグドに『依存』していたんだ、と
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